2025年1月に読んだ本 ― 2025年02月17日 05時17分19秒
1月の読書メーター
読んだ本の数:30
読んだページ数:6123
ナイス数:109◾️超人ロック 嗤う男3 Locke The Superman SNEERING MAN (MFコミックス フラッパーシリーズ)の感想
★★★★
ここまでロックが超能力を封じて話が進んだエピソードはあったか、いくつかあった気もするけど、ある程度経験がものをいう格闘戦や戦術、戦略的な部分ではなく、単純に運動神経、動体視力など肉体の基本能力だけでここまで緊迫感のある物語に仕立てたのはシリーズ中でもかなり珍しいのでは。権謀術数もそれぞれに目的が違う多くの組織、動機の異なる人物が絡みあっているのにわかりにくくもない。スパイアクションっぽい仕立てでかなり高度な作劇に到達している感じがする。
読了日:01月01日 著者:聖悠紀
◾️超人ロック 嗤う男 4 Locke The Superman SNEERING MAN (MFコミックス フラッパーシリーズ)の感想
★★★★
ロストテクノロジーと自分の存在を消し続けるロックの話はこれまでにもあったけど、そのあたりがこの巻の序盤でほぼ片づいて、その後は危険なレースそのものに取り憑かれた人々の群像劇。法廷劇的な要素もあり。ハードボイルドアクション映画の趣き。
読了日:01月01日 著者:聖悠紀
◾️お互い少しずつ変わっていく教育係と新入社員 幼なじみ短編集の感想
★★☆
作者太っ腹の無料公開本。SNS上で流れてくる中でも、コマ割りほぼなし、基本2ページずつの二コママンガ的な描き方が、この作者の作品でも珍しかった。些細な陰口や悪意が陰惨にならずひっくり返っていく作風は健在。
読了日:01月01日 著者:加藤マユミ
◾️あの頃の青い星7の感想
★★★★
一年待てば? と思っていたら、期待に違わず出ていたのに気づいてすぐ読んだ。あいかわらず、二人の周囲の同級生、寮生、教師、家族、親戚などなどの言動や距離感の描き方がすごくリアルに感じる。どこかに本当にこの二人がいそうだ。続きはまた来年、かな。
読了日:01月02日 著者:蟹
◾️鉄道きょうだいの感想
★★★☆
自分が翻訳したキース・ロバーツ『モリー・ゼロ』に、ヒロインたちが「子どもたちが鉄道でペチコートを振る」という映画を観るくだりがあり、その元ネタを探して見つけた。これは2011年の新訳版だが、映画は邦題『若草の祈り』で、角川文庫から同題で翻訳が出ていたとのこと。かつて氷室冴子選書の復刊フェアにも入っていたのは完全に失念していた。読んでみると、これこそ児童文学、という趣で、大人も子どももよくないことをすることもあるけどすぐにそれに気がつくのがいい。これはもっと広く読まれてほしい。
読了日:01月05日 著者:イーディス ネズビット
◾️有閑倶楽部 1 (りぼんマスコットコミックス)の感想
★★★
この時期はあまりりぼんリアルタイムではなく、ぽつぽつ読むくらいで画風も『砂の城』終盤のこの時期より、『砂の城』序盤が好みだった。コミカルなピカレスクとしても、『こいきな奴ら』が好きだったので、当時はやや冷めた目で見ていたものだったが、今読むとあらゆる要素が楽しく、作風、画風の確立した時期の安定感を感じる。ただ、その後も画風、作風は変化し続けたので、これも中間ステップ。それこそがすごい。
読了日:01月05日 著者:一条 ゆかり
◾️本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~短編集Ⅲの感想
★★★
時系列ではまた初期のこぼれ話もありつつ、第5部のラストあたりの話まで。権謀術数っぽくもありつつ、あくまでもお仕事小説の側面が基盤にあることがわかる。新国家が安定するまでの続編とかも延々書けそうだけど(笑)、それは書かぬが花かも?
読了日:01月07日 著者:香月美夜
★★★★★
科学者たちの自由な楽園―栄光の理化学研究所の感想
後に文庫化もされているが、1990年代頭くらいに入手。何度目かの再読。元々はヤングジャンプのドキュメンタリーマンガ『栄光なき天才たち』6巻・理化学研究所編の種本ということで興味を持ったのだが、これがめっぽう面白い。自分の職場には入社した頃はこういう雰囲気がまだ残っていたが、今ではみる影もない。とはいえ、この本に描かれた科学者の思想の部分は定年を迎える時期になってみると、ちゃんと自分の中に定着していたな、ということが再確認できた。
読了日:01月09日 著者:宮田親平
◾️有閑倶楽部 2 (りぼんマスコットコミックス)の感想
★★★
コミックスの初刊は1983年。まだ「番をはっている」という概念が普通に読めた時代かな。豪華客船が年寄りばかりというのは、いつでもそうなんだなあ(笑)。シニアセミナーとかで普通に勧められたので唖然としたが(笑)。剣菱親子がやばい一方、幼稚舎の頃からの有閑倶楽部出来上がるまでがなかなかよかった。あと、恥はかき捨ての短編が一つ。これはマスコットコミックス版ならではのおまけかな。古くからの読者にはこういうのがうれしいものだ。
読了日:01月12日 著者:一条 ゆかり
◾️夜光雲のサリッサ(12) (リュウコミックススペシャル)の感想
★★★
あとがきマンガで原作者も畳み方に困っている、というのが正直なところなんじゃないかな、と思える。この展開、ウルトラマンティガですか!?
読了日:01月13日 著者:※Kome
◾️SPY×FAMILY 12 (ジャンプコミックス)の感想
★★★☆
いつものシチュエーションコメディ回がいくつか続いたところから、帰還する二重スパイをめぐっての丁々発止。ユーリに擬態した黄昏とユーリ本人の直接対決もあり、今までで一番緊張感ある展開のままで引き。2025年頭時点での既刊はあと数冊だけど、アーニャが卒業するまで話は持つのかちょっと心配になってきた(笑)。
読了日:01月13日 著者:遠藤 達哉
◾️アリスと蔵六(13) (リュウコミックス)の感想
★★★☆
夢の中でプレイするゲーム世界で楽しく冒険(謎解き演算)をしていたところで、大人の視点と教育的指導が入るのがこの作品のバランス感覚か。そしてゲーム人物から語られる蔵六の過去はめっちゃSFだった。
読了日:01月13日 著者:今井哲也
◾️からかい上手の(元)高木さん (16) (ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル)の感想
★★★
ちょこちょこ挟まる中学時代ネタ。よりによって交換日記がここで(笑)。
読了日:01月14日 著者:稲葉 光史
◾️有閑倶楽部 3 (りぼんマスコットコミックス)の感想
★★★
今回は夏の別荘、スウェーデンと幽霊、オカルトネタが続いた。そこからのまさかの殺人事件。いろいろと昭和でなんでもありな印象。しかし、りぼん文脈で言うと土田よし子的な下品ギャグの系譜の一条ゆかり流のアレンジでもあったのかも、とちょっと思った。あと、近い路線でも、『こいきな奴ら』が最初の『ルパン三世』のテイストとして、こっちのやや下世話なノリは赤ブレザーの『新ルパン三世』だと思うと、その意味でも時代に合わせた納得感はあるかも。
読了日:01月18日 著者:一条 ゆかり
◾️メダリスト(1) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
気になってはいたのだが、アニメを3話まで観たタイミングで電子書籍のセールもあったので。ここまでのところ、コミックスとアニメの話数はちょうど合わせてあるみたいなので、この先もそうなのかな。好感ポイントは、選択の必要な要所で「あなた」と呼びかける、相手を子ども扱いしない、対等な関係性。アニメでは省略されている設定がわかるのもいい。
読了日:01月19日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(2) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
表紙にある光のコーチの正体が明かされる…というのは本筋じゃないけど、元トップクラスのスケーターがコーチにもひしめく中での師弟の成長の物語、という側面が明確になった。練習での緊張、失敗から本番での切り替えまでのプロセス、スケーターを目指したいと思った冷たい気持ちを持ち続ける、など、金言的な展開がてんこ盛り。
読了日:01月20日 著者:つるまいかだ
◾️竜が呼んだ娘1 弓の魔女の呪いの感想
★★★
子どもが竜に呼ばれることもある村で、まるで呼ばれることに備えるかのようにさまざまな教育を施された主人公が本当に竜に呼ばれることになるのだが…。読み始めてみると、とにかく挿絵の多さに驚く。データベースでも連名で表示されるけど、なるほど、佐竹美保さんがもう一人の作者と言える作品だ。
読了日:01月20日 著者:柏葉 幸子,佐竹 美保
◾️メダリスト(3) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
西日本選手権で今後も出てきそうな男女近い世代のスケーター続々登場。まさかのカート忘れミスからの気持ちのリカバリー。本番で過去の数々のアドバイスの意味を自分の身体で実感しつつ、ついにノーミスの演技。それでも超えられない壁、そこからの決意が熱い。そして5年生編は一気に時間が飛んで、決意の成果、6年生での名港杯部門優勝。回り道も力になる、というと、監修で参加している鈴木明子の経歴が思い出されるのも…。
読了日:01月20日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(4) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
腰の低い老け顔の元銀メダリストが味わい深い。前巻でもあったけど、コーチングで言われたことが身体と頭で腑に落ちたところで一気に上達するプロセスに納得感がある。スポーツ以外でもこういうプロセスはあるように思う。ダブルアクセルと3回転でノービスへの切符は手に入った。次巻も楽しみ。
読了日:01月21日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(5) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
開会式で新キャラクター続々。しかし、これまでもそうだったけど、苗字も下の名前も現代的で覚えにくい(笑)。女子のトップクラスにいる現役選手も初登場。一人一人のプログラムの選択、その成功失敗悲喜交々が描かれて、まるで本当に大会を観戦しているような体験。リアルのテレビ観戦だと有名選手しか観れないから、それを補うような読書体験。
読了日:01月21日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(6) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★☆
1巻の頃からは信じられない成長だが、そこまでのプロセスを丹念に描いてきたからこその到達点。作品タイトルをひとつ象徴する巻になった。感情移入度が高すぎて読んでいて号泣したくなった。表紙はブラフじゃなくて、ちゃんと本編でも表紙のような展開になったのも熱い。
読了日:01月22日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(7) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
ブロック大会とはいえメダリストの称号を得た目的、確かに序盤から「みんなが賭けたくなる選手」という言い方はしていたけど、こういうことか。前巻の引きでこれまでに出てきた優秀そうなコーチの誰か!? と思っていたら、まさかの新キャラクターとまさかの飛び道具(笑)!! そして獲得した最強カードは本番で使えるのか!?
