2025年5月に読んだ本2025年06月23日 04時26分04秒

 SFセミナー後にオリジナルビール開栓のプチイベントをやったらなかなか好評だったのでよかった。本は相変わらずあっち行ったりこっち行ったり。珍しく少年画報の電子書籍がセールになっていたので、紙でも初刊の頃に読んでいたのを再読。あとは6月読書会向けでウィリアム・ギブスンを。

5月の読書メーター
読んだ本の数:21
読んだページ数:3055
ナイス数:100

エーミールと三人のふたご (ケストナ-少年文学全集)◾️エーミールと三人のふたご (ケストナ-少年文学全集)感想
★★★☆
ケストナー全集版にて。冒頭に前作のあらすじ説明がある親切設計かと思いきや、作者本人も登場人物で、前作のつづきの世界でその前作が小説として刊行されていて……というメタ構造。それがそのまま作品の本筋にも生かされている。とはいえ、ナチス台頭下で執筆されたという背景と、主人公が原子を扱う物理学者に憧れている、というのが1934年に書かれたことを勘案しても、いろいろ考えてしまう。さておき、エーミールは大人になった。おばあさんがいい。
読了日:05月01日 著者:ケストナー


せかいいちのねこ (MOEのえほん)◾️せかいいちのねこ (MOEのえほん)感想
★★★
子どもの頃、手のひらに載るくらいのパンダのぬいぐるみを持っていたのを思い出した。しかし、きもかわいいぬいぐるみのニャンコはともかく、なぜ相方のぬいぐるみがアノマロなのか?
読了日:05月02日 著者:ヒグチユウコ


いらないねこ (MOEのえほん)◾️いらないねこ (MOEのえほん)感想
★★★☆
子育てから子離れまでを追体験できるかのような一冊。前作でもぬいぐるみと生きたねこの違いに言及はあったし、子猫を拾うエピソードもあったけど、今回は冒頭の捨て猫のシーンから過酷な展開があり、一冊通して生と死を意識させる。
読了日:05月03日 著者:ヒグチユウコ


SPY×FAMILY 14 (ジャンプコミックス)◾️SPY×FAMILY 14 (ジャンプコミックス)感想
★★★☆
テストで星と雷同時ゲット(笑)…からのダンスパーティ。そこから老いた二人の戦時中のエピソードに。痛ましい話だが、現代版『はだしのゲン』の役割はこういうマンガが担うことになるのかも。
読了日:05月04日 著者:遠藤 達哉


ペンギンのトビオ◾️ペンギンのトビオ感想
★★★☆
ペンギンのトビオくんが文通相手のホッキョクグマと初めて会うために飛行機に乗る。子どもを飛行機に乗せる前に読ませるといいのかも、という感じの旅行ガイドとしても読める。目的地にちょっとびっくり?
読了日:05月04日 著者:斉藤倫,うきまる


ニューロマンサー◾️ニューロマンサー感想
★★★☆
初刊時以来の再読。リアルタイムで読んだ時は『ブレードランナー』文脈で気づきにくかったけど、けっこうまんま『虎よ、虎よ!』な作品だったんだなあ、というのが正直な感想。身体の内外に聖痕を刻み込まれたピカレスクヒーローが地獄めぐり的な彷徨を地上から宇宙空間まで繰り広げ、宿敵の行き着く果てには怪しげな美女の影が。便利な設定フリップも超能力の一変形か。ただ、1980年代的風俗が強調されている結果、今読むと『虎よ、虎よ!』の方が古びていなくて、主人公のバイタリティも強烈だ。あと、この系譜が伊藤計劃に連なると思う。
読了日:05月07日 著者:ウィリアム・ギブスン


いかあげ たこあげ★★★
いかあげ たこあげ
感想
いかとたこがたこあげをしていると……エスカレートする言葉遊びが楽しい。
読了日:05月07日 著者:高畠じゅん子


ほんやのねこ (MOEのえほん)◾️ほんやのねこ (MOEのえほん)感想
★★★☆
時系列では前の2作とつながっているんだけど、味のあるキャラだったほんやのねこの日常を描く異色の一冊。何から何まで想定外、斜め上(笑)。そんな中、ちょっとした後日談には涙したりほっこりしたり。
読了日:05月10日 著者:ヒグチ ユウコ


SPY×FAMILY 15 (ジャンプコミックス)◾️SPY×FAMILY 15 (ジャンプコミックス)感想
★★★★
かつてはドラマ、マンガ、小説などでよく描かれてきたシチュエーションの悲恋。日本のことは今ではたまに朝ドラの戦中戦後で描かれるが、前巻の感想でも書いた通り、現代で少年誌でこういったシチュエーションを描くにはこのマンガのような架空の枠組みが必要ということかもしれない。それにしても戦時のエピソードはどれも切なく、ちょっと読むのにエネルギーがいる。ただ、作者サイドも冷戦シミュレーションマンガの味付けとかではなく、それなりの覚悟は持って過去編を描き続けているのかも、という気もしてきた。
読了日:05月10日 著者:遠藤 達哉


超人ロック 聖者の涙 Volume.1 Locke The Superman Tears of The Saint 1 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)◾️超人ロック 聖者の涙 Volume.1 Locke The Superman Tears of The Saint 1 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)感想
★★★
電子書籍セールの機会にまとめて購入。書誌的には、オリジナルの連載が1991年で少年キング〜少年KINGの長期連載が一旦終了した後のまとまった連載としては初めての長編でもあり、1エピソードが全3巻前後で、ロックが正体を隠して銀河規模のトラブルシューティングをするという基本フォーマットの作品群となっていった流れとしても初めてものと言えるかもしれない。コミックスが出た当初に読んで以来の再読だが、帝国後の新連邦でまだ「超人ロック」の存在や帝国時代のテクノロジーが社会では普通に認識されている。
読了日:05月11日 著者:聖 悠紀


