2021年12月に読んだ本2022年01月05日 19時22分31秒

 クリスマスっぽい絵本を読みつつ、フォロー中のシリーズものも読みつつ、年末は温故知新の要素も。今年は例年より読書冊数だけは多いのでは? 絵本比率高いけど(笑)。

12月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:2955
ナイス数:124

播磨国妖綺譚◾️播磨国妖綺譚感想
★★★
播磨国に住む薬師の兄と怪異を見る力をもつ弟が、妖怪や神の想いを汲んで解決策を考える、という構成のオムニバス。全体にポジティブな多幸感に包まれる、これまでの上田早夕里作品からするとちょっと意外にも感じる一冊。シリーズとして続刊するんだろうな。
読了日:12月03日 著者:上田 早夕里


シャーロック・ホームズの帰還◾️シャーロック・ホームズの帰還感想
★★☆
例の全集版に懲りて?こちらは新潮文庫版にて。滝へ消えたはずのホームズが…という話から始まって、今度こそ終わらせようとしたら、ワトスンが事件名だけ書いて発表してないものが読みたいという声に押されて「第二の汚点」を追加した、というあたりが作者の手を離れた人気ぶりを思わせて味わい深い。とはいえ、今巻あたりになるとバディものキャラクター小説的で、探偵小説的にはちょっとアンフェアっぽい? このあたりも作者と読者とのリアルせめぎあいが後世の視点では感じられる。
読了日:12月04日 著者:コナン・ドイル 延原 謙


おばけやしきへようこそ!◾️おばけやしきへようこそ!感想
★★★☆
森の奥にあるおばけやしきは人が来ることもなく、魔女たちやおばけたちはすることがない。そこへ迷子の女の子が…。とぼけた味わいの絵本。それにしても、この女の子、ただものではないのでは…?
読了日:12月04日 著者:キッキ ストリード


ゆきのひ―キーツの絵本 (新訳えほん)◾️ゆきのひ―キーツの絵本 (新訳えほん)感想
★★★☆
1963年の作とのこと。切り絵、貼り絵を駆使して主人公の黒人の男の子、その真っ赤なふく、白い雪の対比や、散りばめられた雪の結晶が見ていて飽きない。
読了日:12月04日 著者:エズラ=ジャック=キーツ


みまわりこびと (講談社の翻訳絵本)◾️みまわりこびと (講談社の翻訳絵本)感想
★★★☆
昔から農家に住みついている小人さんが冬の夜、農家のあちこちを見回りする。日本でいえば座敷童子? お話自体はリンドグレーンが1960年に書いていたものに、リンドグレーン賞を2010年に受賞した絵本作家が絵を描いて2012年に出版されたらしい。確かに、ざっくりしたペンタッチはリンドグレーンが存命ならお好みの画風だったかも。
読了日:12月04日 著者:アストリッド・リンドグレーン,キティ・クローザー


いろいろ こねこ (講談社の翻訳絵本)◾️いろいろ こねこ (講談社の翻訳絵本)感想
★★★
こねこのペンキ屋さんが思いのままにいろいろな色を作り出していく。見ていても楽しいが、三元色からいろいろな色ができることを楽しく学べる。
読了日:12月04日 著者:マーガレット・ワイズ ブラウン


きょうというひ◾️きょうというひ感想
★★★
雪の積もる日、身につけるものを編んで、雪でかまくらを作ってその中にロウソクを灯していく。切り絵の味わいがいい。
読了日:12月08日 著者:荒井 良二
さなぎ (ハヤカワ文庫 SF 325)◾️さなぎ (ハヤカワ文庫 SF 325)感想
★★★★
破滅SF作家の印象が強いジョン・ウィンダムが、破滅して数百年?経った、文明の退行した世界を舞台に描くミュータントテーマ。バッドランドと言われる全面核戦争の傷痕と思われる土地を避け、その影響による外見上の偏倚があらゆる動植物に蔓延する中、正常な形の人間、動植物にこだわった生活を続ける集落で、主人公は身体の偏倚ではなくテレパスを持って生まれてきたのだが…。視覚的、抒情的な描写と容赦のない展開が物語に古びない説得力を与えている。
読了日:12月09日 著者:ジョン・ウィンダム

ミステリと言う勿れ: ミニカレンダー2022付き限定版 (10) ([特装版コミック])★★★☆
ミステリと言う勿れ: ミニカレンダー2022付き限定版 (10) ([特装版コミック])
感想
今回は小児連続殺人事件をめぐるけっこう入り組んだ話が途中からだったので、前巻のエピソード冒頭から通読。一見つながりのない人物どうしが話になって、徐々に明かされる真相。命に関わる事態がリアルタイムで進行する緊張感、犯人の意外性など、読み応えのある巻だった。
読了日:12月11日 著者:田村由美


ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 (竹書房文庫 か 18-1)◾️ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 (竹書房文庫 か 18-1)感想
★★★★★
泥酔した時だけ驚異的な発明品を作ってしまうギャロウェイ・ギャラガー。マッド・サイエンティストものかと思いきや、特許や裁判が重要な役割を果たす法廷SFでもあり、哲学や神学も含め、ロジックの飛躍を楽しむシリーズ。と、そんなことはさておき、酔った時のことを覚えていないギャラガーや、他のキャラクターとの噛み合わない会話がまずおかしい。ネタが科学っぽいガジェットにない分、今読んでも十分楽しめる。
読了日:12月12日 著者:ヘンリー・カットナー


ミシュカ◾️ミシュカ感想
★★★☆
持ち主の女の子のわがままぶりに家出したクマのぬいぐるみのミシュカ。森を旅する中で出会ったのは…。ぬいぐるみとしての自分のあり方を自分で決めようとするミシュカに幸あれ。
読了日:12月12日 著者:マリイ コルモン


クリスマスってなあに?◾️クリスマスってなあに?感想
★★★★
もともと挿絵画家でクリスマスカードの仕事もしていたという『思い出のマーニー』作者の描いたクリスマスのすべてを教えてくれる絵本。躍動感のある子どもたちの姿がなんともいい。三色刷りが面白い効果をあげている。
読了日:12月12日 著者:ジョーン・G・ロビンソン


サンタさんからきたてがみ◾️サンタさんからきたてがみ感想
★★★
タイトルがプチネタバレ(笑)? ねずみのゆうびんやさんがうっかり落としちゃって宛名がにじんで読めなくなった手紙は、実は…。ほんわかしたおはなし。
読了日:12月17日 著者:たんのゆきこ


クリスマスのおかいもの (講談社の創作絵本)◾️クリスマスのおかいもの (講談社の創作絵本)感想
★★★
もみのきマンションに暮らすうさぎ、きつね、あひる、りすがクリスマスの準備でお買いものに出かけた先のお店の様子がとにかく楽しい。その昔観光でロマンチック街道を回った時に立ち寄ったローテンブルクの街をちょっと思い出した。
読了日:12月17日 著者:たしろ ちさと


クリスマスをみにいったヤシの木 (児童書)◾️クリスマスをみにいったヤシの木 (児童書)感想
★★★
さばくで老コウノトリからクリスマスの話を聞いたヤシの木が海を渡りクリスマスのある土地を目指す。なんだそれは、という設定だけど、独特の味わい。画風は長新太とかそのあたりを連想させるナンセンス風でお話に合っている。
読了日:12月17日 著者:マチュー シルヴァンデール


こひつじクロ (あたらしい世界の童話)◾️こひつじクロ (あたらしい世界の童話)感想
★★★☆
原著は1985年、邦訳は1993年だが、邦訳された年には著者は故人だったとのこと。ざっくりしたペンタッチのユーモア絵本。まわりじゅうまっしろなひつじばかりの中、たった一匹のくろいひつじ。自分でもみそっかすと思っていたけど…。現在の視点なら、多様性の肯定とも取れるラストまで味わいがある。それにしても、ひつじをほっといて寝ちゃうおじいさんと犬には猛省を促したい(笑)。
読了日:12月18日 著者:エリザベス ショー


わたしのマントはぼうしつき◾️わたしのマントはぼうしつき感想
★★★★
ちょっとリアル寄りのくま、うま、ねこの表情、表情のある目の力がいい。キャンバス地の雰囲気を活かしたタッチも色彩のコントラストもいい。同じフレーズの繰り返しは読み聞かせ向きかな?
読了日:12月18日 著者:東 直子


恐怖の谷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 75‐8))◾️恐怖の谷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 75‐8))感想
★★☆
ホームズもの最後の長編はハヤカワ文庫版にて。初長編『緋色の研究』と対になるような2部構成だが、面白く読めるのは裏社会ものの趣きの第二部かな。本筋の謎解きのはずの第一部とエピローグがいずれもとってつけたように感じる。ともあれ、ここまで来たら最後まで完走したい所存。
読了日:12月19日 著者:アーサー・コナン・ドイル


裏世界ピクニック7 月の葬送 (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック7 月の葬送 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★
裏世界とのインターフェースが怪談、という設定は前作までにもあったが、それにハッキングを仕掛ける、というアイデアに驚かされた。元ネタの多くががネットロアでありつつ、『ストーカー』の設定を引用した本作だが、今回のアイデアはそれらをSFの方法論で取り扱った到達点と感じた。物語的にも、ここまでのストーリー、登場人物を活かしきったひとつの到達点だろう。冒頭語られる文化人類学のアプローチ方法も研究者視点から見て興味深い。参考文献の著者コメントまで含めて、サブタイトルを象徴する作品になっていると感じられる。
読了日:12月20日 著者:宮澤 伊織


クリスマスのあかり チェコのイブのできごと (世界傑作童話シリーズ)◾️クリスマスのあかり チェコのイブのできごと (世界傑作童話シリーズ)感想
★★★☆
アドベントカレンダーから始まる、チェコのクリスマスのおはなし。チェコではサンタクロースじゃなくてちいさまイエスさまが贈りものを配るのか!?
読了日:12月25日 著者:レンカ・ロジノフスカー


ヨルガオ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)◾️ヨルガオ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)感想
★★★☆
人気ミステリ作家の最後の作品をめぐる入子構造の『カササギ殺人事件』、まさかの続編。前作で酷い目にあって、ギリシアのホテル経営に転身していた編集者のもとに、同作家の過去作が英国のとあるホテルで起こった失踪事件のキーになっているらしい、という探偵依頼が舞い込む。死んでまで迷惑な作家だな(笑)! 出てくる人物全員が何かしらいかがわしいのは前作共通。表紙、扉から、翻訳書らしい原書の書誌情報まで再現した装丁の工夫にはちょっとクスリ(笑)。
読了日:12月25日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ


クリスマス◾️クリスマス感想
★★★☆
黒と緑と赤の三色印刷でシンプルな仕上がりのキュートな絵本。まずイエスの誕生から話が始まるのでキリスト教説話絵本?と思わせて、いきなり北欧神話のオーディンとかもともと12月に各地で行なわれていた土着のお祭りの起源から、それらがクリスマスに統合されていった過程を丁寧に説明する。実は硬派な、なかなかためになる絵本。
読了日:12月25日 著者:バーバラ クーニー


しずかな、クリスマスのほん◾️しずかな、クリスマスのほん感想
★★★☆
動物たちが家族連れでクリスマスに集まって大きなツリーに飾りつけをして、子どもたちが劇を演じてパーティを開いて、おうちに戻り、やがて朝をむかえるまでをしずかにしずかに描いた絵本。「〜しずか」「〜しずかさ」という繰り返しのフレーズで進むのもいい。これも読み聞かせ向き?
読了日:12月25日 著者:デボラ アンダーウッド


フランソンのさむい冬の日◾️フランソンのさむい冬の日感想
★★★
ダンボールハウスに暮らす猫のフランソン。クリスマスの近い雪の日の朝にお散歩していて気がつけばセーターがほどけて一本の毛糸に…。その毛糸が引っ張られる方にどんどん行った先には…? 心温まる一冊だが、発端がダンボールハウスというあたりは現代っぽい?
読了日:12月25日 著者:セシリア・ヘイッキラ


クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)◾️クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)感想
★★★☆
ねこのおばさんが、おうちのクリスマスの準備ができてないことを気にしたねずみたちにほだされてパイ、ケーキからツリーまで、完璧な準備を始める。準備万端の夜、やってきたのは…。
読了日:12月25日 著者:アリソン・アトリー


みならいサンタ◾️みならいサンタ感想
★★★★
クリスマスなので再読。いや、何回読んでもかあいい。
読了日:12月25日 著者:そのだ えり


マーガレットとクリスマスのおくりもの◾️マーガレットとクリスマスのおくりもの感想
★★★★
クリスマス再読。サンタクロースになりたくて、近所の人たちにささやかな贈りものをしていたマーガレットの前に、謎のくるみ割り人形が現れ、トナカイならぬ鳥の背に乗って、贈りものを配る旅が始まる。何度読んでもかあいい。
読了日:12月25日 著者:植田 真


さようなら、ロビンソン・クルーソー (1978年) (集英社文庫)◾️さようなら、ロビンソン・クルーソー (1978年) (集英社文庫)感想
★★★★
アイザック・アシモフズ・SFマガジンの最初の一年間から選りすぐったアンソロジーの一冊目。小松左京とかんべむさしが架空対談形式で各編の紹介をしながら進行するが、その内容がプチネタバレっぽかったり、内輪受けっぽかったりして、このアンソロジーの本来の読者はこういうノリは当時としても求めてなかったのでは、という気もする。表題作は文句なしとして、アシモフ「美食の哀しみ」は化学、味覚、嗅覚ネタで、個人的には今の自分の食品系の研究者の経験踏まえて読んだ方が味わい深い一編。ロードムービー風のディクスン「時の嵐」も好み。
読了日:12月29日 著者:


気球に乗った異端者 (1979年) (集英社文庫)◾️気球に乗った異端者 (1979年) (集英社文庫)感想
★★★★☆
当時は図書館でしかSF読んでない中学生だったのでこのアンソロジーは出版時存在を知らなかった(大学入って買い揃えた)んだけど、スターウォーズ公開後のSFブームとはいえ、1977年に創刊して絶好調のアシモフズSFマガジンの最初の一年間の傑作選が1978、1979年に集英社文庫から出た、というのは事件だったんだろうなあ(2巻目の出る前に同誌特約でSF宝石も創刊されてる)。ベストはポール・アンダースン「ジョエル」、次点は表題作かな。それにしても名義貸し編者の架空対談、今読むとホントなくていいよ…(当時でも?)。
読了日:12月31日 著者:

読書メーター

2021年11月に読んだ本2021年12月01日 19時37分05秒

 絵本は相変わらずながら、小説の方は、なんとなく懐古モードに入りつつある読書傾向?

11月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:3638
ナイス数:99

きげんのいいリス◾️きげんのいいリス感想
★★★★
前に読んだ『だれも死なない』の増補新訳版。前版ではなんと8編訳されていなかったとは!? それだけでなく、前版では同じ設定(出てくる動物たちは同じ大きさ、同じ動物はいない、だれも死なない、など)の独立した短編を集めた短編集っぽかったが、章番だけ付されて一冊になっていると、断章というより、同じ世界のひとつの物語に感じる。実際、ラストの数編の余韻はオムニバスよりまとまった長編の終盤という印象を受けた。個々のエピソードは読んだ覚えあるものばかりなのに、編集、構成というのは面白い。
読了日:11月03日 著者:トーン テレヘン


こねこのプーフー 10 リサとガスパールにあったよ!◾️こねこのプーフー 10 リサとガスパールにあったよ!感想
★★★
読んでいなかった『こねこのプーフー』シリーズ。なんと同じ著者の『リサとガスパール』とコラボ……といっても、キティちゃんとも共演しているリサとガスパールならなんでもあり? とはいえ、主人公のプーフー、『リサとガスパール』シリーズの愛読者という設定だったりするのかな?
読了日:11月03日 著者:アン ハレンスレーベン,ゲオルグ ハレンスレーベン


たまごのはなし◾️たまごのはなし感想
★★★★
長い間、台所に転がっていたたまごに自意識が芽生えた!? マシュマロを相棒に、台所から家の中へのおさんぽが、今、始まる!? どこかずれたふたり?と家の中のさまざまなものたちとの(時に哲学的な?)やりとりが、そういえば、ひとつ前に読んだ『きげんのいいリス』のリスとアリにもちょっと通じるところがあるかも。
読了日:11月04日 著者:しおたにまみこ


ライブラリー・ツインズ ようこそ、月島大学図書館へ◾️ライブラリー・ツインズ ようこそ、月島大学図書館へ感想
★★★
双子の中学生姉弟、附属中学に内部進学があぶない姉の内申点のため、大学図書館のホームカミングデーのお手伝いボランティアに挑む、というお話。割とベタだし、ふたりともケンカしてもすぐに仲直りするいい子すぎるところはあるけど、製本、印刷をネタにトントンと進むお話が将来を感じさせるあたりはわかっていてもちょっとじんわり。
読了日:11月07日 著者:日野 祐希


絵本のいま 絵本作家2021-22 (イラストレーションファイル)◾️絵本のいま 絵本作家2021-22 (イラストレーションファイル)感想
★★★
普通に絵本ガイドのつもりで読み始めたけど、これは絵本作家(候補)と編集者、バイヤー、出版営業、書店などの絵本を送り出す側の人たち向けのガイドブックだったようだ。知らない絵本作家さんがまだまだこんなに! コロナ禍での業界の試行錯誤の事情も語られ、ある意味、後世には貴重な資料となるのかもしれない。読んでみたい絵本がまたちょっと増えた。
読了日:11月09日 著者:


夢魔のふる夜 (ハヤカワ文庫JA)◾️夢魔のふる夜 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★☆
文庫化前の新鋭書き下ろしSFノヴェルズ版にて。ケプラーを主人公にチコ・ブラーエやガリレオが惑星軌道の謎に挑みつつ、次第に我々の知る歴史から逸脱していく物語が、時空を超えた意識進化へと至る。現代編、未来編のカットバックにやや荒削り感はあるものの、描かれる遺伝子関連のアイデアが現代でも古びていない(一部、実用化されつつあるものも!)のは驚き。エピローグを読んで、その前の数章を読み返すと不思議な余韻が。編集部後書きで非ハードSFと評されているけど、これ、バイオ系の観点ではかなりハード寄りの作品じゃなかろうか。
読了日:11月13日 著者:水見 稜


凍った宇宙 (1973年) (SF少年文庫〈27〉)◾️凍った宇宙 (1973年) (SF少年文庫〈27〉)感想
★★★☆
読んだのは岩崎書店の少年少女宇宙科学冒険全集版(全24巻の19巻)。そちらも表紙、口絵、本文イラストは武部本一郎だが、作中、宇宙ステーション間を遊泳で移動している最中の危機シーンをダイナミックに描いている。物語は海王星方面からの謎の宇宙船が人類の精神を狂わせ、地球と火星植民地間で戦争が起こる中、その原因を求めて一機の高速宇宙船で科学者とパイロットが冒険の旅に出る。原水爆を超えるサレ光線という超兵器が抑止力となる状況下での全面戦争危機という物語背景は原著が書かれた1955年という時代を感じさせる。
読了日:11月14日 著者:武部 本一郎,パトリック・ムーア