読了日:01月22日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(8) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
ついにノービス開幕。どの選手も予選よりレベルをあげてくる中、暫定1位のハードルが上がり、リアルのシニア大会でも観たことないようなプログラム構成になってきた。
読了日:01月23日 著者:つるまいかだ
◾️日本に住んでる世界のひとの感想
★★★★
装丁やイラストは『パリのすてきなおじさん』っぽいけど、さまざまな国から日本に来て住んでいる人たちの語る人生はそれぞれに重たい事情があって(それこそ人が1000万人単位で死んでいるとか)いろいろ考えさせられる。ともあれ、当たり前かもしれないが、登場する人たちがみんな一種の語学マニアなのが共通点か。
読了日:01月23日 著者:金井 真紀
◾️メダリスト(9) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
やり切った。解説の織田信成のような気持ちで見守ってしまった。それでも、勝負の世界は甘くない。
読了日:01月24日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(10) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★
海外に出るジュニアグランプリに向けた強化合宿編。他のコーチたちとの会話から、司が気がつく自分の生来の能力「鷹の目」。こういうのに後から気づく、というのは、他のジャンルでもあるのではないか。卑近な例で、自分でも、還暦になってようやく、研究分野での自分の能力の肝に気がついた(ある意味、「鷹の目」に近い)。キャリアが終わる頃になって気がついても遅いか、いや、まだできることがあるかも、など考えていたら、意外な方向で共感できる巻だった。
読了日:01月24日 著者:つるまいかだ
◾️メダリスト(11) (アフタヌーンKC)の感想
★★★★☆
ライバルより数ヶ月早く生まれているのでジュニア強化選手になるのが早かった、というのがちょっとびっくりの設定。さらに、よりによって初めての海外大会で初めての第一滑走。結果はまずまずだけど、残りの選手の出来に一喜一憂の追われる立場も初めての経験。とはいえ、実は幼なじみだった性格悪めのいるかちゃんとはずいぶん仲よく?なったな(笑)。
読了日:01月25日 著者:つるまいかだ◾️竜が呼んだ娘2 闇倉の竜の感想
★★★
相変わらず巻き込まれ型のストーリー展開で、なりゆきで引き取ってしまったコキバと、とある妄執に取り憑かれた魔女をめぐる物語。前巻では実の母、今巻では育ての母を超えていくことになったものの、主人公がまだ何者になりたいかは心が決まっていない。この先はそれがテーマになるのかもしれない。
読了日:01月26日 著者:柏葉 幸子,佐竹 美保
◾️SPY×FAMILY 13 (ジャンプコミックス)の感想
★★★☆
ちゃんとこのトリオが重要な巻だった。そのエピソードも含めていろいろなキャラクター同士の関係性がちょっと深まるエピソードもちらほら。代理家族のじじばばを演じてくれそうな老夫婦も登場。とはいえ、引き続き戦争の記憶の重さが感じられる巻でもあり。
読了日:01月29日 著者:遠藤 達哉
◾️青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない (電撃文庫)の感想
★★★
完結したので、高校生編で止めていた読書を再開。大学生編の最初のヒロインは空気読めないアイドルが空気を読めるようになってしまったら、というお話。一連の妹エピソードに近く、無理に量子もつれとかを説明に使った思春期症候群ということにしなくてもいいくらいのゆるい設定で、このシリーズの現代青春小説としてのよさが再確認できるエピソードだった。ただ、ラストで本当に思春期症候群だったことが明かされて次巻に続く。温暖化が進みつつある気候や現実にある路線や建物の具体的な描写は後世読むと時代を反映した風俗の資料にもなるかも。
読了日:01月31日 著者:鴨志田 一
読書メーター
2022年9月に読んだ本 ― 2022年10月10日 05時18分08秒
9月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:3103
ナイス数:59◾️みみずくと3びきのこねこ―かえでがおか農場シリーズ (ほるぷ海外秀作絵本)の感想
★★★☆
あらしの後に倒れて木から出てきたみみずくの子。農場の子どもたちが飛べるようになるまで面倒をみて、やがて自然に返す。一方、同じ農場にいる子猫たちは、人に飼われることもできる動物。赤ちゃんから大きくなって、屋外に出るまでを描く。そんな猫にも野生の要素はちゃんと残っている。
読了日:09月03日 著者:アリス プロベンセン,マーティン プロベンセン
◾️世界の夢の本屋さんに聞いた素敵な話の感想
★★★☆
アメリカ、特にニューヨーク州の本屋さんの比率が高めだけど、世界各国含め、印象的な本屋さんを描いたイラストが美しい。ポートランドのパウエルズもあって、個人的には懐かしかった。神保町もあるけど、イラストの建物がだいぶ古風で、このへんはいつ頃描かれたのかな?
読了日:09月03日 著者:ボブ・エクスタイン
◾️CONTINUE SPECIAL Gのレコンギスタの感想
★★★☆
あのキャリアと年齢にして、今も試行錯誤して作品をアップデートし、目線は未来にあるご本人。一方で、虫プロ時代からの苦労人富野の思い出を語る安彦良和。いずれも貴重なインタビューで、富野展の図録と合わせて読みたい一冊。それにしても、その二人の劇場新作が並行して観れた2022年は自分の人生も振り返るような想いのする年になった。
読了日:09月05日 著者:富野 由悠季,安彦 良和
◾️海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)の感想
★★★★
新版の『海がきこえる』を読んだ勢いで再刊されるか不明のこちらも再読。東京の地理がすっかり自分のものになってから読むと「自分の身になって」読めてしまう感が半端ない(笑)。今読んでも好きなのは、人に服を選ぶのが大好きな大学の同級生の女の子だったりするのだが、今回驚いたのは、前巻以上に、思ってもみない箇所でほろっと来ている自分だった。静かな予感と余韻のあるラストには特にじんと来た。とはいえ1999年の改稿時には最小限の修正でリアルタイムに寄せられた舞台背景、風俗は、その後の20年で激変したことも実感。
読了日:09月08日 著者:氷室 冴子
◾️作家の酒 (コロナ・ブックス)の感想
★★★☆
エッセイアンソロジー『作家と酒』と対になるムック。エッセイの方が古い時代の酒飲みの失敗談込みのものが多く、時代を感じすぎる内容だったのと対照的に、それぞれの作家の好んだ酒肴、行きつけのお店などをクローズアップする内容で、見ているだけでも楽しいし、当時の文壇の交流を示す写真の数々も貴重。普段守備範囲にない作家やエッセイストを知る機会にもなる。好著。
読了日:09月10日 著者:
◾️ちへいせんのみえるところの感想
★★★
タイトルの通り、地平線の見えるところが全ページに描かれているのだが、そこに出てくるものは…。いろいろ意外なものやエスカレートしちゃったものが出てきて、その果ては?
