2021年2月に読んだ本2021年03月05日 21時16分14秒

 北村薫版百人一首がめちゃくちゃ濃密で読むのに時間がかかる(楽しいんだけど)中、絵本をなんだかたくさん読んだ。

2月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:2358
ナイス数:86

たくさんのたくさんのたくさんのひつじ (探し絵×おはなし【2歳・3歳・4歳児の絵本】)◾️たくさんのたくさんのたくさんのひつじ (探し絵×おはなし【2歳・3歳・4歳児の絵本】)感想
★★★☆
書影だと区別がつかないけど、表紙の白い丸っこいものはすべてひつじ。ある山のてっぺん、かこいの中にいたひつじたちは、どこからか飛んできたわたげを追いかけて、森に、空に、雪原に、海に、砂漠に、地下に、それからまた森へと、世界をちまちまと旅する…いや、たくさんいすぎるので、中には別のことをしているひつじや、その場所その場所の生きものたち。とても一度では探しきれない。何度でも眺めたくなる一冊。
読了日:02月05日 著者:のはなはるか


ながいながい ねこのおかあさん (MOEのえほん)◾️ながいながい ねこのおかあさん (MOEのえほん)感想
★★★☆
図書館の新刊コーナーにあった。なんというか、タイトルの通り(笑)。…ていうか、タイトル通り過ぎるよ(笑)。
読了日:02月06日 著者:キューライス


だれも死なない (リエゾン・リーブル)◾️だれも死なない (リエゾン・リーブル)感想
★★★★
動物たちの生活が淡々と描かれる小咄? なのだが、アリとリスはひたすら手紙をやり取りし、ゾウはどこかから落ちるかどこかにぶつかる、などなど、そこはかとなく不条理劇っぽい。それにしてもアリとリス、それにしてもアリとリス、それにしてもアリとリス、お前ら、どうかしてるよ! 因みに、この世界では動物たちはみんな同じくらいの大きさ、という設定らしい。アリもリスもゾウも同じ大きさらしい。あと、タイトルにある通り、だれも死なないらしい。それにしても…
読了日:02月07日 著者:トーン テレヘン


0マン (1) (小学館文庫)◾️0マン (1) (小学館文庫)感想
★★★★☆
今年の命日一気読み。この頃の細かいコマ割りなのにそれぞれのコマの中の遠近感や動きの躍動感、モブの一人一人までが生き生き動く感じが手塚治虫。今回読んで思ったけど、吾妻ひでお『アル中病棟』の表現は、この頃の手塚治虫へのオマージュでもあったのかもしれない。
読了日:02月09日 著者:手塚 治虫


0マン (2) (小学館文庫)◾️0マン (2) (小学館文庫)感想
★★★★☆
とにかく、ストーリーのテンポが速くエピソードの切り替えが速く、目まぐるしい展開が地球規模、宇宙規模のスケール感で活写される。災害、戦争の中でも、人間側、0マン側いずれも一枚岩ではなく、各キャラクターもいいこともすれば悪いこともする、シチュエーションによって敵味方入れ替わる。今回ちょっと驚いたのは、序盤の冷凍兵器暴走による人工氷河期の危機が意外と長いスパンで徐々に進行して、その中でいろいろなキャラクターが行動する群像劇になっている点。今の世界情勢で読むと、今更ながらに考えさせられる。
読了日:02月09日 著者:手塚 治虫


マナーはいらない 小説の書きかた講座 (集英社単行本)◾️マナーはいらない 小説の書きかた講座 (集英社単行本)感想
★★★
いつもの調子のスチャラカエッセイかと思いきや、もともとはコバルト短編賞の投稿者に向けたWEB連載の小説の書き方入門…の割には、いつも通り三代目(笑)とかハイロー(笑)とか、スチャラカしまくっている…と思いきや、書かれている内容は実はけっこう真っ当。自分の場合、小説を書くことはないが、先日翻訳したときにいろいろ気を使ったことと通じる内容もままあった。いや、実はけっこういい入門書かもしれませんよ(笑)?
読了日:02月12日 著者:三浦しをん


おーい、こちら灯台 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)◾️おーい、こちら灯台 (評論社の児童図書館・絵本の部屋)感想
★★★★
まだ、灯台が油を芯に灯すランプで、ゼンマイで動かしていた時代の灯台守の暮らしを、調査した資料をもとに生き生きと描き出した絵本。おーいらみーさきのー、とーだいもーおりーいはー。
読了日:02月13日 著者:ソフィー・ブラッコール


7にんのこぐも (きしらまゆこの絵本シリーズ)◾️7にんのこぐも (きしらまゆこの絵本シリーズ)感想
★★★
雲の上に住んでいる7にんのこぐも。雨を降らせたり、雷を光らせたり、雪を降らせたり。どうして7にんなのか、については、読んでのお楽しみ。
読了日:02月14日 著者:きしら まゆこ


サンタのいちねんトナカイのいちねん◾️サンタのいちねんトナカイのいちねん感想
★★★☆
書名が長いけど、これは「サンタのいちねん」と「トナカイのいちねん」。それぞれの過ごす一年は、あの日に向けての準備。一年たったその日こそ…。ほんわかする一冊。
読了日:02月16日 著者:きしら まゆこ


ごちそう たべに きてください (講談社の創作絵本)◾️ごちそう たべに きてください (講談社の創作絵本)感想
★★★★
細密でリアルな筆致だけど、目が、表情がかわいらしい一冊。うさぎさんは季節季節に手に入るものを工夫して、訪ねてくる動物たちをいつもお腹いっぱいにしてくれる。とはいえ、どんぐりやいろいろな木の実はともかく、干柿まで作れるうさぎさん、何でもできるんだねえ。
読了日:02月20日 著者:茂市 久美子,しもかわら ゆみ


