2019年12月に読んだ本2020年01月06日 05時17分56秒

試訳中のキース・ロバーツMolly Zeroが第3章のクライマックスに入り、入れ込んで翻訳してたもんで、今月は少なめ。しかもほとんどマンガ。とはいえ、傾向は違えど、長くリスペクトしているマンガ家、シリーズの新刊固め打ちとは、なかなかの月だ。満足度は高し。

12月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1379
ナイス数:184

ファイブスター物語 15 (ニュータイプ100%コミックス)ファイブスター物語 15 (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★★★
久しぶりのトラフィックス中心の巻。ヨーンのパートナーとなったパルスエットが本領を発揮し始めた! 今まで読んできてよかったと思える一冊。
読了日:12月08日 著者:永野 護


折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 5036)感想
★★★★
12/下に予定されていた名古屋SF読書会の課題本が『三体』だったのがきっかけで、読み逃していたものを今頃読了したが、サイバーパンク風、叙情派、バカSFなどなど、バラエティ豊かで、なるほど「中国」という色眼鏡なしに読むのが正解。それにしても破天荒なアイデアの群れ! これをアンソロジーにして英訳したケン・リュウの目も確かだ。
読了日:12月12日 著者:郝 景芳


小路花唄(4) (アフタヌーンKC)小路花唄(4) (アフタヌーンKC)感想
★★★★
4巻通して靴職人のお仕事を丁寧に描きつつ、前作の小路の住人たちのその後の姿も盛り込みつつ、主人公をめぐる三角関係を人生の選択として落ち着いたタッチで描き、主人公の職人としての成長も描いてきた上での、まさにこうなるしかない、と読者が納得できる結末。すがすがしい読後感。しかもまさかの百合(笑)。
読了日:12月14日 著者:麻生 みこと


乙嫁語り 12 (ハルタコミックス)乙嫁語り 12 (ハルタコミックス)感想
★★★★
前巻で予感された、これまでのルートをふたたび辿るスミスの旅は、まず姉妹妻アニスとシーリーン。相変わらずの二人の仲に癒される。
読了日:12月15日 著者:森 薫


Gene Mapper -full build-Gene Mapper -full build-感想
★★★☆
遺伝情報が記憶媒体に収められたプログラムで、機能タンパク質への翻訳はプログラムをロードしているようなもの。そういった機能の動作原理が解明されれば、確かにそれをツールとした人工生命もいつかは実現するかもしれない。それにしても、コンピューター関連から、植物生理学的な部分まで、設定がよく考え抜かれているのには舌を巻く。あと、何気にハッシュって概念が出てきてるけど、今は広く知られてるブロックチェーンをこの執筆時期に登場させてるのも流石。作品全体は、やっぱり『虐殺器官』の影響はあるかもしれない。
読了日:12月18日 著者:藤井 太洋

読書メーター

2019年11月に読んだ本2019年12月01日 12時22分29秒

 11月は先月と対照的にマンガなし、活字ばかり固めうちで読んだ。トピックは十二国記とジャーゲン。
 あと、Molly Zeroについて、キース・ロバーツの現在のエージェントさんと連絡がついて、ファンジン向けの版権交渉。翻訳とレイアウト作業もちょこちょこ進めてます。

11月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3234
ナイス数:209

のっけから失礼しますのっけから失礼します感想
★★★☆
宝塚の『エリザベート』を至高と断じ、花組版『ポーの一族』に酔いしれ、『重版出来!』に涙する、なんだか、うちの夫婦的に他人事と思えない話題の数々。一気読みする性質のものではないと思うので、いっぺん読んでは他のことをしつつ、ぽつぽつ読んだ。
読了日:11月04日 著者:三浦 しをん


たんぽぽのお酒 (1971年) (文学のおくりもの〈1〉)たんぽぽのお酒 (1971年) (文学のおくりもの〈1〉)感想
★★★
実は読んでなかった名作のひとつ(笑)。高校時代から、本屋で手に取ったりパラパラめくったりはしていたものじゃがのぉ(笑)。読んでみると、1928年のイリノイ州のひと夏を封じ込めた、まさに佳作。とはいえ、市電が廃止されてバスになるとか、古いアーケード(ゲームセンター)が老朽化で廃業したり、日本でいえば昭和30-40年代くらいの子ども時代を想起させる。マイマイ新子のような作品とも通底する要素があるように思った。
読了日:11月04日 著者:レイ・ブラッドベリ


歯をみがいてはいけません! (講談社青い鳥文庫)歯をみがいてはいけません! (講談社青い鳥文庫)感想
★★☆
横田順彌の追悼展で配布されていた著書の最後から4冊目。まあ、こういう機会がなければ存在も知らなかった児童書で、しかもシリーズ3冊目だったりするが、1ページに2回くらいダジャレが出てくるあたりはいかにも(笑)。実はさらりと並行世界SF。
読了日:11月08日 著者:横田 順彌


白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)感想
★★★★☆
読み始めてしまえば、時間の関係で一晩は越したものの、ほぼ一気読み。焦らしに焦らした前巻までから、今巻では話が動き出し、その過程で、各登場人物の内面がそれぞれに抉り出される。
読了日:11月11日 著者:小野 不由美

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)感想
★★★★☆
光が見えてきたか、と思ったら、一転、何という容赦のない展開…。ギリギリまでどうなるのかと思ったら、何という怒涛の展開…。そして、この物語は民の生活に始まって、民の生活で幕を下ろした。あと、ラスト1行は…いわゆるナレ…。
読了日:11月13日 著者:小野 不由美


やかまし村の子どもたち (リンドグレーン・コレクション)やかまし村の子どもたち (リンドグレーン・コレクション)感想
★★★★
ピッピと同じ新訳のリンドグレーン・コレクションからのやかまし村。オリジナル版のイラストが使われてるのも同じ。ピッピとは対照的に普通の子どもたちの楽しそうな日常がいかにも楽しそうに描かれる。シリーズの初めの2作は原作者の脚本・監修のもとにラッセ・ハルストレム監督が映画にもしている。録画してあったのを思い出して観てみたけど、これがまたいい!
読了日:11月17日 著者:アストリッド リンドグレーン


ゆき、まだかなあゆき、まだかなあ感想
★★★
かあいらしい絵本。これからの季節向き?
読了日:11月17日 著者:マーシャ・ダイアン アーノルド


みならいサンタみならいサンタ感想
★★★☆
サンタ見習いの女の子の研修明け?の初仕事。いや、かあいらしいすなあ。
読了日:11月17日 著者:そのだ えり
薫風のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート 3 (光文社キャラクター文庫)薫風のカノン 航空自衛隊航空中央音楽隊ノート 3 (光文社キャラクター文庫)感想
★★☆
1冊目は日常の謎ミステリとしてそれなりだったけど、2、3冊目はミステリ分だいぶ控えめなラブコメ。キャラクター小説としては楽しめた。
読了日:11月18日 著者:福田 和代


紙の魔術師 (ハヤカワ文庫FT)紙の魔術師 (ハヤカワ文庫FT)感想
★★☆
魔術師見習いの少女が、折り紙をモチーフにした紙の魔術師の修行を始める、という導入部から、予想しない方向に物語が進む。まあ、ちょっと好み分かれるかな。映画化予定らしいけど、確かに映像向けかも。
読了日:11月23日 著者:チャーリー・N・ホームバーグ