読了日:09月15日 著者:長 新太◾️すべてのひとに石がひつようの感想
★★★★
細いペンの線でものの輪郭と微妙な細部を強調するような、コントラストのくっきりした不思議な絵。読んでいて気がついのは、その輪郭の取り方から、塊として捉えられる部分部分が石に見える、ということ。自分にぴったりの石を探す方法を書き連ねている散文的な文章がいろいろと深い。
読了日:09月15日 著者:バード・ベイラー
◾️その本はの感想
★★★★
王様から「本の話」を求められた二人の男が、千夜一夜よろしく、自分の集めてきた「本の話」を語る。その内容は…。すべての語り出しが「その本は…」であるところで星新一『ノックの音が』を思わせるが、こちらの方が語り出し以外の制約はより自由。100文字SFみたいな小話から1ページから数ページのものが多い中、中盤、40ページほどの中編が技ありの傑作。切ない! それも含め、ラストまで読むとこの本の装丁の理由がわかる仕掛けまで含め、お見事。
読了日:09月16日 著者:ヨシタケシンスケ,又吉直樹
◾️夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行くの感想
★★★★☆
速記とはいえ敬愛する先生の講義内容を隈なく書き取り、それを読み返すと講義の肉声が頭の中で聞こえた、というのが本当なら、著者は一種の完全記憶のような力を持っているのかもしれない。そんな憶測の真偽はともかく、そのくらいロシア語という言語、その響き、文学、詩に耽溺した著者がクリミア併合後の2021年の情勢下でこの本を書き終えた時の心情、そして今の心情は如何ばかりか…。語学習得エッセイのつもりで読み始めたが、大学内でよく行われていたという事実モチーフの創作的な要素や、詩のような言葉による喚起力まで感じる。
読了日:09月16日 著者:奈倉有里
◾️超人ロック風の抱擁 (1) (ヤングキングコミックス)の感想
★★★★
久しぶりに読む『超人ロック』。古本で集めまくった時期もあったが、今の冊数を考えて控えていた。まあ、今後は電子書籍でぽつぽつ読むことにしよう。手始めに、シリーズ冊数の多く、ロックの恋愛にフォーカスしたというこちらを。最強と言える第三波動の活用法をめぐる駆け引きや、この時代の最強エスパーの戦闘のレベルに、それぞれの能力の使い方が確立されてきたシリーズの歴史を想う。
読了日:09月16日 著者:聖 悠紀
◾️超人ロック風の抱擁 2 (ヤングキングコミックス)の感想
★★★☆
あれだけ何でも経験してきていながら、ちゃんとした恋愛にだけは不慣れなロックが新鮮。一方、相手が相手だけに追い詰められていくミラ。いったん離れようとするミラの選択だが…。電子使いの能力が今ならサイバーパンク的だが、ルーツは小松左京『継ぐのは誰か』あたりかもしれない。サイバーと言えば、ロックではジェノサイドと続くが、その禁忌設定はこの時代でも生きているのがこれまた歴史。
読了日:09月17日 著者:聖 悠紀
◾️超人ロック風の抱擁 3 (ヤングキングコミックス)の感想
★★★☆
電子使いとマトリクスコピーの偽装でミラを監禁、実験サンプルとして扱う敵の拠点を突き止めて単身乗り込むロックだが…。なかなかエグい展開で、え? ここで次巻に続く!?
読了日:09月17日 著者:聖 悠紀
◾️超人ロック風の抱擁 4 (ヤングキングコミックス)の感想
★★★☆
単身で乗り込んで極秘の「玉座」に捉えられたロック。何千年のキャリアでも最大の弱点ができるとこんなこともある、ということ? いい仲間たちがいてよかった。アイザックじいさんいい味出してる(若返っちゃったけど)。勢いでミラを救出に向かうが、あの後のミラの状態は…。
読了日:09月17日 著者:聖 悠紀
◾️超人ロック風の抱擁 5 (ヤングキングコミックス)の感想
★★★★
精神的に耐えきれず過酷な記憶を自己暗示で消したミラ。その記憶を取り戻す過程が本シリーズのテーマそのものでもあるのだろう。一方、ミラからコピーされていたゼロワン、ゼロツーの描かれ方ががちょっとZZガンダムっぽい。最強の電子使いの独壇場(サイバースペース?)に乗り込んだロックの反撃やいかに、というところで次巻に続く。
読了日:09月17日 著者:聖 悠紀
◾️超人ロック風の抱擁 6 (ヤングキングコミックス)の感想
★★★★
最強の電子使いとの闘いでも「一度見た技は通用しない」チートぶり。それでも、『コズミック・ゲーム』まではテレポートを習得してなかったし、光の剣やラフノールの鏡も後天的に習得していったんだよねえ。過去のロックを研究した論文があって、経験の蓄積が強さの要因のひとつとされている、と作中でも語られてるけど、ある意味「可能性の獣」というやつか? という雑談はさておき、ミラの記憶は全て戻り、すべて込みでのふたりの関係が深まる中、ラストバトルへ。
読了日:09月17日 著者:聖 悠紀
◾️超人ロック 風の抱擁 (7) (ヤングキングコミックス)の感想
★★★★☆
ラストバトルは比較的あっさり目で収束し、その後をじっくり描く構成はシリーズ中でも珍しいが、すべてはふたりをめぐる関係が関わった人々の記憶へ、語り継がれる物語になっていくことを提示するため。寿命の異なる相手との関係性というテーマへの回答は、この歳で読むといろいろと沁みる。今読むと、伝え聞く、病床にあるという著者の姿がロックにもミラにも重なって見えるのもちょっと複雑かもしれない。
読了日:09月17日 著者:聖悠紀
◾️アンデルセンの童話 (オールカラー版世界の童話 3)の感想
★★★☆
3巻目はアンデルセン。おやゆびひめ、はだかのおうさま、みにくいあひるのこ、そらとぶかばん、マッチうりのしょうじょ、のまさに定番の5編。今読むと興味深いのはおやゆびひめの絵を松本かつぢ、みにくいあひるのこの絵を森やすじが担当しているあたり。松本かつぢはあの独特の顔立ちがかわいく、輪郭線を強調しないやわらかいタッチ。森やすじは古い東映マンガ映画というか、けっこうディズニーっぽいけど、輪郭線が黒じゃなくて、色トレスっぽいのが今見ると先駆的かも?
読了日:09月18日 著者:浦田 又治,森 やすじ
◾️アラビアンナイトのお話 (オールカラー版世界の童話 4)の感想
★★★
4巻目はアラビアンナイトから、アリババとどろぼう、シンドバットのぼうけん、ふしぎなランプの3編。これまた代表的なものをセレクトした感じだが、アリババもシンドバットも普通のおじさんっぽくて絵柄もリアル寄りで、ちょっと大人のお話を覗いてる感じがするかも。
読了日:09月18日 著者:土家 由岐雄
◾️超人ロック VOL 5 ライザ SAKUGA GROUP シリーズの感想
★★★☆
作画グループ版ロックの5巻目。スカイホーク・ダンディの後日談「ライザ」を中心に、遺伝子コピー能力「マトリクスコピー」を軸に据えた作品複数。他、「エネセスの仮面」「新世界戦隊・オリジナル版」を収録。ロンウォール革命やサイバージェノサイドをニア姫が調べていたり、ラフノールの僧の話があったりするのがファンにはツボ。その後、設定、登場人物を一新した商業版「新世界戦隊」はラフノールの作品群の原点でもある。「夢使い」が見せる夢でロックと関係した思い出の中の人々がロックに呼びかけてくるのは『風の抱擁』にも通じるかも。
読了日:09月23日 著者:聖 悠紀
◾️スラン (ハヤカワ文庫 SF 234)の感想
★★★★
超人ロックの流れで「実は読んでなかった名作」を。なるほど、これもまた日本のSFマンガのあれとかあれとかのあそことかあそことかの原典なんだろうなあ。しかし、1940年の作で原子力の描写がけっこう細かいのはすごい。真空管は一箇所くらい出てくるけど、他のガジェットの描写(データベース検索した内容がディスプレイ的な板にテキストで表示されたりとか)は今読んでも納得感がある。超能力テーマ、新人類テーマでもありつつ、今なら『三体』っぽいと言われそうな宇宙戦争描写もあり。
読了日:09月23日 著者:A.E.ヴァン・ヴォクト
読書メーター
2021年6月に読んだ本 ― 2021年07月04日 16時13分06秒
6月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:2842
ナイス数:111◾️おたんじょうびのおくりものの感想
★★★
取っておいたおいしいりんごを、お誕生日のプレゼントにしよう、あれ、でも、ここにおいたはずなのに…。わすれんぼのわらしべ長者、みたいなお話。初版が1984年とのことなので、かくれたロングセラー?