白土三平選集 9 忍者旋風 1 (白土三平選集 新装版 9)◾️白土三平選集 9 忍者旋風 1 (白土三平選集 新装版 9)感想
★★☆
読んだのは汐文社ホーム・コミックス版の「現代マンガ作家選集◯白土三平」と題した叢書の全4巻で。赤子の時期にオオワシにさらわれた主人公は風魔の頭領の息子として凄腕の忍者となっていたが、なりゆきで天下を左右するとされる巻物「竜煙の書」をめぐる争奪戦のプレイヤーとなる。時代は本能寺の変を挟み、秀吉、家康、風魔、伊賀、甲賀などの忍者たち、石川五右衛門、柳生家まで巻き込んだ物語だが、カットバックを入れ込む時に作者の言い訳っぽくも読める解説文が長々と入るあたりは作劇手法、マンガ手法の試行錯誤の時期ゆえか。
読了日:11月16日 著者:白土 三平


白土三平選集 10 忍者旋風 2 (白土三平選集 新装版 10)◾️白土三平選集 10 忍者旋風 2 (白土三平選集 新装版 10)感想
★★☆
世の中を変える秘密と忍者、という組み合わせは『カムイ伝』っぽくもあり、柳生家まで出てくるいくつ巴かわからない群像抗争劇は『カムイ外伝』の「忍風」編も思わせる。とはいえ、まだまだ荒削りではある。ホーム・コミックス版で面白い構成なのは、短くて収録しにくい女忍者の短編「目無し」全4回を各巻の巻末に収録しているところ。スガルと呼ばれる女忍者の誕生編的な物語。これも後の「スガルの島」に結実したのかな。
読了日:11月16日 著者:白土 三平


おじいちゃんのたびじたく (世界の絵本コレクション)◾️おじいちゃんのたびじたく (世界の絵本コレクション)感想
★★★
なんというか、タイトルだけでもどういうお話かわかると思うんだけど、こういう絵本はひとつひとつ、細かいところが味なんだよねえ…
読了日:11月18日 著者:ソ・ヨン


バーナバスの だいだっそう◾️バーナバスの だいだっそう感想
★★★
かんぺきなペットを提供するパーフェクトペットのお店の地下深くにある製造工場。そこではかんぺきに仕上がらなかった失敗作の部屋が。はんぶんネズミではんぶんゾウのバーナビーは、ゴキブリのピップの話を聞いて外の世界に憧れ、仲間たちと一緒にだっそうを試みる。ピクサーの3Dアニメにでもありそうな雰囲気の楽しい絵本。
読了日:11月18日 著者:ファン・ブラザーズ


野呂邦暢 古本屋写真集 (ちくま文庫)◾️野呂邦暢 古本屋写真集 (ちくま文庫)感想
★★★☆
諫早市から時折上京するたびに撮影してきたらしい古い古本屋の写真を集めた写真集。盛林堂から出てすぐ完売したという原著に、野呂氏の古本愛あふれるエッセイと編者の対談まで収めた決定版。神保町の写真が味わい深い。偶然ながら、この本を三省堂で買い求めて、神保町のタワーマンションの一室で読むというのも不思議な縁だ。妻が高校時代バイトしていた時期の明倫館は、本書の写真の姿そのままだったという。
読了日:11月22日 著者:野呂 邦暢


新版 いっぱしの女 (ちくま文庫)◾️新版 いっぱしの女 (ちくま文庫)感想
★★★★
集英社文庫コバルトシリーズを少女小説としてジャンル化したと言っていい氷室冴子がバブル期前後に上京して、特に男女の(今でいう)ジェンダー・ギャップの中でつらつらと考えたことを綴ったエッセイ。時にユーモラス、時にやるせなく、時に辛辣。小説作品も久しぶりに再読したくなった。
読了日:11月24日 著者:氷室 冴子


くるみわり人形◾️くるみわり人形感想
★★★
絵本の内容より、抄訳が中井貴惠で、絵本読み聞かせや翻訳をされている、というのが、どこかで読んだかもしれないけど念頭になかったのでちょっと驚く。あと、『くるみわり人形』のストーリーがうろ覚えだったので、なかなか新鮮に楽しめた。
読了日:11月25日 著者:E.T.A. ホフマン


とうみんホテル グッスリドーゾ◾️とうみんホテル グッスリドーゾ感想
★★★
三羽のうさぎが冬の間だけ営むとうみんホテル。人間界で言えばスキー旅館的な業態か? 冬の間ぐっすりどうぞ。ちょっと、昔、スキー場のゲレンデ内のスキー旅館を営んでいた年長の友人のことを思い出した。その友人も旅館も今はなく、スキーもしなくなって久しい…
読了日:11月25日 著者:かめおか あきこ


アイヌのむかしばなし ひまなこなべ◾️アイヌのむかしばなし ひまなこなべ感想
★★★☆
アイヌの昔話をほんわかしたタッチで絵本に。『ゴールデンカムイ』の副読本にもなるかな。
読了日:11月25日 著者:萱野 茂


ぼくといっしょに◾️ぼくといっしょに感想
★★★☆
細密なタッチで描かれる一人の少年のおつかい。お母さんに頼まれたリンゴを無事に買って、友だちとの約束の川遊びに行けるのか!? その道中には危険がいっぱい!? 俯瞰で描かれる細密なご近所の絵にはちまちまと仕掛けがあって、何度でも楽しめる。ちょっと安野光雅の『旅の絵本』を連想させる。
読了日:11月25日 著者:シャルロット・デマトーン


ほんやねこ (講談社の創作絵本)◾️ほんやねこ (講談社の創作絵本)感想
★★★☆
本屋を営むねこが店じまいしてお散歩へ。うっかり窓を閉め忘れたら、絵本の登場人物たちが風に飛ばされて街のあちこちえへ…。そんなバカな(笑)。お散歩しながらみんなを回収していくほんやねこ。昔でいえばヘタウマっぽい、不思議な味わい。
読了日:11月25日 著者:石川 えりこ


こねこのウィンクルとクリスマスツリー (日本傑作絵本シリーズ)◾️こねこのウィンクルとクリスマスツリー (日本傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
お母さんねこと三匹のこねこたち。おうちの人が飾ったクリスマスツリー。おかあさんには触っちゃダメと言われたけど、興味しんしんのウィンクルは夜中にこっそりツリーを登り始める…。その後は、そんなバカな、それでいいのか、的な展開もありつつ、最後は「よかったね」? キャッツアイのようにキレイに描かれる(話が逆?)ねこたちの目に味わいがある。
読了日:11月25日 著者:ルース・エインズワース


わたし、パリにいったの◾️わたし、パリにいったの感想
★★★★
一家でパリにいたことのある、とある家族。当時のアルバムを見ながらおねえちゃんが思い出話をするのが定番。そのうち、おねえちゃんの話を覚えちゃったのか、いもうとがパリでの出来事を話し始めるんだけど…。先日読んだ『リサとガスパールにあったよ」みたいなお話かと思ったら…。そう、このご一家は、確かにみんなでパリにいた…のかもしれない??
読了日:11月26日 著者:たかどのほうこ


カミサマはそういない◾️カミサマはそういない感想
★★★★
基本的に、表題の通り救いのない設定で救いのない物語が一見ランダムに収められた短編集。イヤミス的短編「伊藤が消えた」に始まり、地獄めぐりの「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」。古風な寓話の趣の「朔日晦日」。静かな終末SF「見張り塔」。ネットストーカーに材を取った「ストーカーVS盗撮魔」。プリースト的な不条理な時間を思わせる「饑奇譚」。科学が発達しなかったオーシャンクロニクル的世界の子供たちを描く「新しい音楽、海賊ラジオ」にささやかな救いを描いて〆る構成もいい。個人的にはこれまで読んだ深緑野分でベストかも。
読了日:11月27日 著者:深緑 野分


SFマンガ傑作選 (創元SF文庫)◾️SFマンガ傑作選 (創元SF文庫)感想
★★★★☆
なにもかもみな懐かしい…。日本のSFマンガのマスターピース的な作品を網羅した大ボリュームの一冊。しかし、萩尾望都「あそび玉」に加え、佐々木淳子「リディアの住む時に」まで収録されていると、東京創元社というより東京三世社!? あの頃、東京三世社と奇想天外のA5版のマンガ雑誌が、雑多な普通のマンガ雑誌の中に埋もれていた作品、マンガ家をモデルケースにした活動が後に与えた影響は大きかったと今にして思う。
読了日:11月30日 著者:

読書メーター

2021年10月に読んだ本2021年11月01日 13時08分47秒

 引き続き絵本多め。せっかく買ってる新刊が今ひとつ読み進められてない(笑)。ラファティも異常論文も買ってはいるんだけど…
 一方、このところ進めている発掘読書はわりと満足度高し。大原まり子あたりは、今回の短編集あたりはちょっとラファティっぽくもあり…

10月の読書メーター
読んだ本の数:31
読んだページ数:3546
ナイス数:116

アフター・ロンドン 下◾️アフター・ロンドン 下感想
★★★☆
未訳だったリチャード・ジェフリーズのポスト・アポカリプス小説がついに完訳。小競り合いレベルの戦争を続ける小国たち、湖水に沈み、汚染に満ちたかつての首都ロンドン、主人公が行き着いた先では、羊飼いたちと野盗まがいのジプシーの小競り合い。そんな中、書物で身につけた地勢を読む力、実践経験はなかったが鍛えられた弓矢の腕前で徐々に盟主への道をたどる主人公…。小説より自然史の方が評価の高かった著者らしく、荒廃したイングランドの情景描写がいい。ジェフリーズの経歴をつぶさに紹介してくれる訳者解説と表紙イラストもいい。
読了日:10月02日 著者:リチャード・ジェフリーズ


めがねがなくてもちゃんとみえてるもん!◾️めがねがなくてもちゃんとみえてるもん!感想
★★★
いやいや期?の女の子にメガネをかけさせるまでのプロセスを丹念に描いた絵本。よく見えるようになってよかったね。
読了日:10月03日 著者:エリック バークレー


ねこさんびき◾️ねこさんびき感想
★★★
表紙にある通りの猫三匹。木の枝の下は水面。魚が食べたい、と、まず一匹が飛び込んで…。まさかのオチがつく一冊。説明もセリフもなく絵だけで見せるのが上手い。
読了日:10月03日 著者:アン ブルイヤール


ねずみのよめいり ~インドにつたわるおはなし (世界のむかしのおはなし)◾️ねずみのよめいり ~インドにつたわるおはなし (世界のむかしのおはなし)感想
★★★☆
キーワード「ねずみのよめいり」で検索すると出るわ出るわ…。それだけ有名な昔話だが、なんと原型はインドだという。その原型のお話をかわいらしい絵本に。インドに仙人がねずみの娘を助けるところから始まり、そこでのタカと仙人の食物連鎖っぽい会話がなかなか味がある。
読了日:10月03日 著者:田中 尚人


どうぶつたちのあきのおたのしみって?◾️どうぶつたちのあきのおたのしみって?感想
★★★
擬音、オノマトペが満載で読み聞かせに合いそうな絵本。翻訳ものだけど、原文が併記してあるともっと楽しかったかも? 点目の動物たちがとにかくかあいい。
読了日:10月03日 著者:アン・ウィットフォード・ポール


もりのじてんしゃやさん (もりはおもしろランド( 3))◾️もりのじてんしゃやさん (もりはおもしろランド( 3))感想
>シリーズ3冊目はじてんしゃやさん。動物たちの身体に合わせていろんな形の自転車を作っているのが紹介されるけど、「そうです」って種明かしされても、ちっともわかんないよ(笑)。あと、ホットケーキ重要。
読了日:10月03日 著者:舟崎 靖子


しおちゃんとこしょうちゃん (こどものとも絵本)◾️しおちゃんとこしょうちゃん (こどものとも絵本)感想
★★★
いつもいっしょの双子の子猫、しおちゃんとこしょうちゃんの小冒険。いつもいっしょの二匹にも自我の芽生え? ちょっとした対抗心?で家のそばの高い木に競って登り始めるが…
読了日:10月03日 著者:ルース・エインズワース


チリとチリリうみのおはなし◾️チリとチリリうみのおはなし感想
★★★
なかよく自転車をこぐチリとチリリ。ふと見つけた洞くつに入ってみると、出た先はなぜか海の中。楽しくお菓子を食べて、ショーを観劇して、最後はおみやげまで。玉手箱を渡されたり、はしないので安心?
読了日:10月03日 著者:どい かや


チリとチリリ まちのおはなし◾️チリとチリリ まちのおはなし感想
★★★
シリーズ第3弾。今度はチリチリリと町へお出かけ。行く先々で糸を買ったり、その糸でマフラーを編んでもらったり…。その先は…、いや、これはちょっと予想できなかった。
読了日:10月05日 著者:どい かや


オオカミ県◾️オオカミ県感想
★★★☆
都会から下に見られているらしいが、その県なくしては兎の住む都会も…という側面も持つオオカミ県。そんなある日、都会に出ていたオオカミが耳にした地元に関する噂は…。ある意味、わかりやすすぎるメタファーではあるが、淡々とした語り口とおどろおどろしい銅版画の絵が、えもいわれぬ味わいを醸し出す。
読了日:10月06日 著者:多和田葉子


ファイブスター物語 16 (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 16 (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★★★
14巻が久しぶりの大規模決戦、15巻がトラフィックス、ときて、巻ごとに各要素の決算に入りつつある印象だったが、今巻は背景設定の神々の絡む要素の総決算っぽくて、過去登場したものの正体がこれでもかと種明かしされる。しかし、突然のGTM世界、実は作者の心変わりとかじゃなくて、ちゃんと理由あったのか(笑)(順番が逆です(笑))。まあ、未来の話は既に描かれていることもあり、どこで終わっても大丈夫な構成なんだけど、トラフィックスの決着まではなんとかマンガで読みたいかな。
読了日:10月09日 著者:永野 護


ファイブスター物語 1(1998 edition) (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 1(1998 edition) (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★
16巻がほぼ全編対象の記憶力を問われるみたいな種明かしの嵐だったので、いろいろ確認したく頭から(1998 Editionにて)しかし、絵にしても展開にしても(信者的な方々には申し訳ないが)3巻くらいまでは再読の都度、ちときつい…(たぶん、エルガイムへのリアルタイム放映時の思い入れの度合いによると思うのだが…)。まあ、今なら、GTMリセット(笑)と同じようなものと思えば…? ともあれ、16巻の帯にある「黄金の電気騎士」に感慨を覚えた方は多かろう。
読了日:10月09日 著者:永野 護


ファイブスター物語 第2巻 2005EDITION (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 第2巻 2005EDITION (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★☆
なるほど、1巻はむしろお姫様の御伽話だからあの内容、ということか? 2巻に入ると荒削りながら前線の兵士、兵站の描き方とか後の長所が出てきている。各国の設定、キャラクター、あと16巻の種明かしの肝も既に仕込まれている。あと、謎の42番目(笑)の話、こんな前に出てたんだっけ? 意味不明だよ(笑)!
読了日:10月10日 著者:永野 護


ファイブスター物語 3 (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 3 (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★☆
MH祭りの巻。初読でも思ったが、今読んでもたった二人の私怨が物語の趨勢を左右しているのは、全体のスケール感と比べるとやや矮小化に感じなくもない。ラストで1000年ほど時空を越える恩讐にはなってるけど…。一方、天照とラキシスの関係性、という意味では、この3巻のあのくだりと、16巻のラスト付近の天照の独白を比較するといろいろと意味深。あと、ほんの数ページ語られるキャラクターの行動が先のアレとかアレとかにつながる、という仕込の多さよ…。
読了日:10月10日 著者:永野 護


バスカヴィル家の犬 (河出文庫)◾️バスカヴィル家の犬 (河出文庫)感想
★★★★
これも全集版は書誌がないので文庫版にて。初期長編二作が英国以外での因縁によるグローバルな背景設定なのと比べると、英国のとある地域の古い一族の因縁がベースになっていて、ちょっと金田一耕助ものを連想させる。物語構成も緩急があり、ワトスンの語りにもバリエーションが施されていて、なるほど最高傑作とされることが多い、というのも納得。とはいえ、解説で作品執筆時のあれこれが明かされるのは事実とはいえやや興醒め要素。加えてドイルの執筆動機をフロイト的に解釈されるのは流石にやり過ぎ感あり。作品だけを楽しめる版で読む方が吉?
読了日:10月14日 著者:アーサー・コナン ドイル


吉祥寺少年歌劇 (フィールコミックス)◾️吉祥寺少年歌劇 (フィールコミックス)感想
★★★★
ふとTwitterに流れてきた冒頭4ページ。たまたま書店に行ったら元雪組トップ娘役真彩希帆さん推薦! の文字を帯に見て衝動買い。期待以上。宝塚を逆転させ、全ての配役を男性が演じる吉祥寺少年歌劇(西の歌劇団、と存在は触れられているので、宝塚もあるという設定らしい)。男役に憧れたが娘役に適性のあった主人公がトップを目指す、その同期生たちの群像劇。アプローチが異なるものの、『かげきしょうじょ!!』が100巻かけて描く(かもしれない)要素を一冊に凝縮したような作品。歌劇ファンにも、そうでない人にも。
読了日:10月14日 著者:町田粥


もりのはいしゃさん (もりはおもしろランド( 4))◾️もりのはいしゃさん (もりはおもしろランド( 4))感想
★★★
シリーズ第4弾はもりのはいしゃさん。地図には1巻から載っていたけど、本書に説明によるとこの森には新しく開業したとか。1巻の主役だったはりねずみのゆうびんやさんが患者として診察を受けるのだけど…。今回も意外な展開が…。
読了日:10月15日 著者:舟崎 靖子


わたしが外人だったころ (たくさんのふしぎ傑作集)◾️わたしが外人だったころ (たくさんのふしぎ傑作集)感想
★★★★☆
ちょっと不思議なタイトル。読み始めると納得。日米開戦前に渡米していた筆者の視点で見たいろいろなことが語られる。佐々木マキの柔らかなタッチの絵とともに、それなりに思い体験談がたんたんと語られていく。国と人間の関係をニュートラルに語る一冊。
読了日:10月15日 著者:鶴見 俊輔


きみはたいせつ◾️きみはたいせつ感想
★★★
ざっくりした彩色、ざっくりした切り絵、貼り絵っぽい手法で描くミクロの世界からマクロの世界、中生代から現代までのいろいろなこと「きみ」の物語。
読了日:10月15日 著者:クリスチャン・ロビンソン


亡命ロシア料理◾️亡命ロシア料理感想
★★★★
原著は1987年刊、とのことなので、ソヴィエト時代にリアル亡命をした著者二人が、東西両方への文明批評をチクリ入れつつ、ロシア料理から、亡命した後に親しみつつある料理まで縦横無尽に美味しそうに作って語る。原文も言葉遊び多そうだけど、その意を汲みとった軽妙な訳文もいい。日本で言えば伊丹十三の料理の本をちょっと連想させる。国内では冷戦後の1996年に初訳、2014年にこの新装版。長く残って欲しい名著。
読了日:10月17日 著者:ピョートル ワイリ,アレクサンドル ゲニス


むかし むかし ある ところに 子ヤギが (評論社の児童図書館・絵本の部屋)◾️むかし むかし ある ところに 子ヤギが (評論社の児童図書館・絵本の部屋)感想
★★★☆
子どものいないおうさまとおうひさま。ようせいさんに「子どもがほしい」とお願いしたところ、約束の日にやってきたのは一匹の子ヤギ…。子育て経験もないおうさまおうひさまだけど、一緒に暮らすうちに…。意外なオチが微笑ましい。
読了日:10月17日 著者:ダン・リチャーズ


