2018年4月に読んだ本2018年05月01日 20時49分09秒

 4月は出張とかは少なかったものの、なんだかんだとばたばたしてて、引き続き活字系はちょっと少なし。
 とはいえ、名古屋SF読書会の課題図書『地球の長い午後』はきっちり読んで、自主レジュメ(4ページ)もなんとか作って参加してきました。今回も楽しかった。

4月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:2540
ナイス数:79

百年泥 第158回芥川賞受賞■百年泥 第158回芥川賞受賞感想
☆☆☆★
インドで百年に一度の洪水による泥の中から人の記憶が掘り出され、昔と今、自分と他人の境が曖昧になっていく。先に読んだ妻が「須藤真澄っぽい」と言っていたが、なるほど! そう思うと、須藤真澄のねちっこいペンタッチのキャラで脳内映像が浮かび、消えなくなった(笑)。
読了日:04月07日 著者:石井 遊佳

幻魔大戦 Rebirth 7 (少年サンデーコミックススペシャル)■幻魔大戦 Rebirth 7 (少年サンデーコミックススペシャル)感想
☆☆☆
時空の果てでクローン体がたくさん出てくるのは作者違いだけど『ゲッターロボアーク』をちょっと連想した。あと、ちょっとマンガ版『仮面ライダーBlack』の雰囲気もあり。
読了日:04月07日 著者:七月鏡一

ママレード・ボーイ little 6 (マーガレットコミックス)■ママレード・ボーイ little 6 (マーガレットコミックス)感想
☆☆☆★
ついたり離れたり、いくらでも泥沼展開にできそうな恋愛関係をあっけらかんとかわいらしく描く。新登場の後輩の女の子の立ち位置が江國香織『綿菓子』っぽくて胸キュン。
読了日:04月08日 著者:吉住 渉

わたしの名前は「本」■わたしの名前は「本」感想
☆☆☆★
粘土板、パピルスから活字の発明、印刷機の産業革命を経て、電子書籍までの歴史を「本」自身が振り返るという本好きを狙い撃ちにする趣向。楽しかった。
読了日:04月13日 著者:ジョン・アガード

ジェインのもうふ―アメリカのどうわ■ジェインのもうふ―アメリカのどうわ感想
☆☆☆★
近所の歯医者さんで待ち時間に。なんと『セールスマンの死』の作者の初めての絵本とか。白黒でざっくり描かれたちょっとリアル系の絵に、もうふだけが色がついている演出がいい。
読了日:04月14日 著者:アーサー=ミラー

超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)■超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)感想
☆☆☆☆
大喜利ネタのようなアイデアもとにどこまでできるか、という実験作。(いちおうバカバカしいだけの話もあるが)それぞれに、なぜか不思議な感動や詩情が生まれてしまっているのがこの作者の本質なのかもしれない。なるほど、『あとは野となれ大和撫子』を書いてしまう人だけのことはある。
読了日:04月15日 著者:宮内 悠介

くらべる世界■くらべる世界感想
☆☆☆★
世界各国の同じようなものを見開きで比べる写真、めくるとその簡単な解説と小コラム。目で見る比較文化論。ぱらぱらめくるだけでも楽しい。
読了日:04月18日 著者:山出 高士,おかべ たかし

たけくらべ■たけくらべ感想
☆☆☆★
千明初美最新作は大人の教育マンガ!?
まず、台詞などを原典準拠の文語としたマンガ版、次に、そのマンガ版への現代語訳と注釈、最後にルビ入りのオリジナル版という構成で「たけくらべ」を読み進めるという趣向。ストーリーが視覚化された後なら、高校レベルの文語の素養でもわりとすんなり原典を読める。
そして、もともとの物語が現代でいえば少女マンガ的なので、ちょっと懐かしい絵柄でのマンガ化はなかなかいい感じ。
読了日:04月20日 著者:樋口 一葉

ホッキョクグマ■ホッキョクグマ感想
☆☆☆★
図書館の新着コーナーにて。ホッキョクグマの生態を細かいところまで、わかりやすく紹介している。あと、冒頭で絵本を手にとってホッキョクグマの世界に没入する女の子は読者代表かな。
読了日:04月21日 著者:ジェニ・デズモンド

地球の長い午後 (1977年) (ハヤカワ文庫―SF)■地球の長い午後 (1977年) (ハヤカワ文庫―SF)感想
☆☆☆★
高校の時に読んで以来、30ン年ぶりの再読。ほとんど忘却していたので新鮮に楽しめた。
読了日:04月26日 著者:ブライアン・W.オールディス

【初回限定版】 step ― Eguchi Hisashi Illustration Book ―■【初回限定版】 step ― Eguchi Hisashi Illustration Book ―感想
☆☆☆☆★
還暦を過ぎた江口寿史のイラスト集。控えめに言って最高。画風に対する実験は今でも続いていて、自在の境地。
読了日:04月27日 著者:江口寿史

魔法の国の旅人 (ハヤカワ文庫 FT (47))■魔法の国の旅人 (ハヤカワ文庫 FT (47))感想
☆☆☆☆★
ダンセイニのジョーキンズものの短編集。これはセレクションも軽妙洒脱な訳文もいい。でも、この当時は続刊は出なかったのね。
読了日:04月30日 著者:ロード・ダンセイニ

よつばと!(14) (電撃コミックス)■よつばと!(14) (電撃コミックス)感想
☆☆☆☆★
前のジュラルミンの手術の時もそうだったけど、けっこうハンドメイド趣味のあさぎがよつばの相手を真剣にしてくれるのが楽しい。そして、作中に描かれる世界が一気に広がり、今後、さらに広がっていく予感で終わる。次は何年後(笑)?
読了日:04月30日 著者:あずま きよひこ

読書メーター

2018年3月に読んだ本2018年04月02日 05時26分03秒

 3月も出張続きでばたばたしてて、活字系は少なし。ラインナップ的には小説からマンガまでちょっと(かなり(笑)?)回顧モードかも(笑)。

3月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3828
ナイス数:49

時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF)■時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF)感想
☆☆☆★
表題作は『うる星やつら』を彷彿とさせる異星人ハーレムラブコメ。これと「たんぽぽ娘」の変奏曲と言える「わが愛はひとつ」、ヤング版千夜一夜「真鍮の都」あたりはヤングのパブリックイメージを象徴する作品群だが、他の収録作は理想の女性像を突き詰めた果てに現実を直視して終わる「花崗岩の女神」、理想の教育体制のほころびを描く「赤い小さな学校」、移民船の不時着がパイロットに意外な人生を送らせる「約束の惑星」など、ほろ苦いセレクトで、それらの作品がヤングのパブリックイメージを逆照射する。なかなか歯ごたえのあるセレクト。
読了日:03月03日 著者:ロバート・F・ヤング