読了日:06月02日 著者:村山桂子
◾️こぐまのカブ おつかいへの感想
★★★
家族にお買い物を頼まれたこぐまのカブ。お買い物を復唱しながら歩く…って、普通『やかまし村』のお買い物のエピソード思い出すじゃないですか。で、絵本にありがちな忘れものジャンルと思って読み進めると、あら不思議、すごく順調にお買い物が進んでいく…。ごめん、こちらの心が汚れていたよ…。ちなみに、「こぐま」で「カブ」なので、今検索すると検索結果の画面に『スーパーカブ』が並びます(笑)。
読了日:06月02日 著者:牛窪 良太
◾️岩泉舞作品集 MY LITTLE PLANET(マイリトルプラネット) (小学館クリエイティブ単行本)の感想
★★★★★
まさか今頃になって岩泉舞をコミックスで読めるとは。しかも、以前1巻限りに終わってしまった短編集には未収録だった短編の再録から新作描き下ろし表題作までを修正した完璧版。未収録作はおそらく雑誌印刷からの収録らしいのは残念だけど、切り抜きで持ってなかった作品も読めてよかった。しかも最新作、タッチがクリアに洗練されつつ、一級のアイデアストーリー。これを機会に細々とでも新作を描き継いでもらえるとすごくうれしい。なので、昔読んでた人も、初めての人も、どんどん買って欲しい。
読了日:06月04日 著者:岩泉舞
◾️ちいさなライオンの感想
★★★
こどもライオンの写真にジャック・プレヴェールが文章をつけた異色の絵本。動物園を逃げ出したこどもライオンのちょっとした冒険? 解説によると、同じ写真の絵本がもともと別にあったらしく、そちらも気になる。
読了日:06月04日 著者:ジャック・プレヴェール
◾️本屋のラク〜9回生きたねこのはなし〜の感想
★★★
100万回ならぬ、9回生きたねこのお話。本屋ならぬ図書館ネタで、猫には九つの命がある、という小説もあったけど、こちらはあんなコワイお話じゃないので大丈夫。
読了日:06月04日 著者:くどう かずし
◾️海のアトリエの感想
★★★★
子どもを子ども扱いしない、対等に扱う相手との交流というのは、なかなか得難い体験。かつて、そういう体験をしたことを、孫娘に語り聞かせる…と、いっても、このおばあちゃんの子ども時代って、今50代の自分たちよりちょっと上くらいだよね。まあ、むしろその年代だけに、そういう年長者は少なかっただろう。いろいろ考えさせられ、心に残る一冊。
読了日:06月06日 著者:堀川理万子
◾️クララとお日さまの感想
★★★
世間的にはAIテーマとか、新しめのことをいろいろ言われそうな作品だが、読んでいる間感じたのは懐かしさ。これは手塚治虫ではないのか。とりわけ、『火の鳥』復活編を思い出した(『鉄腕アトム』要素もあり)。AIの視点で学習が進む効果を描くあたりも、ニトロプラスのゲーム『HELLO WORLD』あたりのねちっこさを知っているとやや淡白にも感じる。とはいえ、読後感含め、良作。再読に耐えると思う。
読了日:06月06日 著者:カズオ イシグロ,土屋 政雄
◾️ねむいねむいちいさなライオンの感想
★★★
なるほどこれが『ちいさなライオン』のもうひとつのバージョンか。文章が少なくシンプルで、こちらの方がより絵本らしい仕上がり。写真は同じものもあるけど、順番が違っていたり、どちらかのバージョンにしかない写真もあるようなので、比べて読むと何倍にも楽しめる。
読了日:06月06日 著者:マーガレット・ワイズ ブラウン
◾️三体III 死神永生 上の感想
★★★★
前に智子ファンアートというのを見せてもらったことがあったけど、智子が本当に智子だったのでひっくり返った(笑)。それにしても、時代は面壁計画の頃まで遡るところから始まって、あとはジェットコースターのように二転三転…。第二部まで終わったところで、第二部まで「だけ」で「これ」ですか、と、思わず呟いた。しかし、植物の種は…さよならすべての???
読了日:06月09日 著者:劉 慈欣
◾️パンダのパンだの感想
★★★
パンダのパン屋、というある意味ベタなネタだけど、日替わりのパンとそれに合った?動物のリアクションが楽しい。あと、背景かと思っていたカレンダーや掲示板がちょっとしたストーリーに発展していくのもまた楽しい。
読了日:06月15日 著者:牛窪 良太
◾️死ぬまでに行きたい海の感想
★★★★
著者本人が撮影した写真を添えて語られる小さな旅の数々。時には、気になっていたけど降りたことのなかった駅、時には昔住んでいた土地、町。いつものエッセイのように、淡々と起こっていることを書いている中に、偽りの記憶や虚構が渾然と入り組み始め……と、思ったけど、もしかして著者の視点になってみれば、語られていることはすべてリアルなのかも。天然の語り/騙り手、ナチュラル・ボーン・クリストファー・プリースト!? 文章だけでも現実遊離感半端ないが、写真というリアルが添えられることで現実の境界がさらに揺らぐ。最高傑作かも?
読了日:06月15日 著者:岸本 佐知子
◾️神様のいる街の感想
★★★☆
著者の自伝的なエピソードが散文的に語られる。加えて、架空のホテルメモ帳(父親に頼んで作ってもらったとか)に書きためてあった散文を本にしたものの、原本が失われていたという幻の処女作をメモの体裁を再現して収録する趣向が楽しい。なるほど、こういう不思議な、レイアウト、装丁に凝りまくった本は、ここから出るのがふさわしいのか。
読了日:06月17日 著者:吉田 篤弘
◾️チョコレートのおみやげの感想
★★★☆
お母さんの妹にあたるおばさんに神戸を案内してもらった小学5年生の女の子。帰途、お土産に買ったチョコレートを食べながら、おばさんは風船売りとにわとりの不思議な話を語り始める。言葉のキャッチボールから、やがて物語のキャッチボールに広がっていくのがほっこりする一冊。
読了日:06月18日 著者:岡田 淳◾️ヴォドニークの水の館の感想
★★★
チェコに伝わる水妖ヴォドニークをめぐる物語。19世紀にドイツ語で出版されたチェコ民話集が150年近い時を経てチェコに戻ってきた、その中から選んだ一編とか。貧しい少女が水妖の気まぐれで命を救われ、水底の屋敷で掃除の仕事をすることになるが…。全身みどりのヴォドニークはチェコ版カッパ!? 前に読んだイタロ・カルヴィーノ『梨の子ペリーナ』と同じ、世界のむかしばなし絵本のシリーズとのこと。他のシリーズも読んでみたくなる。
読了日:06月18日 著者:まきあつこ
◾️薬屋のひとりごと 11 (ヒーロー文庫)の感想
★★★☆
元々の展開、シチュエーションが平時でない中、波乱の展開はある程度予想されたとはいえ、そのさらに上をいく政変展開。なるほどといえばなるほどだが、まさかあのキャラが…。農学系としては、小麦の栽培化の過程の自然変異の桿長、穂からの種子の脱落の度合いなどを経験的に選抜する(品種改良の萌芽)とか、連作障害の有無とか、そういう蘊蓄の滑りこませ方が相変わらずうまいと思う。
読了日:06月22日 著者:日向夏◾️小惑星ハイジャック (創元SF文庫)の感想
★★★☆
いわゆるオールド・シルヴァーバーグの時期に変名でエースダブルに書いた小品が今頃新訳! 訳者の思い入れたっぷりのこういう翻訳もたまにはいいじゃない? シンプルかつ短いながら、スピード感、エスカレーション感がなかなか。これ、ボリュームアップさせたらワイドスクリーンバロックになりそうなネタを無造作にエースダブルに使い潰してる感じ? オールドだっていいじゃない(笑)。
読了日:06月23日 著者:ロバート・シルヴァーバーグ
◾️三体III 死神永生 下の感想
★★★★
なるほど、三体艦隊に人類を送り込もうという「階梯計画」から始まって、別の意味の(壮大な)「階梯」に至る。第一作で描かれた智子による干渉すら、この展開に至る伏線にもなっている。とにかく、次から次に繰り出されるアイデア、その喚起するイメージの奔流。流された先では滝になっていたり…(笑)? なるほど、SFは技術ではなく世界そのものをモチーフにするものなのだ、という作者のポリシーが実感できる。解説で予告されているスピンアウト?も楽しみだ。
読了日:06月26日 著者:劉 慈欣
◾️ねんねの感想
★★★
いろんな動物のねんねの写真の絵本。かあいい。
読了日:06月26日 著者:さえぐさ ひろこ
◾️空からのぞいた桃太郎の感想
★★★☆
上から俯瞰した桃太郎。とにかく、俯瞰した全景が緻密で細部に遊びがある。とはいえ、鬼退治の理由も説明がなく、俯瞰で見ると穏やかな日常を過ごしていた鬼たちが一人残らず地に伏した有様を見ると、ただの大虐殺、お宝強奪に見えなくもない描き方が、淡々と恐ろしい?