せなか町から、ずっと (福音館創作童話シリーズ)せなか町から、ずっと (福音館創作童話シリーズ)感想
★★★
超巨大な魚?のせなかに、そこを島だと思った人間たちが町を作った。登場人物の男の子のひとりが毎朝牛乳配達しているのを読んで、毎朝、晴れの日も雨の日も雪の日も豪雪の日も新聞配達をしていた頃のことをちょっと思い出した。童話としてはまあ、お行儀がよいというか、いささかできすぎ感もあるものの、イラストとのカップリングがなかなか。
読了日:11月26日 著者:斉藤 倫
ジャーゲン (マニュエル伝)ジャーゲン (マニュエル伝)感想
★★★★
しがない質屋のジャーゲンが悪魔に隠された妻を探す旅に出てみると、いろいろなものに出会い、若がえり、さまざまな美女たちに愛されながら、地獄から天国まで遍歴を続ける。1918年に書かれたとのことだが、時間SF的な展開とか、登場人物が作者との関係を、被造物が造物主との関係を自覚するようなメタ構造とか、インフレーション宇宙を思わせるようなヴィジョンまで、驚きのアイデアがこれでもかと出てくる。それにしても、中盤から重要な?役割をする「呪文」(笑)。「呪文」最高(笑)。
読了日:11月29日 著者:J.B.キャベル

読書メーター

2019年10月に読んだ本2019年11月01日 20時00分34秒

 10月はなんだかマンガを固めうちで読んだ。『彼方のアストラ』は原作マンガもこれまで読まず、アニメも観ないままだったので、予備知識なしで存分に楽しめた。これは確かに一気読み向き。
 あと、吾妻ひでおご逝去の報に、手塚治虫以来の落涙。自分のコアを形成しているのは、今でもこの二人のマンガ家なんだなあ、ということを改めて実感した。

10月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:3343
ナイス数:255

エセルとアーネスト■エセルとアーネスト感想
★★★★
映画を観てきたので原作も読んでみた。絵本というよりマンガに近いレイアウトで、映画版はおおむね原作のストーリーをきちんと映像化している。動きをともなう演出で味わいが増しているシーンもありつつ、止め絵のつながりの方が余韻が残るシーンもあり。つまり、どっちもよい。内容的には『このロンドンの片隅に』でもありつつ、結婚からの二人の生涯を描き切った秀作。
読了日:10月06日 著者:レイモンド ブリッグズ


美術館へ行こう: ときどきおやつ■美術館へ行こう: ときどきおやつ感想
★★★☆
ちょっと小さい/ちょっと変わった美術館をめぐるガイドブック。ベルナール・ビュフェ美術館はちょっと前に原田知世のon-docでいったことがあるけど、不思議な空間だったっけ。場所も美術館の趣旨もまちまちながら、著者の訪ねる美術館はそういう空気感が感じられる、という点で共通してるのかも。あらためて、中谷宇吉郎の記念館は行ってみたくなった。それ以外もあちこち、機会があれば。
読了日:10月10日 著者:伊藤まさこ


くわた屋食堂 (バーズコミックス)■くわた屋食堂 (バーズコミックス)感想
★★★★ひとつひとつはOL女子の料理をめぐるほんわか日常スケッチ、メインのキャラが徐々に知り合いになっていく過程もほっこり。最後はピクニックでゆるやかにつながってたキャラが集合して大団円。そんな中、中学時代はつながりのなかった二人が焼き鳥の縁で友だちになって、久しぶりに故郷の街を訪ねるエピソードで、なんだかじんわりしてしまったのは何故だか自分でもわからない。
読了日:10月12日 著者:桑田 乃梨子


パラドックス・メン (竹書房文庫)■パラドックス・メン (竹書房文庫)感想
★★★★
なるほど、ワイド・スクリーン・バロックという言葉の定義の元になった、ということが120%納得できる快作。最新の科学知識に照らして怪しい点も(特にラストに関わる旧人類のあれこれとか)、まあ、気にしなくて大丈夫というか、機にする必要はない。ベスターとの比較では、ディティールをいくらでも書き込めそうなところがさらっと流されてるのがもったいないといえばもったいない。
読了日:10月13日 著者:チャールズ・L. ハーネス


こっちむいて!みい子 ベストセレクション まるごとみい子! (ちゃおコミックス)■こっちむいて!みい子 ベストセレクション まるごとみい子! (ちゃおコミックス)感想
★★★★
かつて時間帯移動前のテレビ朝日女児向け枠で、一年だけ講談社なかよしではなく小学館ちゃお(他)原作の年があって、しかも、みっつの作品をショートアニメで見せる『みいファぷー』という企画だった。そのうち『みい』がこの『こっちむいて! みい子』。そのアニメを観なければ知らなかった作品だが、アニメの各エピソードが毎回ツボで、気に入っていた。わざわざコミックスを買うまではしてなかったので、こういう企画はうれしい。セレクトもよくて、けっこうじわじわ目頭熱くして読んだ。シリーズ入門編として最高!
読了日:10月14日 著者:おの えりこ


相方システム~学園が選んだ運命の女の子~1 (Lilie comics)■相方システム~学園が選んだ運命の女の子~1 (Lilie comics)感想
★★★★
『マリア様がみてる』の姉妹(スール)は自分たちで相手を選ぶが、こちらは毎年のマッチングテストの結果から1年間の「相方」を選ぶ、というシステム。2年生で前年度「相方」だった二人が、それぞれに1年生の新しい「相方」と出会うところから始まるアレとかコレとか。いや、これは流石の袴田めら品質。
読了日:10月14日 著者:袴田めら
白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)■白銀の墟 玄の月 第一巻 十二国記 (新潮文庫)感想
★★★★
この作中での国の荒廃の仕方を読むと、まるで今のどこかの国の姿を見せつけられているかのような底冷えする気分になる。それにしても、こういう国のありようは、前作が描かれた時にはどの程度構想されていたのか、もともと予見的だったのか、今までかかって書いたからこそこういった描かれ方になったのか、は、ちょっと気になる。
読了日:10月15日 著者:小野 不由美


白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)■白銀の墟 玄の月 第二巻 十二国記 (新潮文庫)感想
★★★★
ああっ、そうくるか!? という展開の連続。そして、ここで引き!? そして糸を引いてるのはやはりあの人物なのか? やはり摂理の発動は意図的に止められていたのか? この配置で動き始めると状況はどう転がるのか? 待て、次巻!
読了日:10月18日 著者:小野 不由美


彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)■彼方のアストラ 1 (ジャンプコミックス)感想
★★★☆
いや、映画だと『インターステラー』にも『アド・アストラ』にも、なんかモヤモヤ感がある訳ですよ。映像の作りはすごいんだけど(どっちかといえば『アド・アストラ』推し)。このマンガの方がそのあたりの惑星間、恒星間航行を前提とした設定の作りに納得感。そして冒頭からギャグ連発の主人公たちがいい。
読了日:10月19日 著者:篠原 健太


彼方のアストラ 2 (ジャンプコミックス)■彼方のアストラ 2 (ジャンプコミックス)感想
★★★☆
惑星ごとの生態系の違いが、ストーリーとうまくかみ合っていい感じ。あと、パルプマガジン風の口絵もいいすなあ。
読了日:10月19日 著者:篠原 健太


彼方のアストラ 3 (ジャンプコミックス)■彼方のアストラ 3 (ジャンプコミックス)感想
★★★★
こ、このキャラクターの設定……これはやはり、11人いる、ならぬ9人いる!?
読了日:10月19日 著者:篠原 健太


彼方のアストラ 4 (ジャンプコミックス)■彼方のアストラ 4 (ジャンプコミックス)感想
★★★★☆
前巻から今巻にかけては『インターステラー』要素がちらほら、そして、他の巻より少なめのページ数の中でどんでん返し連発。そうだよねえ、たしかに、とある言葉、今まで出てきてなかったよ。あーびっくりした。そして、たしかに話はここで切らないとね。
読了日:10月19日 著者:篠原 健太


彼方のアストラ 5 (ジャンプコミックス)■彼方のアストラ 5 (ジャンプコミックス)感想
★★★★☆
これまでの伏線がきちんと回収されつつ、あのマンガとかあの小説を彷彿とさせる主人公たちの葛藤にも一人一人決着をつけつつ、宇宙SFとしての最大の謎解きも上手くハマって、ラストはさわやか。なるほどこれは極上のジュブナイルSFマンガ! 大団円!!
読了日:10月19日 著者:篠原 健太


