2023年12月に読んだ本2024年01月17日 13時42分36秒

 なんだかすっかり電子書籍で本を読む人になりつつあり(笑)。そんな中、『本好きの下剋上』完結記念で第一部合本無料、第二部と第三部の合本も数百円という破格サービスにつられて読み始めてしまう(笑)。なんというか、手書き時代からファンジンを作ってきた身からすると人ごとと思えない手作り本造りトライにどっぷりハマる(笑)。

12月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:4260
ナイス数:112

文学キョーダイ‼◾️文学キョーダイ‼感想
★★★★
普段そんなに接触なく、別々の道に進んでいた姉と弟が同時期にロシア/ソビエトに材をとった本で話題になったというのが家庭内収斂進化?みたいで面白いのだが、対談してみてもお互い丁寧な感じでその不思議な距離感のまま認め合っているのがいい。トルストイ好きのおじいちゃんの話が好きだなあ。一方、今の日本についての歯に衣着せぬ議論は「こういう本がまだちゃんと出版できる」ことのありがたみを感じる(とはいえ対談でも危惧されている通り、現状は悪い方に向かっているが)。
読了日:12月02日 著者:奈倉 有里,逢坂 冬馬


サンタさんは どうやって えんとつを おりるの?◾️サンタさんは どうやって えんとつを おりるの?感想
★★★☆
いつもながら不思議な味のある画風で、サンタをめぐる「あの謎」に迫る!? いろいろな仮説が示されるものの…。因みに今回に訳文は関西弁ではない(笑)。
読了日:12月02日 著者:マック・バーネット,ジョン・クラッセン


リトルレッドのクリスマス (創作絵本シリーズ)◾️リトルレッドのクリスマス (創作絵本シリーズ)感想
★★★☆
友だちのリトルブルーと森にもみの木をとりに行ったリトルレッド。サンタさんとはもともと友だちだったり、魔法っぽいことがナチュラルにできたり、謎が多い。森までの道々、サンタさんのお手伝い、森からの帰り道に起こる出来事が常に想像の斜め上を行くフリーダムな展開で飽きさせない。
読了日:12月02日 著者:セーラ ファーガソン


いなり、こんこん、恋いろは。(1) (角川コミックス・エース)◾️いなり、こんこん、恋いろは。(1) (角川コミックス・エース)感想
★★★
単純に電子書籍のセール品のリストで絵がかわいかったので。刊行年を見たら1巻出たのが2011年の作品か。タイトルに聞き覚えがあると思ったら、アニメ化もされていたようだ。ひょんなことから神様の力を分けてもらって他人の姿に変身できるようになった主人公いなりを含め、出てくるキャラクターが、高天原の神々含め、みんなどこかしらポンコツ要素ありなのが微笑ましい。
読了日:12月03日 著者:よしだ もろへ


詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)◾️詩歌川百景 (1) (フラワーコミックス)感想
★★★★
3巻が出てちょっと経つけど、複雑な人間関係がなかなか頭に入らないので頭から再読。つくづく閉塞感のきつい話だ。子どもは親を選べないし、育つ土地も選べない。前作の主人公と一時は家族だった男の子のひとりが今では更生不能なまでに堕ちてしまっていること、それが今回の主人公にとっては子どもなりに行なった(行なわざるを得なかった)決断とつながっている,というのはなんともやりきれない。善意の連鎖、という印象だった前作と比べると、今作は些細な悪意の連鎖、それとの対峙が主テーマなのかもしれない。
読了日:12月05日 著者:吉田 秋生


いなり、こんこん、恋いろは。(2) (角川コミックス・エース)◾️いなり、こんこん、恋いろは。(2) (角川コミックス・エース)感想
★★★
2010年代初頭にしてもいろいろ設定、キャラクターが狙いすぎの感は否めないものの、丁寧な画風、表情などの演出、知らなかった相手と仲良くなっていくプロセスなどがわりあい読ませる。神力の扱いがやや不穏っぽく描かれているのは伏線か?
読了日:12月07日 著者:よしだ もろへ


レストランふろ◾️レストランふろ感想
★★☆
「レストランふろ」の暖簾をくぐったさきには、なんだか美味しそうなお風呂が手を替え品を替え…。ちょっと宮沢賢治の某作のような展開を予想していたんだけど…。うん、まあ、これはこれで(笑)。
読了日:12月08日 著者:麻生 知子


かげきしょうじょ!! 14 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 14 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
まさかの母登場と歌舞伎サイドでの仕組まれた?スキャンダルの波紋がさらさの決断を促す展開。この騒動が後を引きそうな感じのまま、いよいよ文化祭準備へ。101期の後輩の番外編も重めの内容。とはいえ、カタブツっぽい先生の現役時代の必殺技がいい(笑)。
読了日:12月08日 著者:斉木久美子