読了日:06月26日 著者:影山 徹
◾️タンタンタンゴはパパふたりの感想
★★★☆
ペンギンのオスとオスのカップル、飼育員さんの心遣いで、他のカップルが産んだ卵を温めて、やがて娘が生まれる。実話ベース、ってのにはびっくり。
読了日:06月26日 著者:ジャスティン リチャードソン,ピーター パーネル
◾️ちいさな島の感想
★★★★
ちいさな島の四季のうつろいをめぐり、来ては去る鳥、動物、魚、昆虫たち。時には人や飼い猫が立ち寄ることも。ざっくりしたタッチだけど動物の特徴がよく出た絵とともに、ちょっとした図鑑的にも読める一冊。1940年代に描かれたとのことだけど、エバーグリーンな絵本と言えそう。
読了日:06月27日 著者:ゴールデン マクドナルド
◾️ブックデザイナー・名久井直子が行く 印刷・紙もの、工場見学記の感想
★★★
印刷、紙に関する見学記の最新刊。今回も紙作りから始まり、製本、物流(取次)まで、上流から下流までの構成になっているが、顔料、インキの現場が加わることで化学工場の要素が強く出た内容になり、個人的には親近感。ご年配の職人さんの話がやはりウェイト高いものの、意外な分野がしっかり後進育成していたり、分野によっては本以外の製品できちんと産業として自立していたりするのが興味深い。あと、神保町の和綴屋さんは、狭い路地にあるあそこですね。
読了日:06月29日 著者:
◾️わかつきめぐみ迷宮探訪 (Treasure Album)の感想
★★★☆
なんと、わかつきめぐみ40周年記念本とな。何もかもみな懐かしい。大学時代は手書きファンジンやイラスト、カットに多大な影響を受けた。その最たるものがほとんど一人で手書き、手描きで2年かけて作ったコンベンションアフターレポート。自分はその後、手仕事からDTPになって久しいが、40年アナログ画業を続けられていることに心からの敬意を。描き下ろし新作番外編は二つともキャラの画風はともあれ、当時の雰囲気を感じさせて懐かしい。新作もいつも通り。このまま50年、60年を目指してほしい。
読了日:06月30日 著者:わかつき めぐみ
読書メーター
こんな夢を見た。 ― 2020年10月27日 18時40分30秒
無観客の演奏会のリハーサルに何を思ったか潜りこむ、といっても警備も何もなくするする中まで。ホールの脇、使う予定のないピアノの陰に隠れて一息ついているとソプラノの女性が来て練習を始める。見ていると瞬間移送?で男女がシームレスに入れ替わる趣向。これが無観客とは残念。
こんな夢を見た。
研修旅行で久しぶりの旅館。軽食にラーメンが出て皆食べようとしていると晴れた空にいきなりの稲光。窓の外の庭にすごい幅の稲妻。電光が大きすぎたのか庭の松の木に大きな火花がチラチラ残って葉先に宿る。不意にその火花が飛びたち集まる。鳥の形でヒュンと飛び回る。いい歓迎だ。
こんな夢を見た。
台風一過、所用で外出して戻るとマンションの駐車場の下の土が流されて大穴。停めてあったクルマはどこかに退避させてある。一度階段を上がるが、踊り場から振り返るとさっきまで無事だった自分のクルマの側も被害がある。降りてみると住民が大勢集まって大騒ぎ。これからどうなる?
こんな夢を見た。
目の前に白と黒の切り絵。コマ割りされてマンガになっている。見ていると切り絵がパタパタ切り替わってなんとなく動いている。階段や坂の多い町での子どもたちの日常だ。ある時その切り絵の白かった部分に色紙のような平板な色がついた。なるほど、カラー切り絵が普及し始めたのか。
こんな夢を見た。
なにかの映画の舞台を訪ねる旅。小学校の前にやや深い水路、すぐそばには急な石段と登った先には小さなお寺。訪ねるうち、自分は映画の主人公の男の子になって、その小学校に通いお寺で遊ぶ。そのうち、そのお寺のできた成り立ちの謎を解く。いっしょに旅に来てる妻に後で教えよう。
こんな夢を見た。
宇宙空間。彼方にキラッと光。ナレーションが語る。「相対的結末であった」。え? なんのこと? 相対論的、でも意味わかんないけど。視界には例の木馬みたいな機体。でもパーツがキツい原色でコレジャナイ感…
こんな夢を見た。
襖や障子をぶち抜いた日本家屋でなにかの集まりがあった。その会が終わり次のイベントが別の場所であるらしく人がいなくなる。気がついてみると何故か某小鬼さんと某中野さんと自分の3人だけががらんとした家屋に残っている。某中野さん、次のゲストだったはずだけど間に合うのか?
こんな夢を見た。
夢というか、一度目覚めて寝入ろうとしたら、まぶたの裏にえらくリアルな光景がいくつも浮かんでいる。ひとつひとつが目を覚ましている時に目に映るもののようにリアル。だけど、それぞれの間にモヤモヤした境界みたいなものがある。どれかに入っていくと、次の夢になるのかな?
こんな夢を見た。
テレビのニュースの音が聞こえて目を覚ます。窓の外は明るい。そろそろ起き出そう。…と思って二度寝。また目を覚ますと、今度は音もせず、外もまだ暗い。あれ、と思ってまた寝る…。何回目かに目を覚ました。あ、これが現実か!?
こんな夢を見た。
自分は夢の中にいない。その代わり、ガルパンのダイジェスト映像がえんえん脳内再生されている。二度寝しても同じ状態。三度寝しても同じ状態。自分の頭は、今夜は自分で考えて夢を見せるのを諦めたらしい。たまにはゆっくり休んでください。でも、なぜガルパン!?
こんな夢を見た。
おしりたんていはぼくだ。ぼくがおしりたんていだ。なにかじけんだ。なにかじけんがおこった。いらいだ。かいけつするんだ。
…解決する前に、目が覚めた。
こんな夢を見た。
今の両親を連れて母の実家に行く。久しぶりに見る親戚たちが続々集まってくる。法事?に出かけようというところでその家の伯父が急に倒れたとかで、やおら騒がしくなる。気がつくと歳の離れた従兄たちの顔もある。不意に父が自分の実家に荷物を置きに行きたいという。すごく遠いのに。
2019年11月に読んだ本 ― 2019年12月01日 12時22分29秒
あと、Molly Zeroについて、キース・ロバーツの現在のエージェントさんと連絡がついて、ファンジン向けの版権交渉。翻訳とレイアウト作業もちょこちょこ進めてます。
11月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3234
ナイス数:209のっけから失礼しますの感想
★★★☆
宝塚の『エリザベート』を至高と断じ、花組版『ポーの一族』に酔いしれ、『重版出来!』に涙する、なんだか、うちの夫婦的に他人事と思えない話題の数々。一気読みする性質のものではないと思うので、いっぺん読んでは他のことをしつつ、ぽつぽつ読んだ。
読了日:11月04日 著者:三浦 しをん
たんぽぽのお酒 (1971年) (文学のおくりもの〈1〉)の感想
★★★
実は読んでなかった名作のひとつ(笑)。高校時代から、本屋で手に取ったりパラパラめくったりはしていたものじゃがのぉ(笑)。読んでみると、1928年のイリノイ州のひと夏を封じ込めた、まさに佳作。とはいえ、市電が廃止されてバスになるとか、古いアーケード(ゲームセンター)が老朽化で廃業したり、日本でいえば昭和30-40年代くらいの子ども時代を想起させる。マイマイ新子のような作品とも通底する要素があるように思った。
読了日:11月04日 著者:レイ・ブラッドベリ
歯をみがいてはいけません! (講談社青い鳥文庫)の感想
★★☆
横田順彌の追悼展で配布されていた著書の最後から4冊目。まあ、こういう機会がなければ存在も知らなかった児童書で、しかもシリーズ3冊目だったりするが、1ページに2回くらいダジャレが出てくるあたりはいかにも(笑)。実はさらりと並行世界SF。
読了日:11月08日 著者:横田 順彌
白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
★★★★☆
読み始めてしまえば、時間の関係で一晩は越したものの、ほぼ一気読み。焦らしに焦らした前巻までから、今巻では話が動き出し、その過程で、各登場人物の内面がそれぞれに抉り出される。
読了日:11月11日 著者:小野 不由美
白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
★★★★☆
光が見えてきたか、と思ったら、一転、何という容赦のない展開…。ギリギリまでどうなるのかと思ったら、何という怒涛の展開…。そして、この物語は民の生活に始まって、民の生活で幕を下ろした。あと、ラスト1行は…いわゆるナレ…。
読了日:11月13日 著者:小野 不由美
やかまし村の子どもたち (リンドグレーン・コレクション)の感想
★★★★
ピッピと同じ新訳のリンドグレーン・コレクションからのやかまし村。オリジナル版のイラストが使われてるのも同じ。ピッピとは対照的に普通の子どもたちの楽しそうな日常がいかにも楽しそうに描かれる。シリーズの初めの2作は原作者の脚本・監修のもとにラッセ・ハルストレム監督が映画にもしている。録画してあったのを思い出して観てみたけど、これがまたいい!
読了日:11月17日 著者:アストリッド リンドグレーン
ゆき、まだかなあの感想
★★★
かあいらしい絵本。これからの季節向き?
