2022年7月に読んだ本2022年08月12日 02時38分47秒

 いつになく脳みそがマンガのフェーズに入ったのは、先月からのやまじえびね祭りの余波か? やまじえびね作品はコミックビーム移籍後の既刊は既に電子書籍でしか入手できない現実に驚きつつ、フォローできていなかった期間の代表作『レッド・シンブル』を読んだら、あまりのハードな内容に驚愕。あとは、たまたま初日に観に行けた萩尾望都展会場の先行で入手できた『百億の昼と千億の夜』完全版に改めて感動。過去の版でもっともペンタッチの繊細さを堪能できる仕上がりで、紙の本の意義を再確認できた。ある意味対照的な体験?

7月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:4474
ナイス数:127

きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)◾️きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
アニメでは何度も観ているけど、絵本で読むのはこれが初めて。映像で観ても不思議な話だけど、絵本で読んでもやっぱり不思議だ。
読了日:07月01日 著者:ユーリー ノルシュテイン,セルゲイ コズロフ


スウィート・ラヴィン・ベイビー (Feelコミックス)◾️スウィート・ラヴィン・ベイビー (Feelコミックス)感想
★★★☆
『LOVE MY LIFE』『インディゴ・ブルー』で地歩を固めたことで、1990年代の短編を集成した短編集がまとめられた。あとがきでは「調子の悪い時期」に描いたとされる「深雪」が後の方向性の萌芽を内包していた、というのが興味深い。古い作品はLaLaでのデビュー当時の独特のリズム感、会話のセンスが感じられて、そういうところがデビュー作からのファンにはちょっとうれしい。
読了日:07月01日 著者:やまじ えびね


香君 上 西から来た少女◾️香君 上 西から来た少女感想
★★★☆
ファンタジー的世界に生化学的な要素を入れ込む著者の作風。『鹿の王』ではその世界の医療、薬学などのレベルからウイルスといえる概念が学問として普及していることに違和感があったが、今回は「香り」の持つ植物どうし、あるいは昆虫とにコミュニケーションという概念に、異能的な嗅覚を持つ「香君」という設定を組み合わせることで、科学者視点で読んでも違和感ない物語になっていると感じた。まだ設定が明かされていない作中の主要作物が農芸化学者的に都合良すぎる印象もなくはないものの、いつもながらテンポのよい物語展開でするする読める。
読了日:07月03日 著者:上橋 菜穂子


香君 下 遥かな道◾️香君 下 遥かな道感想
★★★★
すれた読者的には、この食物連鎖の設定に物語の展開から逆算したような作り込み感を感じてしまったりもしながら読み進めていたし、登場人物の配置にも同様の印象を持ったところはあるのだけど、それでもぐいぐい読ませる物語の力、また「香君」のあり方をめぐる終盤の展開には感銘を受けた。香君といえる存在の異能がすべてを収拾するのではなく、それがこの世界における仮説と検証のプロセスのトリガーに過ぎず、それから科学が生まれていく予感につながるのが見事。謎がすべて解かれず残っているので、『獣の奏者』のような続編展開もありそう。
読了日:07月04日 著者:上橋 菜穂子


八百夜(1) (ウィングス・コミックス)◾️八百夜(1) (ウィングス・コミックス)感想
★★★
4巻出たところで再読。改めて読むとこの世界の有様や主人公の独り言に気になる描写がいろいろある。
読了日:07月07日 著者:那州 雪絵


ザ・ウルトラマン 単行本初収録&傑作選(下)◾️ザ・ウルトラマン 単行本初収録&傑作選(下)感想
★★★☆
子どもの頃、学習雑誌に載っているウルトラシリーズやテレビ放映の前にマンガになったジャンボーグAが同じ人の作品であることはわかって読んでいた。その中でも、増刊号に載っていてラストでウルトラ兄弟がすごい数の怪獣と戦いながら力尽きていくという衝撃の展開が印象に残っていた作品があったのだが、今回収録の「かがやけウルトラの星」がまさに記憶にあるラストシーンだった。この歳でこれが読めるとは。あとは、久しぶりにメロス大活躍の「対アヌビス」が読み応えあった。
読了日:07月09日 著者:内山まもる


地上最強の男・竜〈1〉 (1977年) (サンコミックス)◾️地上最強の男・竜〈1〉 (1977年) (サンコミックス)感想
★★★
空手の試合で強すぎて相手を殺してしまった主人公が、死んだ空手家の恋人と空手の師匠から命を狙われる。設定も展開も妙に緻密な絵柄も、画面を彩る仏教からキリスト教までごった煮のあれやこれや…。どういう頭をしているとこんな話を思いつくのか、子どもの頃も唖然として読んでいた記憶があるが(連載で雑誌を毎週読んでいた)、今読んでもまったく理解できない(笑)。とはいえ、この不思議な絵柄の力には圧倒される。
読了日:07月14日 著者:


地上最強の男・竜〈2〉 (1977年) (サンコミックス)◾️地上最強の男・竜〈2〉 (1977年) (サンコミックス)感想
★★★☆
上巻に続き、さらに斜め上の展開は続く。空手の師匠の念力が救世主を蘇らせた!? 竜を倒すために救世主が呼び出したのは宮本武蔵とブルース・リー!? そして、そこまで狙われる竜の意外な正体とは!? という話はさておき、画面を眺めていると、デビルマンやバイオレンス・ジャックの黄金都市編あたりまでは、おそらくアシスタントで参加していたと思われるこの風忍のタッチが、あの時期の永井豪作品に独特の緊張感を生んでいたのではなかったか、という気がする。真偽はいかに?
読了日:07月14日 著者:


やりなおし世界文学◾️やりなおし世界文学感想
★★★★
連載でもちらっと読んでたけど、まとめて読むと圧巻。書評というより名エッセイ。もともとこの著者のお名前はエッセイが面白くて覚えていたのだが、読んでなかった(ものが多い)名作を毎月課題図書のように読んで軽妙洒脱に紹介。読む順番からくる考察もちらほらあるので、通しで読むとその深まりも味わえる。あと、ビクトル・エリセとかフィオナ・アップルとか、本以外の趣味嗜好にも親近感。
読了日:07月16日 著者:津村 記久子


八百夜(2) (ウィングス・コミックス)◾️八百夜(2) (ウィングス・コミックス)感想
★★★☆
表紙にもある通り、ヤオの物語に夢中になるうちに、どんどん元気な女の子っぽくなっていくアケトがかあいい。一方でポスト・アポカリプスっぽい描写も増えてきた。もともとカタカナの地名に「匂わせ」も仕込んであったし、今回もさらに…。
読了日:07月16日 著者:那州 雪絵


八百夜(3) (ウィングス・コミックス)◾️八百夜(3) (ウィングス・コミックス)感想
★★★☆
今回は表紙の二人の過去のエピソードが多い。とはいえそれもこの世界の背景の一部。言葉の通じない異人の襲来も不穏。それにしてのヤオの語る物語は我々の知る昔話のアレンジぶりがなかなか楽しい。とはいえ、作り話しかしないというのは,もしかして信頼できない語り手!? もしかしてタイトルの八百って…??
読了日:07月17日 著者:那州 雪絵


八百夜(4) (ウィングス・コミックス)◾️八百夜(4) (ウィングス・コミックス)感想
★★★☆
王の部屋に伝わるものは、この世界の実相を王に伝えるものなのか…? 先代の王の狂った理由が明かされつつあり、一方で、異人の持ち物にもその実相の一部が…。ヤオと同じ存在も二人登場して、物語は後書きに曰く「折り返し」。全8巻くらいにはなるのかな?
読了日:07月17日 著者:那州 雪絵


百億の昼と千億の夜 完全版◾️百億の昼と千億の夜 完全版感想
★★★★★
まさに完全版。原画そのものには敵わないものの、モノクロのページの線の繊細さを味わうにはこのサイズが最低限必要だろう。関連イラストや過去の関連エッセイなどの文章、さらに現役の海外SFファンとしての萩尾望都の健啖家ぶりがよくわかる最新の今年5月の100の質問、作品関連年表まで網羅して、これ一冊でまるごと、という作り。収録イラスト中、原画展で観た中で今回いちばん感動したのはイメージアルバム付録ポスターの原画。阿修羅王の立ち姿と背景の花がただただ美しく、いつまでも観ていたい原画だった。
読了日:07月18日 著者:萩尾望都,光瀬龍


レッド・シンブル 1 (ビームコミックス)◾️レッド・シンブル 1 (ビームコミックス)感想
★★★☆
各種通販サイトでは紙のコミックスはなく、電子書籍にて。額縁造りを生業とする主人公の荷物に入っていた指ぬき(シンブル)、それから届くようになる血のついた糸、ボタン…。不穏な出来事が連鎖的に起こっていく。一方で、その事態をなぜか把握している小学生の少女がひとり。何もわからないまま事態は進んでいく…。
読了日:07月21日 著者:やまじえびね


レッド・シンブル 2 (ビームコミックス)◾️レッド・シンブル 2 (ビームコミックス)感想
★★★★
妻の身に起こったことをきっかけに、主人公の過去の(本人にとっては)些細なあやまちが見え隠れする。夫婦の間の不信は静かに育ち、犯人サイドから見た過去の姿が見え始める。
読了日:07月21日 著者:やまじえびね


レッド・シンブル 3 (ビームコミックス)◾️レッド・シンブル 3 (ビームコミックス)感想
★★★★
ついに明らかになる犯人の過去と動機。主人公視点では、何事もなければ幼なじみとの苦い青春の一記憶で終わったかもしれない出来事の裏で起こっていた陰惨な悲劇の連鎖。誰の身にも起こるかもしれないと思わせる些細な出来事、犯人側に起こったことは主人公側からは知り得ないことによる理不尽さ、一方そこまで追い詰められた犯人を責めきれないやるせなさ。すべてを見ていた正体不明の透視少女がささやかな救いか? なるほど、「ナイトワーカー」で踏み込んだテーマはここまで突き詰められたのか、という驚きのサイコスリラー。
読了日:07月22日 著者:やまじえびね


ローカルおやつの本◾️ローカルおやつの本感想
★★★
知ってるもの、知らないもの含め、パッケージを見ているだけでも楽しいけど、知らなかったトリビア的な各メーカーの歴史がまた楽しい。
読了日:07月23日 著者:
ゴールデンカムイ 30 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 30 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
加筆部分を見届けるべく、紙で購入。それぞれのキャラクターの最後の見せ場と言える場面場面に、連載版と違和感なく、でもあるとないとで深みがぜんぜん違うセリフや回想が…。
読了日:07月24日 著者:野田 サトル


ゴールデンカムイ 31◾️ゴールデンカムイ 31感想
★★★★
なんて気持ちのいいやつらだろう、という某アニメのような感想を一言だけ付け加えておきたい。アメリカン・グラフィティというかファイアーエムブレムのようなエンディングの余韻と、やっぱり全部持ってくあのキャラクターがいい。加筆の黒幕?にもちょっとジンときた。
読了日:07月24日 著者:野田 サトル


作家の手料理◾️作家の手料理感想
★★★★
作家、随筆家の随筆から料理を作る話を集めたアンソロジー。いかにも美味しそうでもあり、普段読まない方に文体の名調子に唸ってみたり、いろいろな意味で美味しい。セレクトもいいけど、今回特に米原万里「トルコ蜜飴の版図」が子どもの頃の思い出の味の探索がどんどん衒学的にエスカレートしていく名編として特記しておきたい。
読了日:07月29日 著者:森茉莉、内田百閒ほか

読書メーター

2022年6月に読んだ本2022年07月16日 19時18分05秒

 コミックブームに移籍していたやまじえびねの新刊がなんと2冊同時刊行!? ということで、旧作を引っ張り出して時ならぬやまじえびね祭り。

6月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:3295
ナイス数:94

ビーバのそらのたび―せかいをぐるっといえめぐり◾️ビーバのそらのたび―せかいをぐるっといえめぐり感想
★★★
ビーバーのビーバが、世界にはどんな家があるんだろう、と旅に出た。途中、気球で旅するアキタに拾われて、二人で世界中を縦横無尽にめぐる。マンガっぽい画風でデフォルメされてはいるものの、それぞれの動物の家の実際の特徴を生かしつつ、絵本らしいお遊びも満載。周囲にちまちま描き込まれた他の動物たちを探す楽しみもあって、何度でも楽しめるタイプの絵本。
読了日:06月01日 著者:マグナス ウェイトマン


みどりのゆび: 愛蔵版◾️みどりのゆび: 愛蔵版感想
★★★☆
ふしぎな「みどりのゆび」を持った少年チトの物語。戦争をめぐる寓話とも言える古典。訳者後書きの日付が自分の生まれた年1965年であることを思うと、現代の世界情勢はなんともやりきれない。2005年に付されたペン画とカラーのイラストを収録して2009年に出たこの版は、岩波書店というより、どこかのひとり出版社が出したのか、と思うくらいに読む人の手に馴染む。
読了日:06月03日 著者:モーリス ドリュオン