不条理日記 完全版■不条理日記 完全版感想
★★★★★
これへの書き下ろしが遺作になってしまうとは…。こうして集められてみると、吾妻ひでおのSF愛がパロディとオリジナル作品で、一方で日常もセルフパロディに、それらが渾然一体となって、いいセレクト。吾妻ひでおがいなければ、自分はこんな人になってなかったのは間違いない。RIP
読了日:10月22日 著者:吾妻ひでお

読書メーター

2019年9月に読んだ本2019年10月01日 18時47分17秒

 今月は、なんだか勢いがついてしまって『Molly Zero』の第3章の訳し読みを進めていて、普通の本が少なめ。まあ、こんなこともあるさ(笑)。
 あ、長いファンダム歴ではじめて京都SFフェスティバルの合宿企画を申請しました。参加される方はよしなに。

9月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1221
ナイス数:72

未来の科学者との対話17-第17回 神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞 受賞作品集-■未来の科学者との対話17-第17回 神奈川大学全国高校生理科・科学論文大賞 受賞作品集-感想
★★★★
図書館の新刊で見かけなければこういう本が出ていることを知らなかったけど、中にジュニア農芸化学会で見たことあるテーマもあったので読んでみた。限られた環境で身近なテーマに取り組む高校生たちに胸が熱くなる。
と、思って読んでいたら、本巻の収録内容じゃないけど、2015年くらいにジュニア農芸化学会で発表していた(その同じ高校の後継研究は本巻にも収録されている)JK(当時)が、今はJDとなって海洋微生物の研究をしていることをひょんなことからtwitterで知ってびっくり。ジュニア〜では(残念ながら)賞取れてなかったけど、実は同じ研究で文部科学大臣賞をとってたとか。そっちの方がすごいし、大学でもやりたい研究に進めているようでなにより。
読了日:09月07日 著者:


ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)■ミステリと言う勿れ (5) (フラワーコミックスアルファ)感想
★★★★
今回のネタは児童虐待の問題。しかしなるほど、序盤の大学の講義を伏線に、マンガで◯◯トリックが成立するとは。同じような手法でそのトリックを描いたマンガが他にもあったのは覚えてるんだけど、すぐに思い出せない……。
読了日:09月12日 著者:田村 由美


幻魔大戦 Rebirth (10) (少年サンデーコミックススペシャル)■幻魔大戦 Rebirth (10) (少年サンデーコミックススペシャル)感想
★★★☆
そろそろまとめに入りつつあり。あのキャラの正体、彼だった!?
読了日:09月16日 著者:


連続テレビ小説なつぞら コンプリートファンブック (ぴあ MOOK)■連続テレビ小説なつぞら コンプリートファンブック (ぴあ MOOK)感想
★★★★
かゆいところに手が届くムック。本編の中に出てきた当時っぽい演劇とかのポスター、数々のアニメ作品のポスターやセル画、絵コンテ、原画などなど、刈谷さんが脚本の表紙に提供したというカラーイラストがたっぷりカラーで楽しめ、短いけれどドラマから入るファンにも、アニメの方にフォーカスするファンにも納得のインタビュー、寄稿の数々。アニメ資料数はアニメスタイルさんにおまかせするにしても、これは大いに「買い」。いや、買ってよかった。
読了日:09月22日 著者:


本にまつわる世界のことば■本にまつわる世界のことば感想
★★★★
『翻訳できない世界のことば』の翻訳から始まって、気がついたらタイトルの語感以外は各個独立の内容の不思議なシリーズとなりつつある創元社の「世界を旅するイラストブック」シリーズ。最新刊は久しぶりに「積読」も出てくる本にまつわる言葉を扱っているが、世界の言葉をネタだしするために7人の著者を集め、好き勝手にその言葉について小話やエッセイを書いてもらう、という不思議な一冊。けっこう楽しく読めるので、これは企画の勝利かも。
読了日:09月23日 著者:温 又柔,斎藤 真理子,中村 菜穂,藤井 光,藤野 可織,松田 青子,宮下 遼


彼女の世界 (リュウコミックス)■彼女の世界 (リュウコミックス)感想
★★★★
わりとガチ百合だった(笑)。袴田めら作品は登場人物の心理的な立ち位置がくるっと逆転するあたりが読みどころ。自分はピュア百合アンソロジー「ひらり、」でファンになったんだけど、こちらはなんと「リュウ」(笑)。しかし、未読のコミックスをKindle版で読むのってこれが初めてかな。
読了日:09月24日 著者:袴田 めら


日本SF誕生―空想と科学の作家たち■日本SF誕生―空想と科学の作家たち感想
★★★★
第一世代のSF作家がデビューする前からのさまざまな交友録。コンパクトな文章の中に博覧強記ぶりが垣間見え、登場する作家たちの言行赤裸々さも含め、楽しい読み物になっていつつ、国際SFシンポジウムの運営裏話を含めた記録にもなっている労作。
読了日:09月24日 著者:豊田有恒


「なつぞら」のアニメーション資料集[オープニングタイトル編](小冊子)■「なつぞら」のアニメーション資料集[オープニングタイトル編](小冊子)感想
★★★★☆
『なつぞら』のOPアニメの絵コンテ、設定資料、イメージボード、レイアウト、背景、それに脚本用の表紙イラストがよぶんな説明なしでがんがん収録されている。かりやさんの絵の力ががんがん伝わってきて、すごくいい。
読了日:09月26日 著者:

読書メーター

2019年8月に読んだ本2019年09月01日 07時34分36秒

 『ガラスの仮面』マラソン(笑)が終わったので、今月はなんとマンガがなかった。読んだ本の内容は、まあ、ごった混ぜだけど、ルシア・ベルリンは流石の岸本佐知子品質。あと、嵐山光三郎がよかっった。
 因みに、ちょこちょこ訳してるキース・ロバーツ『Molly Zero』の第1章と第2章を印刷ファンジン(発行予定は未定…)向けにレイアウトして、校正用にpdf化してます。読んでみたいとご希望の方はtwitter(@k_takoi)へのDMか、なんらかの手段でご一報ください。

8月の読書メーター
読んだ本の数:10
読んだページ数:2924
ナイス数:98

三体■三体感想
★★★☆
ちょっと出遅れ感あるけど、読み始めたらさくさく読めた話題作。文革の残酷描写から重々しく始まったのが、現代編に入ったらいきなりベイリーばりのバカSFっぽい展開に。と、思ったら平井和正ばりの人類ダメ小説へと転調する、前の方にチラッと出てきたささいな要素が後半で意外な活かされ方をするのも、奔流のようなアイデア同様オドロキ。しかし、こんだけ売れてるけど、バカSF読み慣れてない人は後半ついていけるのか!? ちょっとだけ心配。
読了日:08月03日 著者:劉 慈欣


玉依姫 八咫烏シリーズ 5■玉依姫 八咫烏シリーズ 5感想
★★
今までも大概イヤミスなシリーズだったが、これは今までで一番のイヤミス。人も人でないものもばたばた死ぬし、なんとも後味悪い。あと、あらすじ紹介とかで「エピソード0」といってるのは完全にミスリードで、時系列は過去のエピソードの後だし、位置づけ的にも完全に本編の続き。
読了日:08月06日 著者:阿部 智里


子供のための教訓詩集■子供のための教訓詩集感想
★★★
キース・ロバーツのMolly Zero でヒロインのモリーが子どもの頃に読んだらしいナンセンス詩集。ようやく邦訳版を読めたが、これも全訳ではなかった。亀を見て詩を思い出す、というくだりがあるのだが、その亀の絵はたぶん本書の表紙のこれなんだと思う。
読了日:08月09日 著者:ヒレア ベロック