読了日:11月17日 著者:マーシャ・ダイアン アーノルド
みならいサンタの感想
★★★☆
サンタ見習いの女の子の研修明け?の初仕事。いや、かあいらしいすなあ。
読了日:11月17日 著者:そのだ えり薫風のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート 3 (光文社キャラクター文庫)の感想
★★☆
1冊目は日常の謎ミステリとしてそれなりだったけど、2、3冊目はミステリ分だいぶ控えめなラブコメ。キャラクター小説としては楽しめた。
読了日:11月18日 著者:福田 和代
紙の魔術師 (ハヤカワ文庫FT)の感想
★★☆
魔術師見習いの少女が、折り紙をモチーフにした紙の魔術師の修行を始める、という導入部から、予想しない方向に物語が進む。まあ、ちょっと好み分かれるかな。映画化予定らしいけど、確かに映像向けかも。
読了日:11月23日 著者:チャーリー・N・ホームバーグ
せなか町から、ずっと (福音館創作童話シリーズ)の感想
★★★
超巨大な魚?のせなかに、そこを島だと思った人間たちが町を作った。登場人物の男の子のひとりが毎朝牛乳配達しているのを読んで、毎朝、晴れの日も雨の日も雪の日も豪雪の日も新聞配達をしていた頃のことをちょっと思い出した。童話としてはまあ、お行儀がよいというか、いささかできすぎ感もあるものの、イラストとのカップリングがなかなか。
読了日:11月26日 著者:斉藤 倫ジャーゲン (マニュエル伝)の感想
★★★★
しがない質屋のジャーゲンが悪魔に隠された妻を探す旅に出てみると、いろいろなものに出会い、若がえり、さまざまな美女たちに愛されながら、地獄から天国まで遍歴を続ける。1918年に書かれたとのことだが、時間SF的な展開とか、登場人物が作者との関係を、被造物が造物主との関係を自覚するようなメタ構造とか、インフレーション宇宙を思わせるようなヴィジョンまで、驚きのアイデアがこれでもかと出てくる。それにしても、中盤から重要な?役割をする「呪文」(笑)。「呪文」最高(笑)。
読了日:11月29日 著者:J.B.キャベル
読書メーター
2019年10月に読んだ本 ― 2019年11月01日 20時00分34秒
あと、吾妻ひでおご逝去の報に、手塚治虫以来の落涙。自分のコアを形成しているのは、今でもこの二人のマンガ家なんだなあ、ということを改めて実感した。
10月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3343
ナイス数:255■エセルとアーネストの感想
★★★★
映画を観てきたので原作も読んでみた。絵本というよりマンガに近いレイアウトで、映画版はおおむね原作のストーリーをきちんと映像化している。動きをともなう演出で味わいが増しているシーンもありつつ、止め絵のつながりの方が余韻が残るシーンもあり。つまり、どっちもよい。内容的には『このロンドンの片隅に』でもありつつ、結婚からの二人の生涯を描き切った秀作。
読了日:10月06日 著者:レイモンド ブリッグズ
■美術館へ行こう: ときどきおやつの感想
★★★☆
ちょっと小さい/ちょっと変わった美術館をめぐるガイドブック。ベルナール・ビュフェ美術館はちょっと前に原田知世のon-docでいったことがあるけど、不思議な空間だったっけ。場所も美術館の趣旨もまちまちながら、著者の訪ねる美術館はそういう空気感が感じられる、という点で共通してるのかも。あらためて、中谷宇吉郎の記念館は行ってみたくなった。それ以外もあちこち、機会があれば。
読了日:10月10日 著者:伊藤まさこ
■くわた屋食堂 (バーズコミックス)の感想
★★★★ひとつひとつはOL女子の料理をめぐるほんわか日常スケッチ、メインのキャラが徐々に知り合いになっていく過程もほっこり。最後はピクニックでゆるやかにつながってたキャラが集合して大団円。そんな中、中学時代はつながりのなかった二人が焼き鳥の縁で友だちになって、久しぶりに故郷の街を訪ねるエピソードで、なんだかじんわりしてしまったのは何故だか自分でもわからない。
読了日:10月12日 著者:桑田 乃梨子
■パラドックス・メン (竹書房文庫)の感想
★★★★
なるほど、ワイド・スクリーン・バロックという言葉の定義の元になった、ということが120%納得できる快作。最新の科学知識に照らして怪しい点も(特にラストに関わる旧人類のあれこれとか)、まあ、気にしなくて大丈夫というか、機にする必要はない。ベスターとの比較では、ディティールをいくらでも書き込めそうなところがさらっと流されてるのがもったいないといえばもったいない。
読了日:10月13日 著者:チャールズ・L. ハーネス
■こっちむいて!みい子 ベストセレクション まるごとみい子! (ちゃおコミックス)の感想
★★★★
かつて時間帯移動前のテレビ朝日女児向け枠で、一年だけ講談社なかよしではなく小学館ちゃお(他)原作の年があって、しかも、みっつの作品をショートアニメで見せる『みいファぷー』という企画だった。そのうち『みい』がこの『こっちむいて! みい子』。そのアニメを観なければ知らなかった作品だが、アニメの各エピソードが毎回ツボで、気に入っていた。わざわざコミックスを買うまではしてなかったので、こういう企画はうれしい。セレクトもよくて、けっこうじわじわ目頭熱くして読んだ。シリーズ入門編として最高!
読了日:10月14日 著者:おの えりこ
■相方システム~学園が選んだ運命の女の子~1 (Lilie comics)の感想
★★★★
『マリア様がみてる』の姉妹(スール)は自分たちで相手を選ぶが、こちらは毎年のマッチングテストの結果から1年間の「相方」を選ぶ、というシステム。2年生で前年度「相方」だった二人が、それぞれに1年生の新しい「相方」と出会うところから始まるアレとかコレとか。いや、これは流石の袴田めら品質。
読了日:10月14日 著者:袴田めら■白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
★★★★
この作中での国の荒廃の仕方を読むと、まるで今のどこかの国の姿を見せつけられているかのような底冷えする気分になる。それにしても、こういう国のありようは、前作が描かれた時にはどの程度構想されていたのか、もともと予見的だったのか、今までかかって書いたからこそこういった描かれ方になったのか、は、ちょっと気になる。
読了日:10月15日 著者:小野 不由美
■白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)の感想
★★★★
ああっ、そうくるか!? という展開の連続。そして、ここで引き!? そして糸を引いてるのはやはりあの人物なのか? やはり摂理の発動は意図的に止められていたのか? この配置で動き始めると状況はどう転がるのか? 待て、次巻!
読了日:10月18日 著者:小野 不由美
■彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)の感想
★★★☆
いや、映画だと『インターステラー』にも『アド・アストラ』にも、なんかモヤモヤ感がある訳ですよ。映像の作りはすごいんだけど(どっちかといえば『アド・アストラ』推し)。このマンガの方がそのあたりの惑星間、恒星間航行を前提とした設定の作りに納得感。そして冒頭からギャグ連発の主人公たちがいい。
読了日:10月19日 著者:篠原 健太
■彼方のアストラ 2 (ジャンプコミックス)の感想
★★★☆
惑星ごとの生態系の違いが、ストーリーとうまくかみ合っていい感じ。あと、パルプマガジン風の口絵もいいすなあ。
読了日:10月19日 著者:篠原 健太
■彼方のアストラ 3 (ジャンプコミックス)の感想
★★★★
こ、このキャラクターの設定……これはやはり、11人いる、ならぬ9人いる!?
読了日:10月19日 著者:篠原 健太
■彼方のアストラ 4 (ジャンプコミックス)の感想
★★★★☆
前巻から今巻にかけては『インターステラー』要素がちらほら、そして、他の巻より少なめのページ数の中でどんでん返し連発。そうだよねえ、たしかに、とある言葉、今まで出てきてなかったよ。あーびっくりした。そして、たしかに話はここで切らないとね。
読了日:10月19日 著者:篠原 健太
■彼方のアストラ 5 (ジャンプコミックス)の感想
★★★★☆
これまでの伏線がきちんと回収されつつ、あのマンガとかあの小説を彷彿とさせる主人公たちの葛藤にも一人一人決着をつけつつ、宇宙SFとしての最大の謎解きも上手くハマって、ラストはさわやか。なるほどこれは極上のジュブナイルSFマンガ! 大団円!!
読了日:10月19日 著者:篠原 健太
■不条理日記 完全版の感想
★★★★★
これへの書き下ろしが遺作になってしまうとは…。こうして集められてみると、吾妻ひでおのSF愛がパロディとオリジナル作品で、一方で日常もセルフパロディに、それらが渾然一体となって、いいセレクト。吾妻ひでおがいなければ、自分はこんな人になってなかったのは間違いない。RIP
読了日:10月22日 著者:吾妻ひでお
読書メーター
2019年9月に読んだ本 ― 2019年10月01日 18時47分17秒
あ、長いファンダム歴ではじめて京都SFフェスティバルの合宿企画を申請しました。参加される方はよしなに。
9月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1221
ナイス数:72■未来の科学者との対話17-第17回 神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞 受賞作品集-の感想
★★★★
図書館の新刊で見かけなければこういう本が出ていることを知らなかったけど、中にジュニア農芸化学会で見たことあるテーマもあったので読んでみた。限られた環境で身近なテーマに取り組む高校生たちに胸が熱くなる。
と、思って読んでいたら、本巻の収録内容じゃないけど、2015年くらいにジュニア農芸化学会で発表していた(その同じ高校の後継研究は本巻にも収録されている)JK(当時)が、今はJDとなって海洋微生物の研究をしていることをひょんなことからtwitterで知ってびっくり。ジュニア〜では(残念ながら)賞取れてなかったけど、実は同じ研究で文部科学大臣賞をとってたとか。そっちの方がすごいし、大学でもやりたい研究に進めているようでなにより。
読了日:09月07日 著者:
■ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)の感想
★★★★
今回のネタは児童虐待の問題。しかしなるほど、序盤の大学の講義を伏線に、マンガで◯◯トリックが成立するとは。同じような手法でそのトリックを描いたマンガが他にもあったのは覚えてるんだけど、すぐに思い出せない……。
読了日:09月12日 著者:田村 由美
■幻魔大戦 Rebirth (10) (少年サンデーコミックススペシャル)の感想
★★★☆
そろそろまとめに入りつつあり。あのキャラの正体、彼だった!?