小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627)◾️小さな手 ホラー短編集4 (岩波少年文庫 627)感想
★★★☆
岩波少年文庫のホラー短編集の4巻目は表題作の「小さな手」をアンソロジーのテーマ的に扱ったように、直接「手」をメインにした「猿の手」「五本指の獣」をはじめ、統一感のあるセレクトと配置。カポーティ、スティーヴンスン、キプリングまで、あまり読まれていない短編を選んであるのもいい。また、ビアス「月明かりの道」を読んだ芥川龍之介「藪の中」の発想につながった、というのも興味深い。まあ、叢書の想定より対象年齢高めなアンソロジーシリーズ、という感じだけど、金原さんにこの試みをする場があるのはいいことだと思う。次にも期待。
読了日:06月05日 著者:佐竹 美保


すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集◾️すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集感想
★★★★☆
『掃除婦のための手引き書』では、私小説的に読めて、同じ出来事がモチーフになっていつつも微妙に重ならない感じが「信頼できない語り手」っぽく、統一感のあるセレクトだったが、同じ短編集の未収録作を集成しただけのはずのこちらでは、前集と共通するモチーフの作品も引き続きあるものの、全体に個々の作品の独立性が強い印象。また、複数視点の切り替えなどの手法の実験が多いのもその印象を強めている。総じて『最初の悪い男』『十二月の十日』的な感触もあるが、読者としての自分はそれらよりルシア・ベルリンが肌に合うようだ。
読了日:06月07日 著者:ルシアベルリン


超人ロック―アキラ・ミオ大漂流 ((ペーパームーン・コミックス))◾️超人ロック―アキラ・ミオ大漂流 ((ペーパームーン・コミックス))感想
★★★☆
超人ロックの日、ということでKindle版の方で再読(「歌姫」「愛しのグィネヴィア」併録)。少年キングで『炎の虎』から連載が始まるまでは、書店で入手して読める唯一の『超人ロック』がこれだけだった。『超人ロック』は中学生の時間感覚では「長く幻だった作品」だったが、書誌を確認するとこれの雑誌連載が1977-1978年で1978年にはこの新書館版が出版、1979年の終わり頃には少年キングでの連載が始まっているので、新書館がムック『超人ロックの世界』で紹介してからの商業化の動きはは実はけっこう速かったのね。
読了日:06月09日 著者:聖悠紀


セカンドマン (講談社漫画文庫)◾️セカンドマン (講談社漫画文庫)感想
★★★☆
マンガの立ち読みを始めたのは小学3年生で、『バビル二世』はそこで貪るように読んだ。アニメとここまで違うのか、と『デビルマン』同様に感慨を覚えたものだ。そんな中、小学四年生でいきなり連載が始まったのがこの作品。『バビル二世』作者の新作! 連載リアルタイムで読んだ初めての横山光輝SFマンガだった。今読むと核戦争のきっかけが地球温暖化と資源、食糧危機で、人間が死に絶えてもロボットが戦争を滅ぶまで続けたとか、かなり尖った設定で、内容も『バビル二世』よりハード。結末のシンプルさだけは学習雑誌に多少は配慮したのかも。
読了日:06月12日 著者:横山 光輝


クラッシャージョウ (サンコミックス)◾️クラッシャージョウ (サンコミックス)感想
★★★☆
劇場版アニメの公開に合わせ、当時人気上昇中の細野不二彦描き下ろし新作を加えて、デビュー作にあたるマンガ版をコミックス化。書き下ろし新作には当時の細野不二彦のテイストがありつつ、スケールの大きいアイデアもあって楽しめる。一方のデビュー作からの二篇も、アルフィンの初仕事の直後にSOS信号を受信して…という『ピザン』の相似系から、やはりスケール大きい結末に至る「宿命のパンドーラII世」、陰謀劇が二転三転する「復讐鬼の葬送」、いずれも密度が濃い。今読むと安彦良和の小説版イラストとの落差も気にならない。
読了日:06月13日 著者:細野 不二彦


ノラネコぐんだん おばけのやま (コドモエのえほん)◾️ノラネコぐんだん おばけのやま (コドモエのえほん)感想
★★★
意外ッ!? ドッカーンの原因はいつもと違って…? ちょっとパターンが変わって次から次へと何かが出てくる斜め上の展開ッ(笑)。基本はいつも通りのオチだけど、今回はお手伝いするのはのらねこぐんだんだけじゃなくて…。しかしまあ、毎回毎回見ただけでお店の作るものを再現できてるのらねこぐんだん、実はすごく器用で飲み込み速いな(笑)。
読了日:06月16日 著者:工藤 ノリコ


ねこのこね◾️ねこのこね感想
★★★☆
タイトルの通り、回文を折り込んだ詩とか、折句を入れ込んだ詩で一匹の猫の目から見た四季をめぐる楽しい絵本。タイトルを一目見てねこの「こね」ちゃんが主人公かと思ったのはナイショだ(笑)。
読了日:06月16日 著者:石津 ちひろ


せかいでいちばんつよい国◾️せかいでいちばんつよい国感想
★★★☆
世界をひとつにしようと戦争を続けて、ついに小さな国ひとつを残すばかりになった大きな国の王様と軍隊が、小さな国に行ってみたら、そこで待ったいたものは…。初めて読んだのは何年か前のことだったけど、普遍的なテーマの寓話絵本なのでいつ読んでも常に新しい。とはいえ、ウクライナの現状のニュースが流れてくる中で読むと複雑な気持ちにもなる。
読了日:06月16日 著者:デビッド マッキー


おいなりさん◾️おいなりさん感想
★★★
世界観はまさに昭和。登場する近所の奥さんの髪型がサザエさんなので、あの髪型が流行った頃くらい,ということか。ご近所にも子どもにも受けの良いお好好爺のおいなりさんの日常をあたたかく描く絵本。こういうご近所づきあいは今はないだろうから、主人公がおいしそうなおいなりさんであるところもなんの不思議もなく受け入れられる。でも、本当に誰かにかじられちゃったらどうなるんだろう? 直せる(治せる?)のか? それとも…。怖い想像になってしまった…(笑)??
読了日:06月16日 著者:もとした いづみ


ふたりはしんゆう がまくんとかえるくん ぜんぶのおはなし◾️ふたりはしんゆう がまくんとかえるくん ぜんぶのおはなし感想
★★★☆
シリーズ4冊をまとめて、大きな版で読める。これなら、ふたりはいつまでもいっしょだ。
読了日:06月18日 著者:アーノルド・ローベル


えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日 (日本傑作絵本シリーズ)◾️えんどうまめばあさんとそらまめじいさんの いそがしい毎日 (日本傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
やることを思いついて現場に行ってみると、些細なことが気になって別のことを始めてしまう似たもの夫婦の一日をあたたかく描く。年寄りじゃなくても「あるある」な絵本でほっこり。初読は教文館の児童書専門ナルニア国の奥のギャラリーでの原画全点展示にて。そのミニ展覧会でも解説されていたが、文章の方の著者の松岡さんは2022年1月にお亡くなりになったとのこと。ご冥福をお祈りします。
読了日:06月18日 著者:降矢 なな


ピーターラビットのおはなし (絵本 ピーターラビット)◾️ピーターラビットのおはなし (絵本 ピーターラビット)感想
★★★
川上未映子の手になる全訳で話題になった全集。元は英国で2002年に原画のリペアや未使用だったイラストの収録などを施した全集がベース、とのこと。手のひらサイズの装丁に細密だけどかあいいイラストがいい発色で収録されていてリズム感を持って読み進めることができる。しかしピーターの行ないは改めて碌でもないな(笑)。
読了日:06月19日 著者:ビアトリクス ポター


赤りすナトキンのおはなし (絵本 ピーターラビット)◾️赤りすナトキンのおはなし (絵本 ピーターラビット)感想
★★★
川上未映子全訳のピーター・ラビット全集。2冊目は赤リスナトキンのおはなし。…なんというか、他のリスたちが礼儀正しいのに、ふくろうのブラウンじいさまにいたずらを続けるナトキンはピーターに輪をかけてひどくて、同情の余地一切なし(笑)。
読了日:06月19日 著者:ビアトリクス ポター


スーツケース◾️スーツケース感想
★★★☆
スーツケースひとつ抱えてどこか遠くから旅してきたらしい生きもの。中に入っているものの話が信じられなかった土地の動物たちは、生きものが疲れて寝入っている間にスーツケースを開けてしまうのだが…。あからさまなことを描かないものの、いろいろに考えることのできる深い絵本。内容とは関係ないけど、カバー見返しの著者自己紹介がなかなかウィットに富んでいていい感じの翻訳も含めちょっとクスリ。
読了日:06月20日 著者:クリス・ネイラー・バレステロス


野ばらの村のひみつのへや (野ばらの村の物語シリーズ 5)◾️野ばらの村のひみつのへや (野ばらの村の物語シリーズ 5)感想
★★★☆
こちらは悪いことをしないピーター・ラビット!? 自然を観察したかあいい画風はちょっと近いものの、ネズミたちの暮らす世界を自然の事物だけでなく、使う道具や単位とかまで脳内で構築して描いている、との序文にびっくり。トールキンのホビット荘みたいだ。本作は子どもたちが見つける秘密の部屋も楽しいけど、冬至の日の詩の朗読の様子は『赤毛のアン』の雰囲気もある。
読了日:06月20日 著者:ジル・バークレム


女の子がいる場所は (ビームコミックス)◾️女の子がいる場所は (ビームコミックス)感想
★★★★☆
サウジアラビア、モロッコ、インド、日本、そしてアフガニスタンに暮らす少女が体験するその国特有の社会背景と女性をめぐる状況。それぞれに、その国の中では恵まれた環境にいて、ニュートラルな考え方の中で生きているだけに、子どもの力ではどうにもならない状況や、その国で生きてきた女性の変えがたい過去。それでも未来を見ようとする女の子たちの姿が読者の胸をうつ。一方で、デビュー当初から変わらぬテイストの画風は、かつてはややとんがって見えたけど、今目にしても古さは感じない。本作で知った人には過去作も読んでほしい。
読了日:06月21日 著者:やまじえびね


かわいそうなミーナ (ビームコミックス)◾️かわいそうなミーナ (ビームコミックス)感想
★★★☆
『女の子がいる場所は』と同時発売。風変わりな幽霊譚の表題作と、テオドール・シュトルム「みずうみ」のマンガ化を収録。つや消し黒の上に透明フィルム?加工でヒロインを浮かび上がらせる装丁が美しい。収められたそれぞれに美しい物語によく似合う。しかしなぜ今、こんなやまじえびねまつりを企画したんだコミックビーム!?
読了日:06月23日 著者:やまじえびね


ナイト・ワーカー (ビームコミックス)◾️ナイト・ワーカー (ビームコミックス)感想
★★★★☆
ビームコミックス初のやまじえびねを引っ張り出す。いずれもフィールヤング掲載作で、このコミックスからエンターブレインに活躍の場を移したことに。新刊帯でチェックしたら移籍後のコミックスを買い漏らしっぱなしだったので、これは近々入手したい。この表題作は短いページ数の中で、幼い頃の義父から受けた性暴力の傷を抱える主人公の密やかな行ないとささやかな罪を描く。ページ数ではコミックスのメインとなる「微熱のように」は、主人公の女子大学生が文学の趣味で知り合った友人に導かれるように闇に堕ちていく姿を描く問題作。
読了日:06月26日 著者:やまじえびね


Mahoko (YOUNG YOUコミックス)◾️Mahoko (YOUNG YOUコミックス)感想
★★★
『お天気といっしょ』で集英社での活動を始めた頃の連作短編集。人づきあいの苦手なタイプのまほこはバイト先のレコード屋の同僚の波古田青彦に突然告白されて「おつきあい」を始めるが、彼に心が惹かれるごとに、他の女性や友人のことが気になり始めたり、そういった人たちから何らかのアプローチを受けたりしつつ、静かな恋愛関係を深めていく。こうして手に取り直す順番は気まぐれだったけど、設定や展開にひとつ前に読んだ「微熱のような」との共通点が感じられ、作風の深化からたどり着いた裏返しの『MAHOKO』とも読めるかも。
読了日:06月26日 著者:やまじ えびね


Love my life (Feelコミックス)◾️Love my life (Feelコミックス)感想
★★★★☆
出版当時にも同性愛テーマを描くニュートラルなスタンスと毎回同じ語りだし「こんにちは。わたしはいちこ」で始まるリズミカルな話運びに感銘を受けたものだったが、このテーマは描かれて20年経過した今がむしろ旬かもしれない。スタイリッシュな画風、作風はまるで描かれた時代を意識させない。あとがきによるとマンガ家をやめていた4年間で一度喪失した創作の感覚を取り戻したご本人にとっても記念すべき一作とのこと。個人的にはやまじえびね最高傑作かも,という気もしてきた。時折不穏なこともあるけど物語の基本トーンは多幸感なのがいい。
読了日:06月28日 著者:やまじ えびね