あずかりやさん  彼女の青い鳥■あずかりやさん 彼女の青い鳥感想
★★★
盲目のあずかりやさんシリーズ3冊目。今回は謎の「彼女」が見え隠れする構成のオムニバス。今回はちょっと構成を作り込みすぎかな? という印象。売れない作家さんの話はちょっとほっこり。
読了日:08月09日 著者:大山 淳子


あの人に会いに 穂村弘対談集■あの人に会いに 穂村弘対談集感想
★★★★
なんというか、世代、対談相手の人選から、同じ文化を共有している感がありつつ、でも、同じような機会をもらっても、自分ではこんな言葉を相手から引き出せないだろうという嫉妬を感じる素晴らしい対談集。特に高野文子さんの語る内容は貴重だ。
読了日:08月12日 著者:穂村 弘


弥栄の烏 八咫烏シリーズ6■弥栄の烏 八咫烏シリーズ6感想
★★★
十二国記かと思って読んでいたら海のトリトンだった。しかも徹頭徹尾ちなまぐさい。
なんていうんだろう、最後の2冊でのシリーズとしての伏線回収や世界観の決着のつけ方が個人的には膚に合わない。読者を驚かせるため、ストーリーの叙述トリックやストーリーの意外性のためにキャラクターが作者の意図のままに扱われてる印象が強い。よく出来ているしキャラクターに感情移入させる描写もうまいので、ファンが多いのは理解できるけど。
読了日:08月14日 著者:阿部 智里


アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)■アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★
なんと二人称の宮沢伊織「キミノスケープ」で驚かせつつ、各短編がいずれもアイデア、テクニックでSFとして秀作、傑作で、百合かどうか、どうでもいいじゃん、と思いかけたところでラストの小川一水「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」ガチSFでなおかつガチ百合だったのが確信犯的配置(笑)? ベストは「月と怪物」と「色のない緑」か迷うところ。
読了日:08月17日 著者:


掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集■掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集感想
★★★★☆
波乱万丈な本人の生涯をモチーフにしていた点で(ヘロインとアル中の違いはあるが)アンナ・カヴァン的な背景があるものの、より中南米の土着的な味わいがある。同じ名前、続柄の登場人物たちの、同じに見えて少しずれたエピソードが輻輳的に語られることで、あらゆる可能性が含まれた世界から、その時その時の語り手の観測で短編の物語を確定させているような印象。これは著者が思ってもみない効果かも? とはいえ、ラストの短編では語り手が「幸せなもう一つの人生」を現実と区別がつかないほどありありと語る。…あながち外れてもいないのかも。
それにしても、短編「星と聖人」は岸本佐知子エッセイかと思った。作者と翻訳家も一体感が…??
読了日:08月24日 著者:ルシア・ベルリン


烏百花 蛍の章 八咫烏外伝■烏百花 蛍の章 八咫烏外伝感想
★★★
番外編を集めた一冊。まあほどほどだけど、本編も含め、人がストーリーのためにあっさり死ぬのはやっぱり性に合わない。
読了日:08月31日 著者:阿部 智里


文士の舌■文士の舌感想
★★★★★
鷗外、漱石に始まり山口瞳、開高健あたりまで、明治から昭和までの錚々たる文士たちが通った料理店のうち、現存するものを訪ねて紹介する、という体裁だが、1人あたり5-6ページの分量の中に、その文士の生涯や作風に関する筆者の博覧強記が盛り込まれる。筆者が編集者として実際に付き合った際の逸話もさりげなく盛り込まれ臨場感を増す。拙速に読んでしまうのがもったいなくて、1日に一人か二人分、じっくり味わうように読んだ。何度でも読み返したくなる一冊。そういえば、登場する中では有楽町の慶楽は最近閉店したっけ。
読了日:08月31日 著者:嵐山 光三郎

読書メーター

2019年7月に読んだ本2019年08月03日 08時21分33秒

 このところ夫婦でハマっていた『ガラスの仮面』一気読み、改めて作品の力を実感。やはり白眉は『ふたりの王女』かな。
 あと、引き続きキース・ロバーツ『Molly Zero』を訳し読みも。そろそろ第2部終わり。全体の1/3くらい?

7月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:3342
ナイス数:84

あずかりやさん (一般書)◼︎あずかりやさん (一般書)感想
★★★☆
明日町こんぺいとう商店街、といえば、商店街のお店ひとつひとつについての短編をいろいろな作家が書き継ぐリレー小説的シリーズだと思っていたので、そのお店ひとつで一冊、というのがちょっと意外だった。目の見えないあずかりやさん店主とさまざまなお客さんの物語がクロニクル的なオムニバスになっていて、なかなか。
読了日:07月05日 著者:大山 淳子


ガラスの仮面 (第36巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第36巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
紅天女のためのエチュードは「火」。一方で綾小路くんは現役の仏師(公務員兼業)の元で修行を始める。あと、速水会長が紅天女の里で遭難したり、マヤと真澄が里で星空を眺めたり、いろいろ動きのある巻。
読了日:07月06日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第37巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第37巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
突然の雨に、紅天女の里の神社で雨宿りから夜を明かすことになるマヤと真澄。紅天女のためのエチュードは「水」と「土」。それぞれに何かをつかみつつある二人への最後の課題は「紅天女」そのもの。
読了日:07月06日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第38巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第38巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
二人への最後の課題を前に倒れる月影先生、そしてついに語られる女優・月影千草の一代記から大都芸能との確執まで。奇跡の回復を遂げた先生と、劇団月影、一角獣の仲間たちの前で紅天女の試演をする二人、技巧の亜弓に対して、何かが憑依したかのようなマヤの紅天女の叫びに震憾が走る。
読了日:07月06日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第39巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第39巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
マヤの天然の演技に自信を失いかけた亜弓だが、天然ゆえのマヤの基本的な技術不足になるちょっと自信を取り戻す、そして二人それぞれの紅天女。それを見届けた月影先生、ついに自らが「紅天女」を…。
読了日:07月06日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第40巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第40巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★☆
まるごと一冊「紅天女」。つきかげ、一角獣メンバーのサポートはありつつもほぼ月影先生の一人芝居と源造の語りだけで進む「紅天女」に立ち会った人々が震撼する。月影先生が真打なのは当たり前として、ただの付き人じゃなかったのね、源造、恐ろしい子…
読了日:07月06日 著者:美内 すずえ


烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2◼︎烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2感想
★★★☆
一作目の一見後宮ファンタジーな女性たちの物語の背後で蠢いていた男性たちの権謀術数が明らかになる第二作。ちょうどついになるといっていい内容だが、まあ、いろいろと容赦ない。何を書いてもネタバレになるあたりと、最後に意外な…が待ち受けているのは一作目と近くて、この作家の持味なんだろうと思えてきた。
読了日:07月07日 著者:阿部 智里


あずかりやさん 桐島くんの青春◼︎あずかりやさん 桐島くんの青春感想
★★★
目の見えない店主が営むあずかりやさん。基本、毎回語り手が違い、多くは人間ですらない中、本巻のラストのエピソードでは店主が語り手となり、学生時代の思い出が語られる。
読了日:07月11日 著者:大山 淳子


