2019年3月に読んだ本2019年04月02日 07時08分23秒

 一つ前のエントリの通り(笑)、なぜか今頃、キース・ロバーツの『Molly Zero』を読み始めてしまったので、日本語の本はややペースダウン?
 それにしても、可憐な少女がヒロインのディストピアSFにまで、古今の英国文学の素養が求められるロバーツ、恐るべし…。セミコロンを多用したりする独特の文体にはだいぶ慣れてきました。

3月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1666
ナイス数:79

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)■82年生まれ、キム・ジヨン (単行本)感想
★★★
いやまあ、日本も同じようなことあるよねえ…
読了日:03月06日 著者:チョ・ナムジュ


百人一首 (コミックストーリー わたしたちの古典)■百人一首 (コミックストーリー わたしたちの古典)感想
★★★★
図書館で借りて感銘を受けたので、amazonに在庫があったのを注文してみた。こちらは新装版で、表紙イラストが違う他、届いて驚いたことに、判型がB5でソフトカバー。大きくなった分、カラーページの彩色やペンタッチの細かいところがわかるようになっているので、千明初美ファンが手に入れるなら新装版をオススメしたい。1998年が新装版初刷、手元に来たのは2011年の第11刷。長く読み継がれているのがわかる。実際、入門者から中級者までにオススメできる名著だと思う。
読了日:03月09日 著者:千明 初美,柳川 創造


騎士とドラゴン■騎士とドラゴン感想
★★★
騎士はドラゴンと戦うものだ、ドラゴンは騎士と戦うものだ、お互いそう思っているが、実際に戦ったことのない騎士とドラゴン、まずしたことは、図書室(もしくはほらあなの蔵書)で戦い方を学ぶこと。次に鎧や武器など(怖い顔の仕方、火の吐き方など)戦いの準備、さらに模擬戦闘を繰り返す。さてさて、ついに始まった戦いの結末は!? 図書館の入口のオススメ絵本、これはかわいらしくて当たり。
読了日:03月09日 著者:トミー・デ パオラ


鳥籠の小娘■鳥籠の小娘感想
★★★★
宇野亜喜良の妖しい表紙に惹かれて手に取った。ちょっとダークでビターなお伽話。娘の作る鳥籠は鳥を閉じ込めるものではない。娘もまた、身も心も自由だったのだが、魔物に唆されて、鳥籠に価値を見出してしまった人々の欲望が少しずつエスカレートし、世界の歯車が狂い始める。娘をタイトルにある「小娘」と扱うものは何者か? いろいろなものが読者の解釈に委ねられる。
読了日:03月09日 著者:千早 茜


アリーテ姫の冒険■アリーテ姫の冒険感想
★★★
「かしこい」お姫様はお嫁に行けない? かしこくない王子様の手に負えないから!? でも、そもそもそんなつまらない王子様のお嫁さんになる必要なんてあるのか。ということで、三つの願いとか三つの試練とか、王子様が魔法で蛙に、などなど、お伽噺的要素は登場させつつも、ことごとくお伽噺の定型から外していき、男中心のお伽噺世界を「かしこさ」で乗り切っていくアリーテ姫が痛快。余談ながら、片渕監督のアニメ映画版も、キャラクターやシチュエーションはけっこう枠組みとしてちゃんと取り込んでいたんだなあ。
読了日:03月10日 著者:ダイアナ コールス


生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)■生まれ変わり (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)感想
★★★★★
ケン・リュウ短編集第3弾。描かれる近未来世界の情勢があまりに「今」過ぎて、つい執筆年代を確認してしまう。時代がケン・リュウに追いついてしまったのかも、と思うとちょっと複雑な気分も。あと、描かれた世界の片隅で起こっていることを、科学・技術的な事象から、歴史・文化・文明への探求・考察まで、時にはそれらの負の側面や、避けがたい民族対立や差別感情まで含め、思想的にニュートラルに提示して、読者に委ねることで余韻を感じさせるというケン・リュウの作風はナショナルジオグラフィック的なスタンスを内包しているのかもしれない。
読了日:03月18日 著者:ケン リュウ


その正体は何だ!? じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説■その正体は何だ!? じわじわ気になる(ほぼ)100字の小説感想
★★★★
Twitterではずっと読んでいたが、この長さ(短さ)でもアイデアとオチを盛り込んで「小説」が書ける驚き。これは第2集になるが、8冊あれば1001を超えるのか!?
読了日:03月26日 著者:北野勇作


幻魔大戦 Rebirth (9) (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)■幻魔大戦 Rebirth (9) (少年サンデーコミックス〔スペシャル〕)感想
★★★
表紙の通り、ドク・タイガー大活躍? それはともかく、ベアトリスの釵の由来が語られる新幻魔大戦序盤の再現シーンには目頭が熱くなった。何もかもみな懐かしい。
読了日:03月27日 著者:


35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか■35の名著でたどる科学史 科学者はいかに世界を綴ったか感想
★★★★
タイトルだけは有名だけど、原典をちゃんと読んでいる人は少ない、科学の歴史上の名著の内容を面白おかしく紹介する好著。教科書的な知識や、現代の視点からの思い込みで、たぶんそういう内容? と思っているのとけっこう違うのが興味深く、楽しく読めた。二重らせん以外は読んでないものばかりだけど、ちょっと読んでみたくなる。
読了日:03月31日 著者:小山 慶太

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