インディゴ・ブルー (Feelコミックス)◾️インディゴ・ブルー (Feelコミックス)感想
★★★★
同じレズビアンテーマでありながら、多幸感が基本トーンだった『LOVE MY LIFE』の裏返しのような重い物語。このテーマ、物語をさらっと読めてしまう画風、作風で形にできるのが作家(マンガ家)としての力だろう。あとがきでは、先に描いた作品の手応えから、次に進んでいこうとする決意が感じられてその点にも好感。
読了日:06月30日 著者:やまじ えびね

読書メーター

2022年5月に読んだ本2022年06月14日 01時56分46秒

 中野さんのオンライン講義、第1回は『ウィザード・ナイト』と『ジャーゲン』だったので再読まではしなかったのだが、第2回向けに積読&読みさしになっていた『骸骨』『教皇ヒュアキントス』を通読。年に1冊、これだけの訳業を本業と並行してコツコツ進める姿勢には本当に頭が下がる。
 一方それ以外はやっぱり絵本とか懐古読書とか…。光瀬龍と萩尾望都の相性のよさはやはり特筆すべきと思う。

5月の読書メーター
読んだ本の数:18
読んだページ数:3319
ナイス数:101

珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)◾️珈琲店タレーランの事件簿 3 ~心を乱すブレンドは (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
★☆
シリーズ初の長編、ということになるのかな。バリスタのコンペティションを舞台にした参加者間の確執…という話なんだけど、飲料を仕事にしている立場で読むと、そんなことが起こっても優勝者決定まで突っ走っちゃう運営とスポンサーの対応はあり得ないと思ってしまうし、トリックも伏線は張ってあったにしてもいささかトリッキーに過ぎて謎解きの納得感もこれまでと比べ今ひとつ。プロローグとエピローグの仕込みとか、その余韻の持たせ方とかは悪くないんだけどなあ…。飲料・食品業界に関連ない人が読めばもう少し高い評価になるのだろうか?
読了日:05月04日 著者:岡崎 琢磨


骸骨:ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚◾️骸骨:ジェローム・K・ジェローム幻想奇譚感想
★★★★
ややユーモラス寄りの幽霊譚「食後の夜話」に始まり、SF、ホラー要素のある掌編が入れ替わり立ち替わり、後半、現代人が古い怪異に触れるギャップが印象的な話の数々が印象深い。最も長い「ブルターニュのマルヴィーナ」は別格として、特に好みなのは「二本杉の館」かな。他もそれぞれに味わい深い。あと、先駆的なディストピアSF短編「新ユートピア」が『われら』に影響を与えていたかも、という解説も興味深い。
読了日:05月04日 著者:ジェローム・K・ジェローム


日本の神話えほん (3) いなばのしろうさぎ (日本の神話えほん 3)◾️日本の神話えほん (3) いなばのしろうさぎ (日本の神話えほん 3)感想
ポール・コックス画、ブックデザインによる日本の神話えほん第3★★★☆
弾はいなばのしろうさぎ。これは子どもの頃に普通の昔話絵本で親しんでいた話…のはずなのだが、大国主の80人の兄弟のヴィジュアルが不穏。展開も不穏。元の話のままだと思うけど、とにかくいろいろ不穏。しかも、話終わってないよ!? 2021年10月刊、ということは次巻はいつ??
読了日:05月06日 著者:ふしみ みさを


みんなのいちにち◾️みんなのいちにち感想
★★★☆
一棟の集合住宅兼店舗?を舞台に、一日の移り変わりをちまちまとした切り絵で描く。各部屋の住人の生活パターンの違い、お仕事の違いが細々作り込まれていて、探し物の要素もたっぷり。一冊で何度でも楽しめる。
読了日:05月06日 著者:たけうち ちひろ


ツリーハウス◾️ツリーハウス感想
★★★☆絵だけで見せる絵本。表紙にある通り、クジラに乗ってツリーハウスにたどり着いたシロクマ。次にボードでやってくる茶色のクマ、ハウスのまわりの水は引いていき、いろいろな動物たちや鳥たちがやってきて…。次のページで何が起こるかわからない不思議な絵本。線画とエッチングに組み合わせも不思議な味わい。ふうん、父娘合作なのか…
読了日:05月06日 著者:ロナルド トルマン,マライヤ トルマン


雨、あめ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)◾️雨、あめ (評論社の児童図書館・絵本の部屋)感想
★★★☆
これも絵だけの絵本。幼い姉弟が晴れた日に庭で遊んでいると雨が降り出して…。雨ガッパと傘を装備して庭から近所までちょっとした冒険の旅が始まる。二人の目に映るさまざまなもの、ことがこれでもかと描かれる楽しい絵本。この姉弟仲良さそうでいいな。
読了日:05月06日 著者:


宇宙叙事詩〈上〉 (1980年)◾️宇宙叙事詩〈上〉 (1980年)感想
★★★★
まさに詩を読むような文体、光瀬龍作品の世界観の中で、さまざまな文明の滅びを沙漠を放浪する吟遊詩人が語るような一冊。萩尾望都のイラストと文章の融合度が高く、あたかも、両者が魂を共有してでもいるかのようだ。
読了日:05月14日 著者:光瀬 龍


宇宙叙事詩〈下〉 (1980年)◾️宇宙叙事詩〈下〉 (1980年)感想
★★★☆
下巻は連載にして2回分の「惑星アルマナ」と10回分の「アヨドーヤ物語」。吟遊詩人の詩をもとにしたという設定の「アヨドーヤ物語」より、上巻の方が(感想に先に書いた通り)吟遊詩人っぽさが強かったかも。ともあれ、雑誌掲載時より大きなサイズで読めるこの版は、本作を楽しむにはベストの形態かと思う。そして、萩尾望都作品的にはチグリスとユーフラテスと吟遊詩人の『銀の三角』へと続く…
読了日:05月14日 著者:光瀬 龍


連帯惑星ピザンの危機―クラッシャージョウ 1 (ソノラマ文庫 26-A)◾️連帯惑星ピザンの危機―クラッシャージョウ 1 (ソノラマ文庫 26-A)感想
★★★
思いついて再読。とにかくテンポが速くてさくさく話が進む。とはいえ、連帯惑星の設定から、各惑星ごとの特徴を活かした展開、ピンチの連続、飽きずに読ませる。まだイラストの画風が確立してない時期の安彦良和の荒削りなタッチもいい。まあ『キャプテン・フューチャー』もそうだけど、この手のスペオペは時代劇的に楽しく読めるよね。今読むと、ハミルトンのテイストは基本のキャラクター配置以外の世界設定、ガジェットにも感じられる。なにしろ太陽系丸ごと改造、ってスケール大きすぎの設定だし…
読了日:05月16日 著者:高千穂 遙


ザ・ウルトラマン 単行本初収録&傑作選(上)◾️ザ・ウルトラマン 単行本初収録&傑作選(上)感想
★★★★
子どもの頃、単行本にまとまらず読めないまま気になっていたマンガがいくつかあった。そのうち『バイオレンス・ジャック』黄金都市編と桜多吾作『グレンダイザー』は大学時代に、『バビル2世』の最終エピソードは1990年代に読めたのだが、小学5年生版『ウルトラマンタロウ』だけは読めなかった。それが今回通しで読めたのだが、なるほどこれは内山まもるのウルトラ作品の中でも復刻されてこなかったのが納得できるシビアな内容。『シン・ウルトラマン』を観た日にこれを買って読むことができて、幼い頃からの心のこりがひとつなくなった。
読了日:05月20日 著者:内山まもる


ねこのおひめさま (グリムの本だな 1)◾️ねこのおひめさま (グリムの本だな 1)感想
★★★☆
3人の男の子、そのうちのハンスはみそっかす……って、アンデルセン「のろまのハンス」みたいな話かと思ったら、こちらのハンスはねこのおひめさまのところで7年働き、やがて……というおはなし。前にグリムの初期バージョンを編纂した本の中に「ひうちばこ」と同じ構造のおはなしがあったけど、これも「のろまのハンス」の元になった伝承のグリム蒐集版、ということなのかな。かあいらしいおはなし。
読了日:05月21日 著者:竹下文子


魔法にかかった新学期 5 (花とゆめコミックス)◾️魔法にかかった新学期 5 (花とゆめコミックス)感想
★★★☆
第二部?に入ってからもっと不穏になるのかな? と思わせて、思ったよりはあっさり解決。いろいろなことが落ち着くところに落ち着いて、ほんわかした気持ちで読み終えた。ヒロインの表情の変化への幼なじみ先生の反応がかわいい。やっぱりひかわきょうこは学園ものがいいなあ。
読了日:05月21日 著者:ひかわ きょうこ


呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)◾️呪われた村 (ハヤカワ文庫 SF 286)感想
★★★☆
謎の飛来物がやってきたロンドン近郊の村で、妊娠可能な女性全員が受胎、やがて生まれてきた子どもたちは表紙に描かれたような異質な外見に、理解不能な能力を持っていたのだが…。怪異の原因がわからないまま、社会や人々のリアクションをドキュメンタリー的に追っていくウィンダム作品の典型のひとつ。着眼点とする人間や国の反応に普遍性があるためか、今読んでも(時代背景と密接な生活描写を除いては)全く古びていない。手元にあるのと書影が微妙に異なるので、表示されてるのは再刊版なのかな?
読了日:05月25日 著者:ジョン・ウィンダム


教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集◾️教皇ヒュアキントス ヴァーノン・リー幻想小説集感想
★★★★
中野先生の講座受講に合わせて読み差しだったのを改めて通読。「永遠の愛」「ディオネア」「幻影の恋人」「七懐剣の聖母」あたりのファム・ファタルものは鉄板として、「教皇ヒュアキントス」「フランドルのマルシュアス」「顔のない女神」「神々と騎士タンホイザー」の独特のユーモアもバランスよく配置されていて飽きずに読ませる構成。今回通読した感じ、「アルベリック王子と蛇女」が一番好きかもしれない。
読了日:05月27日 著者:ヴァーノン・リー


スタッフロール (文春e-book)◾️スタッフロール (文春e-book)感想
★★★☆
毎回、次作の傾向が読めない深緑野分最新長編は何と特撮映画のクリエイターの実際の歴史をたどりつつ、その中にあり得たかもしれない人物たちのあり得たかもしれない情熱と葛藤を描きこんだ力作。映画だけでなく、名前が出るかどうかもわからないモノづくりに携わっている人には刺さるのではないか。というか、刺さった(笑)。
読了日:05月31日 著者:深緑 野分


真夜中のちいさなようせい (ポプラせかいの絵本 67)◾️真夜中のちいさなようせい (ポプラせかいの絵本 67)感想
★★★☆
韓国の絵本作家さん。東洋画がご専門とのことで、シャープな線でリアルに描かれつつ、彩色が日本画とも通じるタッチで、描かれているものは必ずしも昔っぽくないけど、なんだか懐かしい。子どもにしか見えない小さな妖精さんたちは、子どもと、かつて子どもだった人、みんなに優しい。
読了日:05月31日 著者:シン・ソンミ


日本の神話えほん (4) うみさちひこ やまさちひこ (日本の神話えほん 4)◾️日本の神話えほん (4) うみさちひこ やまさちひこ (日本の神話えほん 4)感想
★★★
ふしみみさを&ポール・コックスの日本の神話えほん4冊目はあのお話。今回はわりと覚えている通りのお話だが、久しぶりにこうして読んでみると、いやだというのに道具を交換してあげて釣り針をなくされた上、ろくな目に遭わないうみさちひこがちょっとかわいそうかも。
読了日:05月31日 著者:ふしみ みさを


みけねこキャラコ◾️みけねこキャラコ感想
★★★
みけねこなのに一見白に黒ぶちのねこにしか見えないキャラコ。みけに見えるように、茶色のもので工夫してみるが…。かあいらしく読める絵本でありつつ、アイデンティティとか自己肯定感を確立していく物語としても読めそうで意外と深い。
読了日:05月31日 著者:どい かや

読書メーター

2022年4月に読んだ本2022年05月09日 19時13分17秒

 なんとなく体系的に見えるとしたらタイミングは偶然(笑)。ホームズはちょうど一通り読み終わったところでまとめ? あと、1冊目でめげていたビール職人ミステリを読み始めてしまったり、コーヒーネタのミステリにエッセイ。コージー系でまとまりができてしまったけど、あれもこれも偶然(笑)。あと、『ゴールデンカムイ』最終回記念の無料公開で、気になっていた最後まで一気読み!