ガラスの仮面 (第41巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第41巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★☆
紅天女の里の力?で魂の交歓をしてしまうマヤと真澄。梅の谷への吊橋を燃やしちゃう月影先生。そしてマヤと亜弓はつかみ合い殴り合いの大げんかの果てに笑い合うって、どこの少年マンガですか。強敵と書いて「とも」ですか。
読了日:07月13日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第42巻) (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 (第42巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
ふたつの紅天女の試演の詳細が発表され、両グループとも稽古が始まる中、真澄の婚約発表のショックから仮面を被れなくなるマヤ。ここで40巻分ガマンしてきた桜小路くんが猛アタックを。その展開に大ショックの真澄さま、やっぱり乙女だ(笑)。
読了日:07月13日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 43 ふたりの阿古夜 2 (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
紅天女の本質をつかもうとするマヤ。ちょっとスピリチュアルになってきたけど、なにしろ劇の内容が神さまの話なのでまあ違和感はないかな。
読了日:07月13日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 44 ふたりの阿古夜 3 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 44 ふたりの阿古夜 3 (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
月影先生がマヤと亜弓の試演を確認。試演後に「阿古夜」に水を与えるところまでがセットの月影先生品質。役に入り込むマヤとの差を知り、カメラマンのハミルさんにまで「心がない」と評価される亜弓は、稽古中のトラブルで頭を打ち、目に不調が出始める。
読了日:07月13日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 45 ふたりの阿古夜 4 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 45 ふたりの阿古夜 4 (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
黒沼監督のファミレスや都庁での稽古で何かをつかみ始めるマヤと桜小路くん、亜弓は手術しないと失明でも紅天女をあきらめられず、目の見えない状態での猛特訓を始める。お母さんが指導役で、さながらリアル「奇跡の人」展開。
読了日:07月13日 著者:美内 すずえ


南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる◼︎南極ではたらく:かあちゃん、調理隊員になる感想
★★★
著者が何故そこまで南極に行きたいと思ったのか、についての想いについては敢えて書いてないのかもしれないけど、南極料理人のご本人に師事して3回チャレンジして実現させるのはすごい。南極探検隊トリビア的に楽しく読める本。しかし、あの悪魔のおにぎりのオリジナルがこれだったんですね。
読了日:07月14日 著者:渡貫 淳子


メアリ・ポピンズ◼︎メアリ・ポピンズ感想
★★★☆
前に『あしながおじさん』を読んだ安野光雅挿絵によるシリーズの一冊。岸田衿子訳の『メアリ・ポピンズ』。実は初読なんだけど、こういうお話だったのね。何から何まで予想の斜め上の展開。ちょっと風の又三郎的な?
読了日:07月19日 著者:トラバース


ガラスの仮面 46 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 46 (花とゆめCOMICS)感想
★★★
目のよく見えない亜弓をサリバン先生みたいに指導する歌子ママ。一方、真澄からマヤを遠ざけようとする紫織さんの陰謀がベタ過ぎて、まるで昭和40年代の少女マンガ!?
読了日:07月21日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 47 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 47 (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
紫織さんの陰謀が裏目に出て、一夜のクルーズで想いを通じ合わせてしまう真澄とマヤ。目撃しちゃった綾小路くんは傷心でバイク事故。怪我人多すぎるぞ、紅天女。
読了日:07月21日 著者:美内すずえ


ガラスの仮面 48 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 48 (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
目が見えないことでかえって凄味が増してきた亜弓の紅天女。一方、マヤのために婚約解消しようとする真澄だが。雑誌で読んで覚えてたけど、アレは何年前だっけ。
読了日:07月21日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)◼︎ガラスの仮面 49 (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
旧国鉄の廃墟での紅天女試演発表。亜弓や綾小路くんのトラブルはむしろ演技にはプラスに。一方、婚約解消で正気を失った紫織さん、こわいです。しかし、これが2012年刊行で、いつ出るんだ50巻!?
読了日:07月21日 著者:美内すずえ


黄金の烏 八咫烏シリーズ 3◼︎黄金の烏 八咫烏シリーズ 3感想
★★★
叙述トリックで読者の予想を裏切りまくるシリーズなのは毎回板についてきた感はある。結末がビターというよりダークなところも同じく。とはいえ、この後味の悪さは現代劇だったらいわゆるイヤミスなのでは。ファンタジーとしての世界設定に十二国記っぽさも出てきた感じ。そういえば十二国記の短編にもこういうニュアンスの話がひとつあったっけ。
読了日:07月22日 著者:阿部 智里


空棺の烏 八咫烏シリーズ 4◼︎空棺の烏 八咫烏シリーズ 4感想
★★☆
今回は雪哉が桃太郎よろしく仲間を集めていく話だが、なんというか腹黒い。まあ、腹黒いことは読者もわかっているし、ここまでの巻と比べると物語の展開の上での意外性はそんなでもなかった。雪哉の性格悪いのは種明かしされなくてもわかってるよ(笑)。とはいえ、ラストあれっぱかりのページであの怒涛の展開になったのは別の意味でびっくりした。
読了日:07月25日 著者:阿部 智里


穂村弘の、こんなところで。◼︎穂村弘の、こんなところで。感想
★★★★☆
資生堂の「花椿」に連載されていた穂村弘のいろいろな人たちとの対談をまとめた対談集。相手の素を引き出すような言葉を投げかけて、その人からしか出てこないような言葉を引き出しているのが流石? 人選も内容も、それからアラーキーの写真もすごくいい感じ。因みに出版が2016年で、後に告発を行なうKaoRiさんの名前がラストのアラーキーとの対談の中で出てきているあたりは、今読むと予想外の効果かも?
読了日:07月28日 著者:穂村 弘

読書メーター

2019年5月に読んだ本2019年06月01日 07時46分05秒

 キース・ロバーツ『Molly Zero』のパイロット編をファンジンにしてみて、SFセミナーなどで配布してみたり、引き続き、日々1ページずつくらいのマイペースで訳をすすめてみたり。5月でおおよそ第1章の終わりあたり。そろそろモリーの親友のリズが死んじゃいそうでつらい……
 ともあれ、そんなことをしつつ、本業ではアントワープの学会に後輩5人を送りだして、ちょっとした『いだてん』気分だったり。そのわりには本も読めているかな?

5月の読書メーター
読んだ本の数:14
読んだページ数:2924
ナイス数:123

ガラスの仮面 (第6巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第6巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★
苦境の劇団つきかげ。バイトのつもりであちこちの劇の端役をつとめるマヤが主演たちを食ってしまう舞台あらしの始まり。亜弓も、幅を広げるべく、二人の王子で乞食にチャレンジ。
読了日:05月02日 著者:美内 すずえ


短篇集■短篇集感想
★★★★☆
柴田元幸責任編集のモンキービジネス掲載短篇を元にしたアンソロジー。まさに奇妙な味の短篇。堪能しました。
読了日:05月06日 著者:クラフトエヴィング商會,石川美南,戌井昭人,円城塔,小川洋子,Comes in a Box,栗田有起,小池昌代,柴崎友香


ガラスの仮面 (第7巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第7巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★
続く舞台あらしは嵐ヶ丘。マヤの迫真すぎる演技が公私ともに波紋を。一方で、月影先生は亜弓も候補として意識し始める。
読了日:05月06日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第8巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第8巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★
舞台あらしで行く先々でハレーションを起こすマヤに、生死の境から生還した月影先生が与えた課題は人形になりきること。
読了日:05月06日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第9巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第9巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
ハプニングから、マヤと亜弓の初めての同じ舞台上での真剣勝負。思わず手に汗握る! そして、ガラスの仮面というタイトルの意味が初めて作中で語られる。敵地、大都芸能の新劇場こけら落とし公演のヘレン・ケラーのオーディションが始まる。
読了日:05月06日 著者:美内 すずえ


ビール職人の醸造と推理 (創元推理文庫)■ビール職人の醸造と推理 (創元推理文庫)感想
★★
ビール職人が、醸造はしてるけど、推理はしてない。ビールと料理は美味しそうだが、まずいビールの評価をしているところで、オフフレーバーのフェノール臭の説明、4-ビニルグアイアコールとトリクロロアニソールがごっちゃになってたのは、翻訳じゃなくて原文、原著者の勘違いなんだろう。それ以外はビール醸造用語は概ね適切。とはいえ1ガロン(約1200L)の設備がアメリカならナノブルワリーと言われてるあたりは彼我の文化の差か
読了日:05月10日 著者:エリー・アレグザンダー