コウテイペンギン◾️コウテイペンギン感想
★★★☆
ちょっと墨絵を思わせるタッチの素朴感のある絵で描かれるコウテイペンギンの子育て。白と黒と背景の青灰色、ワンポイントの黄色がいい味出している。原題のPenguin’s Wayが絵本のコンセプトをよく表している(ので、和訳タイトルより大きく入っているのは正解)。
読了日:10月17日 著者:ヨハンナ ジョンストン


かぼちゃごよみ◾️かぼちゃごよみ感想
★★★☆
ちまちまと、ちょっと懐かしく、ちょっと不穏な絵で綴る12ヶ月。絵単独でも不穏だけど、それぞれに付された谷川俊太郎の音韻を踏んだ詩がまた不穏。不穏尽くしの一品。
読了日:10月17日 著者:


たばこの本棚―5つの短篇と20の随想 (1984年)◾️たばこの本棚―5つの短篇と20の随想 (1984年)感想
★★★★☆
開高健がたばこにまつわる随筆と短編をセレクトしたアンソロジー。そうそうたる面々の薫りたつ煙のような文章を燻らす心持ち。出版された1984年なら、自分の周囲でも年長の人たちはこんなふうに煙だらけの生活を送っていたのを思い出す。今では、咥えタバコの自転車が帰途に横を通り過ぎてもイヤなものだが、失われた煙の文化を偲ぶよすがに…
読了日:10月18日 著者:


しょうてんがいくん◾️しょうてんがいくん感想
★★★
ちまちまと描き込まれた不思議な街とその住民たち。その不思議すぎるビジュアルはどこから突っ込んでいいのか…(笑)。全編遊べる楽しい絵本。間違い探しが五つのうち三つしかわからなかった…(笑)。
読了日:10月18日 著者:大串 ゆうじ


おおかみとしちひきのこやぎ (ひきだしのなかの名作)◾️おおかみとしちひきのこやぎ (ひきだしのなかの名作)感想
★★★
「ひきだしのなかの名作」全12冊の中の1冊。お話はあえて原著に忠実に、というコンセプト。絵が不思議なタッチだけど、ウッドバーニングという版画の手法らしい。
読了日:10月18日 著者:末吉 暁子


深海の宇宙怪物 (SFこども図書館 3)◾️深海の宇宙怪物 (SFこども図書館 3)感想
★★★☆
先日読んだハヤカワSF文庫『海竜めざめる』と比べ、ストーリーの要所は全部押さえつつぐっと短く児童向けにリライトする技に感じ入る。翻訳は斉藤伯好氏。読んだのはとてつもなく前に古本で購入してあった<エスエフ>世界の名作の3巻目で昭和43年第4刷。長新太氏の豊富なイラストがいい味出してる。ハヤカワ版の星新一訳と、このイラストが、後にボクラノSF版でドッキングしている。
読了日:10月22日 著者:ジョン・ウィンダム


“柊の僧兵”記 (徳間デュアル文庫)◾️“柊の僧兵”記 (徳間デュアル文庫)感想
★★★☆
デュアル文庫版ではなく、初刊のソノラマ文庫版1990/06/30刊にて。加藤・後藤の流麗なイラストがあの時代を感じさせる。内容は繊細な独自生態系をもつファンタジー世界っぽく始まりつつ、序盤からその世界をテラフォーミングしてきた異星人の襲来があり、一気にSFに。今の視点だと、とにかくキャラもモブキャラもよく死ぬ。展開速い。ラノベなら全10巻くらいになりそうな要素がてんこ盛り。設定、心理描写に先が読めてしまう甘さはあるものの、今でも古びてはおらず楽しめる。
読了日:10月24日 著者:菅 浩江


電視される都市 (双葉文庫―電脳都市シリーズ)◾️電視される都市 (双葉文庫―電脳都市シリーズ)感想
★★★★
双葉ノベルズ版にて。ラストの2編が同じ出来事を異なる視点で描いている他は、同じ世界の出来事なのかどうかわからない雑多な連作。書誌ではラストの「景色」が最初に書かれ、その後、<電脳都市>シリーズとして書き継がれたことがわかる。1987年から1988年にかけて雑誌掲載、同年の出版なので和製サイバーパンクを意識した一冊になっているのだろうが、「景色」に描かれるネットワークの姿は意外と現代のSNSにも通じるものがある。作中の用語で古びたかな、と思えるのは「電話」「電話回線」くらいで、今読んでも十分通じる想像力。
読了日:10月27日 著者:大原 まり子


ベサニーと屋根裏の秘密◾️ベサニーと屋根裏の秘密感想
★★★☆
正体不明のビーストに好きなものを食べさせる代わりに、もらえる不老薬やお金で好き勝手に生きてきた512歳のエベニーザー。人間の子どもが食べたい、という願いには流石に抵抗があり、児童養護施設からいちばん手のつけられない悪ガキ少女べサニーを連れてくるのだが…。一寸の虫にも五分の魂…というか罪悪感? どうしようもないもの同士のエベニーザーとべサニーの関係がやがて…。2020年に書かれて即訳されたのは、これから力入れていくのか? 確かに、ラストの伏線がいくらでも続けられそうだ。
読了日:10月31日 著者:ジャック メギット フィリップス


そらから おちてきてん◾️そらから おちてきてん感想
★★★☆
ジョン・クラッセンのちょっとシュールな絵本を絶妙の大阪弁で訳した『ぼうし』シリーズ(『どこいったん』『ちがうねん』『みつけてん』)の名コンビ(?)によるまたまたシュールで大阪弁がいい味出してる一冊。ろくな説明もなくシュールなやりとりが交わされるけど、落ちてくる岩? その後に空想されるものなど、シュールでありつつ、ほんのりSF風味?
読了日:10月31日 著者:ジョン・クラッセン



読書メーター

2021年9月に読んだ本2021年10月02日 08時20分06秒

 『ゴールデンカムイ』祭りもひと段落。読む本のペースはちょっと落ち着いたか? いろいろ事情あって、だいぶ古い本を読んでみたりも。

9月の読書メーター
読んだ本の数:27
読んだページ数:2653
ナイス数:128

つのぶねのぼうけん◾️つのぶねのぼうけん感想
★★★★
表紙をめくるとまず海図。質問したがりのキツネはひょんなことからシカたちのつのぶえに乗って冒険の旅へ。海図の平面と、角笛から見た風景の対比が楽しい。そして旅はつづく…
読了日:09月03日 著者:ダシュカ・スレイター


ぜったい あけちゃダメッ!◾️ぜったい あけちゃダメッ!感想
★★★
ひたすら、次のページをめくっちゃだめ、と言われ続ける謎絵本。子どもに読み聞かせたらウケる? かな? ラストの作者コメントにもクスリ。
読了日:09月03日 著者:アンディ・リー


ちいちゃな女の子のうた”わたしは生きているさくらんぼ”【新版】◾️ちいちゃな女の子のうた”わたしは生きているさくらんぼ”【新版】感想
★★★★
時に水墨画っぽく見えることもある淡い水彩。たまにリアルに見える女の子の顔の陰影が意味深。わたしはいつもわたし。
読了日:09月03日 著者:デルモア シュワルツ


ぼくはいしころ◾️ぼくはいしころ感想
★★★☆
道ばたに石ころ、それに猫。きみとぼくは同じだね? そんなある日…。ちょっと前に読んだ『うちのねこ』の裏返し?
読了日:09月03日 著者:坂本 千明


あかにんじゃ (えほんのぼうけん)◾️あかにんじゃ (えほんのぼうけん)感想
★★★☆
チャッチャッチャラッ、チャッチャッチャッチャッチャッ、チャッチャッチャラッ、チャッチャッチャッチャッチャッ、チャッチャッチャラッ、チャッチャッチャッチャッチャッ、あ、か、にーんじゃッ!?(タイトルで連想したけど、まさかの!?)
読了日:09月03日 著者:穂村 弘


ちびねこのチュチュと、スプーンのあかちゃん (えほんのぼうけん)◾️ちびねこのチュチュと、スプーンのあかちゃん (えほんのぼうけん)感想
★★★
ちびねこのチュチュがピアノを弾いている? え? スプーンに赤ちゃんが生まれた? スプーンって、子ども生まれるんだ!? 何から何まで斜め上? でもかわいい。絵のタッチはほんのちょっと、リサとガスパールを思わせる、かな?
読了日:09月03日 著者:二宮 由紀子


シャーロック・ホームズの思い出 (河出文庫)◾️シャーロック・ホームズの思い出 (河出文庫)感想
★★★
ハードカバーの全集版で読んだが、読書メーターに登録のない本のようなので同じ出版社、訳者の文庫版で登録。推奨順にホームズ読んでいくトライの4冊目。先入観抜きの感想として、先の短編集『〜冒険』の粒ぞろいぶりと比べて、ミステリ、もしくは短編としての構成に読んでいてやや?なものが散見されつつ、唐突なモリアーティ教授の出現とラストにびっくり。作者がよほどホームズものをもう書きたくなかったことがにじみ出ていると感じた。あと、オックスフォード版の原注はそれなりに興味深かったものの、解説と付録は正直読むのが苦痛だった。
読了日:09月06日 著者:アーサー・コナン ドイル


貝に続く場所にて◾️貝に続く場所にて感想
★★★☆
メッタ斬りイチオシの通り受賞した芥川賞作品。芥川賞つながりでは、『百年泥』のように時間が混濁する物語だが、カオスであっけらかんとして突き抜けた『百年泥』と比べると、構成される要素がパズルのピースのように丁寧に組み上げられて時間、土地、太陽系の運行のイメージでまとめ上げられている。「痛みを体験し損なった」という立ち位置(わかる部分あり)は、ちょうど放映中の朝ドラ『おかえりモネ 』と近いところもあり、そういう視点で語るものが出始めるまでには時間が必要だったのだろうという思いが残る。
読了日:09月10日 著者:石沢 麻依


生きのびるために (外国の読みものシリーズ)◾️生きのびるために (外国の読みものシリーズ)感想
★★★★
アニメ『ブレッドウィナー』の原作。この本の取材が1997年、1999年、原著の出版が2000年、911をはさんで翻訳出版が2002年。そうしてまた、2021年、タリバンの支配が戻ってきた。本書に書かれたのと同じような出来事がまたしても現在進行形である、ということに言葉もない。
読了日:09月12日 著者:デボラ エリス


ルッキオとフリフリ おやしきへいく (講談社の創作絵本)◾️ルッキオとフリフリ おやしきへいく (講談社の創作絵本)感想
★★★
一作目で「どこかのおやしきに」と言ってたのは妄想じゃなかった!? ちゃんと募集と面接がある!? おやじっぽいコンビだけど、にんげんさんの目から見ると…!? ともあれ、おやしきのごちそうにはありつけたので結果オーライ!?
読了日:09月12日 著者:庄野 ナホコ
もりのゆうびんきょく (もりはおもしろランド( 1))◾️もりのゆうびんきょく (もりはおもしろランド( 1))感想
★★★
はりねずみさんの営む森の郵便局。なんというか、童謡のようなお話。なんと、いろいろなお店のシリーズがたくさん出ている! この一冊目は1977年が第一刷とのことだが、知らなかったなあ…
読了日:09月14日 著者:舟崎 靖子


文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室◾️文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室感想
★★★★☆
小説を書くための講座の運営から編み出された合評式の小説教室を例文、例題を示しながら解説することで、結果的に分析的文学論にもなっている。合評会をしないにしてもこの例題は物書きを目指す人の役に大いに立つだろうし、訳者の方も書かれているが、基本「英語の小説」の構造を解き明かす内容でもあるので、翻訳をしようと思っている人にも役に立つだろう。実際、構成のやたら入り組んだ二人称小説を訳しながら気がついたことのほとんどは既にここに書かれていた(汗)。文学論としても面白いので物書きや翻訳を志さない人も面白く読めると思う。
読了日:09月15日 著者:アーシュラ・K・ル=グウィン


10かいだての まほうつかいの おしろ (PHPわたしのえほん)◾️10かいだての まほうつかいの おしろ (PHPわたしのえほん)感想
★★★
まほうつかいになりたい女の子、クロネコに誘われてお城を1階ずつ登っていくうちに…。本の中で女の子が選ぶものがちまちまと描き込まれていて、女の子が選ばなかったものを選んだら?という空想を楽しめる作り。これは可愛い楽しい。
読了日:09月15日 著者:のはな はるか


リックのおへや◾️リックのおへや感想
★★★
カンガルーのリック、友だちのこぐま、うさぎ、ことりの部屋に遊びに行って、それぞれに感嘆。でもお家に帰れば…。絵もおはなしもほんわか。
読了日:09月15日 著者:どい かや
もりのおとぶくろ◾️もりのおとぶくろ感想
★★★
4羽のきょうだいうさぎ、足を怪我したおばあちゃんを元気にするために、「もりのおと」を取りに森への旅に。森にあふれる音をどうやって持ち帰るのか!? 「おとぶくろ」って一体なに? かあいらしいおはなしだけど、子うさぎたちの目はちょっと怖いかも?
読了日:09月15日 著者:わたり むつこ


マーシャと白い鳥 (世界のお話傑作選)◾️マーシャと白い鳥 (世界のお話傑作選)感想
★★★☆
ロシアに昔から伝わる民話。再話した人によってちょっとづつ違うのは民話品質? さらわれた弟を追って往路で出会ったものたちが帰途で…という構成は、これも民話の一つの類型かもしれない。前に読んだカルヴィーノが再話したイタリア民話にも同様に類型があったような…
読了日:09月15日 著者:ミハイル ブラートフ,出久根 育


おじいちゃんがおばけになったわけ◾️おじいちゃんがおばけになったわけ感想
★★★☆
道で突然倒れて亡くなったおじいちゃん。おばけになって孫のエリックの前に現れる。ふたりはおじいちゃんがおばけになった理由を探し始めるけど…。淡い色鉛筆のタッチで淡々と描かれる静かな物語。
読了日:09月16日 著者:キム・フォップス オーカソン


メンタル・フィメール (ハヤカワ文庫JA)◾️メンタル・フィメール (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★
ふと思い立ってちょうど30年前(1991年文庫化)の本を。帯コピーの「東京は、恋をする。」に象徴されるように、都市=ネットワークの意識と少女性をモチーフにした点で、個々には独立した短編の集成でありながら、全体を通して統一感のあるイメージが浮かび上がるのは流石に1980年代後半の大原まり子ならでは。解説にあるように、ムーブメントとは独立して勝手に成立していたサイバーパンクでもあり。ただ、今読んでも古びていない。しかし中小企業がネット会議で下世話な相談してる、なんてシチュエーションはむしろ「今」だよね(笑)。
読了日:09月19日 著者:大原 まり子


石の刻シティ (徳間文庫)◾️石の刻シティ (徳間文庫)感想
★★★★
こちらは1992年文庫化の大原まり子短編集。あとがきにある通り、5編の短編はまさに「五つの世界」。最後の「ハコダテ……」がやや毛色が異なるものの、徹底して無道徳で暴力的な世界が万華鏡のように提示される。これもまた、個々には独立していながら短編集のトーンが一貫しており、個々の短編以上のヴィジョンを示す名短編集。
読了日:09月20日 著者:大原 まり子


綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)◾️綱渡りの男 (FOR YOU 絵本コレクション「Y.A.」)感想
★★★☆
建設中のツインタワーに忍びこみ、友人の協力で鋼鉄にロープを屋上間に渡し、そこで綱渡り。曲芸師本人もさることながら、見守るモブの描き方がいい。絵本らしい仕掛けもあり、ツインタワーの高さを実物を見上げるかのように感じさせる。実際、クライマックスのページでは高いところから下を見下ろした時の怖い感じが背筋を走った。今はもうないツインタワーの思い出として捧げられた一冊。
読了日:09月24日 著者:モーディカイ・ガースティン


ぼくはうさぎ◾️ぼくはうさぎ感想
★★★☆
飼い主のさえちゃんのお友だちが自分を見て「いぬ」と呼んだのを耳にしたうさぎ。さえちゃんをうそつきにしないよう、いぬになるための勉強をはじめるが…。うさぎの脳内妄想? のエスカレートぶりが読者を裏切り続ける楽しい絵本。
読了日:09月25日 著者:山下 哲


パンダツアー (コドモエのえほん)◾️パンダツアー (コドモエのえほん)感想
★★★
観光バスに乗りこんだパンダのツアー客が8カ所の観光場所をめぐる。ちまちまと描き込まれた観光場所のあれこれ、ツアーのお客さんたちのリアクションの数々が楽しい。キャラクター多数、見るものも多数、どこになにがあるか探すのが楽しい。
読了日:09月25日 著者:のはな はるか


山はしっている◾️山はしっている感想
★★★★
山の一日を夜明けからゆったりと見守り、次の夜明けで幕を閉じる静かな佇まいの絵本。ざっくりしたタッチで描かれる動物たち、鳥たちが、それぞれシンプルながらそれぞれの特徴がわかり、可愛らしくもちょっとリアル。あ、地味に獲物を狙うクズリが出てくるけど、どういう生態の動物かは『ゴールデンカムイ』参照(笑)。舞台は北米大陸の北の方のようだが、著者は御二方ともイギリス在住とか。
読了日:09月25日 著者:リビー ウォルデン


海竜めざめる (ハヤカワ文庫 SF 264)◾️海竜めざめる (ハヤカワ文庫 SF 264)感想
★★★★
ある日から地球の深海部を狙って次々と落下してきた火球。それから始まる海難事故と、上陸して人を襲う謎の戦車と触手生物、さらに始まる海面上昇…。当時としても奇抜さや新しさはたぶんさほど感じられない、描かれた当時の現代を舞台にしたリアルなパニック小説だったと思うのだが、危機を前にした個人、国家、政治、経済などなどの混乱をシミュレートする地味な描写に徹していることで、古びにくい普遍性を持っている。敵の正体も対策もない中、社会が徐々に崩れていく有様は2021年の今読むとちょっと身につまされるくらいにリアルだ。
読了日:09月25日 著者:ジョン・ウィンダム


もりのおかしやさん (もりはおもしろランド( 2))◾️もりのおかしやさん (もりはおもしろランド( 2))感想
★★★
シリーズ2冊目。表紙見返しの地図は一冊目と同じで、今回はゆうびんやさんのそばのいたちのおかしやさんにスポットが当たる。森の仲間の誕生日に、そっくりのケーキを作ってくれるおかしやさん。そんなある日、謎のケーキ依頼が舞い込むが…?
読了日:09月27日 著者:舟崎 靖子


おばけと友だちになる方法 (世界傑作絵本シリーズ)◾️おばけと友だちになる方法 (世界傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
タイトル通りの絵本。おばけと友だちになる方法を初めからおしまいまで丁寧に教えてくれる。最後まで読むとちょっとほろっとする。
読了日:09月29日 著者:レベッカ・グリーン


きょうはそらにまるいつき◾️きょうはそらにまるいつき感想
★★★☆
空に丸い月の出ているある日、街の人びと、森の動物たちはその頃何を? ほぼ同じ時間帯にあちこちで起こる出来事を素描していく絵本の流れに、ジム・ジャームッシュ『ミステリー・トレイン』『ナイト・オン・アース』あたりをちょっと連想した。
読了日:09月29日 著者:荒井 良二

読書メーター

2021年8月に読んだ本2021年09月04日 20時57分14秒

 冊数は多いけど、ほとんど『ゴールデンカムイ』と絵本。しかし、『ゴールデンカムイ』、ちゃんと読んでなかったのを反省する面白さ(笑)。荒木飛呂彦のいう「人間讃歌」の本流(そんなものがあればだが…)を継ぐ作品ではなかろうか。
 読破したので、来月は別の本ももっと読みます。たぶん(笑)。

