2022年3月に読んだ本2022年04月09日 09時55分13秒

 定年まで3年を切ったタイミングでまさかの異動(笑)。といっても、これまでビール系の開発のブルワーと兼業的にやっていた研究系のあれこれをメインに据える、という位置づけなので仕事の内容はそんなに変わらない。とはいえ、引き継ぎはいろいろあるのでばたばたして冊数は少なめかも。

3月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:2298
ナイス数:93

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ (ハヤカワ文庫JA)◾️ツインスター・サイクロン・ランナウェイ (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★☆
『2』読み始めたらあまりにも前回からのストレートな続きになってて(続編じゃなくて長編の1巻、2巻だよこれ)、話がつながらないので前作読み返した。そうそう、こういう話だった。思った以上にスカッと楽しく読んでスカッと中身忘れてたよ(笑)。
読了日:03月06日 著者:小川 一水


しろいうさぎとくろいうさぎ (英語日本語CD付 英語絵本)◾️しろいうさぎとくろいうさぎ (英語日本語CD付 英語絵本)感想
★★★☆
いつもなかよしのしろいうさぎとくろいうさぎ。でも、いつもの遊びの合間合間に、なんだか淋しそうなくろいうさぎ。その理由は…。と、内容を伏せて紹介しても、原題がすべてを語ってるよ(笑)。本文は英語でCD付き。英語は平易で、原文で十分楽しめます。
読了日:03月15日 著者:ガース・ウイリアムズ


第一藝文社をさがして◾️第一藝文社をさがして感想
★★★★☆
戦前から戦中の時期に生花の本、詩集、映画評論などの良書を精力的に発行していたらしい第一藝文社という出版社、その出版社を作り、本を作っていた人物への興味から、その生涯を一次文献を丹念にあたって描き出す。ノンフィクションとしての風合いは『星新一 一〇〇一話をつくった人』に近い。また、調査から詩人や評論家の意外な人脈が浮かび上がるスリリングさは『太宰治の辞書』のような味わいもある。題材がかつて存在した「ひとり出版社」、ということで、なるほど夏葉社から出る本にふさわしい。
読了日:03月17日 著者:早田 リツ子


オズの魔法使い◾️オズの魔法使い感想
★★★☆
ふだん映画やいろいろな版の児童書で見るイメージとちょっと違う、でもとても納得感のあるイラストで綴られる『オズの魔法使い』。江國香織の児童文学らしい素直な訳文も読みやすい。それにしても、改めて読むと「こんな話だったっけ(だったんだ…)」感が…(笑)。
読了日:03月19日 著者:L.フランク ボウム


ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-35)◾️ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-35)感想
★★★☆
ということで、前作を思い出してから通読。思った以上にガチ百合なのはともかく(笑)、SF的な設定のアクロバットもグレードアップ。ラストが今いるところからのランナウェイになるのは共通の物語構造? 今回エピローグとなって、二部作で完結でも大丈夫な構成ではあるが、まだまだ続けられる要素も仕込まれている。
読了日:03月19日 著者:小川 一水


珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)◾️珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
★★★☆
本屋の平積みで人気ありそうだな、と思って気になってはいたシリーズ。まさか、読書メーターの献本に当選するとは。さっそくの1巻、前半はふーん、という感じで読んでたら、終盤の展開でけっこうびっくり。作中のバリスタの淹れるコーヒーは美味しそうで、自分で淹れたコーヒーを飲みながら読むのもまたよし。
読了日:03月21日 著者:岡崎 琢磨


怪物園 (福音館の単行本)◾️怪物園 (福音館の単行本)感想
★★★☆
『街どろぼう』の好きな人にはこちらもオススメ、という感じ。街ごとどろぼうされるんじゃなくて、街が自分で歩いている怪物園(◯◯◯の動く◯、っぽい?)。うっかり口を開けていたら、中に住む怪物たちが出てきちゃって、いわゆる百鬼夜行状態で、人間の街は外出禁止に…。外に出れない子どもたちは身近なものを乗りものに見立ててごっこ遊びに興じるのだが…。一見不条理なシチュエーションと、裏腹にほんわかした空想が斜め上の展開を見せる怪作。こんなの、どうやって思いつくの!?
読了日:03月22日 著者:junaida


南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)◾️南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)感想
★★★★
金原瑞人御大の編訳によるホラーアンソロジー。冒頭の「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」はポーの同題の長編の一部を引いて新たなホラー短編に仕立てる趣向。他の短編のセレクト、訳文とも納得感しかない職人芸。佐竹美保さんのイラストもカラー表紙、各短編の扉絵でタッチがまるで異なり、古風を狙いつつ古く見えない味わいでいい。
読了日:03月25日 著者:


ヴァレンカのちいさな家◾️ヴァレンカのちいさな家感想
★★★★
ロシアの西で戦争が起こったころのお話。それにしても、現実は絵本のようにはいかない…
読了日:03月25日 著者:ベルナデッテ ワッツ
もりのおもちゃやさん (もりはおもしろランド( 5))◾️もりのおもちゃやさん (もりはおもしろランド( 5))感想
★★★
シリーズ5冊目はおもちゃやさん……、といっても、元からあったのではなく、たぬきさんが「何かおみせを始めよう」と思いついてノープランで開業しちゃう、という無茶なお話(笑)。発端も無茶だけど、もりのなかまたちが持ち寄るおもちゃもなんだか無茶だ(笑)。どうやって動いてるんだ(笑)!?
読了日:03月26日 著者:舟崎 靖子


日本の神話えほん (1) あまのいわや◾️日本の神話えほん (1) あまのいわや感想
★★★☆
ポール・コックスの画・ブックデザインによる日本神話の絵本。シンプルな画が味わい深い。とはいえ、こうしてあらためてこの神話の内容を見ると、こういう神話が成立する前提として、地震、火山、台風などの大災害や、理不尽なDV、それを心根はやさしい人なんだから、といったんは許してしまう集落の事情などがあったのかな、と、今の視点で読むと考えてしまったりもする。
読了日:03月26日 著者:ふしみ みさを


シャーロック・ホームズの事件簿◾️シャーロック・ホームズの事件簿感想
★★☆
ホームズをなるべく原著刊行順に全部読むマラソン、ついに完走…。近隣の図書館に同じ訳者、文庫では揃いがなく、作品ごとにまちまちに読んだので、新潮文庫版で3編ほど取りこぼしがあるけど、そのくらいは誤差の範囲、ということにしたい。オーラスの短編集に至ると、もはや謎解きは一応あるものの、バディもののキャラクター小説という印象。集中のベストはやはり『バスカヴィル家の犬』でいいんじゃないかな(作風はシリーズ中でも異色だけど)。
読了日:03月26日 著者:アーサー コナン ドイル


シャーロック・ホームズの建築◾️シャーロック・ホームズの建築感想
★★★★
ちょうどマラソン(笑)を終えるタイミングで読めたので各作品復習にもなった。正典の記述をもとにしつつ、登場する建物の建設時期や様式などに則り、原著の英語での記載とも照合しながらそれぞれの建物の外観と間取りを形にしていく。シャーロッキアンの間でも「問題」と呼ばれる矛盾っぽい記述にも独自解釈で対応しているのもすごい。世界的にも、この切り口でのホームズがらみの建築へのアプローチはなかった、とのことで後世にも残ると思われる名著。とはいえ、あとがきで明かされる執筆のきっかけはちょっとほほえましい。
読了日:03月31日 著者:北原 尚彦

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