2024年1月に読んだ本2024年02月11日 09時17分36秒

 『本好きの下剋上』マラソン、第三部でいったんひと段落。製紙技術から立ち上げて自分で執筆、編集までした絵本シリーズの完結で並べて読んでニマニマするのは人ごとと思えない(笑)。
 隙間読書が気軽にできるのは電子書籍の利点で、気がつけばすっかり電子比率高い人に(笑)。いや、でも、紙のファンジンは作りますよ(笑)。

1月の読書メーター
読んだ本の数:19
読んだページ数:3578
ナイス数:74

【小説8巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女1」◾️【小説8巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女1」感想
★★★★
貴族社会に舞台が移って新キャラクター続々登場。魔法がらみの描写も増えてきて、そのあたりは普通に近年の異世界転生ものっぽいのだろう。第二部での生活環境、身分差、陰謀劇などのシビアさがいったんリセットされる一方、印刷技術ではついに活版印刷とガリ版印刷の実用化! 技術の順番や所要コストが逆転してるのは異世界事情(笑)。技術普及にかかる莫大なコスト負担のために発案したのは、この世界の社交にはなかったチャリティコンサート!? その主役はなんと表紙のあの人!? 「推し」の概念が持ち込まれるスタンピードぶりが楽しい巻。
読了日:01月01日 著者:香月美夜


【小説9巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女2」◾️【小説9巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女2」感想
★★★★
領主の一族にただ救われただけではなく、教育や働き方に問題があれば現代日本の考え方でがんがん正していく。甘やかされ切ったバカ息子の再教育と、神官長まわりの報連相の欠如と仕事の一人抱えは、そりゃ問題だ(笑)。一方で、初めて知る農村の実態と、改善のために陰謀を巡らせる羽目になるあたりと、ファンタジー展開の魔石集めミッションでの魔獣とのバトルがなかなかシビア。あと、前巻で創り出したネコ…じゃなくてレッサーバスが大活躍(笑)。動物の種類は、一応著作権にも配慮したのか(笑)!?
読了日:01月03日 著者:香月美夜


【小説10巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女3」◾️【小説10巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女3」感想
★★★★
表紙にある通り、第三部のミッションのファンタジー方面の魔石収集イベントが二つあり、政治方面ではハッセの街の処分が予想以上にシビア。魔法を駆使する描写も毎回工夫があって、その方面でもよくできている。冬の社交では、想定していた出版物の販売と幼児教育にも進展あり。地味だけど冒頭では活版印刷機のプロトタイプに向けてこの世界にはなかった異業種協業が始まる。盛りだくさんの巻。それにしても、毎年騎士団が冬の主を倒さないと春が来ない?って、これまたシビアな設定では…。
読了日:01月04日 著者:香月美夜


安野光雅作品集◾️安野光雅作品集感想
★★★★☆
見たことのある絵も多いけど、初めて見る絵もたくさんあって、改めてその業績の膨大さに感じ入った。表紙の絵は淡い色彩だけど建物の窓の立体感が不思議で全体の中でもかなり目を惹いた絵で、なるほど、これが表紙で納得。まだ手に取ったことのない作品をちょっとづつ見ていきたい。
読了日:01月06日 著者:


【小説11巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女4」◾️【小説11巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女4」感想
★★★★
表紙にある通り、教育目的を兼ねて作成を進めてきた絵本シリーズがついに完結。その完成品を並べて悦にいる主人公が他人とは思えない(笑)。自分で文章書いて、手書きかパソコンで清書、レイアウトして版下作って、コピーして中綴じホチキスで製本した完成品、あるいは印刷所に出して仕上がってきた完成品を目にするたびに、同じようにニマニマしてきたよ(笑)! 一方で、過去の遺恨からまた不穏な展開の予兆が。そういえばこの世界、大粛清で大勢の貴族がいなくなった、という背景だったっけ。
読了日:01月06日 著者:香月美夜


【小説12巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女5」◾️【小説12巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女5」感想
★★★★
完結キャンペーンの合本版で第3部まで一気に。印刷産業がらみ、魔法がらみ、権謀術数がらみ、盛り込みすぎなくらいで、今まででいちばんの危機でクライマックス。舞台が中華風じゃなくて中世ドイツっぽいファンタジー世界で現代日本の常識と技術に関する知識で社会を改善していく面白さは十二国記+大江戸神仙伝+澪つくし料理帖+α?とまで言ってしまうと褒めすぎか(笑)!? とはいえ、報連相の徹底と人材育成、引継書の重要性が盛り込まれた巻でもある。
読了日:01月07日 著者:香月美夜


我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち (ブルーバックス)◾️我々はなぜ我々だけなのか アジアから消えた多様な「人類」たち (ブルーバックス)感想
★★★★
本人は研究者ではなくとも、取材する分野について研究者に匹敵する視点と理解を持って、なおかつ、一般読者が面白く読める本にすることができる。科学ジャーナリストのお手本となるような一冊。
読了日:01月12日 著者:川端 裕人


くまのこの としこし (講談社の創作絵本)◾️くまのこの としこし (講談社の創作絵本)感想
★★★
くまの一家の年越しをたんたんと描く。小学生の頃はどんなに起きていようと思っても起きていられなかったっけ。今は起きていることもできるけど、若い頃と比べて、起きていた後の眠さが目立つようになった。
読了日:01月12日 著者:高橋 和枝