ガラスの仮面 10 (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 10 (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
ヘレン・ケラー役を争う5人のうち2人は普通の演技のアプローチのところ、マヤが入学した高校の演劇部トップは徹底的な文献情報の読み込みと自分の演技を撮影してチェックを繰り返すロジカルアプローチ。亜弓は介護施設のボランティアから、盲ろうの児童に混ざって生活。マヤは自分の目と耳を塞いで盲ろうの環境で生活するなりきり。それぞれのアプローチとその成果としてのオーディションでの演技がとんでもない緊張感! 食い入るように読んでしまう巻。そして最終オーディションのマヤの演技の前で切れるという引き!!
読了日:05月11日 著者:美内 すずえ


書店ガール 5 (PHP文芸文庫)■書店ガール 5 (PHP文芸文庫)感想
★★★☆
地方都市の駅ナカ書店の店長を任された本巻ヒロインの奮闘と、後発のライトノベルレーベルの編集者の新人賞立ち上げが絡みあって、本を書こうとする人たち、本を作って売っていく人たちの思いが結実していく。解説の大森センセも書いてるけど、これはうまくいきすぎではあるものの、実際に業界であるあるなネタがたっぷり盛り込まれ、読ませる。本巻だけ独立して読めます。
読了日:05月11日 著者:碧野 圭


こわいオオカミのはなしをしよう■こわいオオカミのはなしをしよう感想
★★★★☆
お父さんが息子の寝物語にてきとーに語り始めた七色のめんどりとこわいオオカミの物語。お母さんを休ませて休日は息子や友だちを公園や海に連れ出し、その道すがら、オオカミの物語は続いて行く。育児を楽しむお父さんにも、オオカミの物語にもほっこり出来る。佐竹美保さんの弾むようなコミカルな挿絵がまた味がある。
読了日:05月13日 著者:ウィリアム マクリーリー


ふたごのうさぎ■ふたごのうさぎ感想
★★★★
絵だけの、まさに絵本。見開きごとに、前の場面とのつながりがどこかしらあり、それを探すのが楽しい。そして朝から始まった絵本はおやすみなさいで終わる。何度でもページを開きたくなる、よい絵本。
読了日:05月15日 著者:ダフネ・ロウター


書店ガール 6 遅れて来た客 (PHP文芸文庫)■書店ガール 6 遅れて来た客 (PHP文芸文庫)感想
★★★★
リアルの書店ガールだった知人が立ち上げた店舗を閉じてきた話をSNSで読んだことがあって、感情移入度高く、切なさ120%。会社関係の個人の力でなんともしがたい大人の事情も思い当たることがあってさらに150%。話終わってないので最終巻まで読まねば。
読了日:05月18日 著者:碧野 圭


ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸■ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸感想
★★★★
タイトルだけだとわかりにくいけど、第五福竜丸をテーマにした絵本。もしかして焼津でも知らない人多いんじゃ?
読了日:05月18日 著者:アーサー・ビナード


中野のお父さんは謎を解くか■中野のお父さんは謎を解くか感想
★★★★
シリーズ第2弾。一応、日常の謎もあるんだけど、文芸ネタ比率アップ。なんというか、わたしシリーズの長編には内容、ボリュームで合わないネタを生かす場として、ちょうどいいシリーズになりつつあるのかも。あと、今さら言うまでもないと思うけど、お父さんは概ね作者ご本人? 覆面作家の逆を行く私小説ミステリ?
読了日:05月22日 著者:北村 薫


本屋さんで待ち合わせ■本屋さんで待ち合わせ感想
★★★☆
いろいろとはっちゃけ切った書評集。終わりの方に著者が働いていた町田の高原書店、というのが出てきて、あれ? と思った。ちょっと前に破産でニュースになったばかりのあそこか! おまけのBLネタがまたリミッター解除で楽しい(笑)。
読了日:05月28日 著者:三浦 しをん

読書メーター

2019年4月に読んだ本2019年05月03日 06時14分13秒

 4月は引き続きMolly Zeroをちょぼちょぼ読み進めつつ、一部をファンジンにまとめてみたり。
 名古屋SF読書会はすごく久しぶりの参加。課題図書は山田正紀『宝石泥棒』、じつは読み漏らしてた名作(笑)。
 このところは、児童文学寄りの読書傾向? あと、なぜか今頃『ガラスの仮面』を頭から読み始めるなど(笑)。

4月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2781
ナイス数:59

長くつ下のピッピ (リンドグレーン・コレクション)■長くつ下のピッピ (リンドグレーン・コレクション)感想
★★★
小学生の頃に、映画で観た記憶がある。細かいことは覚えていないけど、こういうお話だったっけ? 『パンダコパンダ』で女の子が一人で暮らしてるのはわりとストレートにここから来てるのだろう。あと、その延長にある『トトロ』でも、けっこう本作からの影響はけっこうあったんだろうなあ、というのが実感された。
読了日:04月02日 著者:アストリッド・リンドグレーン


ピッピ 船にのる (リンドグレーン・コレクション)■ピッピ 船にのる (リンドグレーン・コレクション)感想
★★★★
2作目にして作者の筆がノリノリにのってきた。エンジン全開の面白さ。そして、やっぱり宮崎駿という人は、きっと日本のリンドグレーンになりたかったんだろうなあ、と思った。そう思うと、『パンダコパンダ』『トトロ』から『ポニョ』までの根っこに流れていたものが腑に落ちた気がする。
読了日:04月05日 著者:アストリッド・リンドグレーン


あしながおじさん■あしながおじさん感想
★★★★
安野光雅の絵と谷川俊太郎の訳で読む『あしながおじさん』。よかった。こないだ、このシリーズの原画展を銀座のナルニア国で観たけど、岸田衿子訳の『赤毛のアン』とかが安野光雅の味わいのある絵で読めるのがいい。ちょっと揃えたくなる。
読了日:04月13日 著者:ジーン・ウェブスター


宝石泥棒 (1982年) (角川文庫)■宝石泥棒 (1982年) (角川文庫)感想
★★★☆
『地球の長い午後』のように始まり、『西遊記』のような遍歴を経て、もうひとつの『神狩り』に至る。今なら、『ナウシカ』のようにも、『ナディア』のようにも、『エヴァ』のようにも思える要素がごった煮になっているが、もちろん、世に出たのはこちらの方が先だ。『W3』や『ザンボット3』っぽい要素もあるけど、これはこちらの方が後ではあるが。
読了日:04月15日 著者:山田 正紀


ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 1 (花とゆめCOMICS)感想
★★★
冒頭の貧乏描写はドカベンあたりとも通じる昭和あるある。まあ、昔は小学生が新聞配達してても当たり前だったんだけどね。
読了日:04月23日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第2巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第2巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★
今読むと昔のマンガは展開速い。基本キャラはほぼそろい、紫の薔薇ももう贈られている。
読了日:04月24日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第3巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第3巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆いきなり亜弓と同じ演目での直接対決! 表紙にある通り、たけくらべ。マンガの中の演劇なのにけっこうグッとくる。力のあるマンガだ。
読了日:04月25日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第4巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第4巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
今ならわかりやすすぎると却下されてしまいそうなほどあからさまな劇団つきかげへの妨害。不幸、不幸の大嵐。
読了日:04月25日 著者:美内 すずえ


ガラスの仮面 (第5巻) (花とゆめCOMICS)■ガラスの仮面 (第5巻) (花とゆめCOMICS)感想
★★★☆
敵の策略で劇団つきかげが内部崩壊!? 妨害で他の劇団員が到着しない中、マヤのインプロビゼーションが炸裂する。『たけくらべ』もよかったけど、作中劇がやっぱりいい。本当に観劇してる気分。
読了日:04月25日 著者:美内 すずえ