ペンギンたんけんたい あのひはもうすぐ (講談社の創作絵本)◾️ペンギンたんけんたい あのひはもうすぐ (講談社の創作絵本)感想
★★★
いつものごとくカヌーをこいで北極までやってきたペンギンたんけんたい……なんだけど、今回の任務は探検?じゃないような? コンセプトは表紙でわかる通り(笑)。
読了日:12月09日 著者:斉藤 洋,高畠 純


しあわせなモミの木◾️しあわせなモミの木感想
★★★☆
都会化してやや裕福寄りの住民(窓掃除も自分ではやらない)の街になった中、一軒だけ空き家だった住宅に越してきたおじさんは、荒れていた家を自分で掃除して、捨てられそうになっていたもみの木を引き取ってくる。それから、子どもたちが大きくなるくらいの時間が経ってみると…。ほっこりする絵本で、こんなクリスマスツリーがあるといいな、と思うけど、本当にやろうとすると大変なことになっちゃうかも?
読了日:12月09日 著者:シャーロット ゾロトウ


【小説1巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘1」◾️【小説1巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘1」感想
★★★☆
シリーズ完結記念らしい電子書籍セールでまず合本版第一部を。地震で本の下敷きで…というのは、自分の住んでいる県で確か実例あったような…。一般にはチートなしの異世界転生もの、と分類されるんだろうけど、古いSFファン的には、現代の知識を使ってサバイバルするこのタイプは『大江戸神仙伝』フォーマットとでも呼びたいところか? とはいえ、衛生状態の悪い文明レベル世界の病弱な子どもに、というのはなかなかハードル高い設定ではある。
読了日:12月12日 著者:香月美夜


愛してるゲームを終わらせたい (5) (サンデーうぇぶり)◾️愛してるゲームを終わらせたい (5) (サンデーうぇぶり)感想
★★★☆
ついに3日間限定の恋人トライアル…なんだけど、ふたりともやることがバグってていろいろ斜め上の展開に(笑)。なんというか、本当に付き合いはじめてもおんなじようにお互いに妄想して脱線していきそう(笑)?
読了日:12月13日 著者:堂本 裕貴


【小説2巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘2」◾️【小説2巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘2」感想
★★★☆
前回、古代文明の記録媒体?再現にことごとく失敗して、ようやく紙の製造にトライ。使う道具から自分たちで作らなくてはいけないのが大変。「紙」の商品価値と引き換えに出資を取り付け、試作品から量産化への道をつけつつ、前世の「おかんアート」のクラフト技術で将来への預金も。今のところ魔術が商人のための用途でしか出てこないのが面白い。主人公の唯一のチートが前世の「技術」に関する「知識」なので、商人とのやりとりも知的財産の交渉そのもの。そのあたりはジャンルは違うけど高田郁『銀ニ貫』『みをつくし料理帖』あたりに通じるかも。
読了日:12月16日 著者:香月美夜


ファイブスター物語 6 (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 6 (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★★☆
この巻あたりから絵が細密になり、キャラクターも安定感が出てきて読んでいてそういう意味での違和感というか引っ掛かりがなくなって来た。何度目の再読か数えていないが、今の視点で読み直すと、本筋のストーリーはトラフィックスのパートも含めて割と時系列も流れも一本道だったんだな、という印象。後にならないと意味がわからないセリフや設定、カットバックで挟まる未来や過去の断片にシャッフル感を感じた過去に読んだ時とはけっこう印象が変わってきた。あと、キャラクターのモラルもへったくれもないアナーキーぶりもいい。
読了日:12月16日 著者:永野 護


ファイブスター物語 第7巻 (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 第7巻 (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★★★
MH戦ではブラフォード・京vsアトロポス戦の緊張感、一方、MHを出すタイミングを探り合う中、歩兵を含む地上戦で悪役的なメイユ・スカが戦闘指揮官としてはかなり有能だったり、部下にも慕われていたり、劣勢のAKD側の新兵たちの群像劇などが入り乱れて読み応えあり。このあたりで物語としてのグレードが一気に上がった感がある。ついでながら、各地で戦争が続く今読むと、退却する兵士を憲兵隊が監視する描写などは複雑だ。
読了日:12月17日 著者:永野 護


ファイブスター物語 第8巻 (ニュータイプ100%コミックス)◾️ファイブスター物語 第8巻 (ニュータイプ100%コミックス)感想
★★★★
第4話放浪のアトロポス編、超絶変態的な新型から旧型まで続々登場する派手なMH群以外に、現場の兵士たちを双方ともじっくり描くかと思えば、ジョーカーの正体をめぐる挿話もあり、天照の誕生秘話あり、どれだけ詰め込んでるのか。しかも命の水をめぐる攻防戦と考えると完全に敗北で後の魔導大戦のきっかけにもなっていて、今回の大規模戦闘の無意味さが強調される。
読了日:12月17日 著者:永野 護