マリー・アントアネット―革命に散った悲劇の王妃 (学習漫画 世界の伝記)■マリー・アントアネット―革命に散った悲劇の王妃 (学習漫画 世界の伝記)感想
☆☆☆
千明初美の学習マンガを図書館で借りて読むシリーズ。表紙はややそっけなく見えるが、本編では幼少期からマリーのおてんばぶりがかわいい。革命のスケープゴートとしてのマリー・アントワネット、という視点での物語となっている。
読了日:03月03日 著者:堀ノ内 雅一,千明 初美


クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記■クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記感想
☆☆☆
千明初美の学習マンガを図書館で借りて読むシリーズ。幼少期の語学マニアぶりがかわいい。これも『マリー・アントワネット』も史実上は血なまぐさい展開が多いのだが、デフォルメされた絵柄でさらっと読ませてしまうあたりがいい。ここまで読んだ3冊に共通して、子供の頃の生き生きした描写が光る。
読了日:03月04日 著者:柳川 創造,千明 初美


少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代 (立東舎)■少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代 (立東舎)感想
☆☆☆☆
少女マンガにおけるSF、ファンタジー作品の系譜をマンガ家ごと、雑誌ごとの切り口で概説するとともに、萩尾望都「ユニコーンの夢」を再録。一方で少女マンガ家によるファンタジー、SF作品のカバーイラストを多数カラー収録。それらの目玉企画が個々独立してる感じもなくはないが、「ユニコーンの夢」はSFでもファンタジーでもあり、SF作品がマンガ家に、そのマンガ作品が読者であった翻訳家や作家に、相互に影響していた構図を一端を示す試みでもあろう。
読了日:03月04日 著者:萩尾 望都,脇 明子,井辻 朱美,野阿 梓,想田 四,石堂 藍


RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴■RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴感想
☆☆☆
個人的には「セカイ系幻魔大戦ラノベ」と呼んでいる『RDG』シリーズの後日談だが、直接の続編というよりバイキャラクター視点のスピンオフ。最初の3編は深行視点で単行本刊行時、DVD、コミックスなどへののおまけ企画で本当におまけ的な短編だが、表題作の「氷の靴 ガラスの靴」は宗田家をめぐる本編並みの後日談。こういう事件が起こりうる、ということだと、今後、本編としての続編もあり得るのかな。それにしても、やっぱりこのシリーズの肝は酒井駒子さんの表紙ですね。
読了日:03月10日 著者:荻原 規子


吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 上■吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 上感想
☆☆☆☆★
ついに『スプラップ学園』! 改めて読んでみて、このころの吾妻ひでおはやっぱり神がかってると思った。上巻はかの『ミャアちゃん官能写真集』並録。高校の頃、入手した同級生にコピーさせてもらったんだけど、そういえば、彼なんかはコミケ現地に行って買ってきたんだろうなあ。えらいことだ。
読了日:03月10日 著者:吾妻 ひでお


ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家   学習漫画 世界の伝記■ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家 学習漫画 世界の伝記感想
☆☆☆
集英社版学習漫画の千明初美作品中、唯一の男性主人公の作品。悲恋が多い生涯は少女マンガとの親和性が高買ったかもしれない。千明初美でピアノといえば、「バイエルの調べ」を思い出し、その点でも懐かしい。
読了日:03月11日 著者:柳川 創造


お風呂の愉しみ■お風呂の愉しみ感想
☆☆☆
自家製石けんを作るときだけ本棚から取り出す本書、改めて再読。自分の場合は、このレシピの石けんにして宿痾と思っていた背中の発疹が快癒したので、体質に合っていたのだろう。万人にすすめるつもりはないが、個人的には役に立った本。
読了日:03月12日 著者:前田 京子


マリー・ローランサン―「パリの美神」とよばれた画家 (学習漫画 世界の伝記)■マリー・ローランサン―「パリの美神」とよばれた画家 (学習漫画 世界の伝記)感想
☆☆☆★
千明初美版伝記マンガ、全作読了。こちらも、ヒロインのマリーが幼年から後年までかわいらしい雰囲気で描かれている。5作の中では、『紫式部』とこの『マリー・ローランサン』が特によかった。しかし、マリー・ローランサンが『枕草子』を読んでいた、という脚注にびっくり。紫式部の時代との架け橋が!
読了日:03月14日 著者:千明 初美,川崎 堅二


吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 下■吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 下感想
☆☆☆☆
上巻収録作と比べ、絵のタッチ、ギャグの芸風が変化していくのが、当時は物足りなく感じた記憶があるが、今読むとなんとも楽しい。終わり方も「らしい」感じ。産直あじまマガジン版も、アイデア的にはむしろSF度が高い。ミャア官まで含め満足。
読了日:03月20日 著者:吾妻 ひでお


冒険ルビ (手塚治虫漫画全集)■冒険ルビ (手塚治虫漫画全集)感想
☆☆
幼稚園児の頃に読んでいたと思われる『冒険ルビ』を確認してみようと古本で購入。ちょっと覚えてるのと違うっぽい。これは小学2〜3年生版だが、けっこう設定、物語の違う小学1〜2年生版は同じ全集の『ふしぎなメルモ』に収録されてるようだ。今度はそっちも読んでみよう。同時収録の学習雑誌版『ジャングル大帝』がけっこう面白かったのは拾いもの。
読了日:03月25日 著者:手塚 治虫


秘密の花園■秘密の花園感想
☆☆☆
イラストがいいタイミングで、時にカラーで入るのがいい感じ。ある意味、『アルプスの少女』の変奏曲。
読了日:03月25日 著者:バーネット


ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ)■ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ)感想
☆☆☆☆
アイデアの奔流。「フェッセンデンのハーモニー」?とでもいうべき表題作から短編ながらワイド・スクリーン・バロックのスケール感を感じさせる「邪悪の種子」まで、奇想の博覧会。久しぶりに破天荒なアイデアを堪能。
読了日:03月28日 著者:バリントン・J・ベイリー

デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト)  3 (復刻名作漫画シリーズ)■デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 3 (復刻名作漫画シリーズ)感想
☆☆☆☆☆
何も足さない、何も引かない『デビルマン』完結編。雑誌ではまったく読んだことがなかったので、再現されたカラーの雰囲気は初体験。かつ、初心にかえって感動を追体験できた。
読了日:03月28日 著者:永井豪とダイナミックプロ


ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集)■ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集)感想
☆☆☆☆
『冒険ルビ』の記憶が気になったので、ちょうど読んでいた方の版が併録されている『ふしぎなメルモ』も読んでみた。そうだこれだ。手がうじゃうじゃ出てくるふしぎな星のエピソード。もう一つの版よりキャラ、背景のタッチもていねいに感じる。そして、今読んでも楽しい面白い(表題作のメルモももちろん)。でも手塚先生のあとがきで「幼年誌に3つ描いたうち一番つまらないのしか原稿が残ってなくてそれを収録した」とのコメント(!)。えー、〜こっちの方が個々のエピソード楽しいと思うんだけど、最後のオチのせいかなあ。
読了日:03月31日 著者:手塚 治虫