読了日:09月16日 著者:
■連続テレビ小説なつぞら コンプリートファンブック (ぴあ MOOK)の感想
★★★★
かゆいところに手が届くムック。本編の中に出てきた当時っぽい演劇とかのポスター、数々のアニメ作品のポスターやセル画、絵コンテ、原画などなど、刈谷さんが脚本の表紙に提供したというカラーイラストがたっぷりカラーで楽しめ、短いけれどドラマから入るファンにも、アニメの方にフォーカスするファンにも納得のインタビュー、寄稿の数々。アニメ資料数はアニメスタイルさんにおまかせするにしても、これは大いに「買い」。いや、買ってよかった。
読了日:09月22日 著者:
■本にまつわる世界のことばの感想
★★★★
『翻訳できない世界のことば』の翻訳から始まって、気がついたらタイトルの語感以外は各個独立の内容の不思議なシリーズとなりつつある創元社の「世界を旅するイラストブック」シリーズ。最新刊は久しぶりに「積読」も出てくる本にまつわる言葉を扱っているが、世界の言葉をネタだしするために7人の著者を集め、好き勝手にその言葉について小話やエッセイを書いてもらう、という不思議な一冊。けっこう楽しく読めるので、これは企画の勝利かも。
読了日:09月23日 著者:温 又柔,斎藤 真理子,中村 菜穂,藤井 光,藤野 可織,松田 青子,宮下 遼
■彼女の世界 (リュウコミックス)の感想
★★★★
わりとガチ百合だった(笑)。袴田めら作品は登場人物の心理的な立ち位置がくるっと逆転するあたりが読みどころ。自分はピュア百合アンソロジー「ひらり、」でファンになったんだけど、こちらはなんと「リュウ」(笑)。しかし、未読のコミックスをKindle版で読むのってこれが初めてかな。
読了日:09月24日 著者:袴田 めら
■日本SF誕生―空想と科学の作家たちの感想
★★★★
第一世代のSF作家がデビューする前からのさまざまな交友録。コンパクトな文章の中に博覧強記ぶりが垣間見え、登場する作家たちの言行赤裸々さも含め、楽しい読み物になっていつつ、国際SFシンポジウムの運営裏話を含めた記録にもなっている労作。
読了日:09月24日 著者:豊田有恒
■「なつぞら」のアニメーション資料集[オープニングタイトル編](小冊子)の感想
★★★★☆
『なつぞら』のOPアニメの絵コンテ、設定資料、イメージボード、レイアウト、背景、それに脚本用の表紙イラストがよぶんな説明なしでがんがん収録されている。かりやさんの絵の力ががんがん伝わってきて、すごくいい。
読了日:09月26日 著者:
読書メーター
2019年3月に読んだ本 ― 2019年04月02日 07時08分23秒
それにしても、可憐な少女がヒロインのディストピアSFにまで、古今の英国文学の素養が求められるロバーツ、恐るべし…。セミコロンを多用したりする独特の文体にはだいぶ慣れてきました。
3月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1666
ナイス数:79■82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)の感想
★★★
いやまあ、日本も同じようなことあるよねえ…
読了日:03月06日 著者:チョ・ナムジュ
■百人一首 (コミックストーリー わたしたちの古典)の感想
★★★★
図書館で借りて感銘を受けたので、amazonに在庫があったのを注文してみた。こちらは新装版で、表紙イラストが違う他、届いて驚いたことに、判型がB5でソフトカバー。大きくなった分、カラーページの彩色やペンタッチの細かいところがわかるようになっているので、千明初美ファンが手に入れるなら新装版をオススメしたい。1998年が新装版初刷、手元に来たのは2011年の第11刷。長く読み継がれているのがわかる。実際、入門者から中級者までにオススメできる名著だと思う。
読了日:03月09日 著者:千明 初美,柳川 創造
■騎士とドラゴンの感想
★★★
騎士はドラゴンと戦うものだ、ドラゴンは騎士と戦うものだ、お互いそう思っているが、実際に戦ったことのない騎士とドラゴン、まずしたことは、図書室(もしくはほらあなの蔵書)で戦い方を学ぶこと。次に鎧や武器など(怖い顔の仕方、火の吐き方など)戦いの準備、さらに模擬戦闘を繰り返す。さてさて、ついに始まった戦いの結末は!?
図書館の入口のオススメ絵本、これはかわいらしくて当たり。
読了日:03月09日 著者:トミー・デ パオラ
■鳥籠の小娘の感想
★★★★
宇野亜喜良の妖しい表紙に惹かれて手に取った。ちょっとダークでビターなお伽話。娘の作る鳥籠は鳥を閉じ込めるものではない。娘もまた、身も心も自由だったのだが、魔物に唆されて、鳥籠に価値を見出してしまった人々の欲望が少しずつエスカレートし、世界の歯車が狂い始める。娘をタイトルにある「小娘」と扱うものは何者か? いろいろなものが読者の解釈に委ねられる。
読了日:03月09日 著者:千早 茜
■アリーテ姫の冒険の感想
★★★
「かしこい」お姫様はお嫁に行けない? かしこくない王子様の手に負えないから!? でも、そもそもそんなつまらない王子様のお嫁さんになる必要なんてあるのか。ということで、三つの願いとか三つの試練とか、王子様が魔法で蛙に、などなど、お伽噺的要素は登場させつつも、ことごとくお伽噺の定型から外していき、男中心のお伽噺世界を「かしこさ」で乗り切っていくアリーテ姫が痛快。余談ながら、片渕監督のアニメ映画版も、キャラクターやシチュエーションはけっこう枠組みとしてちゃんと取り込んでいたんだなあ。
読了日:03月10日 著者:ダイアナ コールス
■生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)の感想
★★★★★
ケン・リュウ短編集第3弾。描かれる近未来世界の情勢があまりに「今」過ぎて、つい執筆年代を確認してしまう。時代がケン・リュウに追いついてしまったのかも、と思うとちょっと複雑な気分も。あと、描かれた世界の片隅で起こっていることを、科学・技術的な事象から、歴史・文化・文明への探求・考察まで、時にはそれらの負の側面や、避けがたい民族対立や差別感情まで含め、思想的にニュートラルに提示して、読者に委ねることで余韻を感じさせるというケン・リュウの作風はナショナルジオグラフィック的なスタンスを内包しているのかもしれない。
読了日:03月18日 著者:ケン リュウ
■その正体は何だ!? じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説の感想
★★★★
Twitterではずっと読んでいたが、この長さ(短さ)でもアイデアとオチを盛り込んで「小説」が書ける驚き。これは第2集になるが、8冊あれば1001を超えるのか!?
読了日:03月26日 著者:北野勇作
■幻魔大戦 Rebirth (9) (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)の感想
★★★
表紙の通り、ドク・タイガー大活躍? それはともかく、ベアトリスの釵の由来が語られる新幻魔大戦序盤の再現シーンには目頭が熱くなった。何もかもみな懐かしい。
読了日:03月27日 著者:
■35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったかの感想
★★★★
タイトルだけは有名だけど、原典をちゃんと読んでいる人は少ない、科学の歴史上の名著の内容を面白おかしく紹介する好著。教科書的な知識や、現代の視点からの思い込みで、たぶんそういう内容? と思っているのとけっこう違うのが興味深く、楽しく読めた。二重らせん以外は読んでないものばかりだけど、ちょっと読んでみたくなる。
読了日:03月31日 著者:小山 慶太
読書メーター
2018年12月に読んだ本 ― 2019年01月03日 21時10分54秒
12月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3092
ナイス数:143■ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)の感想
★★★☆
一話完結のシリーズ初期に戻った感じの短編集。母の期待に添えなかった息子の話は、教育や教養は無駄にならない、という読み方もできるかも。ラストの話は、同じ出来事が受け取る人の取り方次第で運にも不運にもなりうる、という話。元シリーズの本筋に決着がついたので、こういうテイストの短編集で細く長く続いてほしい。
読了日:12月01日 著者:三上 延
■掟上今日子の乗車券の感想
★★★
忘却探偵という不可能犯罪ならぬ不可能探偵の設定を使ってミステリのサブジャンルをメタ的に解体するシリーズだが、今回は探偵が行くところ事件あり、というミステリへのよくあるツッコミを逆手にとった。リアリティはいつも以上に皆無だし謎解きもかなり無理筋な気もするけど、むしろそういうものとして(今日子さんの脳力がチートすぎた前作より)楽しめた。
読了日:12月05日 著者:西尾 維新
■蕗子の春 (1977年) (りぼんマスコットコミックス―千明初美傑作集)の感想
★★★☆
段ボールにしまいこまれていたのを発掘。デビュー当初の絵柄には水野英子っぽさも多少感じられるが、やや少年マンガ的なくっきりした線で描かれる丸っこくかわいらしい画風は初期から確立されている。収録作中「ちひろのお城」が高野文子編の作品集に選ばれているが、これは確かに画風、作風を一作で代表していると言えそうな傑作短編。カラー再現で読んでみたい。
読了日:12月08日 著者:千明 初美
■いちじくの恋(リボンマスコットコミックス) (千明初美傑作集2)の感想
★★★★