【小説3巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘3」◾️【小説3巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘3」感想
★★★★
民間企業の開発の仕事をしていると、会社側としては技術を囲い込んで競合を排除したい、一方で、囲い込みすぎた技術は普及しない。ベンノやギルド長とマインの両方の言い分がまあまあよくわかる。しかし身食いについて伏線はあったとはいえ、そういう展開で来るか!? 第一部完!
読了日:12月22日 著者:香月美夜


みどりいろのつりがね◾️みどりいろのつりがね感想
★★★☆
イワンのかね、というかイワンの畑から掘り出されたかねはよい音を響かせて人々に好かれていたが、尊大な皇帝がかねを我が物にしようとやってきて…。色と形がなんだか銅鐸っぽいかも。まあ、ともあれ、ロシアで皇帝というとこういう人が多いんだろうか…?
読了日:12月22日 著者:オトフリート・プロイスラー


パーマさんは パーマやさん クネクネさんのえほん (日本傑作絵本シリーズ)◾️パーマさんは パーマやさん クネクネさんのえほん (日本傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
クネクネさんのお友だちのパーマさんはタイトル通りのパーマ屋さん。道具を自転車に移動パーマ屋(!)をしている!? のせちゃうパーマがあるから、髪が短くても生えてなくても大丈夫!? それにしてもスイカはどこに!? まさか次の巻?まで持ち越しだったりするのか!?
読了日:12月22日 著者:樋勝 朋巳


【小説4巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い1」◾️【小説4巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い1」感想
★★★☆
虚弱で幼い兵士の娘から商人見習い、竣工予定の工房の工房長というルートでレベルアップしていたマインが、図書室があるというだけの理由で巫女見習いにルート変更。関わる人が比較的好意的だった平民の環境から、しきたりや人間関係的に悪意が先に立つ神殿の状況が厳しい。ここでもこの世界の常識に穴をあけていく感じで改善活動を進め、仲間を増やし、できることを増やしていく。しかし電子書籍だからボリュームを気にせず読み進めてるけど、一巻一巻が長いな。
読了日:12月26日 著者:香月美夜


【小説5巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い2」◾️【小説5巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い2」感想
★★★★
古代文明の再現に次々と失敗し、材料探しや道具造りから始まった紙製造が軌道に乗り、インク製造から印刷方法までお手盛りでついに児童書絵本が完成。あと、神殿の図書室が荒らされたことがきっかけで司書っぽい仕事もできたり。ここまでのところ、いい感じにお仕事小説になっているな、と思ったら、いきなりの魔法世界が展開されて一気に転生ものっぽくなった(笑)。やっぱり主人公はチート!? 絵本完成の瞬間とエピローグに二回目頭が…。ここまでで第二部前半。後半の展開が読めないけど、まあ、印刷方法は進展していくんだろうな(笑)。
読了日:12月27日 著者:香月美夜


【小説6巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い3」◾️【小説6巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い3」感想
★★★★
現代日本で本の下敷きになって、虚弱な女児として衛生状態も悪い平民の家庭に転生した主人公が、現代の知識を元に生活改善と知識の切り売りから製紙産業を興し、印刷産業版『大江戸神仙伝』になるのかと思っていたところで、実は虚弱の原因でもあった魔力がもとで神殿の巫女見習いにジョブチェンジして、身の危険も感じる不穏な展開に。とはいえ、前巻での版画印刷での絵本に続き、今巻ではついに金属活字が…。異世界版プロジェクト・グーテンベルク(この世界では別の意味だが(笑))!? とはいえ、エピローグ最後の一行がいかにも不穏だ。
読了日:12月30日 著者:香月美夜


【小説7巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い4」◾️【小説7巻】本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習い4」感想
★★★★
色インクの開発で女性研究者?ハイディ登場。基礎理論は不明でも使えればいい商業視点と原理を解明したい科学者視点がきちんと描かれているのがいい。基礎研究に理解にあるパトロン、うちにも欲しい(笑)。そんなこんなで印刷業は進展しつつも、前巻の仄めかし通り…というかそれ以上にシビアでハードな展開に。とはいえ、キャラクターの関係性を丹念に描くこの作品で、次のジョブチェンジへの説得力を持たせるには、確かにこのくらいの展開は必要だろう。しかし、部ごとのサブタイトル(読了前に第3部の書名を見ちゃった)がプチネタバレ(笑)?
読了日:12月31日 著者:香月美夜

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