超人ロック 聖者の涙 Volume.2 Locke The Superman Tears of The Saint 2 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)◾️超人ロック 聖者の涙 Volume.2 Locke The Superman Tears of The Saint 2 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)感想
★★★
ロック自身が強烈な暗示で敵方に回る中での群像劇。そんな中、連邦、敵方のそれぞれにの自信過剰なエスパー、快楽殺人にしか興味のないエスパーなどが野放図に行動して、再読した視点ではかなりカオスな状況。
読了日:05月11日 著者:聖 悠紀


超人ロック 聖者の涙 Volume.3 Locke The Superman Tears of The Saint 3 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)◾️超人ロック 聖者の涙 Volume.3 Locke The Superman Tears of The Saint 3 (エムエフコミックス フラッパーシリーズ)感想
★★★
カオスな状況そのものがラスボスの破滅を招いたものの、紙一重で麻薬組織は壊滅、拡大期の混乱にあった連邦が改善方向に向かうことを示唆して収束。銀河帝国や超人ロックがいったんは伝説になっている世界。執筆順ではこの後に『ニムバスと負の世界』を含む初期3部作を再構築しつつ、作品世界を広げていくことになるが、その端緒となった作品だろう。作劇は2000年代と比べるとまだ粗く、SF要素も「電子使い」のサイバーパンクくらいまでだが、この時点の作品を再読すると、改めて後年の作品群のアイデアのバリエーションに驚く。
読了日:05月12日 著者:聖 悠紀


漫画 君たちはどう生きるか◾️漫画 君たちはどう生きるか感想
★★☆
正直、アニメのモチーフ(当然ながら原作とは思っていない(笑))になると聞くまで知らなかった本。人生を通じて綺麗事を貫けるか。マンガとしては微妙だが、おじさんのノート部分は活字の本として、主人公の行動の部分がマンガなので、まあ、本として読むよりとっつきやすいつくりなのは間違いない。星崎真紀のマンガにあった「よい子菌」をちょっと思い出した。
読了日:05月12日 著者:吉野源三郎


ルソンバンの大奇術 (福音館創作童話シリーズ)◾️ルソンバンの大奇術 (福音館創作童話シリーズ)感想
★★★
美味しそうだったパンはもったいなかったかな。しみじみといい話っぽく展開してきて、あれ、これでおしまいなの? という唐突感あり。
読了日:05月14日 著者:牡丹 靖佳


からかい上手の(元)高木さん (21) (ゲッサン少年サンデーコミックス)◾️からかい上手の(元)高木さん (21) (ゲッサン少年サンデーコミックス)感想
★★★☆
中学生の頃からまだ愛読してるのか、あの少女マンガ(笑)。夫婦でセリフまで暗唱できそうなヘビーローテーション(笑)?
読了日:05月16日 著者:稲葉 光史


はたらく本屋 (写真絵本 はたらく)◾️はたらく本屋 (写真絵本 はたらく)感想
★★★☆
最寄駅の近く(地下街?)にあるっぽい地元書店の一日。開店から閉店まで割合人の流れが絶えない中での本屋さんの仕事を写真で綴るが、立地によってはこんなに人が来ない書店が多く、どんどん廃業していってるんだろうなと思うと、ちょっと複雑な気持ちにもなる。この書店が長く続きますように。
読了日:05月17日 著者:矢萩 多聞


しあわせなおばあちゃま◾️しあわせなおばあちゃま感想
★★★☆
いっしょに暮らす海鳥がいなくなって、おまわりさんに探してもらうことにしたおばあちゃま、なんだけど、探索行の意味ありげな伏線?の数々、どうなるのか、と思ったら意外な解決、あれ、あれとかこれとか、どうなったんだっけ? めでたしめでたしだけど気になる。
読了日:05月18日 著者:ドロシー クンハート


ねずみのモナとはじめてのジェラシー◾️ねずみのモナとはじめてのジェラシー感想
★★★
登録を忘れてたっぽいシリーズ3冊目。まさかの生き別れの再会とか、フェスティバルのあれこれとか、まつぼっくり新聞とか、いろいろからんでラストは大団円。
読了日:05月18日 著者:ケイリー・ジョージ


ぼくのおじいちゃん◾️ぼくのおじいちゃん感想
★★★
働いているライトさんとおじいちゃんの対比。定年過ぎたので、こんなふうに楽しく暮らしていけることを希望したい。
読了日:05月19日 著者:カタリーナ・ソブラル


MOE (モエ) 2025年5月号 [雑誌] (巻頭特集 いとしのミッフィー| とじこみふろく MOEオリジナル A5サイズ ミッフィーシール | 絵本ふろく 菊田まりこ「わたしのおそろい」 )◾️MOE (モエ) 2025年5月号 [雑誌] (巻頭特集 いとしのミッフィー| とじこみふろく MOEオリジナル A5サイズ ミッフィーシール | 絵本ふろく 菊田まりこ「わたしのおそろい」 )感想
★★★☆
よく見るけど実はあまり知らなかったミッフィーのことがいろいろわかった。
読了日:05月20日 著者:


校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる◾️校正・校閲11の現場 こんなふうに読んでいる感想
★★★☆
文芸、雑誌から辞書、法律書、さらにはウェブまでの校正の現場で行なわれていることをインタビューでつづる。趣味で編集、本業では論文投稿と査読などをやっていると、「校正」的なことをやらない日はない。現場は違えど、取り組むスタンスや考え方は相通じるものだと実感した。
読了日:05月25日 著者:牟田都子

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