4月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:3225
ナイス数:133

フライングメジャー号 世界一周 空の旅 (講談社の創作絵本)◾️フライングメジャー号 世界一周 空の旅 (講談社の創作絵本)感想
★★★★
飛行船に乗って、いろいろ測定しながらの世界一周を疑似体験。俯瞰でちまちま描かれるそれぞれの景勝が楽しい。ちまちま描かれたモブが何をしているか想像したり、乗組員がどことどこにいるか探すなど、いくらでも楽しめる。ざっくりした線だけど緻密な俯瞰図は描くものの大きさは違うものの、『河童が旅した〜』シリーズの天井からの部屋の俯瞰図をちょっと連想した。
読了日:04月01日 著者:コマヤスカン


ノラネコぐんだん アイスのくに (コドモエのえほん)◾️ノラネコぐんだん アイスのくに (コドモエのえほん)感想
★★★
迷惑なノラネコぐんだんの今度のターゲットはアイス屋さん。まあ、安定の迷惑っぷり。何をどっかーんさせるのかが各巻の工夫どころ?
読了日:04月03日 著者:工藤 ノリコ


ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)◾️ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)感想
★★★★
動物園から引き取ったペンギンと暮らす、ショートショートしか書けない作家志望のヴィクトルのもとに、まだ亡くなっていない人の訃報記事を書くという謎の仕事が舞い込む。主人公の意図せぬままに物事が転がるように起こり、不穏なこと、おかしなことが日常と化していくが…。作品の面白さとは別に、登場する地名の土地が焼け野原になっている現状に複雑な想いを抱かざるを得ない。
読了日:04月04日 著者:アンドレイ・クルコフ


かげきしょうじょ!! 12 (花とゆめコミックススペシャル)◾️かげきしょうじょ!! 12 (花とゆめコミックススペシャル)感想
★★★★
憑依型の天然役者さらさとのチームワークを模索する100期生の仲間たちが挑む演技授業のクライマックス。尊い、と言いたくなる表紙がこの巻をまさに象徴している。今回は番外編なしでたっぷり本編。
読了日:04月05日 著者:斉木久美子


「その他の外国文学」の翻訳者◾️「その他の外国文学」の翻訳者感想
★★★★
前にいろいろな国に行った人たちの体験談を読んだことがあったけど、これはその翻訳家版とも言える。きっかけはいろいろだけど、マイナーな言語に習熟していくプロセスには共通点もありそう。複数の方がおっしゃってる、読み書きを重ねることで会話も上達した、というのは自分の英語力でも多少は実感している。あと、別の言語のものを日本語に翻訳する、という点でも、心構えとしての共通項がいくつかありそう。もうちょっと翻訳にトライしてみようかという元気がもらえる本。
読了日:04月06日 著者:


ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックス)◾️ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
今度こそ本当に最終回が予告された! そして始まった最終回までの再びの全話無料公開! 今のところコミックスとしては最新刊の28巻は刺青の暗号解読合戦。両陣営とも正解にたどり着いた! そして最終章の舞台へ…。基本設定の暗号がどう解かれるか、はシリーズの根幹に関わる大ネタだが、解けて納得。これ、すごいハードル高いことやってない!?
読了日:04月08日 著者:野田 サトル


まんが道 あすなろ編 (My First Big SPECIAL)◾️まんが道 あすなろ編 (My First Big SPECIAL)感想
★★★★
初版にて再読。今読むと藤子不二雄のお二方、手塚治虫のその後に想いがいってしまうのと、さりげなく描かれた時代背景が、子どもの頃とはなにもかも違って読める。小学2年で買ってもらって何百回読み返したかしれない。あらためてA先生のご冥福をお祈りします。なろう、なろう、明日なろう、明日は檜になろう。
読了日:04月09日 著者:藤子 不二雄A


ビール職人の秘密と推理 (創元推理文庫 M ア 19-3)◾️ビール職人の秘密と推理 (創元推理文庫 M ア 19-3)感想
★★★
1冊目の夫の不倫やその後の殺人事件の展開が今ひとつ馴染めず、2冊目は保留にしていたシリーズ。3作目を読んでみたら、ビール醸造の作業、トラブルなどなど、あらゆることが「あるある」で、またしても起こる殺人事件をさておいても、ビール屋なら楽しめる。原著の記述も訳語も的確なのはお墨付きを与えたい。ニトロでのビール造りみたいなことを20年ほど前は日常的にやってたし、日々の発酵管理は小説より緻密にやってましたよ(笑)。最近、不思議なビールばかり造ってたので、オリジナルのビールレシピにも共感。2冊目も読もう。
読了日:04月10日 著者:エリー・アレグザンダー


おやゆびひめ (世界のお話傑作選)◾️おやゆびひめ (世界のお話傑作選)感想
★★★☆
ちょっと不思議な絵の『おやゆびひめ』。こういう話だったっけ? ちょっと『幸福の王子』っぽいような…。
読了日:04月15日 著者:ハンス・クリスチャン アンデルセン


ゴールデンカムイ 29 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 29 (ヤングジャンプコミックス)感想
★★★★
「金塊を一目見るまで、死んでも死にきれねえよ!」刺青の暗号にはまだ続きがあったッ!? あの人とあの人の刺青が実はめっちゃ重要だったッ!? そうして解かれた最後の秘密ッ!? なるほどッ!! 一方、全勢力入り乱れる最後の攻防戦! 以下、次巻ッ!!
読了日:04月20日 著者:野田 サトル


初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)◾️初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)感想
★★★★
(短編3つほど漏らしてるものの)ホームズ正典マラソンを終えての再読。読んでからだと、ホームズのことならほとんどなんでも知ってる著者の博覧強記ぶりをひけらかすようなことはなく、それをベースに、いかに限られたスペースにかゆいところに手が届く解説を盛り込んであるかがあらためてわかる(それでいて、博覧強記ぶりもわかる人には伝わる)。内容そのものも、作品を知ってから読むとさらに楽しめる。これはもう職人芸みたいな本。
読了日:04月21日 著者:北原 尚彦


恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)◾️恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)感想
★★★☆
版画の雰囲気、ストーリーに合わせた色調、孤独ないたちとうさぎのおじょうさまのもどかしい関係がいじらしい。瀧井朝世編、ってなんだろうと思ったら、『恋の絵本』シリーズの編者、ということなのね。だいぶ前に読んだ『すきっていわなきゃだめ?』と同じシリーズとは!? 他の絵本もそのうち読めるかな。
読了日:04月22日 著者:島本 理生


たんぽぽ◾️たんぽぽ感想
★★★★
たんぽぽが冬を越して花を咲かせ、綿毛を飛ばすまでを細密な断面画で描く。写実だけど独特の味わいのある絵が見ていて飽きない。良質の科学観察絵本。
読了日:04月22日 著者:荒井真紀


【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (『このミス』大賞シリーズ)◾️【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (『このミス』大賞シリーズ)感想
★★
前職のパテント・トロールから逆方向に転身した、という設定だけで理由が語られていないのは、シリーズ化された後のための仕込み? まあ、特許をめぐるあまり普通の人は知らない世界にVtuber、レーザースキャナー、5Gデータ転送、と新しげな要素を盛り込んで丁々発止のストーリーに仕立てているのはまずまず。まあ、現実世界の企業間で近年懸案になってる特許の請求項はもっとしょうもないものが多いんだけどな(笑)。切り餅のスリットの入れ方とかな…
読了日:04月24日 著者:南原 詠


日本の神話えほん (2) やまたのおろち◾️日本の神話えほん (2) やまたのおろち感想
★★★★
ポール・コックスの絵、装丁による「日本の神話えほん」の第2弾はやまたのおろち。山が丸ごと動くようなやまたのおろちの描写からは、前巻同様、火山の噴火や洪水のような天災のイメージが強く感じられる。
読了日:04月24日 著者:ふしみ みさを


のうじょうにすむねこ◾️のうじょうにすむねこ感想
★★★☆
のうじょうにすむねこが日常の中で出会う動物たちの姿をコラージュと水彩などの手法を取り混ぜて描く。その手法、タッチなどを含め、やや大人寄りの絵本なのかな?
読了日:04月24日 著者:トラネコボンボン なかにし なちお


しあわせなときの地図◾️しあわせなときの地図感想
★★★★☆
戦争で生まれ育った街を離れることになった少女ソエが、地図を広げて、しあわせなときの思い出の場所にしるしをつけていく。ラストのページが切ない。
読了日:04月24日 著者:フラン ヌニョ


ビール職人のレシピと推理 (創元推理文庫)◾️ビール職人のレシピと推理 (創元推理文庫)感想
★★★
ということで、遡って2巻も読んでみた。ビール造りや料理の話だけなら楽しく読めるのに、各巻、必ず人が殺されるのが余計だ(笑)。まあ、言動のうっとおしそうなキャラクターたちも、3巻目ではだいぶ愛すべきキャラクターになってくるので、そのあたりは2巻まではガマン? あと、ちゃんと調べなかったのも迂闊だけど、この舞台のレブンワースって、実在の土地なのね。架空の設定かと思って読んじゃってたよ(笑)。
読了日:04月25日 著者:エリー・アレグザンダー


作家と珈琲◾️作家と珈琲感想
★★★★
明治期から現代まで、作家、著述家の書いたコーヒーにまつわるエッセイをセレクト。選び抜かれた各編とその配置でコーヒーにまつわる諸相が自然と浮かび上がる。先日読んだ喫茶店紹介ムック的な『作家の珈琲』とペアという趣向のようで、珈琲以外にも酒、犬、猫などにテーマで同様のペアが編纂されているようだ。珈琲その他の題材に興味が薄くとも、アンソロジーとしての興味でも読めると思う。これは企画と編集の技あり。
読了日:04月29日 著者:


珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)◾️珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)感想
★★★☆
読書メーター献本当選本、2冊目。やおら登場したヒロインの妹を中心に、一編ごとの「日常の謎」と、妹の行動に伴う本筋が並行して、ラストは今回もけっこうびっくり。作中、男女の「おつきあい」に関して、「作劇のためだけ」っぽい浅い感じがするのは共通の傾向ではあるものの、ミステリの仕掛けとしてはよくできていると感じる(前述の欠点もそれと表裏一体か)。とはいえ、ラストまで読むとちょっと主人公二人の関係にじんわりするものを感じるのも第一作と共通。最後まで読んでサブタイトルにうなるのもシリーズ共通の「技あり」?
読了日:04月29日 著者:岡崎 琢磨

読書メーター

2022年4月に読んだ本2022年05月09日 19時13分17秒

 なんとなく体系的に見えるとしたらタイミングは偶然(笑)。ホームズはちょうど一通り読み終わったところでまとめ? あと、1冊目でめげていたビール職人ミステリを読み始めてしまったり、コーヒーネタのミステリにエッセイ。コージー系でまとまりができてしまったけど、あれもこれも偶然(笑)。

