2019年1月に読んだ本2019年02月02日 10時15分27秒

年末年始をはさんでゼラズニイ『真世界シリーズ』一気読み。あとは詠みやすいもの中心に。『うたかたダイアログ』はちょうどいい長さでいい感じに完結しましたね。

1月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:3507
ナイス数:120

オベロンの手 (1981年) (ハヤカワ文庫―SF 真世界シリーズ〈4〉)■オベロンの手 (1981年) (ハヤカワ文庫―SF 真世界シリーズ〈4〉)感想
★★★★
お正月1冊目。前巻のどんでん返し引きもびっくりだったけど、今回のどんでん返し引きもたいがいだ。
読了日:01月02日 著者:ロジャー・ゼラズニイ


混沌の宮廷 (1981年) (ハヤカワ文庫―SF〈真世界シリーズ 5〉)■混沌の宮廷 (1981年) (ハヤカワ文庫―SF〈真世界シリーズ 5〉)感想
★★★★
年末年始かけてシリーズ一気読み。この世界では影の世界をくぐる抜けることを地獄騎行(ヘルライド)と呼んでいるが、この一冊は語り手コーウィンにとって文字通りの過酷な地獄遍歴。一読では起こっていることが把握しきれていないが、めくるめくイメージの本流から哲学談義まで含み、その騎行の過程で新たな宇宙が創造(想像)される。並行世界ものの設定をベースにした権謀術数のファンタジーの見た目をまといつつ、やはりこれはSFと呼ばれるべき作品だろう。
読了日:01月04日 著者:ロジャー・ゼラズニイ


かっぱのねね子 こうの史代小品集■かっぱのねね子 こうの史代小品集感想
★★★★
ユリイカの紹介で内容は知っていたが初めて読む作品群。ねね子は日常系孫悟空みたいな話で楽しい。ちょっとした日常を描く感じの見開きイラストもいい。あと、鳥。こうして絵を見ていると躍動感や空間の奥行きを感じるのは、デッサン力というより、見たものに対する空間把握力が卓越している、ということなのかもしれない。
読了日:01月05日 著者:こうの史代


月は東に日は西に (ジェッツコミックス)■月は東に日は西に (ジェッツコミックス)感想
★★★★☆
30年ぶりくらいに通して再読。部活動の楽しさ。後から振り返ればごくわずかな時間を共有する仲間たちとの時間を切り取った宝物のような作品。今読み返すと、自分も学生でサークル活動真っただ中にいた時に感じた、ちょっとした不自然さが気にならず、いろいろな要素がすとんと頭に染み入ってくる。けっこう、今にいたる自分の行動原理の根っこにこの作品は今でも根付いていることを改めて気づかされた。
読了日:01月11日 著者:わかつき めぐみ


気になる部分 (白水uブックス)■気になる部分 (白水uブックス)感想
★★★☆
抱腹絶倒度という点では『ねにもつタイプ』『なんらかの事情』ほどではなく(と思って油断しているとたまに不意打ちを食らうことも)、むしろOL時代のエピソードや翻訳にまつわる裏話などが楽しい。しかし、某クマソな社長のホクロを押したら何が起こってしまうのか(笑)!?
読了日:01月13日 著者:岸本 佐知子


百人一首 (コミックストーリーわたしたちの古典)■百人一首 (コミックストーリーわたしたちの古典)感想
★★★★☆
同じシリーズでも今昔物語より読み応えあり。というかありすぎ。百人一首の和歌がその選択から順番まで周到に考え抜かれていることが、読み人の経歴や歌の内容の解説から、わかる、というか、読み込めばわかるような解説になっている。それぞれの歌に因んだエピソードを紹介するマンガの部分もいい。日本の伝記のシリーズの『紫式部』の巻と合わせて読むことをオススメしたい。
読了日:01月14日 著者:柳川 創造,千明 初美


タイムライダーズ 1: Time Riders (児童単行本)■タイムライダーズ 1: Time Riders (児童単行本)感想
★★☆
翻訳とは思えないほどするする読める。海外版ライトノベル、というより、設定や頭に浮かぶ映像の雰囲気からアニメのノベライズ、という印象。培養液の中で育つ人造人間(笑)。時間SFとしての描き方はバック・トゥ・ザ・フューチャー式で並行世界の分岐までは考えなくていいようだ。タイムマシンはあっても未来社会があまり幸せそうじゃなかったり、過去から戻る方法が限定的なのはコニー・ウィリスっぽい。
読了日:01月17日 著者:アレックス スカロウ


タイムライダーズ 2: Time Riders (児童単行本)■タイムライダーズ 2: Time Riders (児童単行本)感想
★★★
『高い城の男』だと思ったら『ノストラダムスの大予言』になっちゃった? 限定的タイムマシンの制約の中で極限状況をうまく演出しているとは思うが、扱っているネタがなんとなく(海外の小説に使う表現としてはなんだが)昭和っぽいように感じた。
読了日:01月19日 著者:アレックス スカロウ


最初の悪い男 (新潮クレスト・ブックス)■最初の悪い男 (新潮クレスト・ブックス)感想
★★★★
超高速波乱万丈人生というか、コンデンスト人生というか、一人の主人公が人生の身もふたもない部分をめまぐるしく経験する。いろいろとえぐいのに、するすると読めて不思議な感慨を残す。
読了日:01月24日 著者:ミランダ ジュライ


うたかたダイアログ 3 (花とゆめCOMICS)■うたかたダイアログ 3 (花とゆめCOMICS)感想
★★★★
これまでの二人のやりとりがこれからもちゃんと続いていってくれそうな最終回と後日談にほっこり。
読了日:01月24日 著者:稲井カオル


カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)■カササギ殺人事件〈上〉 (創元推理文庫)感想
★★★
話題のミステリ。基本はいかにもクラシックなスタイルの名探偵ものだけど、これって『鉄の夢』っぽいメタ形式(架空の作家の架空の本)みたいなので、見た目の通りではないのか。
読了日:01月28日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ


カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)■カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)感想
★★★☆
いいところで下巻に引いた、と思わせておいて、この展開かー(笑)。でも、気になるあの続きもちゃんと読めるのでご安心あれ。
読了日:01月29日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ


タイムライダーズ 紀元前6500万年からの逆襲 1 (児童単行本)■タイムライダーズ 紀元前6500万年からの逆襲 1 (児童単行本)感想
★★☆
例によって歴史を守ってるんだか壊してるんだか(笑)。最大のびっくりポイントは生まれ変わったロボ(笑)。
読了日:01月30日 著者:アレックス スカロウ

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