読書メーター

2018年2月に読んだ本2018年03月01日 21時45分47秒

2月はマンガ比率高し(笑)。とはいえ、積読本の消化も多少すすんだかな。カズオ・イシグロもちょっと読み始めた。

それにしても、『ファイブスター物語』が今もマイペースで出続けている2018年…(笑)。

2月の読書メーター
読んだ本の数:16
読んだページ数:3392
ナイス数:111

岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1■岩崎調べる学習新書 (1) マンガの歴史 1感想
☆☆☆
岩崎調べる学習新書、という叢書は、岩崎書店HPで見ても、まだこの一冊のようだ。マンガの歴史を話し言葉のような語りかける平易な文体で語る。マンガの話なのに、図版が何もないのは、それを調べて学習してみてほしい、というコンセプトらしい。1巻は手塚治虫登場から『巨人の星』のヒットまで。自分の世代がだと、図版は脳内にあるので、調べなくても楽しく読める。いかにもみなもと太郎先生らしい博覧強記と読みやすさの両立。次巻が楽しみ。
読了日:02月02日 著者:みなもと 太郎


紫式部―源氏物語を書いた女流作家 (学習漫画 日本の伝記)■紫式部―源氏物語を書いた女流作家 (学習漫画 日本の伝記)感想
☆☆☆
普段は目にする機会がない児童書の伝記マンガ。千明初美先生がいろいろ描かれているのは知っていたが、近所の図書館にあったので読んでみた。いや、これは子供だけに読ませておくのがもったいない。紫式部の幼少期から晩年までを描く中に、源氏物語の内容もマンガになっていて、一冊で二度美味しい。
読了日:02月04日 著者:柳川 創造,千明 初美


掟上今日子の色見本■掟上今日子の色見本感想
☆☆☆
「忘却探偵」という思考実験ミステリの今回の「実験」は忘却探偵の「誘拐」。謎解きを今日子さん以外のキャラが行なう、荒唐無稽ではあるが一応はフェアで、予測不能なアイデアなど、「技あり」の印象。
読了日:02月07日 著者:西尾 維新,VOFAN


火の鳥 (6) (角川文庫)■火の鳥 (6) (角川文庫)感想
☆☆☆
今年は望郷編。マンガ少年創刊時の目玉連載作品で、初めて連載で読んだ『火の鳥』。この歳になると、ロミの心情が昔より胸にせまる。とはいえ、連載版とはけっこう物語が変わってるんだよね。
読了日:02月09日 著者:手塚 治虫


生頼範義展 THE ILLUSTRATOR■生頼範義展 THE ILLUSTRATOR感想
☆☆☆☆
上野の森美術館での展覧会図録として購入。改めて膨大な業績に圧倒された。図録にも収録されていたが、レイテ沖海戦の絵で、弾着の水柱がピンクや水色だったのに驚く。映画『この世界の片隅に』での砲弾の煙が色とりどりだったのと同じ理由だろう。
読了日:02月10日 著者:


ヴェネツィア便り■ヴェネツィア便り感想
☆☆☆★
個人的に偏愛している北村薫の奇妙な味わいの短編集。いつも忘れた頃に出る感じがまたいい。今回は50〜60代で感じる人生の哀歓を感じさせる短編が多かった。
読了日:02月10日 著者:北村 薫


日の名残り (ハヤカワepi文庫)■日の名残り (ハヤカワepi文庫)感想
☆☆☆★
英国執事の落日。森薫の絵柄で脳内再生された。
読了日:02月12日 著者:カズオ イシグロ


乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)■乙嫁語り 10巻 (ハルタコミックス)感想
☆☆☆☆★
動物の写実的かつ動きのある描写に拍車がかかっている。あたかもナショナルジオグラフィックを読むが如し。
読了日:02月13日 著者:森 薫


ファイブスター物語 14 (ニュータイプ100%コミックス)■ファイブスター物語 14 (ニュータイプ100%コミックス)感想
☆☆☆☆
設定がらがらぽんにも慣れ、脳内自動変換。久しぶりの一冊まるごとの大戦闘。兵站レベルまでしっかり描き込みつつ、オールスターキャストの大サービス。敵も味方も攻めるは攻め、退くは退く、騎士の戦いの物語。脱力オマケ話もあり。
読了日:02月13日 著者:永野 護


回転ドアは、順番に (ちくま文庫)■回転ドアは、順番に (ちくま文庫)感想
☆☆☆☆
短歌の連なりだが、いわゆる連歌ではなく、間を散文詩?でつなげて、一編の短編小説の趣きに。一組の男女の出会いからおしまいまでを描き、タイトルの通り、円環構造でしめることで独特の余韻が生まれる。ある意味、2/14に読むにはふさわしい本だったかも。
読了日:02月14日 著者:穂村 弘,東 直子


#こんなブラック・ジャックはイヤだ (エヌ・オー・コミックス)■#こんなブラック・ジャックはイヤだ (エヌ・オー・コミックス)感想
☆☆
現代的?な台詞づかいが年寄りの目にはリズムがつかみにくく、ちょっとづつ読んでいたが、ようやく読了。台詞はともかく、小ネタはけっこうおかしい(笑)。それにしても、なぜあのあとがきのような経緯でここまで描けるようになるのだ。もともとの才能か? 何か憑依しちゃったのか?
読了日:02月18日 著者:つのがい,手塚 治虫


新宿駅最後の小さなお店ベルク: 個人店が生き残るには? (ちくま文庫)■新宿駅最後の小さなお店ベルク: 個人店が生き残るには? (ちくま文庫)感想
☆☆★
刊行順と読むのが逆になったけど、こちらも読了。まあ、これからも年に何回かはエッセンベルクを肴にビールを飲みに行くだろう。
読了日:02月26日 著者:井野 朋也


グレートマジンガー 2 (サンワイドコミックス)■グレートマジンガー 1&2 (サンワイドコミックス)感想
☆☆☆☆
桜多吾作版『グレートマジンガー』のワイド版。前作の『マジンガーZ』で吹っ切れたのか、初回からオリジナル路線ばりばり。その展開のハードさはトラウマレベル。子供の頃最終回を読んだ時の衝撃が忘れられない。
読了日:02月26日 著者:永井 豪・桜多吾作


アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)■アンチクリストの誕生 (ちくま文庫)感想
☆☆☆☆
小説の構造としてはわりあいカチッとしているにもかかわらず、当たり前でないことが当たり前に語られ、小説の側には揺らぎがないのに、読者の頭の中に揺らぎを起こすような不思議な小説。
読了日:02月27日 著者:レオ・ペルッツ


デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 2 (復刻名作漫画シリーズ)■デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 2 (復刻名作漫画シリーズ)感想
☆☆☆☆★
何も足さない、何も引かないデビルマン2冊目。元のコミックスだと1巻(誕生編)、2巻(シレーヌ編)で区切りがはっきりあったが、今回ひと続きで読むことで、元のコミックス以上の連続性が感じられるように思った。その流れで総攻撃前の明のメッセージを読むと、けっこう本気で怖い。
読了日:02月28日 著者:永井豪とダイナミックプロ