4月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:3225
ナイス数:133

フライングメジャー号 世界一周 空の旅 (講談社の創作絵本)フライングメジャー号 世界一周 空の旅 (講談社の創作絵本)感想
飛行船に乗って、いろいろ測定しながらの世界一周を疑似体験。俯瞰でちまちま描かれるそれぞれの景勝が楽しい。ちまちま描かれたモブが何をしているか想像したり、乗組員がどことどこにいるか探すなど、いくらでも楽しめる。ざっくりした線だけど緻密な俯瞰図は描くものの大きさは違うものの、『河童が旅した〜』シリーズの天井からの部屋の俯瞰図をちょっと連想した。
読了日:04月01日 著者:コマヤスカン
ノラネコぐんだん アイスのくに (コドモエのえほん)ノラネコぐんだん アイスのくに (コドモエのえほん)感想
迷惑なノラネコぐんだんの今度のターゲットはアイス屋さん。まあ、安定の迷惑っぷり。何をどっかーんさせるのかが各巻の工夫どころ?
読了日:04月03日 著者:工藤 ノリコ
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)感想
動物園から引き取ったペンギンと暮らす、ショートショートしか書けない作家志望のヴィクトルのもとに、まだ亡くなっていない人の訃報記事を書くという謎の仕事が舞い込む。主人公の意図せぬままに物事が転がるように起こり、不穏なこと、おかしなことが日常と化していくが…。作品の面白さとは別に、登場する地名の土地が焼け野原になっている現状に複雑な想いを抱かざるを得ない。
読了日:04月04日 著者:アンドレイ・クルコフ
かげきしょうじょ!! 12 (花とゆめコミックススペシャル)かげきしょうじょ!! 12 (花とゆめコミックススペシャル)感想
憑依型の天然役者さらさとのチームワークを模索する100期生の仲間たちが挑む演技授業のクライマックス。尊い、と言いたくなる表紙がこの巻をまさに象徴している。今回は番外編なしでたっぷり本編。
読了日:04月05日 著者:斉木久美子
「その他の外国文学」の翻訳者「その他の外国文学」の翻訳者感想
前にいろいろな国に行った人たちの体験談を読んだことがあったけど、これはその翻訳家版とも言える。きっかけはいろいろだけど、マイナーな言語に習熟していくプロセスには共通点もありそう。複数の方がおっしゃってる、読み書きを重ねることで会話も上達した、というのは自分の英語力でも多少は実感している。あと、別の言語のものを日本語に翻訳する、という点でも、心構えとしての共通項がいくつかありそう。もうちょっと翻訳にトライしてみようかという元気がもらえる本。
読了日:04月06日 著者:
ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 28 (ヤングジャンプコミックス)感想
今度こそ本当に最終回が予告された! そして始まった最終回までの再びの全話無料公開! 今のところコミックスとしては最新刊の28巻は刺青の暗号解読合戦。両陣営とも正解にたどり着いた! そして最終章の舞台へ…。基本設定の暗号がどう解かれるか、はシリーズの根幹に関わる大ネタだが、解けて納得。これ、すごいハードル高いことやってない!?
読了日:04月08日 著者:野田 サトル
まんが道 あすなろ編 (My First Big SPECIAL)まんが道 あすなろ編 (My First Big SPECIAL)感想
今読むと藤子不二雄のお二方、手塚治虫のその後に想いがいってしまうのと、さりげなく描かれた時代背景が、子どもの頃とはなにもかも違って読める。小学2年で買ってもらって何百回読み返したかしれない。あらためてA先生のご冥福をお祈りします。なろう、なろう、明日なろう、明日は檜になろう。
読了日:04月09日 著者:藤子 不二雄A
ビール職人の秘密と推理 (創元推理文庫 M ア 19-3)ビール職人の秘密と推理 (創元推理文庫 M ア 19-3)感想
1冊目の夫の不倫やその後の殺人事件の展開が今ひとつ馴染めず、2冊目は保留にしていたシリーズ。3作目を読んでみたら、ビール醸造の作業、トラブルなどなど、あらゆることが「あるある」で、またしても起こる殺人事件をさておいても、ビール屋なら楽しめる。原著の記述も訳語も的確なのはお墨付きを与えたい。ニトロでのビール造りみたいなことを20年ほど前は日常的にやってたし、日々の発酵管理は小説より緻密にやってましたよ(笑)。最近、不思議なビールばかり造ってたので、オリジナルのビールレシピにも共感。2冊目も読もう。
読了日:04月10日 著者:エリー・アレグザンダー
おやゆびひめ (世界のお話傑作選)おやゆびひめ (世界のお話傑作選)感想
ちょっと不思議な絵の『おやゆびひめ』。こういう話だったっけ? ちょっと『幸福の王子』っぽいような…。
読了日:04月15日 著者:ハンス・クリスチャン アンデルセン
ゴールデンカムイ 29 (ヤングジャンプコミックス)ゴールデンカムイ 29 (ヤングジャンプコミックス)感想
「金塊を一目見るまで、死んでも死にきれねえよ!」刺青の暗号にはまだ続きがあったッ!? あの人とあの人の刺青が実はめっちゃ重要だったッ!? そうして解かれた最後の秘密ッ!? なるほどッ!! 一方、全勢力入り乱れる最後の攻防戦! 以下、次巻ッ!!
読了日:04月20日 著者:野田 サトル
初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)初歩からのシャーロック・ホームズ (中公新書ラクレ, 706)感想
(短編3つほど漏らしてるものの)ホームズ正典マラソンを終えての再読。読んでからだと、ホームズのことならほとんどなんでも知ってる著者の博覧強記ぶりをひけらかすようなことはなく、それをベースに、いかに限られたスペースにかゆいところに手が届く解説を盛り込んであるかがあらためてわかる(それでいて、博覧強記ぶりもわかる人には伝わる)。内容そのものも、作品を知ってから読むとさらに楽しめる。これはもう職人芸みたいな本。
読了日:04月21日 著者:北原 尚彦
恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)感想
版画の雰囲気、ストーリーに合わせた色調、孤独ないたちとうさぎのおじょうさまのもどかしい関係がいじらしい。瀧井朝世編、ってなんだろうと思ったら、『恋の絵本』シリーズの編者、ということなのね。だいぶ前に読んだ『すきっていわなきゃだめ?』と同じシリーズとは!? 他の絵本もそのうち読めるかな。
読了日:04月22日 著者:島本 理生
たんぽぽたんぽぽ感想
たんぽぽが冬を越して花を咲かせ、綿毛を飛ばすまでを細密な断面画で描く。写実だけど独特の味わいのある絵が見ていて飽きない。良質の科学観察絵本。
読了日:04月22日 著者:荒井真紀
【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (『このミス』大賞シリーズ)【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (『このミス』大賞シリーズ)感想
前職のパテント・トロールから逆方向に転身した、という設定だけで理由が語られていないのは、シリーズ化された後のための仕込み? まあ、特許をめぐるあまり普通の人は知らない世界にVtuber、レーザースキャナー、5Gデータ転送、と新しげな要素を盛り込んで丁々発止のストーリーに仕立てているのはまずまず。まあ、現実世界の企業間で近年懸案になってる特許の請求項はもっとしょうもないものが多いんだけどな(笑)。切り餅のスリットの入れ方とかな…
読了日:04月24日 著者:南原 詠
日本の神話えほん (2) やまたのおろち日本の神話えほん (2) やまたのおろち感想
ポール・コックスの絵、装丁による「日本の神話えほん」の第2弾はやまたのおろち。山が丸ごと動くようなやまたのおろちの描写からは、前巻同様、火山の噴火や洪水のような天災のイメージが強く感じられる。
読了日:04月24日 著者:ふしみ みさを
のうじょうにすむねこのうじょうにすむねこ感想
のうじょうにすむねこが日常の中で出会う動物たちの姿をコラージュと水彩などの手法を取り混ぜて描く。その手法、タッチなどを含め、やや大人寄りの絵本なのかな?
読了日:04月24日 著者:トラネコボンボン なかにし なちお
しあわせなときの地図しあわせなときの地図感想
戦争で生まれ育った街を離れることになった少女ソエが、地図を広げて、しあわせなときの思い出の場所にしるしをつけていく。ラストのページが切ない。
読了日:04月24日 著者:フラン ヌニョ
ビール職人のレシピと推理 (創元推理文庫)ビール職人のレシピと推理 (創元推理文庫)感想
ということで、遡って2巻も読んでみた。ビール造りや料理の話だけなら楽しく読めるのに、各巻、必ず人が殺されるのが余計だ(笑)。まあ、言動のうっとおしそうなキャラクターたちも、3巻目ではだいぶ愛すべきキャラクターになってくるので、そのあたりは2巻まではガマン? あと、ちゃんと調べなかったのも迂闊だけど、この舞台のレブンワースって、実在の土地なのね。架空の設定かと思って読んじゃってたよ(笑)。
読了日:04月25日 著者:エリー・アレグザンダー
作家と珈琲作家と珈琲感想
明治期から現代まで、作家、著述家の書いたコーヒーにまつわるエッセイをセレクト。選び抜かれた各編とその配置でコーヒーにまつわる諸相が自然と浮かび上がる。先日読んだ喫茶店紹介ムック的な『作家の珈琲』とペアという趣向のようで、珈琲以外にも酒、犬、猫などにテーマで同様のペアが編纂されているようだ。珈琲その他の題材に興味が薄くとも、アンソロジーとしての興味でも読めると思う。これは企画と編集の技あり。
読了日:04月29日 著者:
珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る (宝島社文庫)感想
読書メーター献本当選本、2冊目。やおら登場したヒロインの妹を中心に、一編ごとの「日常の謎」と、妹の行動に伴う本筋が並行して、ラストは今回もけっこうびっくり。作中、男女の「おつきあい」に関して、「作劇のためだけ」っぽい浅い感じがするのは共通の傾向ではあるものの、ミステリの仕掛けとしてはよくできていると感じる(前述の欠点もそれと表裏一体か)。とはいえ、ラストまで読むとちょっと主人公二人の関係にじんわりするものを感じるのも第一作と共通。最後まで読んでサブタイトルにうなるのもシリーズ共通の「技あり」?
読了日:04月29日 著者:岡崎 琢磨

読書メーター

2022年3月に読んだ本2022年04月09日 09時55分13秒

 定年まで3年を切ったタイミングでまさかの異動(笑)。といっても、これまでビール系の開発のブルワーと兼業的にやっていた研究系のあれこれをメインに据える、という位置づけなので仕事の内容はそんなに変わらない。とはいえ、引き継ぎはいろいろあるのでばたばたして冊数は少なめかも。

3月の読書メーター
読んだ本の数:13
読んだページ数:2298
ナイス数:93

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ (ハヤカワ文庫JA)◾️ツインスター・サイクロン・ランナウェイ (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★☆
『2』読み始めたらあまりにも前回からのストレートな続きになってて(続編じゃなくて長編の1巻、2巻だよこれ)、話がつながらないので前作読み返した。そうそう、こういう話だった。思った以上にスカッと楽しく読んでスカッと中身忘れてたよ(笑)。
読了日:03月06日 著者:小川 一水


しろいうさぎとくろいうさぎ (英語日本語CD付 英語絵本)◾️しろいうさぎとくろいうさぎ (英語日本語CD付 英語絵本)感想
★★★☆
いつもなかよしのしろいうさぎとくろいうさぎ。でも、いつもの遊びの合間合間に、なんだか淋しそうなくろいうさぎ。その理由は…。と、内容を伏せて紹介しても、原題がすべてを語ってるよ(笑)。本文は英語でCD付き。英語は平易で、原文で十分楽しめます。
読了日:03月15日 著者:ガース・ウイリアムズ


第一藝文社をさがして◾️第一藝文社をさがして感想
★★★★☆
戦前から戦中の時期に生花の本、詩集、映画評論などの良書を精力的に発行していたらしい第一藝文社という出版社、その出版社を作り、本を作っていた人物への興味から、その生涯を一次文献を丹念にあたって描き出す。ノンフィクションとしての風合いは『星新一 一〇〇一話をつくった人』に近い。また、調査から詩人や評論家の意外な人脈が浮かび上がるスリリングさは『太宰治の辞書』のような味わいもある。題材がかつて存在した「ひとり出版社」、ということで、なるほど夏葉社から出る本にふさわしい。
読了日:03月17日 著者:早田 リツ子


オズの魔法使い◾️オズの魔法使い感想
★★★☆
ふだん映画やいろいろな版の児童書で見るイメージとちょっと違う、でもとても納得感のあるイラストで綴られる『オズの魔法使い』。江國香織の児童文学らしい素直な訳文も読みやすい。それにしても、改めて読むと「こんな話だったっけ(だったんだ…)」感が…(笑)。
読了日:03月19日 著者:L.フランク ボウム


ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-35)◾️ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-35)感想
★★★☆
ということで、前作を思い出してから通読。思った以上にガチ百合なのはともかく(笑)、SF的な設定のアクロバットもグレードアップ。ラストが今いるところからのランナウェイになるのは共通の物語構造? 今回エピローグとなって、二部作で完結でも大丈夫な構成ではあるが、まだまだ続けられる要素も仕込まれている。
読了日:03月19日 著者:小川 一水


珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)◾️珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)感想
★★★☆
本屋の平積みで人気ありそうだな、と思って気になってはいたシリーズ。まさか、読書メーターの献本に当選するとは。さっそくの1巻、前半はふーん、という感じで読んでたら、終盤の展開でけっこうびっくり。作中のバリスタの淹れるコーヒーは美味しそうで、自分で淹れたコーヒーを飲みながら読むのもまたよし。
読了日:03月21日 著者:岡崎 琢磨


怪物園 (福音館の単行本)◾️怪物園 (福音館の単行本)感想
★★★☆
『街どろぼう』の好きな人にはこちらもオススメ、という感じ。街ごとどろぼうされるんじゃなくて、街が自分で歩いている怪物園(◯◯◯の動く◯、っぽい?)。うっかり口を開けていたら、中に住む怪物たちが出てきちゃって、いわゆる百鬼夜行状態で、人間の街は外出禁止に…。外に出れない子どもたちは身近なものを乗りものに見立ててごっこ遊びに興じるのだが…。一見不条理なシチュエーションと、裏腹にほんわかした空想が斜め上の展開を見せる怪作。こんなの、どうやって思いつくの!?
読了日:03月22日 著者:junaida


南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)◾️南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)感想
★★★★
金原瑞人御大の編訳によるホラーアンソロジー。冒頭の「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」はポーの同題の長編の一部を引いて新たなホラー短編に仕立てる趣向。他の短編のセレクト、訳文とも納得感しかない職人芸。佐竹美保さんのイラストもカラー表紙、各短編の扉絵でタッチがまるで異なり、古風を狙いつつ古く見えない味わいでいい。
読了日:03月25日 著者:


ヴァレンカのちいさな家◾️ヴァレンカのちいさな家感想
★★★★
ロシアの西で戦争が起こったころのお話。それにしても、現実は絵本のようにはいかない…
読了日:03月25日 著者:ベルナデッテ ワッツ
もりのおもちゃやさん (もりはおもしろランド( 5))◾️もりのおもちゃやさん (もりはおもしろランド( 5))感想
★★★
シリーズ5冊目はおもちゃやさん……、といっても、元からあったのではなく、たぬきさんが「何かおみせを始めよう」と思いついてノープランで開業しちゃう、という無茶なお話(笑)。発端も無茶だけど、もりのなかまたちが持ち寄るおもちゃもなんだか無茶だ(笑)。どうやって動いてるんだ(笑)!?
読了日:03月26日 著者:舟崎 靖子


日本の神話えほん (1) あまのいわや◾️日本の神話えほん (1) あまのいわや感想
★★★☆
ポール・コックスの画・ブックデザインによる日本神話の絵本。シンプルな画が味わい深い。とはいえ、こうしてあらためてこの神話の内容を見ると、こういう神話が成立する前提として、地震、火山、台風などの大災害や、理不尽なDV、それを心根はやさしい人なんだから、といったんは許してしまう集落の事情などがあったのかな、と、今の視点で読むと考えてしまったりもする。
読了日:03月26日 著者:ふしみ みさを


シャーロック・ホームズの事件簿◾️シャーロック・ホームズの事件簿感想
★★☆
ホームズをなるべく原著刊行順に全部読むマラソン、ついに完走…。近隣の図書館に同じ訳者、文庫では揃いがなく、作品ごとにまちまちに読んだので、新潮文庫版で3編ほど取りこぼしがあるけど、そのくらいは誤差の範囲、ということにしたい。オーラスの短編集に至ると、もはや謎解きは一応あるものの、バディもののキャラクター小説という印象。集中のベストはやはり『バスカヴィル家の犬』でいいんじゃないかな(作風はシリーズ中でも異色だけど)。
読了日:03月26日 著者:アーサー コナン ドイル


シャーロック・ホームズの建築◾️シャーロック・ホームズの建築感想
★★★★
ちょうどマラソン(笑)を終えるタイミングで読めたので各作品復習にもなった。正典の記述をもとにしつつ、登場する建物の建設時期や様式などに則り、原著の英語での記載とも照合しながらそれぞれの建物の外観と間取りを形にしていく。シャーロッキアンの間でも「問題」と呼ばれる矛盾っぽい記述にも独自解釈で対応しているのもすごい。世界的にも、この切り口でのホームズがらみの建築へのアプローチはなかった、とのことで後世にも残ると思われる名著。とはいえ、あとがきで明かされる執筆のきっかけはちょっとほほえましい。
読了日:03月31日 著者:北原 尚彦

読書メーター

2022年2月に読んだ本2022年03月06日 09時04分38秒

 今月のポイントはサンリオ積読消化でサンリオSF文庫の中でも薄い本2冊。いずれも邦訳大変そうな作品だけど面白かった。あと、両方とも今の自分の教養レベルの方が入手した大学時代より楽しめたと思うので、30年以上の積読もしてみるもの(笑)? あとは映画原作ということで『クマ王国』、読むまで天沢退二郎訳と知らなくてちょっとびっくり。映画は原作にいない狂言回し役を設定してメタ構造にしてあって、面白かった。あとはらくがき集出版に合わせた個人的森薫祭り(笑)。

2月の読書メーター
読んだ本の数:23
読んだページ数:2319
ナイス数:54

火守◾️火守感想
★★★☆
『三体』とはうって変わった童話風の作品をミニサイズの絵本っぽい素敵な装丁で。これは…池澤親子の対談本で熱く語られていた児童文学、海洋もの、お仕事小説の要素が全部入りなのではないか。奇想天外な世界観に、そんなバカな、と思いつつも、この世界のありように揺蕩い、じんわりと心に残る。中国語での漢字の名前のあれこれを「日本語で読むなら」という観点で音の響きや意味あいに心配りした翻訳名(原作者の了解も取った)がとてもいい。
読了日:02月01日 著者:劉 慈欣


アパートのひとたち◾️アパートのひとたち感想
★★★☆
ちょっと『ながくつしたのピッピ』を思わせるタッチで描かれる、7階建てのアパートの各階に住む人たちの風変わりな生活。これは最上階に住む女の子が階段を登りながら毎日空想しているのか、それとも…? ページいっぱいに描き込まれた風変わりな生活感あふれる小物が楽しい。そして、ネズミくんを探せ!
読了日:02月01日 著者:エイナット・ツァルファティ


スキーをはいたねこのヘンリー◾️スキーをはいたねこのヘンリー感想
★★★☆
ちょっとリアル寄りの細密な絵で描かれるねこのクロスカントリースキーの小冒険。飼い主の男の子が面白がって作ってくれたねこ用のスキーセット。飼い主一家のクルマに置いていかれたねこ、そのスキーの滑り方を独学で覚えながらクルマを追って山荘から旅に出る…。ねこの動きがいかにもねこらしく、ずっと眺めていたくなるような絵本。
読了日:02月01日 著者:メリー カルホーン


バドティーズ大先生のラブ・コーラス (1980年) (サンリオSF文庫)◾️バドティーズ大先生のラブ・コーラス (1980年) (サンリオSF文庫)感想
★★★★
変態の視点で語られる本人の頭の中では一貫している思考、行動。モラル的には(物理的にも)鼻をつまみたくなるその言動だが、リズミカルな訳文で楽しく読めてしまう。しかも、本人の思考を追っていくと頭がヘンになりそうだが、最終目的のラブ・コーラスは聴くものを魅了する…。今読むと意外なほどスルスル楽しめる理由を考えていて、この本人の思考の中では一貫している変態、昨今は『ジョジョの奇妙な冒険』とか『ゴールデンカムイ』でも描かれて、自分がそう言うものに慣れているからかも、と思った。そうか、キーワードは「人間讃歌」か!?
読了日:02月05日 著者:ウイリアム・コッツウィンクル


どこまで行けばお茶の時間 (1981年) (サンリオSF文庫)◾️どこまで行けばお茶の時間 (1981年) (サンリオSF文庫)感想
★★★★
アントニイ・バージェス唯一の児童文学はアリスへのオマージュで作中にナンセンス詩も盛りだくさん。イギリスの王たちの歴史を習っている授業中に机のコンパスの針で開けた穴を通り抜けてた主人公のエドガー少年、アリスよろしく、次々と不条理な道行をたどっていく…。頭文字Eが言葉遊びの肝なんだけど、こればかりは翻訳では訳しきれないよねえ…。言葉遊び満載の小説を自分で訳すと、この苦労がよくわかる。ともあれ、出版時より、今の教養レベルで読んだ方が楽しめたと思うので、長年の積読にもそれなりの効用が(笑)?
読了日:02月06日 著者:アントニイ・バージェス


世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる◾️世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる感想
★★★★
世界中のご家庭に何日か滞在して台所でいっしょに料理した経験をまとめた一冊。前に読んだキッチハイクと共通点はあるけど、各ご家庭での体験がより濃密。また、JICAまわりの伝手をたどって行き先を探しているのも特徴。キューバからスーダン、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、と世界情勢的にきな臭い国々の日常に入り込んでいく後半にはいろいろ感慨を受ける。紹介される料理を日本の食材で可能な限り再現したレシピの数々もちょっと作ってみたくなる。
読了日:02月12日 著者:岡根谷 実里


暮しの手帖 5世紀15号◾️暮しの手帖 5世紀15号感想
★★★★
「雪の博士 中谷宇吉郎さんの家族アルバム」がよかった。国際氷雪委員会に合わせた欧州旅行で、娘さんが事前にフォルクスワーゲンを買い損ねた、というので即刻自動車屋に行ってカルマンギアを買って旅に出た、というエピソードがちょっとカッコいい。
読了日:02月12日 著者:


詩歌川百景 (2) (フラワーコミックス)◾️詩歌川百景 (2) (フラワーコミックス)感想
★★★★
『海街Diary』からのつながりを意識させられる中盤のあれこれが感慨深い。鎌倉の方では決着のついた物語に、下の世代に連なる新たな葛藤が…。息苦しさと深呼吸、というのは、初期の楽園シリーズにも通じる要素かもしれない。
読了日:02月13日 著者:吉田 秋生


うちゅうひゃっかてん◾️うちゅうひゃっかてん感想
★★★
宇宙のどこかにあるうちゅうひゃっかてん。お客を楽しませるのが信条の社長さん、仏頂面の母子を笑わせようとするのだが…。きもかわいい系の絵本。
読了日:02月13日 著者:黒岩 まゆ


とびねこヘンリー◾️とびねこヘンリー感想
★★★☆
シリーズになっていたのか!? スキーの次は何と熱気球!? お父さんが飛ぼうと用意されていた気球にねこのヘンリーが飛び乗ってみると、うっかりバーナーの火力を上げてしまって気球はヘンリーだけを乗せて舞い上がる…。熱気球の仕組みも学べるお仕事絵本、とも言えるかも??
読了日:02月13日 著者:メリー・カルホーン


クリスマスのねこへンリー (ねこのヘンリーシリーズ)◾️クリスマスのねこへンリー (ねこのヘンリーシリーズ)感想
★★★☆
スキー、熱気球、と、ねこのヘンリーがテクニカルなことをするシリーズ? かと思ったら、今回はクリスマスのイエス・キリスト生誕の劇にまつわるお話。子どもたちが演じる劇だけど、本物の羊やロバを使うなど、妙に本格的。そういえば、このシリーズの想定年代って、20世紀のどこかあたりなのかな? 舞台は都会じゃない感じだけど…
読了日:02月13日 著者:メリー カルホーン


ふねにのったねこのヘンリー◾️ふねにのったねこのヘンリー感想
★★★☆
今度はヨット。例によって勝手にヨットに乗り込んじゃったねこのヘンリー。今回は父子のピンチに大活躍!? シリーズ中もっとも手に汗握る内容。
読了日:02月13日 著者:メリー カルホーン


中野のお父さんの快刀乱麻◾️中野のお父さんの快刀乱麻感想
★★★☆
シリーズ3冊目だが、後半では新型コロナがこの世界にも影を落としているのがなんとも…。一方、日常のささやかな文学の謎はあっちへこっちへ縦横無尽(笑)。それにしても、中野のお父さんが北村薫の本を読んでる、って、おいおいおい…(笑)。落語ネタと菊池寛ネタが多めなのは、ある意味原点回帰っぽいかも?
読了日:02月16日 著者:北村 薫


しりとり◾️しりとり感想
★★★★
不思議なしりとり。あれ? この言葉だと終わっちゃうんじゃ…? え? そういうルール!? 次に何が出てくるかわからないしりとりの行きつく先は…??
読了日:02月17日 著者:谷川 俊太郎,和田 誠


シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 物語)◾️シチリアを征服したクマ王国の物語 (福音館文庫 物語)感想
★★★★
福音館の世界傑作童話シリーズで1987年に出た版を図書館にて。作者自ら描くシンプルな線の挿絵がいい味出している。しかし、訳者のお一人が天沢退二郎先生ではありませんか。なるほど、作中の詩の部分のリズム感に納得。
読了日:02月18日 著者:ディーノ・ブッツァーティ


眼ある花々 (中公文庫 A 67)◾️眼ある花々 (中公文庫 A 67)感想
★★★★☆
百読本として岸本佐知子さんがあげていた一冊。一読して納得。これは何度でも読み返せる、読み返すべき珠玉の一冊。花をテーマにしつつ、語られるエピソードは異国、戦場、歴史、文学、釣り、食道楽まで縦横無尽。一文一文が精緻。余談だが、うちにある文庫は妻が高校時代に買ったものだとか。その当時はまだ店頭に初版であったようだ。どなたかが登録してくれたこの読書メーターの書影写真より状態はよかった。装丁、口絵、組版も含めてひとつの作品の趣き。
読了日:02月23日 著者:開高 健


シャーリー (Beam comix)◾️シャーリー (Beam comix)感想
★★★★
森薫のらくがき集を買ったらメイド愛が溢れていたので(笑)、久しぶりに再読。今さらながら、あの料理、裁縫スキルを13歳で身につけるまでの来歴が気になる。あと、人形をもらってうれしくて服を作っちゃう感覚が、現代ならシルバニアの服を作る、とかに通じる感覚でいいなあ(笑)。
読了日:02月24日 著者:森 薫


202作家の珈琲 (コロナ・ブックス)◾️202作家の珈琲 (コロナ・ブックス)感想
★★★☆
作家の〜とあるけど、純然たる作家は半数以下くらい? 著名人の随筆からの抜粋と、故人の思い出を綴る文章とともに縁ある喫茶店の数々を紹介していくムック。酒やおやつや食卓といったシリーズの中の一冊。機会があれば他も読んでみたい。
読了日:02月25日 著者:


SCRIBBLES 1 (青騎士コミックス)◾️SCRIBBLES 1 (青騎士コミックス)感想
★★★★
らくがき、のはずなのだが、流れるような線、そして情報量! メイドさんの着ているものを画面では見えない下着のリボンまで設定していたり、思いついたシチュエーション、イマジネーションをとにかく自分の手で描いてしまう、そのリビドー。1巻目は『エマ』のアニメやフィギュアの設定とかも含めてメイド成分多し(笑)。
読了日:02月26日 著者:森 薫


シャーリー 2巻 (ビームコミックス)◾️シャーリー 2巻 (ビームコミックス)感想
★★★★
らくがき集でメイドイラストを見た勢いで再読。1巻目は内容ほとんど空で言えるくらい覚えてたけど、2巻目は、コミックビームで読んだ最初の数話を除いて、ほぼ内容を忘れきっていて、新鮮に楽しめたのでちょっと得した気分。家ではダレ切ってるベネットさんがカフェーでは料理もお茶もプロ級だったりするのがいいなあ。10年に一回でいいので細々と続いてほしい。
読了日:02月26日 著者:森薫


ノラネコぐんだん そらをとぶ (コドモエのえほん)◾️ノラネコぐんだん そらをとぶ (コドモエのえほん)感想
★★★
またしても勝手にやらかしちゃうノラネコぐんだん、今度はなんと飛行機を勝手に…。それでも、いきなりでちゃんと操縦できちゃうのがノラネコ軍団品質? とはいえ、落っこちるところまでは想定通りだけど、その先のフリーダムさは想定外だ(笑)。
読了日:02月26日 著者:工藤 ノリコ
SCRIBBLES 2 (青騎士コミックス)◾️SCRIBBLES 2 (青騎士コミックス)感想
★★★★
乙嫁もまたリビドー全開とはいえ、メイド分がなくて大丈夫なのか!? と多少心配していたのだが、杞憂であった(笑)。発表していないだけで、らくがき、中にはペン入れ、ベタ、トーンまで入れてメイド分はいつでも自主的に充足されていた(笑)。2冊通じてだけど、単なる絵的なリビドーだけでなく、絵の基盤となる歴史、背景にまでリビドーが及んでいるので、何から何までが深い。
読了日:02月27日 著者:森 薫


なぜあらそうの?◾️なぜあらそうの?感想
★★★☆
第二次世界大戦のドイツ侵攻で地下室への避難を経験したロシアの絵本作家の描くカエルとネズミのあらそい。はじめはささいな対立がエスカレートしていき、ついには…。
読了日:02月28日 著者:ニコライ ポポフ

読書メーター

2022年1月に読んだ本2022年02月09日 06時09分58秒

 年が変わったものの、相変わらず絵本沼にハマりつつ、昔ハマった辻真先的ラノベを温故知新したり、ミステリの古典に最新作、積読発掘まで乱読状態。多少は長年の積読本を紐解く境地になりつつあるかな?

1月の読書メーター
読んだ本の数:31
読んだページ数:3372
ナイス数:157

白土三平異色作品集 (1)サバンナ (ビッグコミックス)◾️白土三平異色作品集 (1)サバンナ (ビッグコミックス)感想
★☆
もともと『サスケ』『カムイ外伝』以外はそんなに熱心な読者ではなかったので、こういう作品があることも知らなかった。『カムイ伝』第二部の動物のシーンよろしく、セリフというか言語なしで描かれるサバンナの神話、ということだが、ひたすら生々しく、グロテスクで、寓意が読み取れない。異色作品集という名に恥じないとは思うが、なんとも感想が書きにくい。
読了日:01月01日 著者:白土 三平


変身番長サクラ―株式学園の伝説〈1〉 (1977年) (ソノラマ文庫)◾️変身番長サクラ―株式学園の伝説〈1〉 (1977年) (ソノラマ文庫)感想
★★★
中学の頃の愛読書のひとつ。美少女サクラと番長ゴローのむずむずするやりとりとか、今で言えばライトノベル的作品といえるが、まあ、ソノラマ文庫はその源流の一つだしね。この内容で表紙が畑農照雄。今ならいとうのいぢでいいのでは。随分読み返した覚えがあったけど、忘却の彼方で新鮮に楽しめた。唯一覚えていたのはラストバトルの最中に「則天去私」の掛軸が出てくるくだり。そうそう、この言葉、これで覚えたんだった。しかし、記憶していた以上にばたばた人が死ぬ話だったのはちょっとびっくり。
読了日:01月01日 著者:辻 真先


宇宙番長ムサシ―株式学園の伝説 (2) (1977年) (ソノラマ文庫)◾️宇宙番長ムサシ―株式学園の伝説 (2) (1977年) (ソノラマ文庫)感想
★★☆
するする読める。とはいえ、内容は本当にすっからかんに忘れていた(笑)。主人公が行った先の異星人のネーミングがアニメ、マンガのアナグラムだったり、出版元へのサービス?でマンガ少年ネタが盛り込んであったりする楽屋オチは流石に現代には通用しないかな(笑)。それもこれもメタ手法というか、語り手が作者本人でたまに自分でツッコミを入れる(登場人物も作中人物と自覚しているきらいも?)語り口とセットで楽しむシリーズではある。
読了日:01月02日 著者:辻 真先


SF番長ゴロー―株式学園の伝説〈3〉 (1978年) (ソノラマ文庫)◾️SF番長ゴロー―株式学園の伝説〈3〉 (1978年) (ソノラマ文庫)感想
★★★★
引き続き内容忘れきってた。タイムトラベル先は伊賀越えだったか。作者や別シリーズのキャラを語り手的に使うことで荒唐無稽なネタを読者に楽しく読ませる手業は今読んでも職人芸。小ネタ的には、けっこう旧字体が使われてるのは、当時の著者の原稿自体を忠実に活字に拾ってたのかな? 時代設定やキャラの年齢と物語が密接につながってるのでリメイクとかはむつかしいと思うが、随所に盛り込まれた著者の歴史観などに、懐かしさ以上の感慨を覚えた。人をくったラストは今読んでも楽しい。こういうのが辻真先先生面目躍如よね。
読了日:01月03日 著者:辻 真先


ヨルガオ殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)◾️ヨルガオ殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)感想
★★★☆

作中作アティカス・ピュントシリーズ『愚行の代償』はタイトルにふさわしいストーリーにけっこう意外な犯人、最後に探偵が関係者を集めて謎解きをする古典的趣向がそれなりにハマっている。その後を受けて始まる本編の謎解き。一見関係なさそうな作中作との関連がラストギリギリで一気に解明されるのはやっぱり見事。前作同様、起こる出来事やキャラクターの言行がエグく、謎解きの結果がろくなことにならず、後味は良くはないものの、全体の作り込みの凄さ、エグいにも関わらず、謎解きが気になってスルスル読めるのは職人芸。
読了日:01月04日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ


ドライバー マイルズ◾️ドライバー マイルズ感想
★★★☆
飼い主さんのクルマでのお出かけは好きだけど、それ以外のことには興味を示さない困ったちゃんのマイルズのために、近所の発明家のお兄さんがクルマを作ってくれた!? 運転を覚えて、あちこち出かけるうちに…。好きなことに打ちこむことがもたらすあれこれをユーモラスに描く。
読了日:01月05日 著者:ジョン バーニンガム


パイロットマイルズ◾️パイロットマイルズ感想
★★★☆
『ドライバーマイルズ』の続編をバーニンガムの死後、オクセンバリー(ご夫婦だったのね)が完成させた。マイルズは歳をとりさんぽも行かなくなったけど、新しく作ってもらった飛行機に操縦を覚えて、どこまでもどこまでも飛んで行く…。
読了日:01月06日 著者:ビル・サラマン


100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集◾️100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集感想
★★★☆
もう、目次の覚え違いタイトルを読むだけで腹筋が…(笑)。本編も腹筋よじれたけど、ちゃんと図書館の司書の仕事をまじめに紹介する本でもある。『図書館戦争』ともあわせて読むといいかも。
読了日:01月08日 著者:福井県立図書館


西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集◾️西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集感想
★★★★★
主人公のまいが「ホームシック」と呼ぶ、胸が重くなる症状には覚えがある。自分の場合は、子どもの頃、田舎にいる時に「このまま帰りたくない」という感情と、あと、作中でも言及されている死への漠然とした子どもらしい怖れが混じってのことだった。同じような感情は誰にでもあるだろう。発表年代からあり得ないことではあるが、その頃に読みたかったかもしれない作品。この版には本編発表から四半世紀を経て書かれた、「西の魔女」が語る短い後日談も収められている。端正な装丁もいい。
読了日:01月08日 著者:梨木 香歩


バーナード嬢曰く。: 6【イラスト特典付】 (REXコミックス)◾️バーナード嬢曰く。: 6【イラスト特典付】 (REXコミックス)感想
★★★☆
みんな、お互いの性格を把握して、いい感じの関係になってきた。ラストにじんわり。
読了日:01月10日 著者:施川 ユウキ


ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)◾️ミステリと言う勿れ (1) (フラワーコミックスアルファ)感想
★★★☆
ドラマの第一回を観た勢いで再読。セリフは原作に忠実なドラマ化だったことを確認。あと、10巻の話の伏線、こんな最初から出てきてたんだっけか。えらい周到な話である。
読了日:01月12日 著者:田村 由美


クリコ◾️クリコ感想
★★★
クリスマスといえば、ごちそうとケーキ…なんだけど、今回のクリスマスは何かがちがう!? 家族でごちそうを食べている時にした声は…!? そして、クリコというタイトルに秘められた謎とは…!? きもカワイイ不思議な絵本。こんな筋書きは予測不可能だ(笑)。
読了日:01月14日 著者:シゲタ サヤカ


同志少女よ、敵を撃て◾️同志少女よ、敵を撃て感想
★★★★
平和な村で母娘で猟師をしていた少女がドイツ軍の残虐行為からただ一人生き残り、復讐心からスナイパーを目指す。国家間、性別間のギャップと戦時中という特殊条件下での殺人行為に関して、あらゆる側面からニュートラルに、かつ臨場感を持って描く。アガサ・クリスティー賞全員一致の大賞が納得できる、前評判に違わぬ秀作。これがデビュー作とは…。
読了日:01月15日 著者:逢坂 冬馬


パステル都市 (1981年) (サンリオSF文庫)◾️パステル都市 (1981年) (サンリオSF文庫)感想
★★★☆
せっかく出版された『ヴィリコニウム』がいっこうに買いに行けないので、手に取りやすかったこちらを先に。文明の滅んだ世界で、かつての文明の残滓を発掘して細々と維持される王国間の抗争、というSF的背景で、吟遊詩人っぽく隠遁生活を送る騎士を主人公に描かれるヒロイックファンタジーっぽい何か。戦力として発掘されたかつての兵器が暴走したり、それを葬るべく過去の文明の遺跡を訪ねたり、いろいろと原作版『ナウシカ』っぽい要素もあり。ともあれ、『ヴィリコニウム』を読むのが楽しみだ。
読了日:01月17日 著者:M.ジョン・ハリスン


博物館の少女 怪異研究事始め◾️博物館の少女 怪異研究事始め感想
★★★
大阪で古物商の家に生まれ、門前の小僧的に天賦の鑑定眼を開花させていた少女が、両親を相次いで喪ったことから遠縁を頼って上京。偶然から上野の博物館の古蔵を管理するトノサマの助手をつとめることに…。織田家末裔のトノサマや遠縁の絵師の少女とかが実在の人物、というのが興味深い新作ジュブナイル。ミステリ的に進む物語だが、実は…。「事始め」とあるので、続きもあるのかな。
読了日:01月19日 著者:富安陽子


日本の絵本 100年100人100冊◾️日本の絵本 100年100人100冊感想
★★★★
タイトルの通り、絵本評論家?の著者のセレクトによる日本の絵本。日本における絵本の発祥から現代までを網羅しているが、読んだことのあるものは一桁程度で、あらためて絵本の沼の深さを思い知った想いがする。見開きで一冊を紹介していく構成で、絵を眺めるだけでも楽しく、知らない絵本の存在を知ることもできた。
読了日:01月22日 著者:広松 由希子


ノラネコぐんだん パンこうじょう (コドモエのえほん)◾️ノラネコぐんだん パンこうじょう (コドモエのえほん)感想
★★★
パン屋さんをのぞきみしていたノラネコぐんだん。のぞいたパン作りの見よう見まねで、夜中に忍び込んで(おい)勝手にパン作り(おいおい)。もちろん大変なことに……。いろいろな種類のパン、原料、お客さんたちのちまちました描き込みも楽しい。
読了日:01月22日 著者:工藤 ノリコ


しらすどん◾️しらすどん感想
★★★
お母さんにごはんに呼ばれて食べたしらす丼。食べ残されたしらすが男の子に声をかけてきた!? そうして、しらすの生まれてからの出来事がリアルに描かれていく。導入では一見絵本らしいファンタジーかと思わせて、実は…。ともあれ、食べものは残さずきれいに食べましょう。
読了日:01月22日 著者:最勝寺 朋子


