2021年1月に読んだ本2021年02月02日 19時32分23秒

 引き続き児童書、絵本比率高めの中、今月は百合比率も(笑)。あと、自閉症っぽい主人公、登場人物の出てくる小説の比率も?

1月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:3672
ナイス数:135

生きていた火星人 (少年少女世界SF文学全集)◾️生きていた火星人 (少年少女世界SF文学全集)感想
★★★
年末に古本で見つけて40ン年ぶりくらいに再読。いわゆるオールド・シルヴァーバーグの時期のジュブナイルで、火星に赴任した生物学者の子どもの兄妹が、絶滅していたと思われる火星の古代種族を発見する、というわりあい他愛のない物語なのだが、小学校の図書室から何度も何度も借りて、挫折したけど筆写しようとまでした一冊。今読んでみると助成金をやっと取った科学者、役に立たない基礎研究の価値がわかってもらえないジレンマとか妙にリアル。もしかして、自分が科学者になる道にいたる原点の一つだったのかも?
読了日:01月01日 著者:ロバート・シルヴァーバーグ


不死販売株式会社―フリージャック (ハヤカワ文庫SF)◾️不死販売株式会社―フリージャック (ハヤカワ文庫SF)感想
★★★★
データベースに登録ないようなのでこの版にて。あかね書房の少年少世界SF文学全集で『生きていた火星人』とこの『不死販売株式会社』は何度も何度も図書室から借りて読んで、こっちは親に買ってもらって自分でも持っていた。この元旦はその二冊を一気読み。考えてみると、基礎科学の重要性を説く楽天的科学礼賛ジュブナイルと、この霊魂技術が実現した異形の未来世界の物語、というのはあまりにも両極端だが、こちらに惹かれた嗜好が、その後の読書傾向、嗜好の根っこではあるような気がする。ということで原点回帰?の元旦読書であった。
読了日:01月01日 著者:ロバート シェクリィ


シルバニアファミリー35thアニバーサリーBOX ([バラエティ])◾️シルバニアファミリー35thアニバーサリーBOX ([バラエティ])感想
★★★
(妻の購入品ですが)現在のラインナップのファミリー全員の名前、紹介、ミニストーリー、建物の組み合わせ遊び方ガイドに加え、篠原ともえによるシルバニアモードデザインとインタビュー、人気ブロガーのジオラマ、インタビュー等盛りだくさん。写真のお人形とケーキもついてきます。かあいい。
読了日:01月04日 著者:


裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★
1巻だけ電子書籍で読んでいたままだったけど、アニメ化記念の電子書籍半額セールになっていたので、2〜4巻をまとめてポチった。が、話をおぼろげにしか覚えていないので、あらためて再読。一人で行ったらヤバい裏世界、最初の出会いで二人セットの能力を獲得して、その使い方を覚えていく。なるほど、変身まではしないけど、『ふたりはウラキュア』と思えばいいのか(違)。
読了日:01月05日 著者:宮澤 伊織


裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト(ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック2 果ての浜辺のリゾートナイト(ハヤカワ文庫JA)感想
★★★
1巻目もたいがい生死ギリギリの展開の連続だったが、今回も輪をかけて。まず、前巻で裏世界で出会いながら、自分たちだけ脱出して後に残してきちゃった在日米軍特殊部隊を救出に(装備をもらおうという下心はあり(笑))。米軍とは別行動にしたものの、近隣のゲートを出るとそこは沖縄(笑)。表紙の通りの海水浴!? …も、危険がいっぱい。その後も新キャラ、新設定、新展開のてんこ盛り。お腹いっぱい!?
読了日:01月08日 著者:宮澤 伊織


闇の夜に◾️闇の夜に感想
★★★☆
地の文は最小限、絵の中の会話的な文も最小限で、ページをめくると毎回何かしらの「仕掛け」がある。真っ暗な画面から、めくるごとの変化を楽しむ楽しい絵本。
読了日:01月09日 著者:ブルーノ・ムナーリ


裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック3 ヤマノケハイ (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★
ピクニック、というタイトルと裏腹に、毎回生死の境をぎりぎり切り抜けるエピソードの連続で、2巻では表紙の通りの海水浴があったものの、海にたどり着く経緯を考えるとピクニック感が薄い気がした。今回は安定したゲートを設け、装備や手作りのお弁当まで用意してこれまででいちばんピクニックっぽいエピソードから始まる…と思ったらやっぱりヤバい展開にはなるんだけど(笑)。とはいえ、話の剣呑さも巻を追うごとにエスカレートしてる。それにしても東京の舞台がなじみのある場所ばかり。光景が目に浮かびそうだ。
読了日:01月10日 著者:宮澤 伊織


きりのなかのサーカス◾️きりのなかのサーカス感想
★★★★
半透明な紙で霧を表現し、その裏表や、紙に開けられた穴を仕掛けに、同じ絵がページをめくると別のものになったりする不思議な絵本。
読了日:01月10日 著者:ブルーノ ムナーリ


リサとガスパール キティちゃんをパリでおむかえ◾️リサとガスパール キティちゃんをパリでおむかえ感想
★★★
仕事を選ばないキティちゃん、ついにリサとガスパール世界へと。あれ、意外と違和感ないかも?
読了日:01月10日 著者:アン・グットマン,ゲオルグ・ハレンスレーベン,やまぐちゆうこ(サンリオ)