8月の読書メーター
読んだ本の数:46
読んだページ数:6559
ナイス数:266

おはなをどうぞ◾️おはなをどうぞ感想
★★★
単色の色紙を切り貼りしたような絵本。シルクスクリーンでやっているようだ。女の子がお母さんにためにたくさんお花を摘むのだけど、帰り道で会う動物たちに分けてあげていると…。ほっこりする。
読了日:08月01日 著者:三浦 太郎


かぜのうた◾️かぜのうた感想
★★★
風が吹くと四季折々に起こることをイラストとタイポグラフィを交えて描く。イラストレーターのお名前がイタリアっぽいので、鯉のぼりや風鈴など日本の風物が次々と出てくるのにちょっと驚いたけど、イタリアと日本で活動されてるイラストレーターさんで、文の方はもともと日本の方が書いているのね。タコ揚げが楽しそう。
読了日:08月01日 著者:フィリップ・ジョルダーノ,沢辺 満智子


ゴールデンカムイ 7 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 7 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
獣肉グルメ紀行はアザラシからヒグマ! というか、ほぼ羆嵐のシチュエーションで、それでも食べる! 行者ニンニクは切らしてるけど(笑)! 一方、競馬八百長がらみの追手(来てたのか)の行動がさらに斜め上(笑)! それとかそれ、今気にするポイント(笑)!? というか、ある意味ハッピーエンド(笑)!?
読了日:08月01日 著者:野田 サトル


ゆるふわと情熱のあいだ (ぶんか社コミックス)◾️ゆるふわと情熱のあいだ (ぶんか社コミックス)感想
★★★☆
天然ボケ美少女とツッコミ役の友人コンビ、その二人の関係を見て百合妄想をたくましくする後輩男子、の掛け合いがおかしすぎる。
読了日:08月01日 著者:袴田めら


ゴールデンカムイ 8 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 8 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
こだわりの剥製職人! これはもう本当に『Fate/Zero』とシンクロ率200%くらい(笑)!? マタギの谷垣の過去が重く切ないが、その重要エピソードがすっかり埋没している…
読了日:08月01日 著者:野田 サトル


街どろぼう (福音館の単行本)◾️街どろぼう (福音館の単行本)感想
★★★☆
山のてっぺんに住む孤独な巨人。ふもとの街から家を盗んでくるが、その住人の願いを聞いているうちに…。エスカレートしていく街どろぼうの顛末は? 最後にちょっとほっこり。
読了日:08月03日 著者:junaida


ないしょのオリンピック◾️ないしょのオリンピック感想
★★☆
おうちのご一家がお出かけの間、家の中のいろいろなおもちゃや道具たちが家中を会場にくりひろげるオリンピック。これこそステイホームなオリンピック(笑)? というか、これがあれば本物のオリンピックなくてもいいよ(笑)。
読了日:08月03日 著者:もとした いづみ


おばけやしきにおひっこし◾️おばけやしきにおひっこし感想
★★★★
版画と貼り絵を組み合わせた楽しい絵本。つかまえたおばけの使い道にびっくり(笑)。
読了日:08月04日 著者:カズノ コハラ


ブルッキーのひつじ◾️ブルッキーのひつじ感想
★★★☆
シンプルな線とシンプルな本文、リズム感は、なるほど、これは詩だ。これが詩だ。
読了日:08月04日 著者:


二番目の悪者◾️二番目の悪者感想
★★★★
どんな動物を描いてもどこか年経て見える庄野ナホコさんの絵の特徴が活かされた風刺物語。一度流れた噂の恐ろしさ。タイトルの意味が恐ろしい。
読了日:08月04日 著者:林 木林,庄野 ナホコ


ゴールデンカムイ 9 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 9 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
表紙の通りの白石巻(笑)。一枚の似顔絵が白石の人生を変え、脱獄王を誕生させた(笑)。似顔絵作者本人はそのことを知るよしもなかった…
読了日:08月05日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 10 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 10 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
基本は白石救出作戦…のはずなのだが、行動の読めない/空気の読めない?人たちがめいめいに動いているのでわりとカオス(笑)。なにより、ここで千里眼ぶっ込んできた(笑)!? しかもご本人。杉元の干柿でほろっとさせたか、と思ったけど、ラストはやっぱり白石が持ってった(笑)。
読了日:08月05日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 11 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 11 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
ここまでも変態しか出てこず、エスカレートし続けてきたが、前半の稲妻強盗と蝮のお銀の底冷えするような暴力性、一転して後半は……ウプチャヌプコロ…。まだ上には上というか下には下があるのか(笑)。あと、地味にまた杉元勢?合流。しかし、表紙の凛々しさと内容のギャップすごいな(笑)。
読了日:08月07日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 12 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 12 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
獣肉グルメ紀行はウミガメ、ラッコ、シマフクロウ。ラッコがあんな危険なものだとは…(笑)。みんなラッコのせいよ(笑)!? 一方、目的を遂げて真っ白な灰か初代ジョジョみたいに燃え尽きたり、のっぺらぼうの正体がらみで疑心暗鬼が煽られたり…。盲目盗賊団の夜襲で引き。相変わらずの密度…。
読了日:08月07日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 13 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★

グルメ紀行はついに鮭。あますところなく食べ、使う。その漁に偽装した網走潜入計画、誰と誰が二重?三重?スパイ状態なのか? 潜入される側の備えも巧妙。騒乱の起こる中、変態師団の本格侵攻が始まる! 以下、次巻!! 
読了日:08月07日 著者:野田 サトル


霧のむこうのふしぎな町 地下室からのふしぎな旅 天井うらのふしぎな友だち◾️霧のむこうのふしぎな町 地下室からのふしぎな旅 天井うらのふしぎな友だち感想
★★★☆
『霧のむこうのふしぎな町』では、へちゃむくれの女の子がふしぎな町に行って、働かざるもの…とばかり、お仕事を遍歴してちょっとだけ成長する。『地下室からのふしぎな旅』では、女の子が薬屋のおばさんといっしょにさらわれて行った先でふしぎな国から国へと遍歴する。『天井うらのふしぎな友だち』は田舎に引越した姉弟の冒険。この中では最もスペクタクルでアニメ向きかも。古い本で原本の登録がないみたいなので、初期三部作合本版で登録。あ、お名前に見覚えあると思ったら、『ファンファンファーマシィー』の原作者でしたか。
読了日:08月08日 著者:柏葉 幸子,タケカワ こう


ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 14 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
のっぺらぼう争奪戦で網走に全勢力が集まる中、疑心暗鬼状態の呉越同舟の組み合わせがまさかのガラガラポン!? のっぺらぼうの正体は決着がついたが、物語は新たな局面。舞台はついに樺太へ! しかし、表紙にもなってるチェーンマッチって、ジョジョっぽいな。あと、ほぼ焼け落ちたけど、監獄の構造は先日ブラタモリで紹介されてた通りでその点も感じ入った。
読了日:08月08日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 15 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 15 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
獣肉グルメ紀行はトドだが、別行動なので杉元は食べてない(笑)。アシリパを追っていたはずが、ロシアの村に拳でわかりあうタイプ(笑)の囚人が。オラオラならぬ俺俺で対抗する杉元はすっかりアレだ(笑)。制帽もかぶってるし(笑)。後半は鶴見中尉誕生?編? しかし、たぶん部下全員に同じような「たらし」を仕掛けていたんだったら、めっちゃマメな変態さんだ(笑)。
読了日:08月08日 著者:野田 サトル


すいめん◾️すいめん感想
★★★☆
海を撮影し続けている屋久島の写真家さんによる「水面」(海面)をテーマにした写真絵本。こんな切り口もあったのか、という驚きと、透明感にあふれた写真が美しい。教育絵本的にも読める。夏に読むにふさわしい涼しげな一冊。
読了日:08月08日 著者:高久 至


おたのしみ じどうはんばいき◾️おたのしみ じどうはんばいき感想
★★★
自動販売機の縦長に合わせて、縦に(上に)めくっていく変わり種絵本。販売機の数字を順番に押していくと何が出てくる!? 予想の斜め上のものが次々と出てくる不思議な販売機。
読了日:08月08日 著者:宮知 和代


ゴールデンカムイ 16 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 16 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
杉元が食べられないグルメ紀行は北海道にはいないトナカイ。頭の方の幕末の因縁話は……そうだよね、認知症的になると、その人のコアな部分だけ最後まで残るんだよね……。一方、杉本一行はアシリパに気づいてもらうべく出会ったサーカス団で芸を披露するが、みんな、馴染みすぎ(笑)。特に表紙のキミ、あなた、この巻の活躍ポイント、その方向性じゃないでしょ(笑)。後半はアシリパ一行の国境越えでさらに一波乱。いや、政治犯の過去って、そういうことだったの!?
読了日:08月08日 著者:野田 サトル


みえるとか みえないとか◾️みえるとか みえないとか感想
★★★★
身体の特徴や能力のちがうさまざまな宇宙人と交流してきた宇宙飛行士、という例え話にして、まずは、普通と思っている自分が、普通ではない少数の人の立場になったら、という視点を体験させ、そこから、目の見える見えない、さらには個人一人一人の些細な違いまでをテーマにしていく。
読了日:08月09日 著者:ヨシタケシンスケ,伊藤亜紗


ゴールデンカムイ 17 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 17 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
今回は表紙に偽りなし。日露の狙撃手同士の駆け引きが静かに熱い。展開も熱いが決着後は風邪で体温が熱い? 杉元一行の方は忘れられた灯台。グルメ紀行はロシア料理。ペリメニ! ボルシチ! そして、樺太まで来ても監獄救出作戦!?
読了日:08月09日 著者:野田 サトル


夜のあいだに◾️夜のあいだに感想
★★★☆
男の子の住む町で、一夜明けると、木が刈り込まれて動物に。子どもも大人も、それを見て楽しくなる。夜毎にそれは増えていき、ついには…。
読了日:08月10日 著者:テリー・ファン&エリック・ファン


ゴールデンカムイ(18) (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ(18) (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
樺太追跡行のバックで、その頃土方御一行さまは…? 刺青にも金塊にも目的はなく、それを奪い合う男たちの運命にのみ興味がある、という虚無的な敵の姿、そのぎりぎりの攻防戦はジョジョのスタンド勝負の緊張感に近く、特に「男の世界」を強く連想した。一方、決行された集団脱獄の前に、物語中最強の猛獣が立ちはだかる! ああ、なるほど、あのあたりには、アレ、いてもおかしくないんだ…
読了日:08月10日 著者:野田 サトル


こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー)◾️こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー)感想
★★★
前の学校で「勝手に学級新聞」でトラブルを起こした女の子。新しい学校でも壁新聞を作るが、記事の書き方には気をつけたものの、社説で超放任主義の担任教師への不満を書き綴ったことで、またトラブル。でもそれが、同級生には共感、担任の先生には反省を促して、表現の自由と基本的人権をめぐる体験授業に発展。ちょっと話がうますぎる気もするが、日本にはなかなか馴染まないディベートの考え方、民主主義の考え方をわかりやすく楽しめる読み物になっている。とはいえ、出版目的が指導要領に入った体験学習の推進、というのはまんま過ぎる?
読了日:08月10日 著者:アンドリュー クレメンツ


ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 19 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
脱獄現場にすごいタイミングで追いついた杉元一行。不安定な流氷を舞台に、疑心暗鬼のアシリパ争奪劇の最中についに合流。ホワイトアウト気味の流氷の上で、遭遇戦的な対決が複数発生。この2巻かけて、政治犯たちの背景、樺太にかつていた日本語教師の意外な正体、おそらく謎解きのキーとなる記憶の覚醒など、のっぺらぼう争奪戦後の第二クライマックス!? あと、無駄じゃなかった…いや、けっこう無駄なことしたな、がツボ(笑)。その通りだよ(笑)!
読了日:08月10日 著者:野田 サトル


シャーロックホームズの冒険◾️シャーロックホームズの冒険感想
★★★☆
ちゃんと順番にホームズ読んでみるトライ。ひとつひとつは読みやすい長さの短編、当然ながらアイデアは今では古典だが、構成などが短編ごとに工夫があって読み飽きない。全体通じて読み応えあり。今でも読み継がれる人気シリーズにはやはり力があることを実感。あと、この文庫版の真鍋博装丁はやっぱりいいなあ。
読了日:08月15日 著者:アーサー コナン ドイル,大久保 康雄


ゴールデンカムイ 20 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 20 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
杉元一行の樺太編は帰途へ。一方、登別では新キャラ菊田・有古登場、登別より奥の今で言うカルルス……新入社員研修当時、週末行ったよ、カルルス! 懐かしい。スナイパー尾形の逃亡でさらに混沌。その過程で明らかになる鯉登少尉の過去。たらしのために一人一人にここまで動く鶴見中尉、やっぱりマメすぎる…。
読了日:08月15日 著者:野田 サトル


よるのとしょかん◾️よるのとしょかん感想
★★★☆
女の子と3羽のふくろうが営む図書館には、いろいろな動物がやってきて…。タイトルの意味は最後にわかる。かあいらしい版画絵本。
読了日:08月15日 著者:カズノ・コハラ


ゴールデンカムイ 21 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 21 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
樺太から意外な奴が追ってきちゃった!? 一方、なぜか始まる活動写真撮影が意外すぎる。監督アシリパ板についてる? 樺太で生まれたチカパシの幼い恋、谷垣の想い。一方、鶴見側と土方側の刺青をめぐる駆け引き、騙し合い。おまけに、鯉登と月島、鶴見にたらしを仕掛けられた同士の駆け引きまで。詰め込み過ぎとも思える中、ついに対面する鶴見とアシリパ…。
読了日:08月15日 著者:野田 サトル
せかいいちの いちご◾️せかいいちの いちご感想
★★★★
ある日、いちごを送ります、というお手紙とともに届けられたひとつのいちご。年に一回、その数はふたつ、よっつ…と、年々、指数関数的に増えていく。そのいちごひとつひとつの美味しさは変わらないのだけど…。ねうち、思い入れ、などについて考えさせられる。主人公がホッキョクグマなのは、やっぱり配色がショートケーキっぽいから?
読了日:08月15日 著者:林 木林,庄野 ナホコ


ゴールデンカムイ 22 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 22 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★☆
流氷逃避行。クリオネは美味しくない(笑)。ホッキョクグマは食べる前に…(笑)。あの変態たちの記憶が狩の新しい手法につながるとは(笑)。とはいえ、不死身の主人公、ある意味パーフェクト・ソルジャーでもあり、悪鬼の如く戦う有様はベルセルクっぽくもある。鯉登と月島の心の絆? さらに物語はタイトル通りのゴールデンラッシュへ。しかも、その物語が羆嵐サイコミステリ!? 登場人物のサイコっぷりはジョジョっぽくもあり。いや、しかしこれはやられた…。上手い!
読了日:08月18日 著者:野田 サトル


kaze no tanbun 夕暮れの草の冠◾️kaze no tanbun 夕暮れの草の冠感想
★★★☆
草の冠、というと、「草冠の姫君」という曲を思い出す。とある映画のサウンドトラックLPに収められたその曲は、貸しレコード屋で借りて、自宅のステレオでカセットテープに録音して、不思議と何度も聴いた。なぜかその曲の記憶は、自動車学校に通った道の記憶と結びついている。通うのには原付スクーターを使った。その貸しレコード屋もステレオも原付スクーターも今はなく、通った道すがらの田畑も住宅で埋まった。曲に歌われていたのは、幼い恋の喪失だった。
読了日:08月22日 著者:西崎 憲,青木 淳悟,円城 塔,大木 芙沙子,小山田 浩子,柿村 将彦,岸本 佐知子,木下 古栗,斎藤 真理子,滝口 悠生,飛 浩隆,蜂本 みさ,早助 よう子,日和 聡子,藤野 可織,松永 美穂,皆川 博子


ゴールデンカムイ 23 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 23 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
グルメ紀行はオオハクチョウ。なんかすごく美味しそうだ。展開は今回も詰め込み過ぎなくらい。病室でカオスな面々の呉越同舟。海賊房太郎の登場。札幌で起こる切り裂きジャックっぽい猟奇殺人事件。鶴見と宇佐美の関係が明かされる過去編。アシリパさんの教えがすっかり身についたサバイバル杉元。谷垣の逃亡劇。どんどん深まる鯉登と月島の奇妙な連帯感。そういえば、鯉登って少尉だから実は隊の中でもエラいんだった…。そんな逃亡劇もすべて飲み込む新しい命の誕生。
読了日:08月22日 著者:野田 サトル


うちのねこ◾️うちのねこ感想
★★★☆
大人になるまで野良をしていた猫が飼い猫の環境に慣れるまでを淡々と描いていく。慣れてくれるまで、こんなに時間かかるのか…
読了日:08月22日 著者:高橋 和枝


ゴールデンカムイ 24 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 24 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
鯉登、月島の意外な温情で戦線離脱?の谷垣。一方、謎の飴売りとの邂逅から、石狩川外輪船での海賊房太郎との対決。殺し合い探り合いの中でも一転手を組む杉元品質? 札幌では切り裂きジャックもどき?の連続殺人事件の謎に挑む精子探偵(笑)大活躍。変態は変態を知る? その全員が集まり始めた札幌!? 因みに今回のグルメ紀行はチョウザメ。塩漬けじゃないチョウザメの卵、その卵までぶっ込む鍋、食べてみたい!!
読了日:08月24日 著者:野田 サトル


あめだま◾️あめだま感想
★★★☆
デフォルメされつつ微妙にリアルな人形で描く、人形アニメみたいな絵本。ソフトフォーカスの効果も絶妙。ひとり遊びの好きな男の子が駄菓子屋でビー玉みたいな色とりどりのあめだまを買うが、なめてみるとびっくり…。次になにが起こるかわからないけど、ラストにちょっとほっこり。
読了日:08月24日 著者:ペク ヒナ


ゴールデンカムイ 25 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 25 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★☆
札幌に集結した未捕獲の囚人と刺青を集める全勢力。ふと振り返ると誰かいるので一触即発…で乱闘しながら、ライスカレー食べてる杉本一行とまたしてもガラガラポンの呉越同舟ががが…。一方、精子探偵(笑)と短歌探偵?がお互い知らぬままに推理対決。ついに連続殺人事件の謎が解け、最後の犯行場所は、当時なら街のどこからも煙突が見える、そう、「あそこ」だ!! グルメ紀行は、札幌だけにもちろん麦酒ですね(笑)。
読了日:08月25日 著者:野田 サトル


たくはいび――ん◾️たくはいび――ん感想
★★★
動物たちの宅配便屋は何かが違う。違う、そうじゃない(笑)。なんでこうなるの(笑)!? ええと、ひらがなのお勉強は楽しくできそうかな?
読了日:08月26日 著者:林 木林


ゴールデンカムイ 26 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 26 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★★
あらゆる関係者の集うビール工場で一冊丸ごと、混戦の攻防戦! ここまでの自然描写や網走監獄の緻密さをさらに上回る精緻な描写で描かれる木樽時代のビール工場設備が熱い(違)(笑)!? みんな、どれが何の設備かわかったかな(笑)!? しかし、みんなよく酸欠にならなかったものだ。さておき、囚人二人、それぞれの業に憑かれた最期。乱戦状態で各人の思惑がぐちゃぐちゃに交錯するアシリパ争奪戦。とはいえ、コミックスラストがお布団で札幌麦酒って、ああた…(笑)。
読了日:08月27日 著者:野田 サトル