読書メーター

2018年1月に読んだ本2018年02月01日 07時52分01秒

1月は正月実家発掘読書に始まり、読みさしにしてあった本などを含め、対自分比ではだいぶ読んだ。

ただし、SF/幻想文学系は少なめ。それにしても、氷室冴子でブレイクする前のコバルト文庫の新人(だけじゃないけど)SF作家ラインナップはある意味「奇想天外文庫」だったんだなあ、と今更ながらに思った。

1月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:2443
ナイス数:65

オットーと魔術師―SFファンタジー (1980年) (集英社文庫―コバルトシリーズ)■オットーと魔術師―SFファンタジー (1980年) (集英社文庫―コバルトシリーズ)感想
☆☆☆
実家の本棚から発掘。この時期のコバルトは「児童文学」的に読めるかな。こういうイラスト、装丁は今はあまり目にしないかも。
読了日:01月01日 著者:山尾 悠子


ねこひきのオルオラネ (1979年) (集英社文庫―コバルトシリーズ)■ねこひきのオルオラネ (1979年) (集英社文庫―コバルトシリーズ)感想
☆☆☆☆
大学時代以来の再読。今読むと改めて、コバルト文庫から出てはいるが、これは「夢枕獏の初めての著書」としか言いようのない本だと思った。「序」と「あとがき」で語られる創作姿勢は、本作以降、常にぶれていなかったのだ、ということに今さらながらに気づかされた。
読了日:01月02日 著者:夢枕 獏


マジンガーZ(1) (サンワイドコミックス)■マジンガーZ(1) (サンワイドコミックス)感想
☆☆☆
実家で発掘。いわゆる冒険王版というか、桜多吾作版が1980年代中盤にサンワイドコミックスから復刻された。『グレンダイザー』は、元のサンデーコミックス版が未完だったので、初めて通して読めたのがこのシリーズだった。この版では=誕生編=の副題あり。
読了日:01月03日 著者:永井 豪・桜多 吾作


マジンガーZ 激闘編 2 (サンワイドコミックス)■マジンガーZ 激闘編 2 (サンワイドコミックス)感想
☆☆☆☆
そろそろ本領を発揮し始める桜多吾作版『マジンガーZ』。アフリカにはブロッケン伯爵が既に征服している国があった、とか、人間を食糧にしようと並行世界から侵略を画策する半魚人たちを甲児とあしゅら男爵が共闘で阻止するとか、オリジナルのエピソード満載。
読了日:01月03日 著者:永井 豪・桜多 吾作


マジンガーZ 完結編 3 (サンワイドコミックス)■マジンガーZ 完結編 3 (サンワイドコミックス)感想
☆☆☆☆
あしゅら男爵がヘルを欺いて独力で(資材はネコババ(笑))世界征服を目指すRI計画を皮切りに、本編に組み込まれた『マジンガーZ対暗黒大将軍』、ヘルの過去や組織運営の謎が明かされる(ブロッケン伯爵働き者(笑))「闘え‼︎ Drヘル」、そして超展開の最終決戦まで。ここまでやっていいのか!? そして、いろいろな設定、登場人物は『グレートマジンガー』『グレンダイザー』まで引き継がれる。
読了日:01月03日 著者:永井 豪・桜多 吾作


日本の国菌: コウジキンが支える社会と文化■日本の国菌: コウジキンが支える社会と文化感想
☆☆☆
恩師からいただいた。麹菌を国菌に、と提唱されたご本人による、制定当時の総説2編の再録に書き下ろしを加えて小冊子に編んだ一冊。自分が研究内容の和文総説を書くようにしているのは、この恩師の影響大。
読了日:01月06日 著者:一島 英治


図説 ビール (ふくろうの本)■図説 ビール (ふくろうの本)感想
☆☆☆★
ビールの歴史から原料、製造工程などの解説、ラベルやポスター、グッズ類などの写真など、手に取りやすい分量の中に、コンパクトながら「この本でしか読めない」要素を盛り込んであることに驚いた。大辞典に対するコンサイス辞典のような感覚で手元に置くとよいのではないか。
読了日:01月07日 著者:キリンビール,麒麟麦酒=,キリンホールディングス=


ワインの香り: 日本のワインアロマホイール&アロマカードで分かる!■ワインの香り: 日本のワインアロマホイール&アロマカードで分かる!感想
☆☆☆☆
初心者でも読めるように、かなりわかりやすく噛み砕いて説明されてはいるものの、ワインの香気研究や人間の嗅覚研究の最先端の知見にも触れることが出来る。日本人にはわかりにくい表現もある「ワインの香りを表現する言葉」を「日本人がわかる言葉」にまとめ直すとともに、個々のワードの香りの特徴について、実例を挙げてわかりやすく解説。さらには、付録のアロマカードでそれらの香りを体感しながら学習できるようにもなっている。今までにない好企画。
読了日:01月08日 著者:東原 和成,佐々木 佳津子,渡辺 直樹,鹿取 みゆき,大越 基裕


ガーンジー島の読書会 (上)■ガーンジー島の読書会 (上)感想
☆☆☆★
第二次大戦時、ドイツの支配下にあったガーンジー島では、住民たちが偶然のきっかけから「読書会」を開いていた。前編書簡形式で、登場人物の関係や背景、戦時下の島での日常などが徐々に明らかになっていく構成、生き生きとした手紙の文体が面白い。上巻ラスト、読書会メンバーとの膨大な往復を経て、主人公はついに島に旅立つ。
読了日:01月13日 著者:メアリー・アン・シェイファー,アニー・バロウズ


ガーンジー島の読書会 (下)■ガーンジー島の読書会 (下)感想
☆☆☆
主人公が島に渡ってからはとんとん拍子に話が進む感じがして一本調子かな、と、思ったんだけど、最後の仕掛けにはちょっとクスリ(笑)。まあ、島の過去が重いので、このくらい楽天的な物語の方がよかったのかも。
読了日:01月15日 著者:メアリー・アン・シェイファー,アニー・バロウズ


映画秘宝EX 劇場アニメの新時代 (洋泉社MOOK 映画秘宝EX)■映画秘宝EX 劇場アニメの新時代 (洋泉社MOOK 映画秘宝EX)感想
☆☆☆★
『この世界の片隅に』が表紙で、それ目当てに買ったのではあるが、『ひるね姫』『ガルパン』から、アニメ監督のゆりかごとしての『クレヨンしんちゃん』映画まで語り倒すことで、業界内の全体像を浮かび上がらせようとする編集の妙。エディター趣味的に、こういうムックを編集できた人がうらやましい!
読了日:01月18日 著者:


好みのワインがパッと選べる うま得ワイン入門―味別リスト&マルチインデックスで250本紹介!■好みのワインがパッと選べる うま得ワイン入門―味別リスト&マルチインデックスで250本紹介!感想
☆☆★
静岡に本店のあるヴィノスやまざきの社長さんの本。ワインをまとめ買いしたらオマケでいただきました。自社のショップで扱っているワインのガイドが主目的かと思うが、逆にいうと飲んでみたければショップに行けばよい、ともいえるかも。月イチの頒布会はずっとやってるけど、載ってるワインはハズレはないと思います。
読了日:01月19日 著者:


群青のカノン: 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2 (光文社文庫)■群青のカノン: 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート2 (光文社文庫)感想
☆☆☆
自衛隊航空音楽隊ラブコメ第2作。前回と比べると「日常の謎」ミステリとしての驚きはやや少なめだけど、新キャラクターも増えてラブコメ成分はパワーアップ?
読了日:01月21日 著者:福田 和代


私のともだち (ウィングス・コミックス)■私のともだち (ウィングス・コミックス)感想
☆☆☆☆★
何の気なしに読み始めて、久しぶりに「身の毛がよだつ」感覚を味わった。表題作は楳図かずおの短編「ねがい」と、まどマギまでも連想させる。他の短編もそれぞれにこわい。これまで「こわいマンガ」と言えば山岸凉子「私の人形はよい人形」を表題作とする自選傑作集を推していたのだが、かなりそれに近いレベル。
読了日:01月23日 著者:那州 雪絵


アニメと鉄道 「鉄道を美しく描くアニメ監督の世界へ」 旅と鉄道2017年増刊12月号■アニメと鉄道 「鉄道を美しく描くアニメ監督の世界へ」 旅と鉄道2017年増刊12月号感想
☆☆☆★
世の中にこんなにアニメがあったのか、と、驚くほどの大特集。そして、鉄の視点ではあらゆる作品に見所が見つかる!
読了日:01月27日 著者:


デビルマン-THE FIRST- (1) (復刻名作漫画シリーズ)■デビルマン-THE FIRST- (1) (復刻名作漫画シリーズ)感想
☆☆☆☆
買ってしまった。届いた。読んだ。何も足さない、何も引かない『デビルマン』。実は単行本でしか読んだことなかったので、このサイズでは初体験。内容は熟知しているはずなのに、けっこう興奮するものだ。
読了日:01月29日 著者:永井豪とダイナミックプロ


SHOE DOG(シュードッグ)SHOE DOG(シュードッグ)感想
☆☆☆
ナイキ創業者の自伝小説。なんという綱渡り。それにしても、ジョブズといい、この人といい、なぜ、禅にのめり込んで世界を放浪して、起業するんだろう。もしかして、日本人に欠けているのは禅にかぶれること!?
読了日:01月31日 著者:フィル・ナイト

読書メーター

2017年12月に読んだ本2018年01月01日 20時36分47秒

12月も多忙気味で読書は低調。それでも、プリーストはなんとか年内に読了。

あと、ながらく使っていたmixiのアプリ「ソーシャル・ライブラリー」が新刊登録できなくなったので、読書メーターに移行してみました。星つけ機能がないのがちょっと慣れないけど、過去のメモもちょっとずつ移植中です。

12月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1336
ナイス数:32

小路花唄(2) (アフタヌーンKC)■小路花唄(2) (アフタヌーンKC)感想
☆☆☆☆

ヒロインの靴職人の仕事人生の転機?を描きつつ、前作『路地恋話』の「あのカップル」のその後もわかる第2巻。靴造りのウンチクも楽しい。
読了日:12月19日 著者:麻生 みこと


隣接界 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)■隣接界 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
☆☆☆☆

遅ればせながら『隣接界』読了。独立しても読める中編にプリーストの旧作ほぼすべての要素がちりばめられつつ、「隣接」というキーワードでゆるやかにつながりあい、ささやかな愛が成就する。
読了日:12月24日 著者:クリストファー プリースト


ぬるい眠り (新潮文庫)■ぬるい眠り (新潮文庫)感想
☆☆☆☆

わりあい落穂拾い的で初期短編も多いのだが、いろいろな意味でアブナイ短編で構成されている。通して読むと、思い煩うことなく愉しく生きよ、が通底するテーマに感じられる。
読了日:12月31日 著者:江國 香織


「食の職」新宿ベルク: 安くて本格的な味の秘密 (ちくま文庫)■「食の職」新宿ベルク: 安くて本格的な味の秘密 (ちくま文庫)感想
☆☆★

こだわり人物伝としては面白く読んだ。
読了日:12月31日 著者:迫川 尚子

読書メーター

2017年11月に読んだ本2017年12月04日 20時29分29秒

 11月は趣味ではなく本業の方のコンベンションイベントの運営でどたばたしていて、月前半はほとんど読書が進まず。12/3の名古屋SF読書会に向けて、後半でちょっと巻き返したか。

■「この世界の片隅に」製作委員会 『この世界の片隅に 劇場アニメ原画集』 双葉社
読了(2017-11-14) ☆☆☆☆

 11/12でついに公開1周年。おめでとうございます。
 ということで、11/12で丸1年の連続上映を終了する新宿テアトルに(たまたま東京に滞在するタイミングだったので)駆け込みで鑑賞に行ってみたり(と、いってもイベントなしの通常上映にて)、あと、クラウドファンディング第2弾の海外渡航報告会に行ってみたり。
 そんな中、今月は関連書籍としてこの原画集が刊行。一部は公開前のササユリカフェの展示でみたものもあったけど、これだけまとめて観れると壮観の一語。巻末インタビューでは製作中の長尺版の話が出ているのも心強い。

■マージェリィ・W. ビアンコ・酒井 駒子『ビロードのうさぎ』 ブロンズ新社
読了(2017-11-18) ☆☆☆☆

 クリスマス向けの絵本売り場で猛プッシュされていた絵本。出版から10年、クリスマス絵本の定番であり続けているようだ。
 幼い少年のいちばんのお気に入りのビロードのうさぎのぬいぐるみをめぐる、ちょっと悲しい物語。そういえば、うちの実家にも、真っ黒になったパンダのぬいぐるみとか、まだ残っているなあ…

■伊藤計劃『ハーモニー』 早川書房 (ハヤカワ文庫SF)
読了(2017-11-18) ☆☆☆☆

 12/3の名古屋SF読書会の課題図書ということで、優先的に読んだ。単発でも読めるが、まず驚くのが、これが『虐殺器官』の世界のその後で、ディストピアの方向性として、その2作が両極に振り切っている、という点。
 もう1点、冒頭からhtmlもどきのetml言語による「タグ」が本文全体に付されているのが最大の仕掛け。最後まで読んで、そのetml言語の意味するところがわかることで生まれる異化効果こそが、個人的には本作の最大の読みどころだと思っている。
 とはいえ、このetmlの仕掛け、htmlをエディターで直書きした世代じゃないと、わからない可能性があるかもしれない(笑)。