わたしは地下鉄です◾️わたしは地下鉄です感想
★★★☆
韓国の地下鉄を主人公に、駅ごとに乗り組んでくる乗客を淡々と観察する。淡くざっくりした水彩と、人の顔から看板のハングル文字まで細かいところはすごく緻密で、デフォルメされているけど民族がわかる描き方の人の顔の表現とか、色々と興味深い。細部まで描き込まれた背景にあるものについて考えるのもいいかもしれない。
読了日:01月12日 著者:キム・ヒョウン


サンタクロースとあったよる◾️サンタクロースとあったよる感想
★★★☆
現在も世界中に流布されているサンタクロースの元になった詩の絵本化。たくさん絵本にされてきた、とあとがきにあったけど、意外と読んでなかったんだな、と思った。詩の由来も解説されていてなるほど。サンタクロースを目撃した視点を誰に置くかが絵本化のポイントなのかもしれない。
読了日:01月13日 著者:


オニのサラリーマン (日本傑作絵本シリーズ)◾️オニのサラリーマン (日本傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
京都っぽい街から満員バスに揺られて地獄正門前で降りると、そこはオニガワラの職場。見張を担当する地獄は日替わり制らしい。職場でも楽な担当と言われるらしい血の池の見張りは、単調な仕事なので愛妻弁当の昼食の後はついうとうと。そんな日に限って大変なことが!? まさかあの文学短編の裏話だったとは(笑)!?
読了日:01月13日 著者:富安 陽子


うろおぼえ一家のきゅうじつ◾️うろおぼえ一家のきゅうじつ感想
★★★
自分たちのうろおぼえに自覚のある一家、休日に行くところをみんなでメモにして意気揚々と外出するが、メモを書いた目的も忘れているので、行く先々でメモを使ってしまう。ツッコミどころ満載だけど、メモを使った親切が巡り巡って、なべて世はこともなし!? ラストページにちょっとした仕掛けがあるのも楽しい。
読了日:01月13日 著者:出口かずみ


マティスを旅する◾️マティスを旅する感想
★★★☆
マティスの絵画作品ではなく、手がけた建物とマティスゆかりの地をめぐる写真旅。マティスの入門書としてもいいかもしれない。
読了日:01月13日 著者:


瓜を破る 5 (芳文社コミックス)◾️瓜を破る 5 (芳文社コミックス)感想
★★★★
本巻では、我が道をゆくバリキャリ系のいわゆるおひとり様にも見た目通りでない悩みが。これまで出てきたキャラクターも些細なきっかけで心が揺れ動き、些細なきっかけで立ち直ったりする、その振幅が人生が続いていくということかな、と思わせる輻輳的な描き方がいろいろしっくりくる。
読了日:01月14日 著者:板倉梓


いなり、こんこん、恋いろは。 (3) (角川コミックス・エース 326-3)◾️いなり、こんこん、恋いろは。 (3) (角川コミックス・エース 326-3)感想
★★★
幼なじみ的な古い友だちと新しい友だちの間の関係の変化を丁寧に描くあたりが引き続き好感。主人公の片思いも、実は進展しつつありながら、本人はそのことにまだ気づけない距離感とかもなかなかいい。
読了日:01月16日 著者:よしだ もろへ


ひと粒のチョコレートに (福音館の単行本)◾️ひと粒のチョコレートに (福音館の単行本)感想
★★★☆
表紙だけ見るとチョコレートをめぐる何かのお話を絵本にしているのかと思いきや、さにあらず。カカオ豆の食べられ方、チョコレートが今のような食べ物になるための条件、チョコレートの製造方法の変遷などがきちんきちんと描かれた科学教育絵本だった。ここまで詳しく知らなかったので、すごく勉強になった。
読了日:01月18日 著者:佐藤 清隆


おしえて! あむあむさん (世界文化社のワンダー絵本)◾️おしえて! あむあむさん (世界文化社のワンダー絵本)感想
★★★
ひつじのあむあむさんはあみもの屋さん。古着が持ち込まれるとほどいて編み直したり、色を染め直してまた編み直したり。ほっこり系の絵本。
読了日:01月22日 著者:間部 香代


青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない (電撃文庫)◾️青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない (電撃文庫)感想
★★★
劇場版で観た時も思ったけど、とにかく地味なエピソード。この場合の思春期症候群は他のヒロインのケースと違って「治る」前後も含めて、程度の差はあれ現実世界でもありそうで、その解決にもアクロバティックな擬似量子力学も必要ないためだろう。現代の若者の中で起こりそうな課題への解決策を淡々と提示していくため物語の起伏もあまりない。涼宮ハルヒフォーマットの新しい形、という表現形のシリーズだけに、物語を継続するには必須の解決課題とはいえ、不思議なことが起こらないと物足りなく感じるのは致し方ないように思う。
読了日:01月26日 著者:鴨志田 一


播磨国妖綺譚 伊佐々王の記◾️播磨国妖綺譚 伊佐々王の記感想
★★★
上田早夕里にしてはほっこりしていた一冊目とは対照的にきな臭い展開に。いろいろオカルト要素てんこ盛りだけど、陰陽師の技術が体系として確立されている感じの設定。那州雪絵の『魔法使いの娘』シリーズに近い描かれ方かもしれない。脳内再生を那州雪絵の画風にすると違和感ないかも。特に鬼や化け物とか。それにしても「おれたちの戦いはこれからだ!」というラストのぶった斬り方が少年マンガっぽい?
読了日:01月27日 著者:上田 早夕里

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