北極サーカス (講談社の創作絵本)◾️北極サーカス (講談社の創作絵本)感想
★★★☆
動物たちがちょっとリアルでちょっとおじさんっぽい庄野ナホコ。でもこれはオヤジっぽくコミカルな『ルッキオとフリフリ』シリーズと打って変わって、氷山に乗ってやってくる北極サーカスの一夜を淡々と描く。擬人化された動物たちが演じるサーカスは、子供の目で見るサーカスそのもの、のような気がした。
読了日:08月27日 著者:庄野 ナホコ


ゴールデンカムイ 27 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 27 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★☆
最終章突入記念全話無料公開で最新話まで読めているけど、書誌は9月発売の27巻までしかまだない(笑)。さておき、27巻相当分は、ビール工場からのアシリパ争奪戦、海賊房太郎の最期。しかしまさか、資料でしか見たことないあのクルマ(笑)がこんな使われ方をするとは…(笑)。そうして、囚われのアシリパとソフィアの前で語られる、今では鶴見しか知らない様々な真相…。それを盗み聞きする今では奇妙な友情の「あの二人」。
読了日:08月27日 著者:野田 サトル


くろねこのほんやさん◾️くろねこのほんやさん感想
★★★★
本好きだけど家族の中ではちょっとみそっかす?っぽかったくろねこが街で見つけた本屋さんの求人。働き始めてみると、これこそまさに天職!? 多少の波乱?はあるものの、ほっこりする一冊。子供の頃、図書室入り浸りで、一人で街に遊びに行くようになって、街の本屋さんの場所を覚えて、週末ごとに本屋めぐり(立ち読み…)を始めた頃のことを思い出した。
読了日:08月27日 著者:シンディ・ウーメ


こっちむいて!みい子 (35) (ちゃおコミックス)◾️こっちむいて!みい子 (35) (ちゃおコミックス)感想
★★★★
中学生編に入って、ほんのり恋愛要素が強まる中で、みい子の天然ぶりがみんなのオアシス的。それも、ちょっとずつ変わってくるのかもしれないけど…。そんなところで、ナチュラルにLGBTのエピソードを挟んでくるのがいい。
読了日:08月28日 著者:おの えりこ


海とそらがであうばしょ◾️海とそらがであうばしょ感想
★★★★
90歳の誕生日を迎える前に亡くなった大好きなおじいちゃん。船を作った男の子は、おじいちゃんの言っていた「海とそらがであうばしょ」を目指す。先の読めない不思議な絵本。
読了日:08月29日 著者:テリー・ファン,エリック・ファン

読書メーター

2021年7月に読んだ本2021年08月01日 11時03分00秒

 引き続き絵本中心ながら、いろいろ読めているかも。最新刊読んだ『かげきしょうじょ!!』は、ちょうど始まったアニメが良すぎてなんといっていいやら…。あと、気になってた『ゴールデンカムイ』は最終章突入記念全話無料公開が始まったのでぽつぽつ読み進めている。

7月の読書メーター
読んだ本の数:40
読んだページ数:4120
ナイス数:151

長い道 (アクションコミックス)◾️長い道 (アクションコミックス)感想
★★★★
Kinndle版にて。気になっていた作品だったが、表層的なストーリーは親同士の勝手な取り決めで入籍した男女の絶妙にディスコミュニケーションな日常。コミカルに演出されてはいるものの、シチュエーションはかなりブラック。ヒロインが引きずっていた過去と折りあいをつけて今を生きていく、という観点では『この世界の片隅に』との共通項もあると思われた(とはいえ、現在のお相手が対照的過ぎるが(笑))。実験手法や細部に描かれたものが深読みできそうなのはいつものこうの史代品質。
読了日:07月03日 著者:こうの史代


かたつむりタクシー (幼児絵本シリーズ)◾️かたつむりタクシー (幼児絵本シリーズ)感想
★★★
そういえば、たむらしげるの絵本って、読むの初めてかな。人間が捨てたっぽい缶とかビンとかを家にしている虫たちの生活。おばあさんの家に向かう親子は雨が降ってきたのでタクシーに乗って行くことにする。目的地に着くまでのあれこれが楽しい。
読了日:07月04日 著者:たむら しげる


スモンスモン◾️スモンスモン感想
★★★★
キモかわいい?絵で、地球じゃないらしい星に生きる生きものたちの生活が淡々と描かれていく。謎の固有名詞しか出てこない謎の文章だが、絵と合わせて読んでいけば、どれが何を意味する言葉なのかわかる。異界を異界のまま感じさせる不思議な絵本。
読了日:07月04日 著者:ソーニャ・ダノウスキ


わたしのともだちポルポちゃん (講談社の創作絵本)◾️わたしのともだちポルポちゃん (講談社の創作絵本)感想
★★★
いつもいっしょのポルポちゃん。恥ずかしがりやなので人間の友だちが来ると箱に隠れたりた、他のものに擬態したり…。でも、先日見つけたタコの動画を見ると、ここで描かれていた変形、全部本当にあるみたい。実は科学教育タコ絵本!?
読了日:07月04日 著者:もとしたいづみ


れいぞうこのおくのおく◾️れいぞうこのおくのおく感想
★★★
冷蔵庫あるある(笑)。特に、パルミジャーノが使いきれてないことあり。
読了日:07月04日 著者:うえだしげこ


かげきしょうじょ!! 11 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 11 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
Kindleで発売日前に予約で買うのはこれが初めて。発売日にそそくさと読む。前巻で演技大暴走したさらさを含む本科生たちが、本性を表した演出家講師の超きびしい実技指導に挑む…。まだまだ続く。そういえば、この世界でも男役がトップに就任するのは16年ちゃんとかかっていることも地味に語られる。オスカルさまへの道は長いぞ!
読了日:07月05日 著者:斉木久美子


図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記 (文春e-book)◾️図書館の外は嵐 穂村弘の読書日記 (文春e-book)感想
★★★★
前に読んだ対談集では、対談相手のほとんど全作品を熟知しているかに思えた穂村さん、意外と実は読んでない名作があったりするところにちょっと親近感? 読んだ本からいろいろつながっていくあたりは北村薫のエッセイっぽい味わいもあったり、そんな中でも、俳句、短歌への目線は流石。終わりの方に新型コロナの話が出てきたけど、なるほど、連載期間が2017年から2020年なのか…
読了日:07月05日 著者:穂村 弘


夜ふけに読みたい動物たちのグリム童話◾️夜ふけに読みたい動物たちのグリム童話感想
★★★★
グリム兄弟が改訂を繰り返したのはよく知られているが、これは最初の『子供と家庭のメルヒェン集』からセレクトされた、ということで、なんでそうなる? それでいいのか? みたいな展開の嵐(笑)。ある意味、新鮮で面白い。その中で、「青い炎のランプ」という話を読んでみたら、あれ? これって細部はともかく、大筋はアンデルセンの「火打ち箱」とおんなじ? まあ、原型となる口伝の物語がさらに源流にあるんだろうけど、本書の中ではいちばんびっくりした。これなんか、それでいいのか? 的なお話の最たるものよね(笑)。
読了日:07月08日 著者:グリム兄弟


ミステリと言う勿れ (9) (フラワーコミックスアルファ)◾️ミステリと言う勿れ (9) (フラワーコミックスアルファ)感想
★★★★
前巻からの入れ替わり話の決着と、姿をチラ見せしたガロくん、その前日譚、次のエピソードにつづく。
読了日:07月09日 著者:田村 由美
ちょうちょ はやく こないかな (幼児絵本シリーズ)◾️ちょうちょ はやく こないかな (幼児絵本シリーズ)感想
★★★
淡いタッチ、淡い色彩で描かれたさまざまな花とちょうちょ。どうしても、大きな花にちょうちょが集まりがちだけど…。図鑑的な楽しさもあるので、これも科学教育絵本かな。あと、途中で描かれているたんぽぽはニホンタンポポですね。
読了日:07月10日 著者:甲斐 信枝


お月さんのシャーベット◾️お月さんのシャーベット感想
★★★★
ざっくりした鉛筆タッチの動物キャラに、ちょっとリアルな背景。一見写真コラージュかな、と思うけど、集合住宅の細部が微妙に歪んでいる…なるほど、そういうミニチュアを作ってコラージュしているのか。お話は、あまりにも暑くてお月さまも溶けちゃった…って、いいのかそれ!? あと、なぜ関西弁? いや、マッチしてたけど。
読了日:07月11日 著者:ペク・ヒナ


あめふりさんぽ (講談社の創作絵本)◾️あめふりさんぽ (講談社の創作絵本)感想
★★★
女の子がお気に入りのかさとながぐつとかっぱで雨の降る中おさんぽ。歩く道々で出会うのは…。読み聞かせから始める想定のかあいらしい絵本。
読了日:07月11日 著者:江頭 路子


楽園のむこうがわ◾️楽園のむこうがわ感想
★★★★
表紙に描かれた湖?のほとりの針葉樹の森。動物たちと暮らす少女のもとに現れたひとりの少年。その出会いから始まる変化は? 見開きで描かれるふたつの変化、その行き着く先。並行世界絵本?
読了日:07月11日 著者:ノリタケ・ユキコ,椎名 かおる


ルッキオとフリフリ おおきなスイカ (講談社の創作絵本)◾️ルッキオとフリフリ おおきなスイカ (講談社の創作絵本)感想
★★★
大きなお屋敷でマグロの赤身でも食べる生活に憧れる二匹。住んでいるボロ屋の裏手で実っていた大きなスイカを売ってマグロを手に入れられないか、と、海水浴場に売りにいくんだけど、あまりに大きすぎて…。マグロじゃないけど、赤いものは手に入ったので結果オーライ? というか、スイカも赤いしね(笑)。
読了日:07月11日 著者:庄野 ナホコ


バレエのおけいこ◾️バレエのおけいこ感想
★★★
なかよしの女の子がバレエをしているのに憧れた猫の女の子が、自分もバレエの練習を始まる。かあいらしい内容だけど、練習はけっこう本格っぽいので、バレエを習っている女の子向けでもあるのかも。猫でバレエというとプリンセスチュチュの猫先生を連想しちゃうんだけど、この絵本では猫は生徒。熊先生?
読了日:07月11日 著者:石津 ちひろ


セント・キルダの子◾️セント・キルダの子感想
★★★★★
スコットランドの西、ヘブリディーズ諸島のさらに西に転々と浮かぶセント・キルダ。1930年までは人が暮らしていたが、その最後の世代の子供に取材して、現地でスケッチなども繰り返して描き上げられた一冊。離島の珍しい生きもの、古くからこの島で暮らした人たちの暮らしを独特のタッチで描く。ちょっと『未来少年コナン』の残され島を思い出すようなイメージもある。
読了日:07月11日 著者:ベス・ウォーターズ


カモメに飛ぶことを教えた猫 (白水Uブックス)◾️カモメに飛ぶことを教えた猫 (白水Uブックス)感想
★★★
人間が海に廃棄した原油をかぶってしまったカモメがハンブルクの港町の猫のところにたどり着いて、産む卵の行く末を託すのだが…人間の知らない猫社会のあれこれが明かされる!? 味のある挿絵も相まって、絵本っぽい読み味の一冊。
読了日:07月12日 著者:ルイス・セプルベダ


緋色の研究◾️緋色の研究感想
★★★☆
ちゃんと読んでみよう、ということでまずは『緋色の研究』から。なるほど、ワトスンとホームズの出会いから、事件発生、犯人確保までで第一部。第二部は意外な展開だが、ホラー的なテイストでぐいぐい読ませる。古典的ミステリの力を実感。それにしても、巻末の某団体からの注釈が作者の意図を超えて一種のオチをつけているのも、味といえば味かも。
読了日:07月14日 著者:アーサー・コナン・ドイル,大久保 康雄


時をかける少女 (SFベストセラーズ)◾️時をかける少女 (SFベストセラーズ)感想
★★★☆
久しぶりに鶴書房版にて再読。この挿絵好きだなあ。再読して気がつくのは、毎回真ん中の「悪夢の真相」の内容を忘れきっていること(笑)。何というか、SFでもないし、幼なじみ・同級生との初々しい関係以外には他の2作と共通点ないし、謎解きも「なあんだ」という感じで印象に残らない。よく考えてみると、これ、北村薫「織部の霊」と同じ話と言えなくもないんだけど。一方、「時を〜」と「果てしなき多元宇宙」は意外と設定の共通点が多く、時間跳躍と多元宇宙跳躍、ロマンスとコメディなど、好対照になるように書かれていると思った。
読了日:07月17日 著者:筒井康隆


継ぐのは誰か? (ハヤカワ文庫 JA 36)◾️継ぐのは誰か? (ハヤカワ文庫 JA 36)感想
★★★★☆
宇宙開発の進み方については現実が遅すぎるのでズレが生じているものの、21世紀の世界で、無数のコンピュータが無線通信でつながった世界のありようは今読んでも古くない。デジタルデータの脆弱性が展開の肝にもなっている。他の分野でも同様で、書かれた時代を考えるとDNA解析装置という単語がさらっと出てくるのも驚き(いくつかの単語で表現されているが「携帯電話」という単語すら出てくる)。しかも、ラストに向けての肝となるのはウイルスによるパンデミック(!)。知の巨人の巨人ぶりが改めて実感できる。
読了日:07月18日 著者:小松 左京


挑発する少女小説 (河出新書)◾️挑発する少女小説 (河出新書)感想
★★★★
児童文学の中でもタイトルは読んでなくても知ってるくらい有名な少女小説、『小公女』『ハイジ』『赤毛のアン』などなどを題材に、一見良妻賢母養成小説っぽく普及していながら、実は含まれている一種の毒?と言える要素を指摘しまくる一冊。その主題に沿った論考も面白かったが、各作品の書かれた時代背景、国情など、上記の論考の基盤となっている部分への目配りがすごい。いろいろな切口で各作品を読み解いていくためのヒントにも今後なりそう。
読了日:07月20日 著者:斎藤美奈子


ルッキオとフリフリ はじめてのクリスマス (講談社の創作絵本)◾️ルッキオとフリフリ はじめてのクリスマス (講談社の創作絵本)感想
★★★
クリスマスというものを知らなかったこの二匹、見よう見まねでツリーを作り、靴下をいそいそと下げてみたのだが…。それにしてもバイト?で捕まえたネズミは天ぷらにするんだ…。
読了日:07月22日 著者:庄野 ナホコ


まじょのむすめワンナ・ビー◾️まじょのむすめワンナ・ビー感想
★★★☆
まほうつかいのお父さんとまじょのお母さんの娘のワンナ・ビー。期待されてまじょの学校に通い始めるが…。子どもの成長をゆっくり見守るお父さんお母さんがいい。
読了日:07月22日 著者:竹下 文子


サーベルふじん◾️サーベルふじん感想
★★★☆
頭がサーベルのサーベルふじん、そのサーベルの特技?を活かして、ピザをカットしたり、肉をカットしたり、人や動物の毛をカットしたり、人の役に立つのが生き甲斐。でも働きすぎて刃こぼれし始め、ついには…。シュールだけどほっこりする不思議な絵本。作中に名前の出てこないキャラクターも含め巻末見返しに一覧表があるけど、よくわからない生き物かどうかわからないのも混じってる!?
読了日:07月23日 著者:網代 幸介


ペンギンホテル◾️ペンギンホテル感想
★★★
海のかなたのどこかにあるペンギンホテルにやってくるお客さんたち。え? こんな大きいお客さん?? ええ? 今日って◯◯◯◯◯だったの!? 仕掛けが多いのであちこちで楽しめる。
読了日:07月23日 著者:牛窪 良太


かくれているよ海のなか◾️かくれているよ海のなか感想
★★★☆
なにげない海の中の写真に潜むいろいろな生きもの。けっこう見つけるの難しいのもある! 見つからなくても写真だけ見ていてもきれいだけど(笑)。よく、細部まで描き込んで何度読んでも仕掛けが楽しめる絵本があるけど、それの写真版?
読了日:07月23日 著者:高久 至,かんちく たかこ


しろくまきょうだいのセイウチまつり◾️しろくまきょうだいのセイウチまつり感想
★★★
楽しみにしていたお祭り。当日になって妹が熱を出してしまい、お母さんには連れて行けないと言われてしまう。諦めきれずに、幼い兄弟ふたりだけでちょっと遠いお祭りの場所まで。日本の田舎なら昔あったかもしれないような子どもの頃の小冒険のお話を、動物に置き換えて語る。でも、この兄弟の顔、けっこう年配に見える気がする。
読了日:07月23日 著者:庄野 ナホコ


たなばたのねがいごと◾️たなばたのねがいごと感想
★★★
おばあちゃんっ子のあおいちゃんが七夕の短冊に書く願いごと。他愛のないお話だけど、歳をとって読むとちょっと切ないかも。
読了日:07月24日 著者:村中 李衣


光の旅 かげの旅 (絵本の部屋―しかけ絵本の本棚)◾️光の旅 かげの旅 (絵本の部屋―しかけ絵本の本棚)感想
★★★★
仕掛けがあるんだな、と一目でわかるんだけど、実際に仕掛けがわかると、おおっ、と思う。よくできた仕掛け絵本。何度でも楽しめる。
読了日:07月24日 著者:アン・ジョナス


むしめがねのルーペちゃん◾️むしめがねのルーペちゃん感想
★★★
ルーペちゃんがのぞくものを描いているうちに二転三転。探しもの絵本。けっこう本気で探してしまう。
読了日:07月24日 著者:くりはら たかし
四つの署名 新訳版 シャーロック・ホームズ (角川文庫)◾️四つの署名 新訳版 シャーロック・ホームズ (角川文庫)感想
★★★
のっけからロマンス小説!? そして、紆余曲折あれど、そのままハッピーエンド!? テンポよく進んで、活劇もあり。前巻の某団体も悪い意味でよく使われちゃってたけど、今回も現代の基準ではちょっとアレなネタが肝だったりはするんだけど、辻馬車行き交うこの時代のロンドンを舞台にしていることで、すべて許せる。楽しく読める。
読了日:07月25日 著者:アーサー・コナン・ドイル,駒月 雅子


愛蔵完全版 紅い牙 -コンクリート・パニック- 5◾️愛蔵完全版 紅い牙 -コンクリート・パニック- 5感想
★★★☆
花とゆめにおける『狼少女ラン』再起動の記念すべき一作。今読むと「クレー射撃が趣味の安曇セメント親娘」は風刺度が上がっている? 残虐描写も青年誌っぽくて少女マンガ誌の掲載作としてはやりすぎ感も(それはまあ、同じ雑誌に『スケバン刑事』もあったんだけど)。しかし、M8の地震にも耐えられるビル、とか、超高層ビルの倒壊とかも、今読むといろいろ考えさせられる。とはいえ、シリーズ中、ラストに「理解者ができた」希望を感じさせるのは本作くらいではなかったか。その後の展開を知っているとちょっと辛い…
読了日:07月28日 著者:柴田昌弘


ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)◾️ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)感想
★★★☆
ジャンプのサイトの全話無料公開にて。なるほど、これは読み始めると止まらなくなる。太っ腹にして危険なキャンペーンだ。ともあれ、とにかく食べてるものが美味しそうだ。
読了日:07月29日 著者:野田サトル


ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★☆
いろいろ攻防もありつつ、いったんはアイヌのコタンで小休止……と思ったら、小樽に逆戻り。捕まって、敵?の目的が明かされる。しかし、カワウソもニシンも美味しそうだ。
読了日:07月29日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 3 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 3 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
獣肉グルメ紀行は、逃げるのに使った馬の桜鍋にはじまり、ついにエゾシカへ。作中でも語られるが、手負で動き回った獣の肉は臭みが強くなる。世に言うジビエ臭の原因ともされる。現在食用のエゾシカは生きたまま捕獲した後、一定期間肥育し、家畜と同様の屠畜処理を施すことでジビエ臭のない美味しい食肉として流通するようになっている。その昔、北海道でたまたま一緒に講演した先生の演題がそのあたりのエゾシカ食用化プロジェクトの話だった。
読了日:07月30日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 4 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 4 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
獣肉グルメ紀行はオオワシ、タヌキ、ついにはクジラ!? キャラクター同士の意外な交錯、接触。そして、サイコパスっぽい殺人鬼…
読了日:07月31日 著者:野田 サトル


わたしの、本のある日々◾️わたしの、本のある日々感想
★★★
俳優さんの現在までのキャリアとかもわざわざ調べないと知らないので、40過ぎてから大学通って卒業されてた、とか、初めて知った。あと、俳句の趣味とか。毎月2冊紹介する連載コラムの5年分くらいをテーマ別に再編集しているので、章ごとに、普通の生活が微妙にコロナに侵食されていくのが何度も追体験できたり。それは本題ではないけど、守備範囲も立ち位置もの異なる人の本の話も面白い。
読了日:07月31日 著者:小林 聡美


ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 5 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
殺人鬼の行動原理にちょっと『Fate/Zero』を思い出した。シャチの竜田揚げ! 子持ち昆布の唐揚げ! ともあれ、エキスパートな軍人同士の息詰まる攻防戦とその顛末が混沌を予想させる。さらに明かされるのっぺらぼうの正体(まあ、十分暗示されてはいたけど…)、役立たず呼ばわりの人魚(笑)の出番か!?(いやまあ、ここまでもいろいろ役に立ってたとは思うけど…(笑))
読了日:07月31日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 6 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 6 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
札幌の殺人ホテルのカオスっぷりが(笑)。とはいえ、ここで札幌麦酒と村橋久成出してくるか(笑)!? 後半はほぼ仁義なき戦い明治編?
読了日:07月31日 著者:野田 サトル

すいかのプール◾️すいかのプール感想
★★★
もしすいかがプールになったら、その発想はなかった(笑)! 楽しそうな遊びは、なるほど、すいかの物性を生かしたものばかり。楽しそうだけど、身体はきっとぺたぺたになるな(笑)。
読了日:07月31日 著者:アンニョン・タル

読書メーター

2021年6月に読んだ本2021年07月04日 16時13分06秒

 引き続き絵本比率高めながら、『三体III』は読んだ。その後で『ヤマトという時代』を映画館で観たら、ビジュアルイメージとか、異星文明とのコンタクトとか、物理法則の無茶な取り扱いとか、実はリメイクシリーズの『ヤマト』って、共通項ありそうに思った。一種の収斂進化か? そう考えると、日本人が作るものが大戦時代の遺物から宇宙につながる物語なら、中国における物語が文革から始まるのも、実は近いところあるのかな、とか思ってみたり。

6月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:2842
ナイス数:111

おたんじょうびのおくりもの◾️おたんじょうびのおくりもの感想
★★★
取っておいたおいしいりんごを、お誕生日のプレゼントにしよう、あれ、でも、ここにおいたはずなのに…。わすれんぼのわらしべ長者、みたいなお話。初版が1984年とのことなので、かくれたロングセラー?
読了日:06月02日 著者:村山桂子


こぐまのカブ おつかいへ◾️こぐまのカブ おつかいへ感想
★★★
家族にお買い物を頼まれたこぐまのカブ。お買い物を復唱しながら歩く…って、普通『やかまし村』のお買い物のエピソード思い出すじゃないですか。で、絵本にありがちな忘れものジャンルと思って読み進めると、あら不思議、すごく順調にお買い物が進んでいく…。ごめん、こちらの心が汚れていたよ…。ちなみに、「こぐま」で「カブ」なので、今検索すると検索結果の画面に『スーパーカブ』が並びます(笑)。
読了日:06月02日 著者:牛窪 良太


岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET(マイリトルプラネット) (小学館クリエイティブ単行本)◾️岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET(マイリトルプラネット) (小学館クリエイティブ単行本)感想
★★★★★
まさか今頃になって岩泉舞をコミックスで読めるとは。しかも、以前1巻限りに終わってしまった短編集には未収録だった短編の再録から新作描き下ろし表題作までを修正した完璧版。未収録作はおそらく雑誌印刷からの収録らしいのは残念だけど、切り抜きで持ってなかった作品も読めてよかった。しかも最新作、タッチがクリアに洗練されつつ、一級のアイデアストーリー。これを機会に細々とでも新作を描き継いでもらえるとすごくうれしい。なので、昔読んでた人も、初めての人も、どんどん買って欲しい。
読了日:06月04日 著者:岩泉舞


ちいさなライオン◾️ちいさなライオン感想
★★★
こどもライオンの写真にジャック・プレヴェールが文章をつけた異色の絵本。動物園を逃げ出したこどもライオンのちょっとした冒険? 解説によると、同じ写真の絵本がもともと別にあったらしく、そちらも気になる。
読了日:06月04日 著者:ジャック・プレヴェール


本屋のラク〜9回生きたねこのはなし〜◾️本屋のラク〜9回生きたねこのはなし〜感想
★★★
100万回ならぬ、9回生きたねこのお話。本屋ならぬ図書館ネタで、猫には九つの命がある、という小説もあったけど、こちらはあんなコワイお話じゃないので大丈夫。
読了日:06月04日 著者:くどう かずし


海のアトリエ◾️海のアトリエ感想
★★★★
子どもを子ども扱いしない、対等に扱う相手との交流というのは、なかなか得難い体験。かつて、そういう体験をしたことを、孫娘に語り聞かせる…と、いっても、このおばあちゃんの子ども時代って、今50代の自分たちよりちょっと上くらいだよね。まあ、むしろその年代だけに、そういう年長者は少なかっただろう。いろいろ考えさせられ、心に残る一冊。
読了日:06月06日 著者:堀川理万子


クララとお日さま◾️クララとお日さま感想
★★★
世間的にはAIテーマとか、新しめのことをいろいろ言われそうな作品だが、読んでいる間感じたのは懐かしさ。これは手塚治虫ではないのか。とりわけ、『火の鳥』復活編を思い出した(『鉄腕アトム』要素もあり)。AIの視点で学習が進む効果を描くあたりも、ニトロプラスのゲーム『HELLO WORLD』あたりのねちっこさを知っているとやや淡白にも感じる。とはいえ、読後感含め、良作。再読に耐えると思う。
読了日:06月06日 著者:カズオ イシグロ,土屋 政雄


ねむいねむいちいさなライオン◾️ねむいねむいちいさなライオン感想
★★★
なるほどこれが『ちいさなライオン』のもうひとつのバージョンか。文章が少なくシンプルで、こちらの方がより絵本らしい仕上がり。写真は同じものもあるけど、順番が違っていたり、どちらかのバージョンにしかない写真もあるようなので、比べて読むと何倍にも楽しめる。
読了日:06月06日 著者:マーガレット・ワイズ ブラウン


三体III 死神永生 上◾️三体III 死神永生 上感想
★★★★
前に智子ファンアートというのを見せてもらったことがあったけど、智子が本当に智子だったのでひっくり返った(笑)。それにしても、時代は面壁計画の頃まで遡るところから始まって、あとはジェットコースターのように二転三転…。第二部まで終わったところで、第二部まで「だけ」で「これ」ですか、と、思わず呟いた。しかし、植物の種は…さよならすべての???
読了日:06月09日 著者:劉 慈欣


パンダのパンだ◾️パンダのパンだ感想
★★★
パンダのパン屋、というある意味ベタなネタだけど、日替わりのパンとそれに合った?動物のリアクションが楽しい。あと、背景かと思っていたカレンダーや掲示板がちょっとしたストーリーに発展していくのもまた楽しい。
読了日:06月15日 著者:牛窪 良太


死ぬまでに行きたい海◾️死ぬまでに行きたい海感想
★★★★
著者本人が撮影した写真を添えて語られる小さな旅の数々。時には、気になっていたけど降りたことのなかった駅、時には昔住んでいた土地、町。いつものエッセイのように、淡々と起こっていることを書いている中に、偽りの記憶や虚構が渾然と入り組み始め……と、思ったけど、もしかして著者の視点になってみれば、語られていることはすべてリアルなのかも。天然の語り/騙り手、ナチュラル・ボーン・クリストファー・プリースト!? 文章だけでも現実遊離感半端ないが、写真というリアルが添えられることで現実の境界がさらに揺らぐ。最高傑作かも?
読了日:06月15日 著者:岸本 佐知子


神様のいる街◾️神様のいる街感想
★★★☆
著者の自伝的なエピソードが散文的に語られる。加えて、架空のホテルメモ帳(父親に頼んで作ってもらったとか)に書きためてあった散文を本にしたものの、原本が失われていたという幻の処女作をメモの体裁を再現して収録する趣向が楽しい。なるほど、こういう不思議な、レイアウト、装丁に凝りまくった本は、ここから出るのがふさわしいのか。
読了日:06月17日 著者:吉田 篤弘


チョコレートのおみやげ◾️チョコレートのおみやげ感想
★★★☆
お母さんの妹にあたるおばさんに神戸を案内してもらった小学5年生の女の子。帰途、お土産に買ったチョコレートを食べながら、おばさんは風船売りとにわとりの不思議な話を語り始める。言葉のキャッチボールから、やがて物語のキャッチボールに広がっていくのがほっこりする一冊。
読了日:06月18日 著者:岡田 淳
ヴォドニークの水の館◾️ヴォドニークの水の館感想
★★★
チェコに伝わる水妖ヴォドニークをめぐる物語。19世紀にドイツ語で出版されたチェコ民話集が150年近い時を経てチェコに戻ってきた、その中から選んだ一編とか。貧しい少女が水妖の気まぐれで命を救われ、水底の屋敷で掃除の仕事をすることになるが…。全身みどりのヴォドニークはチェコ版カッパ!? 前に読んだイタロ・カルヴィーノ『梨の子ペリーナ』と同じ、世界のむかしばなし絵本のシリーズとのこと。他のシリーズも読んでみたくなる。
読了日:06月18日 著者:まきあつこ


薬屋のひとりごと 11 (ヒーロー文庫)◾️薬屋のひとりごと 11 (ヒーロー文庫)感想
★★★☆
元々の展開、シチュエーションが平時でない中、波乱の展開はある程度予想されたとはいえ、そのさらに上をいく政変展開。なるほどといえばなるほどだが、まさかあのキャラが…。農学系としては、小麦の栽培化の過程の自然変異の桿長、穂からの種子の脱落の度合いなどを経験的に選抜する(品種改良の萌芽)とか、連作障害の有無とか、そういう蘊蓄の滑りこませ方が相変わらずうまいと思う。
読了日:06月22日 著者:日向夏
小惑星ハイジャック (創元SF文庫)◾️小惑星ハイジャック (創元SF文庫)感想
★★★☆
いわゆるオールド・シルヴァーバーグの時期に変名でエースダブルに書いた小品が今頃新訳! 訳者の思い入れたっぷりのこういう翻訳もたまにはいいじゃない? シンプルかつ短いながら、スピード感、エスカレーション感がなかなか。これ、ボリュームアップさせたらワイドスクリーンバロックになりそうなネタを無造作にエースダブルに使い潰してる感じ? オールドだっていいじゃない(笑)。
読了日:06月23日 著者:ロバート・シルヴァーバーグ


三体III 死神永生 下◾️三体III 死神永生 下感想
★★★★
なるほど、三体艦隊に人類を送り込もうという「階梯計画」から始まって、別の意味の(壮大な)「階梯」に至る。第一作で描かれた智子による干渉すら、この展開に至る伏線にもなっている。とにかく、次から次に繰り出されるアイデア、その喚起するイメージの奔流。流された先では滝になっていたり…(笑)? なるほど、SFは技術ではなく世界そのものをモチーフにするものなのだ、という作者のポリシーが実感できる。解説で予告されているスピンアウト?も楽しみだ。
読了日:06月26日 著者:劉 慈欣


ねんね◾️ねんね感想
★★★
いろんな動物のねんねの写真の絵本。かあいい。
読了日:06月26日 著者:さえぐさ ひろこ

空からのぞいた桃太郎◾️空からのぞいた桃太郎感想
★★★☆
上から俯瞰した桃太郎。とにかく、俯瞰した全景が緻密で細部に遊びがある。とはいえ、鬼退治の理由も説明がなく、俯瞰で見ると穏やかな日常を過ごしていた鬼たちが一人残らず地に伏した有様を見ると、ただの大虐殺、お宝強奪に見えなくもない描き方が、淡々と恐ろしい?
読了日:06月26日 著者:影山 徹


タンタンタンゴはパパふたり◾️タンタンタンゴはパパふたり感想
★★★☆
ペンギンのオスとオスのカップル、飼育員さんの心遣いで、他のカップルが産んだ卵を温めて、やがて娘が生まれる。実話ベース、ってのにはびっくり。
読了日:06月26日 著者:ジャスティン リチャードソン,ピーター パーネル


ちいさな島◾️ちいさな島感想
★★★★
ちいさな島の四季のうつろいをめぐり、来ては去る鳥、動物、魚、昆虫たち。時には人や飼い猫が立ち寄ることも。ざっくりしたタッチだけど動物の特徴がよく出た絵とともに、ちょっとした図鑑的にも読める一冊。1940年代に描かれたとのことだけど、エバーグリーンな絵本と言えそう。
読了日:06月27日 著者:ゴールデン マクドナルド


ブックデザイナー・名久井直子が行く 印刷・紙もの、工場見学記◾️ブックデザイナー・名久井直子が行く 印刷・紙もの、工場見学記感想
★★★
印刷、紙に関する見学記の最新刊。今回も紙作りから始まり、製本、物流(取次)まで、上流から下流までの構成になっているが、顔料、インキの現場が加わることで化学工場の要素が強く出た内容になり、個人的には親近感。ご年配の職人さんの話がやはりウェイト高いものの、意外な分野がしっかり後進育成していたり、分野によっては本以外の製品できちんと産業として自立していたりするのが興味深い。あと、神保町の和綴屋さんは、狭い路地にあるあそこですね。
読了日:06月29日 著者:


わかつきめぐみ迷宮探訪 (Treasure Album)◾️わかつきめぐみ迷宮探訪 (Treasure Album)感想
★★★☆
なんと、わかつきめぐみ40周年記念本とな。何もかもみな懐かしい。大学時代は手書きファンジンやイラスト、カットに多大な影響を受けた。その最たるものがほとんど一人で手書き、手描きで2年かけて作ったコンベンションアフターレポート。自分はその後、手仕事からDTPになって久しいが、40年アナログ画業を続けられていることに心からの敬意を。描き下ろし新作番外編は二つともキャラの画風はともあれ、当時の雰囲気を感じさせて懐かしい。新作もいつも通り。このまま50年、60年を目指してほしい。
読了日:06月30日 著者:わかつき めぐみ

読書メーター

2021年5月に読んだ本2021年06月02日 12時46分46秒

 相変わらず絵本成分多め。とはいえ、比較的新刊のケン・リュウ、リサ・タトルなども読めたのでまずまず?

5月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:2793
ナイス数:98

モリー・ゼロ(Molly Zero)<下>あかは、わるい◾️モリー・ゼロ(Molly Zero)<下>あかは、わるい感想
時間おいての再読(誤字チェック兼)。自分で訳していうのもなんだけど、モリーがロマニーの移動遊園地と旅する第4章は本作の白眉と思う。第5章以降は序盤の展開を手を変え品を変え変奏曲として描く、と解釈でき、ラストの種明かしも、『パヴァーヌ』のテーマの進化(深化)形とも思える。再読の成果として誤字の他、誤訳含めあちこち修正した第二刷を印刷所に発注した。あと、添野さんからもご指摘あったけど、アーサー・ランサムへのリスペクトもあちこち仕込んであるのね。
読了日:05月02日 著者:キース・ロバーツ


日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年◾️日々翻訳ざんげ エンタメ翻訳この四十年感想
★★★☆
いやあ、もともと興味ある話だけど、素人翻訳とはいえ、難物(笑)の長編一冊訳した後で読むといろいろ赤くなったり青くなったり…(笑)。
読了日:05月07日 著者:田口俊樹


かわいいことりちゃん (くらやみ文庫)◾️かわいいことりちゃん (くらやみ文庫)感想
★★★☆
擬音たっぷりでことりの成長をのんびり追いかける絵本。そのままでもかわいいんだけど、敢えて英訳を付してあるのがまた味になっている。
読了日:05月08日 著者:コナツ マキコ


ウサギ◾️ウサギ感想
★★★★
とある島に突然船でやってきて我が物顔でもともと住んでいた生き物を虐げ、移民、開発を勝手に進めるウサギ。ある意味わかりやすいオーストラリア開発史? とはいえ、言葉も通じない相手になすすべなく蹂躙される不気味さはそんな背景を超えて普遍的に読める。
読了日:05月08日 著者:ジョン・マーズデン


昔日の客◾️昔日の客感想
★★★★☆
昭和の古本屋さんの交友録とも言える軽妙洒脱な随筆集。豪快なエピソードが古い文壇の雰囲気を今に伝える。これは図書館所蔵の復刻版だけど、元の版で手に取って(旧字で)通読してみたくなる。でも、復刻の経緯を見ても、入手困難なんだろうなあ…
読了日:05月11日 著者:関口 良雄


ふゆのくまさん (えほんライブラリー)◾️ふゆのくまさん (えほんライブラリー)感想
★★★
冬、3人の子どもたちが、風邪をひかないようにしっかりと厚着して遊びに出る。ちょっとずつ歳の差もあって、いっしょに同じ遊びをするのでもない、でもお互い目を離さないくらいの距離感でめいめい好きなことをしてるのがリアル。と、末の弟が何か見つけたようだけど…。ほっこり読み終えて表紙を見直すと、ああなるほど、でも、なんでそんなところに?
読了日:05月13日 著者:ルース・クラフト


わたしのおふねマギーB (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)◾️わたしのおふねマギーB (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)感想
★★★
淡い水彩のにじむ感じとか、子どもの表情がリアルで憂いがあるあたりに、ちょっと、いわさきちひろを思い出すけど、細密でありながらデフォルメも効いた画風がなんともいい。幼い姉弟が目を覚ますと専用のお船に。そこで過ごす一日。夢か現か? 出てくる果物やお料理も美味しそう。
読了日:05月13日 著者:アイリーン ハース


カーリーおばさんのふしぎなにわ (あかねせかいの本 6)◾️カーリーおばさんのふしぎなにわ (あかねせかいの本 6)感想
★★★
ひとつ前に読んだ『マギーB』は、絵も文章も手がけた初めての作品、と著者紹介にあったけど、こちらは同じイラストレーターさんの数多いという絵の方を担当した絵品のひとつ。子どもの頃にありがちな近所の謎のおうち、大人の視点で読んでみれば「そりゃそうだよね」という話ではあるんだけど、近所の謎のおばあさんのおうちに飛びこんだボールを取りに行こうとお庭に忍びこんだ3人組のちょっとした冒険。
読了日:05月13日 著者:ルース・クラフト