すいません、ほぼ日の経営。■すいません、ほぼ日の経営。感想
★★★
まあ、最近こころがけるようにしてることには近いように思ったけど、それを会社としてやるのはたいへんだろう。
読了日:04月27日 著者:川島蓉子,糸井重里


郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)■郝景芳短篇集 (エクス・リブリス)感想
★★★☆
アンソロジー『折りたたみ北京』を読みもらしていたので、こちらで初読。まずはアイデアとイマジネーションを楽しんだが、やっぱりポスドク問題は万国共通か(笑)。
読了日:04月28日 著者:郝景芳


ピッピ 南の島へ (リンドグレーン・コレクション)■ピッピ 南の島へ (リンドグレーン・コレクション)感想
★★★★☆
もうエピソードのひとつひとつ、会話のひとつひとつがいとおしい。ピッピらしくも、子供時代の終わりがいつか来ることを暗示するようなラストもいい。エバーグリーンとはまさにこれ。
読了日:04月30日 著者:アストリッド リンドグレーン

読書メーター

2019年3月に読んだ本2019年04月02日 07時08分23秒

 一つ前のエントリの通り(笑)、なぜか今頃、キース・ロバーツの『Molly Zero』を読み始めてしまったので、日本語の本はややペースダウン?
 それにしても、可憐な少女がヒロインのディストピアSFにまで、古今の英国文学の素養が求められるロバーツ、恐るべし…。セミコロンを多用したりする独特の文体にはだいぶ慣れてきました。

3月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1666
ナイス数:79

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)■82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)感想
★★★
いやまあ、日本も同じようなことあるよねえ…
読了日:03月06日 著者:チョ・ナムジュ


百人一首 (コミックストーリー わたしたちの古典)■百人一首 (コミックストーリー わたしたちの古典)感想
★★★★
図書館で借りて感銘を受けたので、amazonに在庫があったのを注文してみた。こちらは新装版で、表紙イラストが違う他、届いて驚いたことに、判型がB5でソフトカバー。大きくなった分、カラーページの彩色やペンタッチの細かいところがわかるようになっているので、千明初美ファンが手に入れるなら新装版をオススメしたい。1998年が新装版初刷、手元に来たのは2011年の第11刷。長く読み継がれているのがわかる。実際、入門者から中級者までにオススメできる名著だと思う。
読了日:03月09日 著者:千明 初美,柳川 創造


騎士とドラゴン■騎士とドラゴン感想
★★★
騎士はドラゴンと戦うものだ、ドラゴンは騎士と戦うものだ、お互いそう思っているが、実際に戦ったことのない騎士とドラゴン、まずしたことは、図書室(もしくはほらあなの蔵書)で戦い方を学ぶこと。次に鎧や武器など(怖い顔の仕方、火の吐き方など)戦いの準備、さらに模擬戦闘を繰り返す。さてさて、ついに始まった戦いの結末は!? 図書館の入口のオススメ絵本、これはかわいらしくて当たり。
読了日:03月09日 著者:トミー・デ パオラ


鳥籠の小娘■鳥籠の小娘感想
★★★★
宇野亜喜良の妖しい表紙に惹かれて手に取った。ちょっとダークでビターなお伽話。娘の作る鳥籠は鳥を閉じ込めるものではない。娘もまた、身も心も自由だったのだが、魔物に唆されて、鳥籠に価値を見出してしまった人々の欲望が少しずつエスカレートし、世界の歯車が狂い始める。娘をタイトルにある「小娘」と扱うものは何者か? いろいろなものが読者の解釈に委ねられる。
読了日:03月09日 著者:千早 茜


アリーテ姫の冒険■アリーテ姫の冒険感想
★★★
「かしこい」お姫様はお嫁に行けない? かしこくない王子様の手に負えないから!? でも、そもそもそんなつまらない王子様のお嫁さんになる必要なんてあるのか。ということで、三つの願いとか三つの試練とか、王子様が魔法で蛙に、などなど、お伽噺的要素は登場させつつも、ことごとくお伽噺の定型から外していき、男中心のお伽噺世界を「かしこさ」で乗り切っていくアリーテ姫が痛快。余談ながら、片渕監督のアニメ映画版も、キャラクターやシチュエーションはけっこう枠組みとしてちゃんと取り込んでいたんだなあ。
読了日:03月10日 著者:ダイアナ コールス


生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)■生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
★★★★★
ケン・リュウ短編集第3弾。描かれる近未来世界の情勢があまりに「今」過ぎて、つい執筆年代を確認してしまう。時代がケン・リュウに追いついてしまったのかも、と思うとちょっと複雑な気分も。あと、描かれた世界の片隅で起こっていることを、科学・技術的な事象から、歴史・文化・文明への探求・考察まで、時にはそれらの負の側面や、避けがたい民族対立や差別感情まで含め、思想的にニュートラルに提示して、読者に委ねることで余韻を感じさせるというケン・リュウの作風はナショナルジオグラフィック的なスタンスを内包しているのかもしれない。
読了日:03月18日 著者:ケン リュウ


その正体は何だ!? じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説■その正体は何だ!? じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説感想
★★★★
Twitterではずっと読んでいたが、この長さ(短さ)でもアイデアとオチを盛り込んで「小説」が書ける驚き。これは第2集になるが、8冊あれば1001を超えるのか!?
読了日:03月26日 著者:北野勇作


幻魔大戦 Rebirth (9) (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)■幻魔大戦 Rebirth (9) (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)感想
★★★
表紙の通り、ドク・タイガー大活躍? それはともかく、ベアトリスの釵の由来が語られる新幻魔大戦序盤の再現シーンには目頭が熱くなった。何もかもみな懐かしい。
読了日:03月27日 著者:


35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか■35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか感想
★★★★
タイトルだけは有名だけど、原典をちゃんと読んでいる人は少ない、科学の歴史上の名著の内容を面白おかしく紹介する好著。教科書的な知識や、現代の視点からの思い込みで、たぶんそういう内容? と思っているのとけっこう違うのが興味深く、楽しく読めた。二重らせん以外は読んでないものばかりだけど、ちょっと読んでみたくなる。
読了日:03月31日 著者:小山 慶太

読書メーター

二人称SFの双璧!?2019年03月23日 09時12分54秒

 いきなり何を、と思われると恐縮だが、今頃になってキース・ロバーツの長編『モリー・ゼロ』を読み始めた。といっても専門の論文なら読み流せるが、技巧派と言われるロバーツの独特の文章をペーパーバックで読み流せるほどの英語力はないので、数ページ先読みしては、愚直に日本語に訳してみている。
 
 読み始めてみると、中編版以上にモリーとリズのやりとりがかわいらしく、こういうのが自分にとっての「萌え」だよなあ、とか思ってみたり(笑)。
 
 ペーパーバックは、懐かしの南山大のファンジン「BABEL」に載った中編版を読んでヒロインのモリー(ファンジンの訳ではモーリー)のかわいらしさに感銘を受けたので、当時のSF研で洋書をまとめて発注していたのに紛れ込ませて入手した。
(ちなみに、手元にあるそのペーパーバックにはタトル・モリ・エージェンシーのスタンプがあったりする)
 
 実際訳してみると、登場する単語自体はシンプルなんだけど、同じ単語(funnyとかnearlyとかreallyとか…)がやたら出てきて、いろいろな意味で使われていたり、わからない名詞を「なんだこりゃ」と思ってググってみると地名、人名とか一つ一つの背景に英国の地理・文化・歴史などなどが根っこのようにずるずるでてきたり……
 なるほどこれは、チャールズ・プラットのインタビューで読者やレビュアーの教養の低さを嘆いていただけのことはある。まあ、本国の読者もついていけてなかったんじゃ、いたしかたない(笑)。
 
 そんなこんなでいろいろググっていた中、『図書室の魔法』『わたしの本当の子どもたち』のジョー・ウォルトンが2010年に投稿していたレビュウを見つけたので、こちらも読んでみた。
 同じ二人称SFとしてテッド・チャン「あなたの人生の物語」を引き合いに出していたり、ロバーツの話を直に聞いた、なんて話が出てきたり、ロバーツ愛が炸裂していたので、以下、試訳してみた。(意味、ちゃんととれてるかな…)
 
 そういえばSFファンダム小説『図書室の魔法』にもヒロインのモリが参加する読書会の課題図書として『パヴァーヌ』は登場するものの、なんだか扱いが素っ気ないな、と思っていたのだけど、これは実は、愛があふれすぎないように抑えていた、とか?
 ジョー・ウォルトンが『図書室の魔法』を上梓するのは2011年なわけだが、もしかして「Mori」は「Molly」だったりして…!?
 