この まちの どこかに (評論社の児童図書館・絵本の部屋)◾️この まちの どこかに (評論社の児童図書館・絵本の部屋)感想
★★★★
ざっくりした線で描かれるひとりの子どものお使い? ざっくりしているけど、目をすがめてみると、バスの窓からの光景、ひとりで歩く街中の風景などなどから、写真ぽい写実感を感じる(印象派的?)。そのお使いの目的は? 不思議に味のある絵本。
読了日:02月20日 著者:シドニー・スミス


赤いおおかみ◾️赤いおおかみ感想
★★★☆
人間のペットだった赤毛の犬、ある時、ひょんなことからおおかみのお母さんに拾われるのだが…。狼少女の犬版? とも思える不思議な物語。ちょっとメタ視点っぽい仕掛けもあり。流れるようなシンプルな描線が動きを感じさせる。あと、具体的には文章にはされていないけど、この舞台、時代背景は第二次大戦のドイツとソビエトの戦いの前後のようだ。色々と深読み出来そうな一冊。
読了日:02月20日 著者:フリードリッヒ・カール ヴェヒター


北村薫のうた合わせ百人一首 (新潮文庫)◾️北村薫のうた合わせ百人一首 (新潮文庫)感想
★★★★
データは文庫だがハードカバーにて読了。北村薫が主に現代短歌を2首合わせ、それにまつわる解題エッセイを4ページで語る趣向が50本。選者の「読み」が深すぎて、そのあたりは最近読んだ近著にも通じるが、選ばれた背景を知った上で、最後に百首だけを並べてあり、そんな「読み」を一度忘れて、でも、解題のおかげで個々の短歌の味わいが増した感じで読める。とは言ったものの、それぞれの4ページがふかすぎるので、一つ読んでは休みを入れる必要は感じた。
読了日:02月23日 著者:北村 薫


思い出のスケッチブック:『クマのプーさん』挿絵画家が描くヴィクトリア朝ロンドン◾️思い出のスケッチブック:『クマのプーさん』挿絵画家が描くヴィクトリア朝ロンドン感想
★★★★☆
まさにタイトルの通りの本なのだが、まだ馬車が一般的な乗り物だったヴィクトリア朝時代のロンドンで、両親と姉、兄との5人で幸せに暮らした時代のことを、著者が自分の子どもたちに語って聞かせていたのが、「これを本にして」とせがまれた、というのは、キプリングの『なぜなぜ物語』を連想させる。描かれた人物が今にも動き出しそうな挿絵もリアルだが、当時の生活に文章によるスケッチもまた元気な子どもの姿が目に浮かぶ。序文ではこの数年後には母親は病死、また本編中で兄はのちに戦死していることが語られる。幸せな時代を凝縮した一冊。
読了日:02月24日 著者:E・H・シェパード


やかまし村はいつもにぎやか (リンドグレーン・コレクション)◾️やかまし村はいつもにぎやか (リンドグレーン・コレクション)感想
★★★★
やかまし村完結編。けっこう見開きのイラストが多くて、子どもたちの躍動感がよく感じられる。全部読んだので、ラッセ・ハルストレムによる映画の2作目もそろそろ観よう。
読了日:02月25日 著者:アストリッド・リンドグレーン


くろは おうさま◾️くろは おうさま感想
★★★★
黒の艶消しの髪に、光沢のある樹脂で触っても楽しめる絵と、本文の点訳を印刷した触って楽しむ/目にも楽しい絵本。巻末には展示50音表もある親切設計。
読了日:02月26日 著者:メネナ・コティン


ぼくのたび◾️ぼくのたび感想
★★★☆
ぼくはいつもホテルのフロントで世界中から来たお客さんとお話をする。その日常はモノクローム。でも、ぼくの心はフルカラーの世界で遊びことができる。2015年のこと、ポルトガルのポルトに行った時、日付の変わる頃に現地に着いて、ちょうどこのホテルみたいな建物を目にして、こんなフロントのホテルに泊まったことを懐かしく思い出した。そうだ、もしかしたら、ぼくもこのホテルのお客さんのひとりだったのかもしれない。
読了日:02月26日 著者:みやこし あきこ


ねえねえ あのね (講談社の創作絵本)◾️ねえねえ あのね (講談社の創作絵本)感想
★★★☆
リアルなのに表情が人間っぽい動物たち。表紙にあるひよこからねずみへの耳うちにはじまって、動物から動物へとうれしいことがリレーされていく。そして…。何度でも繰り返し読めそうなうれしい一冊。
読了日:02月27日 著者:しもかわら ゆみ


だれのものでもない岩鼻の灯台◾️だれのものでもない岩鼻の灯台感想
★★★☆
技術が進歩して、使われなくなり、灯台守も去っていった無人の灯台。もう誰のものでもないので、来るもの拒まず、やってくる動物たちを受け入れていると…。国は違うものの、先日読んだ『おーい、こちら灯台』の後の時代の物語としても読める。ざっくりした油彩?のタッチも躍動感があっていい。
読了日:02月27日 著者:山下 明生


よつばと!(15) (電撃コミックス)◾️よつばと!(15) (電撃コミックス)感想
★★★★☆
ああ、そうそう、石拾って、大事にとっておいたよ、子供の頃。よつばと周りの大人たちのいい感じのやりとりに、いつものようにクスクス笑いつつ、とーちゃんがとーちゃんらしくとーちゃんになる姿についじんわり。まあ、一生見守っていきたいですね。
読了日:02月27日 著者:あずま きよひこ

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