自分がりぼんで読んだ短編が主に収録されている傑作集2。「いちじくの恋」とその続編の「七夕」はやはり別格なんだけど、高野文子編の作品集の作品ガイドによると同じ二人の小学生時代を描いた短編があと2編あったようだ。高野文子編の作品集には「いちじくの恋」が採られている。やはりこれは外せない作品。
あと、書誌情報が出てこないので傑作集3『バイエルの調べ』の感想も。今読むとコマやキャラクターが小さいので、短編一つにコミックス1冊分以上の情報が盛り込まれている。もはや成熟期という印象で、どれも読み応えあり。
読了日:12月08日 著者:千明 初美
■変愛小説集 日本作家編の感想
★★★★
訳あって本家の方の変愛小説集より先にこちらを読了。それぞれに変な短編のバリエーション豊かな博覧会。それにしても編者の岸本佐知子センセイ、日本語の小説を「訳してぇ」って、ああた…(笑)。
読了日:12月14日 著者:川上 弘美,多和田 葉子,本谷 有希子,村田 沙耶香,木下 古栗,小池 昌代,星野 智幸,津島 佑子,吉田 知子,深堀 骨,安藤 桃子,吉田 篤弘
■海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)の感想
★★★★★
ついに完結。このキャリアでもまだ画風、作風が変わり続けながら、根っこの部分は30年前から通底する、吉田秋生の最高傑作が新たに誕生した。楽園シリーズをヘビーローテーションしていた高校生の頃の自分に読ませてあげたくなった。
読了日:12月17日 著者:吉田 秋生
■乙嫁語り 11巻 (ハルタコミックス)の感想
★★★★
ついに11巻、別巻込みの『エマ』の10巻を超え、質量ともに森薫の最長の長編にして、最強のリビドー発現マンガとなった。これから、これまでに登場した人々が旅の先々で再登場して物語が収束していくのかもしれないが、もしかして、ここまでと同じ巻数を要したりして。それならそれでうれしいが(笑)。
読了日:12月17日 著者:森 薫
■究極超人あ~る6通常版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
★★★★
BOXの下が手に入らなかったので通常版を待っていた。夏休み旅行の後半から幽霊の正体がわかるまで。なしくずしに光画部部員になって意外とまんざらでもない鰯水、そのキャラクターや数々の特殊能力(笑)もともと光画部向きだったといえる(笑)。
読了日:12月17日 著者:ゆうき まさみ
■究極超人あ~る7通常版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
★★★★☆光画部新部長も、新生徒会長も、新生徒会もいい味出している。そして一番光画部員らしい活動を始める鰯水(笑)。
読了日:12月17日 著者:ゆうき まさみ
■アヴァロンの銃 (1980年) (ハヤカワ文庫―SF 真世界シリーズ〈2〉)の感想
★★★☆
アンバーシリーズ第2弾。アンバーの王位奪還を目指すコーウィンが影の世界を暗躍してついに帰還を果たすものの、自らが解き放った呪いの影響でアンバーそのものが危機に陥る。ラストの怒涛の展開で次に続く。次は手元にないので古本屋を探さねば。
読了日:12月22日 著者:ロジャー・ゼラズニイ
■究極超人あ~る8通常版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
★★★★★
この巻あたりはキャラクター、ギャグが本当に神がかっていて、これは本当に、この時期のゆうきまさみにしか描けなかった作品だと思う。性格や思惑がぜんぜん違う人物たちの群像劇、という点では『パトレイバー』にも通じるところがあるけど、そういう作風はここで培われたのだと思う。後の作品でこれに近い味わいがもっとも出ているのは『じゃじゃ馬〜』ではなかろうか。
読了日:12月24日 著者:ゆうき まさみ
■究極超人あ~る9通常版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
★★★★☆
とうとう最終巻。いくらでも続けられそうだけど、とりあえず〆る、というあたりも『じゃじゃ馬〜』に近いテイスト。そういえば書き忘れてたけど、イメージアルバムの暴走ぶりもすごかった。単にイメージソングを集める作りが多かった業界に、マンガではなく音楽・声優の芸で原作マンガのテイストを再現する、というフォーマットを確立したのはこのイメージアルバム3作だったのではなかろうか。もしかすると、現在主流になっているアニメ作品のラジオ、CDドラマの源流にもなったりしてはいないか。なんてことも思ってみた。
読了日:12月24日 著者:ゆうき まさみ
■究極超人あ~る10通常版 (ビッグコミックススペシャル)の感想
★★★★
BOXの下巻として入手できなかったので、他の巻の通常版が出るまで買うのを控えていた。口絵は1990年代前半に作られたOVAのクライマックスシーンなので、「原作の年代までそのままのゆるい続き、というあのOVAもこの10巻と同じ世界という位置付けだろう(最近はアニメ聖地巡礼のはしり、などとも言われているとか)。1987年を舞台に、画風の違いは感じるものの、懐かしい作風・味わいがお祭り的に復活しているのがうれしい。まあ、続きは描かれてもいいし描かれなくても満足だ。久しぶりにいい夢見せてもらいました。
読了日:12月24日 著者:ゆうき まさみ
■ユニコーンの徴 (1980年) (ハヤカワ文庫―SF 真世界シリーズ〈3〉)の感想
★★★★
前の2巻で起こっていた事件の背景が明かされ、いろいろと急展開。そしてここで続いちゃうのか!?
読了日:12月31日 著者:ロジャー・ゼラズニイ
読書メーター
2018年11月に読んだ本 ― 2018年12月01日 01時58分37秒
11月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:2845
ナイス数:186■花だより みをつくし料理帖 特別巻の感想
★★★
それぞれの登場人物のその後を描く後日談。前半、ほんわかしてるかと思ったら、二人のヒロインのその後を描いた後半はわりあい重い過去や現在を描いていかにもこのシリーズらしい。まあ、ハッピーエンドでよかった。
読了日:11月02日 著者:髙田郁
■師弟の祈り 僕僕先生: 旅路の果てにの感想
★★★
え? あの番外編って、そういう話だったの!? というのが本巻最大の驚き。とにかく登場人物多すぎて入り組み過ぎたわりにラストは駆け足すぎた気が…。件の番外編がわりあい好きだっただけに、思ってたのと違う種明かしにもやもや。僕僕先生と王弁くんの旅が形を変えて世代を超えて受け継がれていく、という感じの方がよかった気がするかなあ。
読了日:11月05日 著者:仁木 英之
■日本のワインで奇跡を起こす 山梨のブドウ「甲州」が世界の頂点をつかむまでの感想
★★★★☆
ボルドー大との甲州プロジェクトの存在は知っていたが、日本側の動きが詳細にわかる。並行して進められていたメルシャンと故富永博士のプロジェクトをメルシャン側から描いている『甲州のアロマ』と対になるべき本だと思った。
読了日:11月09日 著者:三澤 茂計,三澤 彩奈
■水中翼船炎上中の感想
★★★★
現在の断章からはじまり、昭和の子どもあるあるなノスタルジーな短歌で過去を追体験し、昭和の終わり、世紀の終わりを急激にシフトして、老親の変化と死を経て、現在に戻るタイムカプセルのような歌集。表紙の組み合わせが全部で9種類あるという凝った装丁も味わい深い。背の金文字には博士論文の装丁をちょっと連想したのは個人的感想。
読了日:11月10日 著者:穂村 弘
■ベルリンは晴れているか (単行本)の感想
★★★★
著者の作品で言えば「オーブランの少女」『戦場のコックたち』の両方の要素があり、空襲下の生活を描いた点ではコニー・ウィリス『ブラック・アウト』『オールクリア』の裏返しでもあり、『火垂るの墓』の要素もあり、さらにそれ以外の要素も。ラストが急転直下過ぎる点はややもったいなく感じたが、長く読まれるべきでもあり、まさに今読むべき作品でもある。この、書きようによってはとてつもなく重たくなる物語を、重さは感じさせつつもさらっと読ませてしまうのも筆力だろう。
読了日:11月16日 著者:深緑 野分
■活版印刷三日月堂 雲の日記帳 (ポプラ文庫)の感想
★★★☆
大団円。あの星座盤ちょっと欲しい。あと、自分たちの頃はもうオフセットの時代だったけど、和文タイプは高く、まだワープロがなかったので、手書き清書で面付けまで自分たちでやって印刷所に入稿してて、その作業は作中にあるように夜通しやってたのを懐かしく思い出した。本の編集は楽しい。
読了日:11月18日 著者:ほしお さなえ
■花よりも花の如く 18 (花とゆめコミックス)の感想
★★★
今回のお題は小学生の頃に埋めたタイムカプセル。自分にはその経験ないし、同窓会も大学時代までで途切れているので、ちょっと共感度は低いかな。
読了日:11月18日 著者:成田美名子
■魔法にかかった新学期 2 (花とゆめCOMICS)の感想
★★★
古代の文字がビッグバンなどの理論につながっていくあたりは孔子暗黒伝っぽかったりするが、学園ラブコメとのマッチングが駆け足な印象。ともあれ、久しぶりの学園ものだった。
読了日:11月18日 著者:ひかわきょうこ
■零號琴の感想
★★★★★
さまざまなアニメ、特撮のネタを放り込んで原典を超えた物語を作る。文字で読むガイナックス!? 一方で、これはまたSF大会そのものをSFにしてしまったとも言える。なんだかすごいものを体験した。
読了日:11月24日 著者:飛 浩隆
読書メーター
あと、書影が登録されていなかった番外で吾妻ひでお『陽射し』も届きました。何もかもみな懐かしい…
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