はーふたいむしあたー2009年03月14日 23時42分38秒

 朝は普通に6時半に目を覚ます。どん兵衛限定品の鴨南そばで軽く朝食の後、新幹線で上京。品川駅のエキナカをしばらく冷やかす。
 12時半開場でキャラメルボックスハーフタイムシアター『光の帝国/すべての風景の中にあなたがいます』を観劇。『光の帝国』は恩田陸の同名の短編集の収録作より「大きな引き出し」の舞台化、『すべての〜』は梶尾真治『未来のおもいで』の舞台化。超能力ものと時間もののSFの古典的2大テーマを同時に楽しめるという趣向。いやまあ、すれたSFファンでも、「演劇」という形式のフィルターがかかることで、手あかのついたテーマでもわりとプリミティブに感動できます(笑)。
 『光の帝国』は自分たちの存在(と能力)を隠して暮らしている異能者の一族とその存在に気づき、興味を持って調査し、それに材をとった映画を企画している映画監督との間に過去に起こった事件をカットバックで徐々に描き出していく趣向だが、後半、展開的に『七瀬ふたたび』的な要素があるのは、演出の真柴あずきが昨年のTV版『七瀬ふたたび(……というか、はじめて?)』の脚本に参加していることを考えてると、偶然ではないんだろうなあ。いや、サスペンス要素からハートウォーミングな要素までいろいろと盛り込まれていて、目頭の熱くなる箇所がいくつもあった。『すべての〜』は、梶尾真治版『ジェニィの肖像』といえる原作のシンプル&定番のアイデア&展開を直球勝負で演出しているんだと思うんだけど、いや、これが、展開は全部読めるにもかかわらずやはり要所要所で目頭が熱くなる(笑)。まあ、SFファン以外の人も周りでぼろ泣きしていたとは思うが、すれたSFファン的には、たまには原点を思い出すのも悪くはない経験かも(笑)。あと、キャラメルボックスのオリジナルのSFものはアイデア的にマンネリ気味でもあるので、これはもう、これからもどんどん原作ものにチャレンジしてもらいたい。
 そういえば、これまでキャラメルボックスが新宿公演に使っていたシアターアプルがコマ劇場もろとも閉鎖されてしまったので(建物はまだ残っているんだけど)、今回の公演はなんとライブハウスの新宿FACEが会場。ここは昔リキッドルームだった時代には結婚前の妻とムーンライダーズの世紀末ライブ、新宿FACEになってからも一度ムーンライダーズのライブで来たことがあるので、これで中に入るのは3回目だが、まあ、うちの夫婦にとっては不思議と縁のある場所、と、いっていいかも(笑)。
 その後、紀伊国屋で専門書をちょっと物色した後、中村屋でインドカレーとハヤシソースのオムライスで早めの夕食。東京に残る妻に見送ってもらって一人で焼津に戻る。