■そのだ えり『ちいさなりすのエメラルド』 文溪堂
読了(2017-11-24) ☆☆☆☆

 いつもに絵本を読んでもらっていたりすのエメラルド、困ったことに、絵本を読んでもらわないと眠れない。一人になった夜、眠れないエメラルドは絵本を持って町のあちこちへ。
 そこで出会ういろいろな動物の子供たちに絵本をよんで聞かせるが、読み聞かせの途中で寝てしまっているエメラルドがお話しできるのは、自分が寝る前までのお話まで…
 絵本の読み聞かせそのものを物語にしてしまったかあいらしい小品。エメラルドが読んでもらっている物語の続きが気になる読者のために、その物語も付録?でついているという親切設計。

■ひかわきょうこ『魔法にかかった新学期』 1巻 白泉社(花とゆめCOMICS)
読了(2017-11-24) ☆☆☆

 ひかわきょうこ12年ぶりの新作とのこと。そういえば、このところ『お伽もよう綾にしき』のシリーズが描き継がれていたのだったか。
 『彼方から』も現代の高校でスタートしつつも、すぐに異世界に舞台が映ってしまったので、現代の高校生たちが活躍する物語はもしかして『女の子は余裕!』以来だったりするのか。
 物語は安定のひかわきょうこ品質。続巻は1年後。のんびり待ちたい。

■藤野千夜『編集ども集まれ!』 双葉社
読了(2017-11-25) ☆☆☆☆

 おそらく、永井豪『激マン!』に触発されて描かれたマンガ編集者視点での『激マン!』。作者本人がダイナミックプロ系ではなく手塚治虫のファンであることから、タイトルは『人間ども集まれ!』の本歌取りだろう。
 大人の事情で作者とその周辺の人物、該当の出版社のみ仮名ではあるものの、それ以外はマンガ、芸能、音楽、神保町のお店など、あらゆるものが実名で登場するので、80年代後半から90年代中頃までと、本作が執筆された2016年当時のマンガ界隈の風俗記録としてなかなか貴重な作品になっていると思う。

■こうの史代『ぴっぴら帳』 前編 双葉社
読了(2017-11-25) ☆☆☆☆
■こうの史代『ぴっぴら帳』 後編 双葉社
読了(2017-11-30) ☆☆☆☆

 新装版が出ていたので購入。実は未読だったのだが、『この世界の片隅に』原画展などを観てから読むと、改めて、画力の確かさに驚かされる。特に扉として縦長半ページで毎回描かれているイラストの今にも動き出しそうな躍動感や、カラーページで、淡い色を最小限にのせて描かれる多彩な表現は、この時点ですでに完成の域に達している。この画力、表現力あっての、後の数々の実験手法なのだな、と、納得。
 作品としては、鳥を飼う生活を始めたヒロインのとぼけた生活が描かれる4コマ。すずさんではないが、あちゃあ顔はたっぷり堪能できる(笑)。

■『The Indifference Engine』 伊藤計劃 早川書房 (ハヤカワ文庫SF)
読了(2017-11-29) ☆☆☆☆

 読書会の予習、副読書として、文庫で出た時に買ったままだった本書も手にとってみた。
 最初は、落穂拾い的短編集かと軽い気持ちで読み始めたら、読み進むごとに各短編のテーマ、モチーフ、アイデアが輻輳的に響きあう印象で、これはなかなかの名アンソロジーではないか。
 生体にソフトをインストールする、というアイデアのバリエーションとして、『ハーモニー』が生まれ、さらに『屍者の帝国』に展開して行ったことも、この短編集を読むと納得できる。

2017年10月に読んだ本2017年11月01日 21時09分40秒

 10月はものすごく久しぶりに京都SFフェスティバルへ。いちばんのお目当てはジーン・ウルフ企画だったが、レム企画も、3Dアニメ企画も、伊藤計劃以後は終わった(笑)企画も、それぞれに楽しめた。
 最近SFセミナーは昼企画のみにしたりしているが、今回は合宿も参加。久しぶりにまったりと楽しんだ。とはいえ、日付が変わる頃にはだいぶ体力を消耗(笑)。
 とはいえ、東京出張の翌日が京フェス、その翌週も1泊2日の東京出張あり、さらに翌週には謎の岡山出張もあり、あちこち行ったり来たりの慌ただしい月ではあった。

■細馬宏通『二つの「この世界の片隅に」―マンガ、アニメーションの声と動作―』 青土社
読了(2017-09-23) ☆☆☆☆★

 マンバ通信でのWEB連載中から楽しみに読んでいた細馬宏通氏の『この世界の片隅に』原作〜映画比較論。これはもう、いろいろな意味で名著。
 自分もこのblogの『この世界の片隅に』私論のために、けっこう読み込んだつもりではあったが、本書を読むと、まだまだ気がついてなかった要素がちらほら、もっとマンガを読んで、もっとアニメを観たくなる一冊。
(実は9月に読んでいたけど、先月分で書き忘れていたので、こちらに(笑))

■ジェームズ・モートン『世界に通用するビールのつくりかた大事典』 エクスナレッジ
読了(2017-10-22) ☆☆☆

 最近翻訳されたホームブルワー向けのビールの教科書。
 化学的に不正確な記述はあるものの、醸造学、微生物学、および衛生面で実用上は問題ないというか、そこまでやらんでも、というくらい詳しいのでちょっと感じ入っている。
 酒税法上、日本のご家庭ではやっちゃいかんが、国内のクラフトブルワーの方々が参考書とするにはよさそうに思う。

■ジョー・ウォルトン『わたしの本当の子どもたち』 東京創元社(創元SF文庫)
読了(2017-10-22) ☆☆☆★

 一人の女性の「選択」で分岐した世界を交互に語っていくという物語の形式としてはもう一つの『エロス』(広瀬正)と言えるが、意識の混濁が世界の混濁につながるというアイデアの点ではプリースト的要素もあるように思った。
 そして大野万紀さんが指摘している通り主人公はすずさんと同年代(一つ下、ということはすみちゃんと同い年)なのもいろいろ考えさせられる。

■七月鏡一・早瀬マサト『幻魔大戦 Rebirth』6巻 小学館(少年サンデーコミックススペシャル)
読了(2017-04-22) ☆☆☆

 ついに6巻。謎の異次元空間「幻魔領域」での東丈の彷徨。平井幻魔なら、東丈が消えた後の世界を語ったが、本作はどこかに消えた東丈の物語を実直に描く。
 また月が落ちてこないように、みんな、コミックスを買おう(笑)!