裏世界ピクニック4 裏世界夜行 (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック4 裏世界夜行 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★
冒頭は前回のカルトの後始末。おかげで探検の後ろ盾?がしっかりできてきて、固定ゲートも確保。その後はピクニックならぬ温泉旅行で親睦を深めたり。ついには、裏世界に拠点ゲートをDIYして、ゲート間をつなぐルート開拓。それにしても、温泉にキャンプ、廃墟での一夜を経て、百合要素も一気にボルテージアップ!?
読了日:01月11日 著者:宮澤 伊織


夢見る帝国図書館◾️夢見る帝国図書館感想
★★★☆
もうひとつの『小さいおうち』というべき、昭和史をベースに、市井の女性が見たものを、ちょっとした謎解きを交えて描く物語。今回はお題が帝国図書館のため、バックグラウンドは明治にまで遡るが、図書館にまつわるさまざまなエピソードを一冊に盛り込もうとすると、作中人物が「図書館を主人公にした物語」を書こうとしていた、という外枠と、この入り組んだ構造が必要ではあったのだろう。本書を元に、言及される作家やもろもろのことをたどってみたくなる。
読了日:01月15日 著者:中島 京子


ゆめぎんこう (MOEのえほん)◾️ゆめぎんこう (MOEのえほん)感想
★★★
夢を買い取って、加工して売る、銀行というとちょっと違う気もするが、その銀行に夢を買ってほしいという一人の老人、その目的は…。なかなかに切ない大人の物語。
読了日:01月21日 著者:コンドウアキ


夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハヤカワepi文庫)◾️夜中に犬に起こった奇妙な事件 (ハヤカワepi文庫)感想
★★★★
書誌が未登録のソフトカバー版で読んだ。全編、自閉症児の視点から語られる、身近で起こった殺人ならぬ殺犬事件を自分で捜査しながら、それを小説にした書物…と、思わせておきながら、決まった物事の中でないと安心して暮らせない主人公が、事件捜査という非日常に突っ込んだために、そこから逸脱せざるを得なくなり、その状況を、自分にできる思考、行動の制約の中で、どう切り抜けていくか、その過程が丹念に描かれていく。作者が自閉症児をよく観察した中から生まれた物語とのこと。『ザリガニの鳴くところ』とペアで読むといいかも。
読了日:01月23日 著者:マーク・ハッドン


文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)◾️文学少女対数学少女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
★★★☆
著者名と同名の文学少女(推理作家志望)と、頭がよすぎて日常生活にやや難ありの天才数学少女が、何らかの形で挿入される作中作ミステリを軸に、推理小説というジャンル・形式そのものが持つ特性と戯れるメタ・ミステリでもあり、かつ、表紙から期待される百合ミステリでもあり。あとがきで裏話的に言及されていたが、百合SF短編の傑作「色のない緑」が、本シリーズの執筆資料を集めたことからアイデアが発想された、というのは興味深い。
読了日:01月24日 著者:陸 秋槎


キッチハイク! 突撃! 世界の晩ご飯 ~ソフィーはタジン鍋より圧力鍋が好き編~ (集英社文庫)◾️キッチハイク! 突撃! 世界の晩ご飯 ~ソフィーはタジン鍋より圧力鍋が好き編~ (集英社文庫)感想
★★★
不思議な縁でいっしょに仕事をしているキッチハイク創業者山本さんの原点となる体験記の二分冊文庫化の2冊目。体験で国家や民族、文化への先入観をふり払った果てにあるのは、人にレッテルを貼らず、個人をただ個人として見る境地。とはいえ、それこそが、レッテル貼りやヘイトスピーチのような風潮へのカウンターでもあるような気がしてきた。
読了日:01月30日 著者:山本 雅也


詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)◾️詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)感想
★★★★☆
『海街diary』の最終巻の後日談番外編に描かれた、すずの「家族になれなかった」和樹を主人公にした新しい物語。それにしても、自分の夫の看病をすずに任せっきりにしていた例のクズ母のその後がさらにクズで、そのあたりは流石に吉田秋生、容赦ない。田舎らしい悪気ない悪意がポツポツあるあたりも、『海街』より冒頭から辛辣で、そこで生きていかざるを得ない少年少女たちを描こうとする姿勢に、覚悟のようなものを感じる。普段対比を考えたことなかったが、同様の作劇で理想論を突き詰める成田美名子と、実は好対照になりつつある気がする。
読了日:01月30日 著者:吉田 秋生


Where the Wild Things Are (Caldecott Collection)◾️Where the Wild Things Are (Caldecott Collection)感想
★★★☆
図書館にCD朗読つきの原著があったので。英語では初めて読んだ。CDは英文と和訳の対訳朗読と、英語だけの朗読あり。BGMつきでなかなかよい。
読了日:01月31日 著者:Maurice Sendak


推し、燃ゆ◾️推し、燃ゆ感想
★★★
某賞受賞作をこんな早いタイミングでフォローしたのは初めて。推しを推す行動については多少は思い当たるところがなくもない。自分の場合は、ムーンライダーズなり、原田知世なり、推しが活動を続けてくれているので、燃え尽きずにすんでいる面はあると言えるかも。まあ、推しがひとつじゃないので、そのふたつがなくなってもまだ生きてはいけると思うが。しかし考えてみると、原田知世の場合、バラエティ掲載のコンテスト特別賞からリアルタイムなのでこれはこれで業は深いか。その昔、山口百恵の引退で燃え尽きた人とかも、いたのだろうか…?
読了日:01月31日 著者:宇佐見りん

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