古くてあたらしい仕事◾️古くてあたらしい仕事感想
★★☆
『昔日の客』を復刊したのは「ひとり出版社」だったのか! 巻末に既刊リストがあるので、普通に読み終えて奥付を見たら、あれ? この本は新潮社の本なのか!? 実は著者の作品紹介だったのか? まあ確かに、この著者はこういう本を自社から出すタイプの人ではないだろうな、とちょっと納得もした。「ひとり出版社」を作ろうとした経緯、運営方針についての熱い想いは、熱すぎてやや胸焼けするかも(その点は新宿のベルク店主の本と近い印象)。とはいえ、先日読んで感じいった『冬の本』もこちらの作品であったと知ってその点も感じ入った。
読了日:05月14日 著者:島田 潤一郎


ブックデザイナー・名久井直子が訪ねる 紙ものづくりの現場から◾️ブックデザイナー・名久井直子が訪ねる 紙ものづくりの現場から感想
★★★★
気がつくと見直されていた活版印刷、美術品の分野で地味に大活躍の版画手法などから始まって、製紙工場、伝統の和紙作り、さらに製本、古紙の再生、回収など、本を作るための紙をめぐる現場を、デザイナーの名久井直子さんが興味あるしんしんに、めぐる、めぐる。写真も多くて、読者もその現場のさわりを体験した気持ちになれる。
読了日:05月14日 著者:


宇宙の春 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)◾️宇宙の春 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
★★★★
とうとう4冊目のケン・リュウ短編集。本巻の構成は太平洋戦争時の史実をベースにした収録作の印象、そこに「ドキュメンタリー」形式で物語を語る(テッド・チャンにインスパイアされたとのこと)手法の効果、いつもよりコンパクトなページ数も相まって、統一感のあるアンソロジーになっていると感じる。その「統一感」がポリティカル・フィクション寄りでもあり、なるほど、日本での評価が確立した今の方がふさわしい短編集ではある。
読了日:05月15日 著者:ケン リュウ


くもとそらのえほん (PHPにこにこえほん)◾️くもとそらのえほん (PHPにこにこえほん)感想
★★★
雲の形とその名前がどんどん紹介される。小学生の頃、夏休み自由研究のテーマを雲にして、スケッチに図鑑で調べた雲の名前を描いて提出したのを思い出した。うちにあったのは小学生向けの百科図鑑で、よそのおうちにある大人向けの百科事典がうらやましかった覚えもあるのだが、パラパラめくっていろいろ興味を持つ役は果たしていたっけ。後年、ティプトリーの「最後の午後に」の挿絵イラストの巨大甲殻類モンスターをデザインする参考にも使ったので、その子供心に物足りなかった百科事典、使い倒したとは言える(笑)。
読了日:05月17日 著者:五十嵐美和子


花の神殿―恋人たちの時間 (とびだししかけえほん)◾️花の神殿―恋人たちの時間 (とびだししかけえほん)感想
★★★
タイトルはちょっと恥ずかしいけど(笑)、ページをめくると花開く仕掛けがすごい。
読了日:05月18日 著者:キース・モーズレー


愛蔵完全版 紅い牙 -狼少女ラン- 1◾️愛蔵完全版 紅い牙 -狼少女ラン- 1感想
★★★
『紅い牙』シリーズ、Kindle版大盤振る舞いでまとめてダウンロード。この「愛蔵版」は短編ひとつで巻数ひとつ。久しぶりに読んだけど、時代を感じるとともに、あの時代でなければ描けない熱量も感じる。
読了日:05月18日 著者:柴田昌弘


愛蔵完全版 紅い牙 -鳥たちの午後- 2◾️愛蔵完全版 紅い牙 -鳥たちの午後- 2感想
★★★
『紅い牙』2作目。生活のため校内食堂で学生と同じ年代の少女が働く、というのは、『ガラスの仮面』の序盤の親娘住み込みで働く描写同様、今なら描けない設定(といっても、現代がその描写より貧しい時代になるとは…)かな。重要キャラ、バードとワタル登場。あと、地味に衝撃を受けたのは冒頭で明かされるランの生年月日。1961年生まれ…。還暦古代超人類…?
読了日:05月18日 著者:柴田昌弘


愛蔵完全版 紅い牙 -さよなら雪うさぎ-3◾️愛蔵完全版 紅い牙 -さよなら雪うさぎ-3感想
★★★
短編ひとつずつの愛蔵版、3編目。もう一人のエスパー、イワンの悲恋。これも、日本の閉鎖的な田舎、という設定では、今は描けないだろう。物語もある意味紋切り型だが、日本人のムラ社会の気質は意外とこんなもんだな、と思うと軽く絶望感も感じる?
読了日:05月18日 著者:柴田昌弘


愛蔵完全版 紅い牙 -タロン・闇に舞うタカ-4◾️愛蔵完全版 紅い牙 -タロン・闇に舞うタカ-4感想
★★★
シリーズ4編目にして、ついに本領発揮の死の商人タロン。やや技術の遅れた黒い幽霊団? という印象だが、当時の感覚なら、いかにもマンガっぽい『009』より、ちょっとリアルに感じる効果はあったと思う。それでも、表紙のボスのキャラはシリーズ中最もマンガっぽくて、『ブルー・ソネット』にそのまま登場した時はやや微妙に感じた覚えが…。因みに、ここまでの4編をまとめて初めて出したのは東京三世社で、ハードカバー本。これで人気に火がついて、白泉社でのシリーズ再開、そのあとでマーガレットコミックスが最後まで出たのだ。
読了日:05月18日 著者:柴田昌弘


まじょのデイジー◾️まじょのデイジー感想
★★★☆
森の中にある幼い魔女向けの学校。その生徒の中でもとりわけちびっ子のデイジーが、ほうきで飛ぶ練習をしていて、森の木に落ちてしまう。そこで、なんだかいじわるっぽい声をかけてきたのは…。なんともかあいらしい絵柄と物語。…え? 江國香織『号泣する準備はできていた』の表紙もこの人でしたか!?
読了日:05月19日 著者:植田 真


夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件 上 (探偵ジェスパーソン&レーン)◾️夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件 上 (探偵ジェスパーソン&レーン)感想
★★★
まさかリサ・タトルの長編が今頃翻訳で出るとは! まあ、ビクトリア朝時代を背景にした諮問探偵ものだから、ということではあろうが、かつて出身のSF研がファンジンでリサ・タトル作品を草の根的に翻訳していたこともあり、なんとも感慨深い。上巻の内容はまさにタイトルそのまんま。ロンドンの路頭に迷ってたまたま探偵助手の募集を見つけたヒロインが、巷間噂の霊能者の降霊会や依頼された夢遊病者の入り組んだ事件に巻き込まれていく。
読了日:05月22日 著者:リサ・タトル


大根はエライ (たくさんのふしぎ傑作集)◾️大根はエライ (たくさんのふしぎ傑作集)感想
★★★
こんな絵本あったのか、という教育?絵本。大根の特徴、おいしい食べ方、使われ方をちょっとユーモラスに描く。そういえばこないだの冬はあまりおでん、ぶり大根などの機会が少なかったか。もっと大根食べよう。
読了日:05月22日 著者:久住 昌之


少年探偵団・超人ニコラ (岩波文庫)◾️少年探偵団・超人ニコラ (岩波文庫)感想
★★★☆
シリーズ初期の『少年探偵団』と末期の『超人ニコラ』を、仮名遣い以外は極力オリジナルに近い形で合本にした一冊。年少の読者に語りかける文体が読み進むほどになじみ、思いの外楽しめた。間に、戦中ごろに変名で書いたという乱歩には珍しい科学読み物「知恵の一太郎」からも四篇を収録。ある意味、乱歩の執筆時期を総括するような構成。ラストの種明かしが「なあんだ」的なのは安定?の品質として、序盤からラストギリギリまでシチュエーションの不気味さを維持した『超人ニコラ』は、現代の大人が読んでも十分怖い気がする。
読了日:05月24日 著者:江戸川 乱歩 作


児童文学の中の家◾️児童文学の中の家感想
★★★☆
『ナルニア』や『アリス』のような異世界ものに始まり、リンドグレーン作品の北欧、『赤毛のアン』『若草物語』などの名作劇場的な諸作、アンデルセンなどの童話、ホームズ、ポアロなどのミステリ作品まで、章ごとにテーマを決めて作中に建物や風俗を絵で見せてくれる一冊。ここ数年で読んだ本も多く、楽しめた。
読了日:05月29日 著者:深井せつ子


めだまとやぎ◾️めだまとやぎ感想
★★★
にしかなこ、って、あの西加奈子!? プロフィールからすると間違いない。え? 絵もご本人!? タイトルも謎だが、いっしょに住んでいたおじいさんの目がくしゃみした拍子にどこかに飛んでいって、それをくろやぎさんとしろやぎさんが世界中を探しにいくという謎の展開!? でも、このやぎさんたちはお手紙を食べずにちゃんとおじいさんに出すのだ(笑)。しろやぎさんは手紙食べたそうにしてるけど、代わりに別のもの食べちゃうけど(笑)。
読了日:05月29日 著者:西加奈子


しりとり (安野光雅の絵本)◾️しりとり (安野光雅の絵本)感想
★★★★
いろいろなものの絵が安野光雅タッチでページ狭しと描かれている、説明をきちんと読まず、まずは描かれたイラストの味わいを楽しんで、え? でも、何がしりとり? と思ったら、見開きの絵の中からひとつ選んで、次の見開きに描かれた絵でしりとりをしていく、という趣向、ラストページは「ん」で終わるもののイラストが6つだけ。この6つにしりとりが繋がらなかったら、最初からやり直してね、という趣向。なるほど、これは楽しい。巣ごもり向けかも。
読了日:05月29日 著者:安野 光雅


夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件 下 (探偵ジェスパーソン&レーン)◾️夢遊病者と消えた霊能者の奇妙な事件 下 (探偵ジェスパーソン&レーン)感想
★★★☆
いかにも怪しそうな霊能者が本当に怪しいんだけど、その怪しさの正体が…。なるほどそうきたか! しかも、ラスト、次の事件に続く…。しかし、この上巻と下巻の間に読んだ少年探偵団シリーズと味わいが近い感じで、意図せず、違和感のない読書になった。
読了日:05月29日 著者:リサ・タトル


みんなのおすし◾️みんなのおすし感想
★★★
お寿司屋さんのカウンターを見開きの真ん中に、左にお寿司屋さん、右にお客さんのレイアウトは固定。お客さんの注文をきくごとに、準備してあったネタがその分減っていく。途中から、仕掛け絵本でやってきたお客さんの食べている姿を見せる趣向になるのだが、次々にやってくるお客さんがちょっとずつグレードアップ?していって…。ラストまで手に汗握る? お寿司屋さんの一日のお仕事。
読了日:05月29日 著者:はらぺこめがね


みなとまちから◾️みなとまちから感想
★★★☆
船で遠い町にたどり着く始まり方は、ちょっと安野光雅『旅の本』を連想する。表紙にある通り、全体に雲は灰色、今にも雨になりそうな…。雨宿りの喫茶店でちょっとうとうと…。そんな町での出来事を手紙に書いて友だちに…。
読了日:05月30日 著者:nakaban


とおいまちのこと◾️とおいまちのこと感想
★★★☆
二人の絵本作家がお互いに文章と絵の担当をバトンタッチするという珍しい趣向のペア。『みなとまちから』手紙が届くその先にいるのは…。相手のいるところのページだけ、出てくる絵でふたつの町がつながる瞬間が楽しい。もちろん、読む順番はどちらからでもいい。ペアの絵本を収める箱の装丁も楽しい。
読了日:05月30日 著者:植田真


百人一首 うたものがたり (講談社現代新書)◾️百人一首 うたものがたり (講談社現代新書)感想
★★★★☆
今はなき講談社の「本」で連載の中盤くらいから、「本」が本屋で入手できた時だけ読んで、本にまとまったら絶対買う、と思い詰めた一冊。連載時は一回に4首だったが、新書では一首を見開き2ページで解説する。ベテラン歌人の著者の博覧強記ぶりと、歌人としてのパッションがわずかなページに炸裂する。そのあたりは、想いを限られた文字数に凝縮する短歌に通じるところもあるのかも。ページ数はコンパクトながら、一気読みできる密度ではなく、出てすぐ買ったけど、やっと読了。何度でも読み返したい。
読了日:05月31日 著者:水原 紫苑

読書メーター

2021年4月に読んだ本2021年05月09日 08時16分54秒

 主に絵本の日々が続いてます。あとは、月内に最後まで行きつかなかったけど、『モリー・ゼロ』の誤字チェック兼ねた再読も。一通り終わったので、誤字修正、脚注追加、若干の改訳を含む第2刷、目下印刷中。

4月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:1699
ナイス数:89

科学絵本の世界100: 学びをもっと楽しくする (286) (別冊太陽 日本のこころ 286)◾️科学絵本の世界100: 学びをもっと楽しくする (286) (別冊太陽 日本のこころ 286)感想
★★★★
知ってた本は数冊、ロングセラー的なものから最新のものまで、「科学」の要素を楽しく読める絵本の数々。「科学」に興味がない人にもオススメしたい見て楽しいガイドブック。しかし、その中の一冊で驚いたのは、あのパンダのカンカンは骨格標本として余生?を送っているという事実! 地味にびっくりした。
読了日:04月03日 著者:

チリとチリリ◾️チリとチリリ感想
★★★
そっくりのチリとチリリは双子なのか? 自転車に乗って、森の中、あちらこちらに立ち寄りながら、どこまでもサイクリング。やわらかいタッチのかあいい絵本。シリーズ、けっこう出ているみたい。
読了日:04月06日 著者:どい かや


ねこのうたたね◾️ねこのうたたね感想
★★★
これもまた、素朴なタッチがかあいい。ねこをめぐる短い散文と絵のセットが9編(+おまけ1編)。
読了日:04月07日 著者:どい かや


ねずみちゃんとりすちゃん おしゃべりの巻 (学研おはなし絵本)◾️ねずみちゃんとりすちゃん おしゃべりの巻 (学研おはなし絵本)感想
★★★
なかよしのねずみちゃんとりすちゃん、釣りをしてもお買い物をしても、ほとんど丸一日のおしゃべりでおしまい。そんなある日、おかしを作ることになって…。さりげなく経験から学ばせるけど押しつけっぽくないのがいい。
読了日:04月07日 著者:どい かや


ヘーゼルの密書◾️ヘーゼルの密書感想
★★★★
『破滅の王』からのスピンアウト的に上海に生きた日本人の物語を描く。今回は上海自然科学研究所は主舞台ではないが、背景としてゆるやかにつながる。史実の日中和平工作を下敷きに、榛(ヘーゼル)の名のもとに和平に関わった人々を描くポリティカル・フィクション。味わいはオーシャン・クロニクルの『深紅の碑文』に近い。本作単独なら虚構要素ありの歴史小説としても読めるが、本作と『破滅の王』が同じ時間軸であってもおかしくはない、かも?
読了日:04月09日 著者:上田 早夕里


わたしたちのたねまき: たねをめぐるいのちたちのおはなし◾️わたしたちのたねまき: たねをめぐるいのちたちのおはなし感想
★★★★
人間が、自然が、鳥が、動物が、魚が…、地球のあらゆるものが、植物の種をなんらかの形で「たねまき」している。シンプルな線と淡い色彩で、それぞれの植物の形、種の形が描かれている。眺めるだけでも楽しい「学び」の絵本。科学絵本のムックで紹介されていた一冊。
読了日:04月10日 著者:キャスリン・O. ガルブレイス


J01 地球の歩き方 東京 2021~2022 (地球の歩き方J)◾️J01 地球の歩き方 東京 2021~2022 (地球の歩き方J)感想
★★★
熟読はしなかったけど、一応全ページ何が載っているかざっとなめた。気がつくと、けっこう東京の地理が頭に入っているものだ。この手のガイドブックには珍しい気がする年表が史実の間に紹介しているスポットやお店の開業年を挟んでいたりして面白かった。
読了日:04月10日 著者:

BとIとRとD (MOEのえほん)◾️BとIとRとD (MOEのえほん)感想
★★★★
幼稚園に行くようになる前後あたりの子どもの日常の些細な出来事を子どもの主観によりそって素描するような散文と、かわいいけどちょっとこわいクロッキー的な絵が絶妙に配置された一冊。タイトルと冒頭の文章を読んで、めくって目に入る絵にちょっとドキッとする。絵にメンディングテープやレースの布テープ?が貼られたりしているのも効果的なアクセント(このあたりはアニメージュに伊藤郁子さんが連載していた『迷子のマリーエンケーファ』をちょっと思い出した)。
読了日:04月11日 著者:酒井 駒子


ロンパーちゃんとふうせん◾️ロンパーちゃんとふうせん感想
★★★
BIRDと同じくらいの年ごろの女の子なのかな? 風船をもらったロンパーちゃん、風船とお友だちになって、あんなこともこんなこともしたい。放っておくと天井まで上がって行っちゃう風船をロンパーちゃんと遊べるようにしてくれるお母さん、なかなかアイデアマン? 遊んでいるうちに風に飛ばされた風船のその後は…。これもまた、子どもの主観から描かれた名絵本。
読了日:04月12日 著者:

ハンディー版 野の花と小人たち (安野光雅の本 5)◾️ハンディー版 野の花と小人たち (安野光雅の本 5)感想
★★★★
安野光雅の描く野の花。敢えてくっきりした描線なしに淡い水彩の濃淡だけで、でも写実的に描かれた植物たちと、溶け込むように描かれた生活感のある小人がいい。ハンディ版で読んでしまったけど、大きな版で眺めていたい。絵に添えられた散文と後書き的な長めのエッセイもいい。
読了日:04月13日 著者:安野 光雅


マーガレットとクリスマスのおくりもの◾️マーガレットとクリスマスのおくりもの感想
★★★
サンタクロースに憧れて、近所の人に木の実を包んだプレゼントを配ったりしていたマーガレット。クリスマスイブの朝、彼女の前に姿を現したのは小さな古いくるみ割り人形!? 誘われるままにトナカイならぬ鳥に乗って(表紙みたいに)、マーガレットのお仕事が始まる。いや、これはかわいい、意外続きの展開も、ラストもいい。画風には安野光雅や真鍋博の面影がほんのり感じられるのも、年寄りには感慨深い。
読了日:04月16日 著者:植田 真


いつまでも (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)◾️いつまでも (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)感想
★★★
「お母さんはいつまでお母さんでいてくれるの?」という質問に、「いつまでも」と答えて子どもを安心させようとするお母さん、というだけならどこにでもありそうな母子の会話だが、その「いつまでも」を例え話にするうちに、そのスケールが時空を超えてどこまでも暖かく広がっていく。淡い色彩の絵もいいが、お母さんの暖かさがラストまで持続する展開もいい。
読了日:04月18日 著者:アンナ ピンヤタロ


うろおぼえ一家のおかいもの◾️うろおぼえ一家のおかいもの感想
★★★
そろいもそろってうろおぼえのうろおぼえ一家。お母さんを留守番に残してお買い物に行くのだが…(笑)。四角くて、重くて、閉まるもので、冷たいもの、な〜んだ? たぶん、この一家、無限ループ(笑)!?
読了日:04月21日 著者:出口かずみ


