しんげんまたいせん2009年10月31日 23時53分20秒

 昼からJRで静岡に出る。最近出来たラーメン屋で昼食。麺が乾麺のうどんの腰を強くしたような変わった麺だったが、あまりラーメンらしくないかも(笑)。その後、駿府公園方面に向かい、大道芸をいくつか鑑賞。
 本屋では、ララの12月号と「えほん もやしもん」の2冊目『いただきます』と秋田文庫版の『新幻魔大戦』など買う。あと、ワイン屋で頒布会のワインを引き取ったり、某ホテルでお惣菜を買ったりして帰宅。
 夕食はあるもの得適当に。
 いや、しかし、『新幻魔大戦』がちゃんとコミックス化されるのは、ブームの末期くらいに徳間のアニメージュコミックスから上下巻で出て以来なんじゃなかろうか。なんというか、いろいろと感慨深い。ブームが始まった頃、中学〜高校の頃は、『太陽風交点』事件のことも知らなかったが、SFマガジン連載の『新幻魔大戦』の原作小説版が徳間ノベルズから出たのがブームの前哨だったはずなので(まだブーム前だったので、たいした告知もなくひっそりと出た、という印象だった。読んだのは中学2〜3年くらいだったか……)、出版に際してはいろいろとどろどろしたものがあったんだろうなあ。ただまあ、一連のブームが終わった後でも、『新幻魔大戦』だけはいまでも好きだし、作品としても評価している。アニメージュコミックス版は、出版の頃には自分の読者としての熱が冷めてしまっていたことと、おそらくは徳間vs早川の関係とか、いろいろな事情もあったんだと思うが、「画」の質としてかなり残念な状態だったこともあって、結局買わないままになっていたんだけど、今回はその点、ほぼベストの状態で収録されていると思う。1970年代初頭の石森章太郎の繊細で艶っぽいペンタッチが堪能できる。原作の内容が内容だけに、残虐、グロテスクなシーンも濡れ場も多いのだが、それらをきちんと描き込んでいて、これは石森章太郎の画業のなかでも際立ってアダルトでダークな作品なのではないか(まあ、『家畜人ヤプー』なんてのもあるが)。これはもう少し大きい版型で楽しみたいくらいだが、現在のマンガ文庫出版の中で実現した企画だろうから(なにしろ、今回は秋田文庫である。先立ってオリジナルの『幻魔大戦』とリュウ版の『幻魔大戦・神話前夜の章』が出ていたが、『新幻魔大戦』まで出版されるとは思ってもいなかった)、それは致し方なしか。ところどころマンガではなくて小説&挿絵になってしまう手法も、『ファンタジーワールド・ジュン』にも通じる石森章太郎らしい洗練されたレイアウトの効果で、むしろこの原作を表現するには「あり」かな、と思える。いや、これは買ってよかった。

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