■北村薫『太宰治の辞書』 東京創元社(創元推理文庫)
読了(2017-10-31) ☆☆☆☆★

 ハードカバー版が新潮社から出たのは、作中で新潮社と新潮社の昔の本が重要な役割をしていたからだったのだろう。
 文庫は古巣の東京創元社から、ではあるが、本書執筆後の裏話を語るエッセイや、若き日の円紫さんが描かれた番外編的短編などを収め、口絵には作中に登場する書物の実物の写真もあり、いわば『太宰治の辞書・完璧版』。ハードカバーで読んだ人も、これは買わねば。

2017年9月に読んだ本2017年10月09日 07時53分34秒

 9月は実家との移動で始まり実家との移動で終わるというスケジュール面と、仕事がだいぶ立て込んできたりして、ちょっと少なめ。

■おーなり 由子『ことばのかたち』 講談社
読了(2017-09-02) ☆☆☆☆

 自分の読書歴の中では、まずはりぼんの(ちょっとふしぎな作品を描く)マンガ家として、その後は北村薫作品の装丁で再会したけど、絵本作品をほとんど読んでいなかったおーなり由子さんの絵本を試しに読んでみた。
 この本は、一人の女の子が「ことばに目に見える形があればいいのに」と、いろいろと夢想するシチュエーションを淡々と目に見える絵として提示していく。
 人が発する言葉には裏がある、表向きの言葉だけではわからない、時には、騙す/騙されることも、傷つける/傷つけられることもある。そんな言葉に隠されたもの、発した人の本心がわかりやすく目に見えたら、傷つくこともなくなるのに。女の子がそんなことを考えてしまうのは、まさにこれから「言葉」で心をやりとりすることが待っていたから…
 おーなり由子さんのやさしい視点が感じられる一冊。
 因みに、北村薫作品の装丁では『水に眠る』『月の砂漠をさばさばと』が好き。

■ミロコ マチコ『まっくらやみのまっくろ』 小学館
読了(2017-09-02) ☆☆☆

 初めて読むミロコマチコ。へたうま?的だけど、荒々しいタッチと目を射る色彩の変化がふしぎな不穏さを漂わせる。
 まっくらやみの中で、自分が何者か知らぬまま、身体の変化に、「自分はもしかして……だったのか?」と思うまっくろ。そんな予想をつぎつぎと裏切りつつ変化し続けたまっくろはついには…
 単独で読んでもいいけど、『けもののにおいがしてきたぞ』(このあと、図書館で読んだ)から続けて読むと、最後に明らかになるまっくろの正体についての味わいが増すように思う。

■ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福』 河出書房新社
読了(2017-09-05) ☆☆☆☆

 上巻でも紹介した通り、ホモ・サピエンスがどうやって地球に君臨するに到ったか、可能な限り特定の価値観、宗教観、政治観に左右されずにロジカルに描くノンフィクション。
 既存の「定説」「固定観念」的なものを次々とひっくり返していく価値観の相対化が本書の最大の魅力ではあるが、上巻から下巻に入るくらいになると、やや一本調子に感じてくる側面もある。
 最後にはシンギュラリティに行き着くあたりがSFっぽくもあるが、もしかすると現代のガーンズバック的にも読める作品だったりするのかもしれない。

■成田美名子『花よりも花の如く』 17巻白泉社 白泉社花とゆめCOMICS
読了(2017-09-10) ☆☆☆★

 静かな恋愛が落ち着いた時期に入ってくると、今度は一度「わかりあった」「うちとけた」フェイズから、「わかってもらえている」ことからの行き違いのフェイズに。
 本気で取り組む仕事と私生活をいかに両立させつつ、どちらもスパイラルアップしていく、というライフワークバランスについての物語になりつつあるのかも。

■ジーン・ウルフ『書架の探偵』 早川書房 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
読了(2017-09-17) ☆☆☆★

 ジーン・ウルフ最新作は、生前の作家の人格、記憶を移植された複製体(リクローン)が、本と同列に(モノとして)図書館に所蔵されている、という未来世界で、ある女性に借り出されたミステリ作家の複製体が、その女性の周辺で起こる殺人事件の謎を巻き込まれるままに解決していくと言うハードボイルド風SFミステリ。
 この複製体(叢書ならぬ蔵者)の設定以外は、SFとしてもミステリとしてもちょっと懐かしい雰囲気で、伏線がきちんきちんと回収されてするっと読めてしまうんだけど、ええと、これ、ジーン・ウルフだよね!?
 すんなり読め過ぎてしまって逆に不安になる(笑)。気がついてないこと、どこかに何かあるんじゃないか!?

2017年8月に読んだ本2017年09月03日 13時19分54秒

 8月も冒頭から北海道出張とか、次の論文の執筆とか、いろいろあって少なめ。
 そういえば、5月に始めたシミルボンでは、初めて「おすすめ連載」に紹介してもらいました。

◆『絵本と出会う週末』
https://shimirubon.jp/series/277

 あと、このblogで連載?した『『双生児』ひみつぶっく』もシミルボンに移植しましたが、物語構造一覧を連載の回が進むごとに増補改訂するようにしたので、blogで既に読まれている方も是非。
https://shimirubon.jp/series/262


 ということで以下は8月に読んだ本。

■『ありがとう、うちを見つけてくれて 「この世界の片隅に」公式ファンブック(アクションコミックス)』 こうの 史代・他 双葉社
読了(2017-08-01) ☆☆☆☆★

 熱い寄稿、インタビュー、対談が続いた後の、ラストに配置された原作者こうの史代先生へのインタビューの内容が努めて冷静で、そこまでの熱量にあてられた後では、一服の清涼剤のように感じられた。
 実はそんなこうの先生からのもう一つのメッセージがあるので、これから読まれる方は、まず、カバーはつけたまま最後まで読み、その後にカバーを外してみることをオススメしたい。

■『ぶどう酒びんのふしぎな旅』 藤城 清治 講談社
読了(2017-08-05) ☆☆☆☆

 アンデルセンの物語の中でも、これは比較的マイナーなものなのではないだろうか。
 ワインのボトルが、あくまでも流されるままにさまざまな遍歴をへる。
 その遍歴は不思議な経過をたどるものの、全体に、さほどドラマチックなことがおこるわけでもない。子供向けというより、人生の哀歓を描いた物語はむしろ大人向けかもしれない。

■『火うちばこ(アンデルセンの絵本)』 ハンス・クリスチャン アンデルセン 小学館
読了(2017-08-05) ☆☆☆

 目がこわい。その目で見ないで! と、思わず言いたくなる絵本である。
 本書はたまたま旅先で立ち寄った図書館の絵本コーナーで見つけたのだが、ある程度の年代の人なら、この物語は、小学館のオールカラー版世界の童話『アンデルセンの絵話』で読んでいるのではなかろうか。
 自分も、表紙で目の大きな犬がお姫様を背中に乗せているのを見て、「あ、あの話だ」と思い出した。目のぎょろっとした3匹の犬が印象的で、子供心にもあの目はこわかった。