一度きりの大泉の話◾️一度きりの大泉の話感想
★★★★★
初めて読んだ萩尾望都は実は『百億の昼と千億の夜』だった。竹宮惠子『地球へ…』は連載で熱中して読んだ。そんな一読者だが、月刊マンガ少年から雑誌DUOにかけて光瀬龍原作の『アンドロメダストーリーズ』が連載されていた時、何か違和感を感じたことは覚えている。その時一読者に刺さった小さなトゲは抜けたように思う。トゲのささくれは、抜かなければ痛くなかったかもしれないのに。本書に込められた祈りが世の中に通じますように。
読了日:04月24日 著者:萩尾望都


りんご だんだん◾️りんご だんだん感想
★★★
『科学絵本の世界』の中で紹介されていた一冊…と言っても、絵じゃなくて写真だけど(笑)。自分でやるのは大変…というかやりたくない(笑)。一個のリンゴが萎びて、腐敗(発酵?)して、干からびながら黴びていき、水分も失い、ぼろぼろに崩壊するまで一年ほどの変化を克明に追跡する。ここから何を受け取るかは読者に委ねられている?
読了日:04月28日 著者:小川 忠博


おふとんのくにのこびとたち◾️おふとんのくにのこびとたち感想
★★★
風邪をひいておふとんで寝ている女の子。おふとんを盛りあげて山に見立てて遊んでいたら、目の前の山になにかが見え始める…。女の子に気がついたこびとたちの行動がなんのためのものなのかまったく先が読めなくて、その目的がわかってさらにびっくり。いろいろと予想の斜め上を行く絵本。ちまちま描き込まれた大勢のこびとたちがかわいい。
読了日:04月28日 著者:おち のりこ


アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし◾️アレクサンダとぜんまいねずみ―ともだちをみつけたねずみのはなし感想
★★★
ねずみのアレクサンダは、ある日おもちゃのぜんまいねずみウィリーと友だちになるが…。切り絵、ちぎり絵、貼り絵のタッチが楽しい。
読了日:04月29日 著者:レオ・レオニ

読書メーター

2021年3月に読んだ本2021年04月01日 19時38分42秒

 冊数は多いけど、マンガと絵本比率の高い月。『かげきしょうじょ!!』は燃える。『旅の絵本』は何度読んでも楽しめる。

3月の読書メーター
読んだ本の数:33
読んだページ数:4331
ナイス数:144

かげきしょうじょ!! 1 (花とゆめコミックス)◾️かげきしょうじょ!! 1 (花とゆめコミックス)感想
★★★★
ゼロだけ紙の本で買って、大いに感銘を受けていたのだが(笑)、断片的に読んでいた連載分はもうコミックス10冊! 流石にまとめ買いしても置き場がないので電子書籍を狙っていたのだが、ほどよく、半額分のポイント還元セールがあったのでまとめ買い。リスタートの1巻目では、物語の展開とリンクさせて「歌劇団」の裏方仕事を紹介するのが上手い! 宝塚を知らない人も、読んでいるうちに基礎知識が身につく親切設計。しかも、ゼロから引き続き、キャラクターと物語の熱量は高め。
読了日:03月04日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 2 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 2 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
ゼロでもそういう要素はあったと思うんだけど、おそらく本作のテーマは挫折からの再生なんだろうなあ、という感じがする。女は歌舞伎役者になれない、男性恐怖症で役柄に徹し切れなかった元アイドル、最大の長所の歌声を見失って拒食症、などなど。本巻では、幼い頃のちょっとした嫉妬心の結果と向き合ってそれを乗り越えていく幼なじみ二人の関係がいい。
読了日:03月04日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 3 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 3 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
現役トップにも憧れられる専科にして理事! もうあの方のこととしか(笑)。今巻も、物語の展開と宝塚初心者への入門的紹介が散りばめられつつ、それに絡めて、それぞれのキャラクターの過去のわだかまりが抉り出され、それぞれに乗り越えられていく。
読了日:03月05日 著者:斉木久美子


ゆきがふる◾️ゆきがふる感想
★★★
しんしんと雪の降る日、うさぎの男の子ががソリを引いて森の中に歩いていく。その先にいるのは…。え? え? え? という方に話が転がっていく。ほっこり、ほんわかしてもおかしくない物語なのに、ページをめくっていてちょっと胸がドキドキした。
読了日:03月05日 著者:蜂飼 耳


お探し物は図書室まで◾️お探し物は図書室まで感想
★★★
小学校に併設されたコミュニティセンターの中の小さな図書室でベイマックスのような司書さんが本来の選書におまけで選んでくれる一冊の本と、付録にくれる趣味の羊毛フェルトマスコットが、借りた人の背中をそっと押してくれるハートフルストーリー。登場人物の意外なつながりが作り込みすぎにも思えるけど、ほっこり読める。いや、『21エモン』はいいよねえ。
読了日:03月06日 著者:青山美智子


かげきしょうじょ!! 4 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 4 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
10年に一度の&100周年の大運動会! 見守る元トップ(戦中を生き抜いた)のモデルはおそらくあの伝説の…。さらさが以前完コピした男役がかわいいもの好きで娘役志望だった、という設定は2巻でも出てきたけど、その詳細が語られる番外編も切ない。因みに、この世界では歌劇団が『ファントム』ではなくて『オペラ座の怪人』を上演しているという設定で、それが番外編の肝でもある。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 5 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 5 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
運動会の次は文化祭! 本来はコーラスだけの予科生が、今回はロミジュリの寸劇も演じることになり、演じる4人を40人から選抜するためのオーディションが計画される。番外編は、腹黒キャラの本科生の高校時代のエピソード。登場するキャラクターそれぞれに「人生」がしっかり感じられるのも本作のポイント。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 6 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 6 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
ロミジュリのオーディションで、表現を模索する予科生たちが、それぞれの経験の中から何かを掴み取り、ささやかながら昇華させていく。とりわけ、表紙の二人、彩子とさらさ、成績下位の二人が、それぞれの持ち味を最大限出し切った演技に思わず目頭が…。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子


旅の絵本 (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本 (安野光雅の絵本)感想
★★★★
教文館での原画展を見たり、ちょこちょこ立ち読みくらいはしていたけど、実はちゃんと目を通したことなかった『旅の絵本』。船を漕いで、とある欧州の街にたどり着いた旅人の行程を追うように、街の人々の生活がモブで細々と描かれる、生活スケッチ的なものから、名画へのオマージュ的なお遊びもあり、だまし絵になっている箇所なんかもある。何度読んでも楽しめる。
読了日:03月06日 著者:

かげきしょうじょ!! 7 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 7 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
オーディションの余波、サリエリの悩みへのひとつの回答を示しつつ、文化祭へ。文化祭本番中にまさかの突発事態。そして、番外編で語られる、自分ではコントロールできない事情で夢をあきらめる本科生がまた切ない。本人の気持ちが負けていなくても、道が閉ざされることも人生にはありうる、そのエピソードもあることで、物語の陰影がより深くなる。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 8 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 8 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
文化祭でのアクシデントにからんで、舞台と私生活の関係のシビアな部分がクローズアップ。夢、挫折の克服、というポジティブな要素だけではない、「プロとしての舞台人」の現実を突きつけつつ、予科生編クライマックス。このあたりは雑誌で読んでも目頭が熱くなった。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 9 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 9 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
本科生編スタート。指導される側から指導する側へ。一方で、授業にも本格的に演技の実演が。文化祭での代役もきっかけに、娘役と男役の選択肢で揺れる元アイドルの愛。リアルにも、身長がやや足りなくてもトップになった男役を観劇で観ているといろいろ感慨深い。一方、番外編ではさらさの出自が地味に明かされる。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子


かげきしょうじょ!! 10 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 10 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
ついに本格化する演技の実技…いや、この展開には既視感がある(笑)。そう、『ガラスの仮面』序盤の「舞台あらし」!! 存在感ありすぎの天然憑依型の少女が、チームワークの舞台のバランスを壊しかねない…。さらさ、恐ろしい子…。
読了日:03月06日 著者:斉木久美子
冬の本◾️冬の本感想
★★★★
84人が、自分にとっての「冬の本」をネタに何かを語る。一人の割り当ては小ぶりな本の見開き2ページ。どの本をネタにしているかは文中で紹介されることもあれば、ほとんどわからないことも(巻末に筆者紹介と選書の一覧あり)。だが、それがいい。作家、ライターも多いが古書店店主もちらほら、あと、意外とミュージシャン比率が高いのは編集部の趣味か。長さ以外の形式フリーなので混沌とするかと思いきや前後で響き合うような印象のものもありどういう基準で並べているのかと思ったが、北村薫まで読み進んでただの五十音順だと気づいた(笑)。
読了日:03月09日 著者:天野祐吉,佐伯一麦,柴田元幸,山田太一,武田花,友部正人,町田康,安西水丸,穂村弘,堀込高樹,ホンマタカシ,万城目学,又吉直樹,いがらしみきお,池内 紀,伊藤比呂美,角田光代,片岡義男,北村薫,久住昌之


花よりも花の如く 20 (花とゆめCOMICS)◾️花よりも花の如く 20 (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
コロナ禍の影響でついに成田美名子の製作環境もデジタル化が始まった、という意味では記念すべき巻かもしれない。人の心のほんのわずかなゆらぎについての今巻は、起こる事象としては大きな動きはないが、先に何か波乱のありそうな伏線も。そういえば、先日たまたまEテレで「船弁慶」を放映しているのを観たら、自分で思っていた以上に感銘を受けた。
読了日:03月11日 著者:成田 美名子
ミステリと言う勿れ (8) (フラワーコミックスアルファ)◾️ミステリと言う勿れ (8) (フラワーコミックスアルファ)感想
★★★★
今回は中編と短編と、久しぶりにエピソードの序盤で次巻に続く構成。なかなか思わせぶりなところで寸止め(笑)。今回も、世間一般の常識や思い込み、多数派/声の大きいの側からの押しつけ的なものに、次々とカウンターとかましていく。近年ネットのSNSなどで見られるネトウヨをはじめとする極端な意見の代表っぽい言説も散見され、まさに「今」と対峙している作品であることを再確認した気がする。
読了日:03月13日 著者:田村 由美
旅の絵本 (2) (日本傑作絵本シリーズ)◾️旅の絵本 (2) (日本傑作絵本シリーズ)感想
★★★★
旅の絵本(イタリア編)の旧版。新版と比べてみたら、全部に絵が描き直しだったのにびっくり。これはもう別の絵本だ。
読了日:03月13日 著者:安野 光雅


旅の絵本2(改訂版) (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本2(改訂版) (安野光雅の絵本)感想
★★★★
1976年の旧版を全面的に描き直した2006年の新版。国旗が随所に織り込まれているのと、旧版では種明かしをあえてしていなかった絵の中で描かれる新約聖書の物語や、仕込まれたお遊びを詳しく紹介してくれている親切設計。イタリアはベネツィアしか行ったことないけど、懐かしく思い出した。
読了日:03月13日 著者:


旅の絵本3 (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本3 (安野光雅の絵本)感想
★★★★
こちらは1981年の版。表紙や随所に国旗をあしらう趣向はこの巻では初めからだったわけか。煉瓦造りの街並みが続いたイタリア編で船で漕ぎ出した旅人は、白い崖のある海岸から上陸。イギリス編は街より草原や森のページが多い。アリスやプーさん、ホームズ、ビートルズからシェイクスピアまで、ちまちました仕込みも健在。元ネタ全部わかる気がしない…
読了日:03月13日 著者:安野 光雅


薬屋のひとりごと 10 (ヒーロー文庫)◾️薬屋のひとりごと 10 (ヒーロー文庫)感想
★★★★
箸休め的な前巻から打って変わって、しばらく伏線的に語られてきた飛蝗が本格襲来。このシリーズは基本ライトミステリ仕立ての物語が軸で、前半の怪談もどきの謎解きあたりはいつも通りだが、後半は一転してアグリカルチュアル・ポリティカル・フィクションとでもいえばいいのか。オーバーテクノロジーが出てこない分、『鹿の王』あたりよりよほどシビアな描写になっている。手作り殺虫剤や、麦の穂発芽に触れられてるあたり、農学部出身者にはいろいろ納得感もある。そして、急展開なためか、思いのほか早い次巻予告が!
読了日:03月13日 著者:日向 夏


タンタン ソビエトへ (タンタンの冒険)◾️タンタン ソビエトへ (タンタンの冒険)感想
★★★
ベルギーで1929年に新聞向けに描かれたマンガ。乗り物のスピード感の出し方とかは『新寶島』あたりに近い雰囲気あり。ソビエトの描写がやや偏見を含む資料を参考にしていることから、長らく作者が封印していた、ということだが、主人公のアナーキーぶりも含め、こう言った作品を(時代背景とセットで)封印しないことが文化だと思う。
読了日:03月13日 著者:エルジェ
初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)◾️初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)感想
★★★★
なるほど、かゆいところに手が届く入門書。作品の執筆・成立過程を時系列に整理、全作品のネタバレ配慮の紹介、関連作品やシャーロッキアンについて、さらには、ホームズ以外のコナン・ドイルの業績、作家の現役時代から現代までのメディアミックスの総括まで。作品を読んでなくても楽しめる入門書! しかし、いつの時代も人気作品は終わらせてもらえないジレンマがあるのね…
読了日:03月14日 著者:北原 尚彦


旅の絵本4 (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本4 (安野光雅の絵本)感想
★★★★
アメリカ編は1983年初刊。今回も船でたどり着いて、馬に乗り、絵本の開く左から右の方向へと旅が続いていき、アメリカを西海岸から東海岸まで大横断して、また海から次の旅へ。イタリア編の新約聖書のよろしくアメリカ開拓史的な「仕込み」が随所にあるのだが、微妙な違和感…。その理由はあとがきでわかる。えええ? そういうことだったの、これって◯◯なんじゃ…。
読了日:03月15日 著者:


旅の絵本5 (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本5 (安野光雅の絵本)感想
★★★★
微妙に前のアメリカ編とのつながりを連想させるくすぐりがあるけど、こちらは何と2003年初刊! 長い休止からの再開? という位置付けなんでしょうか…? スペイン編はダリとかピカソとかドン・キホーテとかいろいろ仕込みもありつつ、一方、だまし絵要素が随所に。最後まで読むと、ううむやっぱり、この旅人が旅しているのはただの海と陸だけではないような…??
読了日:03月16日 著者:


魔法にかかった新学期 4 (花とゆめCOMICS)◾️魔法にかかった新学期 4 (花とゆめCOMICS)感想
★★★
成田美名子とひかわきょうこの新刊が今でも読める2021年。なんとなく不穏な中、学園祭準備の楽しさがちょっとビューティフル・ドリーマーっぽい? 敵役が今のところ小物っぽいけど、闇の側がそれを利用してさらに一波乱の予感?
読了日:03月17日 著者:ひかわ きょうこ


乙嫁語り 13 (ハルタコミックス)◾️乙嫁語り 13 (ハルタコミックス)感想
★★★★
これまでの道程を逆にたどりつつ、人々の姿を写真に収めてきたスミスの旅が、ついに…。歴史で知るあれこれの事実が物語に牙を見せ始める。本国へは帰れそうなスミスのこの先も気になるが、やはりアミルたちのこれからが気になる…
読了日:03月17日 著者:森 薫
モリー・ゼロ(Molly Zero)<上>みどりは、よい◾️モリー・ゼロ(Molly Zero)<上>みどりは、よい感想
★★★★
頒布の山も越したので、改めて落ち着いて再読。まあ、自分が読みたい形に訳したんだから自分にとって読みやすいのは当たり前ではあるのだが、ゲラと格闘していた時期とは異なり、純粋に作品として楽しめるモードに入った感じ。しかし改めて読むとこの波乱万丈な展開をあのコンパクトな英文で表現してるのはすごい。あと、やっぱり原文は「声に出して読む」文体なんだろうな、と思った。それにしても、第3部の別れのシーンは読み返しても切ない。下巻も一読者として読もう。
読了日:03月19日 著者:キース・ロバーツ


裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック5 八尺様リバイバル (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★
まさか本当にラブホ女子会(笑)。とはいえ、その後日談のオチが地味に今まででいちばんゾッとした昭和世代(笑)。そのオチを含め、今回はネットロア以前のフォークロアまで素材を広げて「裏世界」に時間の広がりを感じさせている。ともあれ、すっかり両想いモードののろけ巻?
読了日:03月26日 著者:宮澤 伊織


名探偵カッレ 危険な夏の島 (リンドグレーン・コレクション)◾️名探偵カッレ 危険な夏の島 (リンドグレーン・コレクション)感想
★★★★
カッレ完結編。今回は冒頭のバラ戦争の遊びからしてデンジャラス。軍事機密?研究者とその息子の誘拐を目撃してしまったカッレたち白バラ軍はなりゆきのまま追跡し、アジトのある島に。危機、また、危機。しかも、人質の男の子は天然無邪気だけど必ず余計なことを言う(笑)。子どもたちの生き生きした描写もいいが、二転三転のまさに手に汗握る展開から、読み始めると止まらない面白さ。
読了日:03月27日 著者:アストリッド・リンドグレーン


裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック6 Tは寺生まれのT (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★
初の長編の元ネタがネットロアの中では「笑える」オチの話、というのは人を食った話ではあるが、裏世界からのコンタクト?としては作品史上最恐の危機とも言える。人以外の知性?が人間の側の記憶にあるものをインターフェースにしているっぽい、というのは『ソラリス』的でもある。本作のモチーフのひとつ『ストーカー』との比較で考えると、ゾーンに徐々に拠点を整備して足掛かりにするのはピクニックというより探検になりつつあるが、それもまたよし。しかし作中でストーカーという別の意味の単語が飛びかってるのは、実は意図的な掛け言葉…?
読了日:03月28日 著者:宮澤 伊織


旅の絵本6 (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本6 (安野光雅の絵本)感想
★★★★
出版は2004年だけど、2005年がアンデルセン生誕200年、ということで作中に書かれた年号が2005になっているデンマーク編(実際、10月出版なので2005年に読んだ人も多かったのだろう)。アンデルセンのモチーフをおもちゃ箱のようにぶちまけるコンセプトからか、今回の構図やアングルはリアルよりも騙し絵要素の方が多かったように感じられた。一度いろいろ想像しながら読んで、解説を読みながら答え合わせ。「火打ち箱」かな、と思った絵は当たりだったのでちょっとうれしい。
読了日:03月28日 著者:安野 光雅


旅の絵本7 (安野光雅の絵本)◾️旅の絵本7 (安野光雅の絵本)感想
★★★★
水墨画の絵巻物をイメージした絵のタッチと装丁がすばらしい。あとがきで触れられている「清明上河図」は安野光雅の目指したもののひとつだったりするのだろうか。前の巻が欧州で初めて訪問して思い入れ深いデンマークとアンデルセンで、御伽噺の仕込みと騙し絵満載だったが、今巻は中国の風景風俗を素直に描いているのも、そのリスペクトか?
読了日:03月28日 著者:安野光雅


中谷宇吉郎【雪と氷の探求者】 (はじめて読む 科学者の伝記)◾️中谷宇吉郎【雪と氷の探求者】 (はじめて読む 科学者の伝記)感想
★★★★
図書館の新刊コーナーで見かけた本。伝記でもあるが、要所要所で研究にまつわる実験装置などがイラストや図版で入って、単なる偉人の伝記ではなく、科学に興味を持ってもらいたいという叢書そのものの目的に感銘を受ける。ご本人の随筆で知っていた話もあれば、この本で初めて知るエピソードもあり。本来の対象読者層に広く読まれてほしい。
読了日:03月30日 著者:清水 洋美



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