※なお、レビュウのタイトルはヒロインのモリーがいた「ブロック」の幼稚園に掲示されている標語。作中のキーワードの一つ。
 
 
What do you think you should do?: Keith Roberts’s Molly Zero
Jo Walton 
Mon Mar 22, 2010 3:14pm 
 
 『モリー・ゼロ』(1980)はとても奇妙な本だ。わたしはこの本を印刷物として目にして、うれしく思っている―Wildsideはすばらしい仕事をしているプリント・オン・デマンドの小規模出版社だ。『モリー・ゼロ』はディストピアとなった近未来の英国を舞台とする。これは、一人の少女の物語だ。ヒロインの名前「モリー・ゼロ」をタイトルにしていて、彼女は「ブロック」で、他の子どもたちや教育担当の参謀官たち、そしてコンピュータに囲まれ、ごく限られた範囲より向こうにあるものは何も目にすることなく成長する。彼女はまた、定常的にテストされている。6歳の時、彼女は「あかはよい、みどりはわるい」と「みどりはよい、あかはわるい」の二択を選ばなくてはならない。間違った選択をした子どもたちは姿を消す。どこかに行ってしまい、彼女たちのベッドは朝には空っぽになっている。そして16歳の時、モリーは逃亡し、より進んだテクノロジーのちょっとした残滓を除いては、人々がまるで1950年代にいるかのように暮らしている、飛び地に分けられた国土を見つける。彼女は普通の人たちと暮らし、ジプシーとともに旅し、現状を変えようとするテロリストグループに身を投じる。読者とモリーは少しずつ、その世界と、そこで何が起こったのか、そして、彼女に何が期待されているのかを学んでいく。
 
 この本でもっとも奇妙な点は「二人称で書かれている」ということだ。
 
 あなたはコートの中で震えている。素敵なコートだ。おろしたてで、オリーブグリーンのマックコート。ベルトはきちんと締めて、襟は立てて、すごくミリタリーな感じ。そのコートがあなたをシャキッと見せてくれてはいるけど、震えを止めることはできない。あなたは両手のこぶしをポケットのずっと奥までつっこんで、肩を丸めている。心配なんて何もいらない。これはただの「分散」。みんなの身に起こること。あなたは自分に言い聞かせるが、それもあまり救いになってはいない。あなたはモリー・ゼロ。死におびえている。
 
 あなたが上に引用した段落を苦手に感じるなら、この本も苦手だろう。なにしろ、この本はぜんぶこんな調子なのだから。わたしには、ある種の人々がこういった文章を読むと「だめ、わたし絶対読まない!」と言うだろう、とわかっている。ロバーツは英国のニューウェーブ作家の一人で、彼の著作の多くは、意図的にスタイルで「実験」を行なう。この二人称は単なるギミックにもなりうるが、そうではない。これには積極的な目的がある。あなたは長い間見過ごしているのだけれど。わたしは普段はこの手のギミックを好まないが、『モリー・ゼロ』「あなたの人生の物語」はほんとうに、わたしにとっては「その手法がどんな風に自分に響いてくるのか」について考えることができた、たった二つの作品だ。『モリー・ゼロ』が一人称とか三人称とかになったら、まったく違った本になることだろう。そう、あなたが創作に興味があるのなら、この作品の段落を一組くらい別の人称にひっくり返してみること、そして、それが作品の感情面でのトーンをどのように変えるのかを体験してみることは、とてもよい勉強になってくれることだろう。キース・ロバーツは1988年に、彼がこの作品を二人称で書き始めたのは、その初期アイデアがさながら一本の映画――すべてのビジュアルと背景を含め――として得られたもので、なおかつ、彼が、映画というものはどのようにして書かれるものなのか、をイメージしてみたからなのだ、とわたしに語ってくれた。そうして彼は、ひとたびこの作品で「やれる」と感じたことに取り組み始めたら、他のどんな方法もイメージできなくなったのだという。
 
 その世界について浮かんでくる疑問の数々は興味をそそるものだ。もし、その種明かしの数々がとても信じられないものでも、こういったことはディストピアにおいてはそれほど珍しいことではない(1980年においてすら、わたしたちは計画経済が問題山積なのを知っていた)。わたしたちがある状況の中で、モリー、彼女自身に寄り添ってみることができた時、この本は、そのベストの状態となる。--そして彼女は、おおよそどこにいても満足することはできるが、どこにいても、本当の意味では幸せではない。ブロックでも、わら人形を作っている海辺でも、ジプシーといっしょにいても、テロリストと共にあってさえも、彼女は愛すべき人々や、宝物になるささやかなものごとを見つける。わたしたちはこういった世界について、モリーの目を通してーーきわめて英国的なものが、その田園的なディストピアを作り上げていくにつれてーーそれらの価値を認められるくらいに、存分に体験する。そして、わたしたちはモリーについても多くのことを学ぶ。たとえ、二人称であっても、さらには、彼女がとても受動的で、いつも他の誰かのアクションに振り回されているのだとしても。
 
World spoilers(*):
 これが普通の本だったら、ブロックがーー国を動かす意志決定を下すべきエリートとなる子供たちを連れてくることによってーー「誰が支配をするのか」を決めていこうとしている、という真実をモリーが見つけていく、というような作品になっていただろう。おそらく、「「それ」が「よい考え」なのかどうか」という疑問を読者に問いかけるような、もうひとひねりくらいは加えて。-ーその手法、例えば『The Price of Spring』は、読者に「それ」の厳しさを実感させるが、同じ4部作(**)の始まり『A Shadow in Summer』では「それ」は現実的に「正しい」ことなのだとされている。そう、ついでにいえば『サイティーン(Cyteen)』(C・J・チェリィ)もそんな作品だ。しかし、モリーが「それ」を見つける一方で、その時までには、彼女は、自分があまりにも「操作」されていた(すべてのことが、ずっと「操作」や選択を仕向けられたものだった)ということで、すっかり解離状態に陥ってしまう。ーーこの本の結末に向けて、モリーが自身の核を失なうにつれて、二人称は、夢のような、不気味なものになってしまうのだ。わたしは、この本の序盤は別の形式でも書かれうると思う。しかし、あなたがこの二人称に安心し、なじんできているからこそ、その結末は、あなたを予想もしなかったところに連れていけると考えている。あなたには、「それ」を「よい考え」だと考えたり、あるいは、なんとなくでも「正しい」と思っている暇はない。そう、それらの解釈はまったくもって間違っている。
 
 さらにいえば、本書は政治的な書物ではなく、物語、もっとオススメされるべき物語としてここにある。ひとたび、あなたが奇妙な二人称に慣れてくれば、本書はとても読みやすく、キャラクターたちは(ロバーツ作品ではいつもそうであるように)魅力的だ。
 
<訳注>
*:以下で比較している作品群のことか、「ネタバレ注意(Spoiler alert)」の意味を含む?
 
**:ダニエル・エイブラハムの『Long Price Quartet(4部作)』の4冊目。1冊目が『A Shadow in Summer』。文脈から、『サイティーン』のような作品なんでしょうか…