■『あとは野となれ大和撫子』 宮内 悠介 KADOKAWA
読了(2017-08-11) ☆☆☆★

 一見大喜利ネタとしか思えないタイトルが、読み進むにつれて重層的な意味を獲得していく。
 あと、文庫化の際は是非森薫さんに表紙を依頼してほしい。

■『僕の恋人がカニ目になってから』 吉田 匠 二玄社(エンスー文庫)
読了(2017-08-15) ☆☆☆

 「カニ目」とは、懐かしのオースチン・ヒーリー・スプライトの愛称。CGライターとして著名な著者のスポーツカー遍歴をまとめた初の単著。
 出版されたのはいわゆる「NAVIオピニオン」華やかなりし頃の二玄社から。古本で買って長年積読だったのを、ふと思い立って読了。
 クルマの話がメインではあるが、今読むと、統合前の欧州の空気感を感じるエッセイとしての読み方もできる。しかし、これが出た時の氏の年齢をとうに自分が追い越していたのは軽くショック。

■『サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福』 ユヴァル・ノア・ハラリ 河出書房新社
読了(2017-08-30) ☆☆☆☆

 ホモ・サピエンスがどうやって地球に君臨するに到ったか、可能な限り特定の価値観、宗教観、政治観に左右されずにロジカルに描くノンフィクション。
 この世界のおよそあらゆる価値観、先入観を、わかりやすい例をあげてひとつひとつつぶしていく。こういった「認識の変革」はSFをよく読む人には一般的だと思うが(なので、納得感はあるが、予想したほどの驚きはなかった)、こういった相対化が広く読まれることには意義があると思う。
 あと、いろいろとケン・リュウ作品との共通点を感じるので、ケン・リュウファンの人には副読本としていいかも。

2017年7月に読んだ本2017年08月11日 08時29分54秒

 7月は国内での研究会の講演1件、海外での講演1件で、その準備に追われる日々。その中では、数的にはわりと健闘はした方かも(笑)。まあ、すぐ読める絵本とかが多いけど(笑)。
 あと、5月以降、遅ればせながら書評サイト「シミルボン」にレビュウ、コラムを書くのが楽しくなってしまって、blogにまとめる前にネタを使ってしまうことも(笑)。
 まあ、文章なるべくだぶらないよう多少の工夫はしてます。リンクから該当の本のレビュウも読んでみていただけるとさいわいです。
 それにしても、7/下から8/上まで、2週間で自宅に4日くらししかいなかったというのは前代未聞のハードスケジュールで疲労困憊。あらためて、連日国内外を飛び回ってトークショーやサイン会をこなしながら、BD版のリテイク作業までこなしていたという片渕監督の超人ぶりに舌をまく。

■『オール・クリア(上)』 コニー・ウィリス 早川書房 (ハヤカワ文庫SF)
読了(2017-07-02) ☆☆☆☆
■『オール・クリア(下)』 コニー・ウィリス 早川書房 (ハヤカワ文庫SF)
読了(2017-07-06) ☆☆☆☆★

 上巻クライマックス?の12/29大空襲は、焼夷弾、大火災、少年消防士など、呉空襲との共通点が多いので(概ね、片渕監督のトークで得た知識だが)、『ブラックアウト』から引き続き、臨場感と、地続き感がある。
 奇しくも上巻を読んでいたのが呉空襲のあった7/1-2。しかも、片渕監督がロンドン空襲関連のツイートをTLに流すのをたまに読みながらの読書は、謎の臨場感。
 まさに、このロンドンの片隅に。
 それから、シリーズ通して重要なモチーフとして扱われている演劇『十二夜』と『真面目が肝心』の観劇経験があったのは、このシリーズを読むには基礎知識としてよかった。
 下巻に入ってからの終盤は、全編に散りばめられたピースが次々にカチカチとハマっていく中、最後の最後に、あんな仕掛けがあるとは。すべての登場人物たちに幸あれ。

→シミルボンコラム「このロンドンの片隅に」
https://shimirubon.jp/columns/1683510

■『すばこ』 キム・ファン ほるぷ出版
読了(2017-07-08) ☆☆☆☆

 絵本としてよし、理科(生物学や生態学など)の啓蒙書としてもよし。鳥好きドイツ人のベルレプシュ男爵が自分の領地の森で鳥に来てもらう方法をいろいろと試行錯誤して、ついに、巣箱を考え出す。その巣箱が巣箱が普及していくまでを描くのが主眼の絵本だが、画面の隅々に描かれるさまざまな鳥や巣箱のバリエーションが楽しい。

→シミルボンコラム「知らなかった巣箱の歴史」
https://shimirubon.jp/reviews/1683545

■『はいからさんが通る 新装版』(1) 大和 和紀 講談社(KCデラックス デザート)
読了(2017-07-10) ☆☆☆

 小中学生の頃以来の再読か。内容はけっこう覚えているが、今読むと細かい仕込みやギャグが昔より楽しめるかも。
 新装版の仕様で各巻に対談や解説が付されているが、今回は著者とと山岸凉子先生との深い関係がいろいろ語られる対談がよかった。

■『はいからさんが通る 新装版』(2) 大和 和紀 講談社(KCデラックス デザート)
読了(2017-07-11) ☆☆☆

 内容は覚えているのだが、そういえば2巻ではもう少尉行方不明になってたんだった。現代のマンガと比べるとやっぱり展開早い印象。
 因みに、3、4巻まではすんなり買えたんだけど、5巻以降が通販では品切れが続く。アニメ化の影響というよりヅカの影響らしい(笑)。

■『どこいったん』 ジョン・クラッセン クレヨンハウス
読了(2017-07-15) ☆☆☆☆
■『ちがうねん』 ジョン・クラッセン クレヨンハウス
読了(2017-07-15) ☆☆☆☆
■『みつけてん』 ジョン・クラッセン クレヨンハウス
読了(2017-07-15) ☆☆☆☆

 ぼーよーとした動物たちが「ぼうし」をめぐってあれこれする有様を(翻訳絵本なのに)関西弁で語る異色の三部作絵本。
 何かを独り占めしたいという「物欲」の行き着く先を、教条的ではなく、その結果おこってしまう出来事で淡々と描くのがポイント。三部作の完結編ではじめて「物欲」以外の視点がもちこまれて、ちょっとほっとする。

→シミルボンコラム「なんでやねん」
https://shimirubon.jp/columns/1683676

■『あめのひに』 チェ・ソンオク ブロンズ新社
読了(2017-07-15) ☆☆☆★

 大雨、洪水は子供にとっては非日常の、一種のお祭りだったりするものだが(『パンダコパンダ雨ふりサーカス』とか『崖の上のポニョ』などがそのお祭り性を表現した作品かと思う)、それを素直に表現した秀作絵本。

→シミルボンコラム「こんなあめふりならいいのに」
https://shimirubon.jp/reviews/1683678

■『掟上今日子の裏表紙』 西尾 維新 講談社
読了(2017-07-19) ☆☆☆

 今日子さんが獄中から推理を展開する一編。
 密室殺人の容疑者として収監された状態から探偵活動を成立させるために、これまでのシリーズに登場したキャラクターが影に日なたに奔走する中盤あたりまでは「なるほどこうきたか」という展開が多くて楽しめたのだが、オチはちょっと拍子抜けだったかも。
 とはいえ、記憶喪失探偵を成立させる思考実験、今回もそれなりに楽しみました。