2019年2月に読んだ本 ― 2019年03月01日 07時50分01秒
そういえば、プリーストの『スペース・マシン』もラジオドラマになっているが、あの古典的ストーリーをそのまんまラジオドラマ化してあったので、聴いている印象としては、この『タイムライダーズ』とリスナーからは区別がつかないかも(笑)。
2月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:3098
ナイス数:125タイムライダーズ 紀元前6500万年からの逆襲 (2) (児童単行本)の感想
★★☆
今回も歴史が変わって言葉の通じない異生物でピンチかー(笑)。あと、キャラクターは前作以上によく死ぬ。しかしこの歴史改変の扱い方は便利過ぎてこれでいいのか? ドラゴンボールでリセットするような感覚? まあ、確かにラジオドラマ向きではあるかも。
読了日:02月01日 著者:アレックス スカロウ
夢みる葦笛 (光文社文庫)の感想
★★★★☆
ホラー、改変歴史、宇宙SF、人工知性まで幅広いジャンルでありつつ、一貫したテーマ性も感じられる。印象として近い作風は水見稜のように思えるが、よりウェットな読後感がいい。
読了日:02月02日 著者:上田 早夕里
風と行く者 (偕成社ワンダーランド)の感想
★★★★
本編の前日譚でもあり、後日譚でもある。バルサとジグロの物語でもあり、タンダとの物語でもある。そしてまた、憎しみの連鎖を断ち切るためにどんな行動や決断が必要なのか、という物語でもある。こういう祈りのような物語や、現代に通じる過去を描いた物語が増えてきているのは、現実の社会で起こっていることの反映だったりするのかもしれない。あと、バルサはまださほどの歳ではない設定だが、そこかしこにちょっと老境を思わせるような雰囲気もあり、シリーズを振り返ってしみじみと読む一冊。
読了日:02月08日 著者:上橋菜穂子
火の鳥 4 鳳凰編 (角川文庫)の感想
★★★★★
没後30年ということで今年は『火の鳥 鳳凰編』を再読。今の視点でみると、ここには現代編に至って完結する構想に基づく輪廻の概念が描かれていて、幻の当初構想版『火の鳥』の全体像に想いを馳せることができるように思った。一冊の長編マンガとしても緻密に組み上げられた完成度に感嘆。
読了日:02月09日 著者:手塚 治虫
ミステリと言う勿れ (4) (フラワーコミックスアルファ)の感想
★★★☆
広島のヨコミゾな話は冒頭で完結。ラストはまた続いてしまったけど、独立して読める二つのエピソードがケリついたところなので、2巻、3巻の時ほどの隔靴掻痒感はないかも。
読了日:02月10日 著者:田村 由美
タイムライダーズ 失われた暗号 1 (児童単行本)の感想
★★★
今回は時間汚染で世界が滅亡して核戦争後のバケモノとか恐竜人とか跳梁跋扈するようなぶっとんだ展開(笑)ではなく、中世の歴史の転換点が変わることで世界の歴史がゆがむ普通の歴史改変もの?に近づいた。前巻までで確立されたタイムライダーズチームのルールを活用しつつ、暗号解読のミステリ要素もあり、今までで一番普通に楽しめる展開。
読了日:02月11日 著者:アレックス スカロウ
タイムライダーズ 失われた暗号 2 (児童単行本)の感想
★★★
ベックス大活躍(笑)。上巻で感じた通り、歴史改変ものとしてはこれまででいちばん楽しめた。とはいえ、時間SFというにはやっぱり違和感があるんだけど、それは出版してる側もわかっているので惹句が「タイムトラベルファンタジー」なんだろう。第二作のラジオドラマを妻が聞いたらしいのだが、なるほど、どの巻もラジオドラマには向いている気がする。それか映像化か。で、またしても思わせぶりな伏線出して終わっちゃってるけど、続きは訳されてないのね。
読了日:02月12日 著者:アレックス スカロウ
未来力養成教室 (岩波ジュニア新書)の感想
★★★
2013年に日本SF作家クラブがSF作家に「想像力」をテーマにフリーで?エッセイを書いてもらった一冊。自分の子供の頃の体験談が多いが、趣旨に合わせて読者に語りかけたり、煙に巻いたりするのもあってバラエティ豊か。とはいえ、短いのでちょっと物足りなかったり。上田早夕里さんの科学と学習読み物特集号の「真夜中の太陽」の話は、同世代なので共感度高し。
読了日:02月17日 著者:
八百夜(1) (ウィングス・コミックス)の感想
★★★☆
那州雪絵新作は、日本っぽいけど文明レベルがやや低い、舞台設定、時代設定不明の世界で自らの体験談を飯の種にする、自称不老不死の主人公が千夜一夜よろしく語る/騙る、どこかで読んだことがありそうで、何かちょっと違う物語。
読了日:02月18日 著者:那州 雪絵
ママレード・ボーイ little 7 (マーガレットコミックス)の感想
★★★☆
最後までどろどろすることなく、かわいらしく、すべてのキャラクターがおさまるべきところにおさまった。オマケ的に始まったけど、吉住渉の新たな代表作といってもいい。癒された。
読了日:02月23日 著者:吉住 渉
タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源の感想
★★★★
原題はother minds。進化のはるか大昔に分かれてしまった別種の生き物に感じられる異質な知性。海は身近な異世界。まだまだ人間の知らないことがいくらでもある世界。そこに生まれた我々とは異質な知性の存在を、ただ提示する。言語ではコミュニケーションできない、コミュニケーションすることができるかどうかも実はわからない、知性がありそうだけど自分たちの知る知性と呼んでいいのかすらわからない。なるほど、ソラリスの海はこんな身近なところにあったのか。しかも食べると美味しい(笑)。
読了日:02月25日 著者:ピーター・ゴドフリー=スミス
大林宣彦 戦争などいらない‐未来を紡ぐ映画を (のこす言葉 KOKORO BOOKLET)の感想
★★★
大林宣彦のある意味遺言? 幼少期から現在までのキャリアを駆け足で辿るとともに、今、映画を作り続ける意味を語る。それにしても、ご両親といい、夫婦、友人といい、みんななんか普通じゃないのが大林品質?
読了日:02月27日 著者:大林 宣彦
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