おしょうがつのかみさま◾️おしょうがつのかみさま感想
★★★
どうぶつたちの迎えるお正月。ここには毎年かみさまがやってくるけど、何に宿るのかはその年次第。かみさまを迎えて、お正月らしいものを食べたり、お正月らしい遊びをしたり、お正月らしいテレビを見たり…。テレビが液晶タイプなのは現代っぽいけど、おおよそ、昭和のお正月の風物を描いた絵本になっていて、大人には懐かしく、現代の子どもにはちょっと新鮮だったりするのかな?
読了日:01月22日 著者:おくはら ゆめ


ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ (コドモエのえほん)◾️ノラネコぐんだん きしゃぽっぽ (コドモエのえほん)感想
★★★
シリーズ2冊目。基本的な展開は同じ(笑)。山の農場の作物を積みこんだ貨物機関車を見よう見まねで動かしたあげく、またしても…。農産物マーケットの描写が相変わらず細かくて見る、探す楽しみあり。ものづくりやお仕事、リスク管理まで学べるシリーズ(笑)?
読了日:01月23日 著者:工藤ノリコ


パンダ銭湯◾️パンダ銭湯感想
★★★☆
パンダ専用のパンダ銭湯。え? パンダってどうやって銭湯に入るの? え? それって脱ぐの!? 古い銭湯が舞台だけど、スーパー銭湯や温泉旅館にも共通するマナーを楽しく学べる絵本。壁のポスターとか飲み物とかまで芸が細かい。
読了日:01月23日 著者:tupera tupera


増補版 富士山にのぼる◾️増補版 富士山にのぼる感想
★★★
表紙の書影だと絵本に見えなくもないけど、みんな登山家さんの写真で構成された一冊。冬場の富士登山を実況?した写真と、富士山をめぐるさまざまな要素が美しい写真で語られる。科学教育絵本としてなかなか。
読了日:01月23日 著者:石川直樹


うさぎのルーピースー◾️うさぎのルーピースー感想
★★★☆
先日の絵本100人100冊の紹介本で知った、『チリとチリリ』のどいかやさんの作品。まず、冒頭で「え?」と驚く。「ルーピースー」の意味は途中でわかる。命を考える一冊。
読了日:01月23日 著者:どい かや


えほん北緯36度線◾️えほん北緯36度線感想
★★★☆
東京から飛び立った鳥の視線で同じ北緯36度線上にある異なる国の風景をめぐり、ついには大西洋岸を望む。ルート的には、懐かしの「リスボンー東京70000km」を逆ルート、最短ルートで突っ切った感じ? 今の中東情勢では、あの頃のような各国を旅するリアルな企画はできないだろうなあ。あー、あー、あー、びゅーてぃふる、さーんでー…。おー、まーりーやーなー…。
読了日:01月23日 著者:小林 豊


象の旅◾️象の旅感想
★★★★
ポルトガルからオーストリアまで旅した象。記録もほとんどないその旅路を登場人物の語り、作家本人の語りが渾然とする不思議な文体・形式で淡々と語っていく。おもしろうてやがて哀しき物語。
読了日:01月29日 著者:ジョゼ・サラマーゴ


ノラネコぐんだん おすしやさん (コドモエのえほん)◾️ノラネコぐんだん おすしやさん (コドモエのえほん)感想
★★★
今度はおすしやさん、といっても回転寿司。また潜りこんで勝手におすしを作り始めるのかと思ったら、作ったのは…。いや、それ、確信犯で過去2作より悪いんじゃ…(笑)。とはいえ、初めの試みはあんなこと(笑)になり、やり直しをしようとして、またドッカーン(笑)。おすしのネタや魚がちまちま描き込まれているのはいつもながら楽しい。
読了日:01月29日 著者:工藤ノリコ


ノラネコぐんだん ラーメンやさん (コドモエのえほん)★★★
ノラネコぐんだん ラーメンやさん (コドモエのえほん)
感想
こちらは出版順じゃなくて最新刊。今回はラーメン屋さんが屋台営業のために店じまいしたところに(以下同文)。でも、今回は人助けならぬ猿助け? いや、ふるまってるラーメンひとんちのものだけど(笑)。今回は何がドッカーンするのかと思ったら、超絶展開すぎた…。
読了日:01月29日 著者:工藤 ノリコ


タコのターくん うみをでる (だいすき絵童話)◾️タコのターくん うみをでる (だいすき絵童話)感想
★★★
絵柄は長新太、和田誠っぽい雰囲気。ターくんの特技、気持ちよさそうなので、ぜひ体験してみたい。
読了日:01月29日 著者:内田 麟太郎


10ぴきのいたずらねこ◾️10ぴきのいたずらねこ感想
★★★☆
10匹のいたずらねこが、ページをめくるごとに何かあって一匹ずついなくなり、そして誰も…ということはないのでご安心(笑)。どの猫が前の方のページでは何をしていたか、何度も探して楽しめる。
読了日:01月30日 著者:メンシェ・ファン キューレン


シャーロック・ホームズ最後の挨拶◾️シャーロック・ホームズ最後の挨拶感想
★★☆
ここまできた…。版の違うものを読み継いでいるので、短編いくつか取りこぼしあってもまあいいかな、という感じ(「ボール箱」は発表順収録の短編集で読んでた)。今回はアイデアのバリエーションなど、それなりに楽しめた。表題作は……本当にこれで最後にしたかったんだろうなあ(笑)。次の『事件簿』に続く(笑)。
読了日:01月31日 著者:アーサー コナン ドイル


るすばんねこのぼうけん (アメリカ創作絵本シリーズ 26)◾️るすばんねこのぼうけん (アメリカ創作絵本シリーズ 26)感想
★★★☆
飼い主の女の子が出かけるのでおるすばんのねこ。置いてもらったキャットフード以外のお食事を何とかしようとするんだけど…。自然に慣れてないねこには、山も森も危険がいっぱい!?
読了日:01月31日 著者:メリー・カルホーン

読書メーター

2021年12月に読んだ本2022年01月05日 19時22分31秒

 クリスマスっぽい絵本を読みつつ、フォロー中のシリーズものも読みつつ、年末は温故知新の要素も。今年は例年より読書冊数だけは多いのでは? 絵本比率高いけど(笑)。

12月の読書メーター
読んだ本の数:29
読んだページ数:2955
ナイス数:124

播磨国妖綺譚◾️播磨国妖綺譚感想
★★★
播磨国に住む薬師の兄と怪異を見る力をもつ弟が、妖怪や神の想いを汲んで解決策を考える、という構成のオムニバス。全体にポジティブな多幸感に包まれる、これまでの上田早夕里作品からするとちょっと意外にも感じる一冊。シリーズとして続刊するんだろうな。
読了日:12月03日 著者:上田 早夕里


シャーロック・ホームズの帰還◾️シャーロック・ホームズの帰還感想
★★☆
例の全集版に懲りて?こちらは新潮文庫版にて。滝へ消えたはずのホームズが…という話から始まって、今度こそ終わらせようとしたら、ワトスンが事件名だけ書いて発表してないものが読みたいという声に押されて「第二の汚点」を追加した、というあたりが作者の手を離れた人気ぶりを思わせて味わい深い。とはいえ、今巻あたりになるとバディものキャラクター小説的で、探偵小説的にはちょっとアンフェアっぽい? このあたりも作者と読者とのリアルせめぎあいが後世の視点では感じられる。
読了日:12月04日 著者:コナン・ドイル 延原 謙


おばけやしきへようこそ!◾️おばけやしきへようこそ!感想
★★★☆
森の奥にあるおばけやしきは人が来ることもなく、魔女たちやおばけたちはすることがない。そこへ迷子の女の子が…。とぼけた味わいの絵本。それにしても、この女の子、ただものではないのでは…?
読了日:12月04日 著者:キッキ ストリード


ゆきのひ―キーツの絵本 (新訳えほん)◾️ゆきのひ―キーツの絵本 (新訳えほん)感想
★★★☆
1963年の作とのこと。切り絵、貼り絵を駆使して主人公の黒人の男の子、その真っ赤なふく、白い雪の対比や、散りばめられた雪の結晶が見ていて飽きない。
読了日:12月04日 著者:エズラ=ジャック=キーツ


みまわりこびと (講談社の翻訳絵本)◾️みまわりこびと (講談社の翻訳絵本)感想
★★★☆
昔から農家に住みついている小人さんが冬の夜、農家のあちこちを見回りする。日本でいえば座敷童子? お話自体はリンドグレーンが1960年に書いていたものに、リンドグレーン賞を2010年に受賞した絵本作家が絵を描いて2012年に出版されたらしい。確かに、ざっくりしたペンタッチはリンドグレーンが存命ならお好みの画風だったかも。
読了日:12月04日 著者:アストリッド・リンドグレーン,キティ・クローザー


いろいろ こねこ (講談社の翻訳絵本)◾️いろいろ こねこ (講談社の翻訳絵本)感想
★★★
こねこのペンキ屋さんが思いのままにいろいろな色を作り出していく。見ていても楽しいが、三元色からいろいろな色ができることを楽しく学べる。
読了日:12月04日 著者:マーガレット・ワイズ ブラウン


きょうというひ◾️きょうというひ感想
★★★
雪の積もる日、身につけるものを編んで、雪でかまくらを作ってその中にロウソクを灯していく。切り絵の味わいがいい。
読了日:12月08日 著者:荒井 良二
さなぎ (ハヤカワ文庫 SF 325)◾️さなぎ (ハヤカワ文庫 SF 325)感想
★★★★
破滅SF作家の印象が強いジョン・ウィンダムが、破滅して数百年?経った、文明の退行した世界を舞台に描くミュータントテーマ。バッドランドと言われる全面核戦争の傷痕と思われる土地を避け、その影響による外見上の偏倚があらゆる動植物に蔓延する中、正常な形の人間、動植物にこだわった生活を続ける集落で、主人公は身体の偏倚ではなくテレパスを持って生まれてきたのだが…。視覚的、抒情的な描写と容赦のない展開が物語に古びない説得力を与えている。
読了日:12月09日 著者:ジョン・ウィンダム

ミステリと言う勿れ: ミニカレンダー2022付き限定版 (10) ([特装版コミック])★★★☆
ミステリと言う勿れ: ミニカレンダー2022付き限定版 (10) ([特装版コミック])
感想
今回は小児連続殺人事件をめぐるけっこう入り組んだ話が途中からだったので、前巻のエピソード冒頭から通読。一見つながりのない人物どうしが話になって、徐々に明かされる真相。命に関わる事態がリアルタイムで進行する緊張感、犯人の意外性など、読み応えのある巻だった。
読了日:12月11日 著者:田村由美


ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 (竹書房文庫 か 18-1)◾️ロボットには尻尾がない 〈ギャロウェイ・ギャラガー〉シリーズ短篇集 (竹書房文庫 か 18-1)感想
★★★★★
泥酔した時だけ驚異的な発明品を作ってしまうギャロウェイ・ギャラガー。マッド・サイエンティストものかと思いきや、特許や裁判が重要な役割を果たす法廷SFでもあり、哲学や神学も含め、ロジックの飛躍を楽しむシリーズ。と、そんなことはさておき、酔った時のことを覚えていないギャラガーや、他のキャラクターとの噛み合わない会話がまずおかしい。ネタが科学っぽいガジェットにない分、今読んでも十分楽しめる。
読了日:12月12日 著者:ヘンリー・カットナー


ミシュカ◾️ミシュカ感想
★★★☆
持ち主の女の子のわがままぶりに家出したクマのぬいぐるみのミシュカ。森を旅する中で出会ったのは…。ぬいぐるみとしての自分のあり方を自分で決めようとするミシュカに幸あれ。
読了日:12月12日 著者:マリイ コルモン


クリスマスってなあに?◾️クリスマスってなあに?感想
★★★★
もともと挿絵画家でクリスマスカードの仕事もしていたという『思い出のマーニー』作者の描いたクリスマスのすべてを教えてくれる絵本。躍動感のある子どもたちの姿がなんともいい。三色刷りが面白い効果をあげている。
読了日:12月12日 著者:ジョーン・G・ロビンソン


サンタさんからきたてがみ◾️サンタさんからきたてがみ感想
★★★
タイトルがプチネタバレ(笑)? ねずみのゆうびんやさんがうっかり落としちゃって宛名がにじんで読めなくなった手紙は、実は…。ほんわかしたおはなし。
読了日:12月17日 著者:たんのゆきこ


クリスマスのおかいもの (講談社の創作絵本)◾️クリスマスのおかいもの (講談社の創作絵本)感想
★★★
もみのきマンションに暮らすうさぎ、きつね、あひる、りすがクリスマスの準備でお買いものに出かけた先のお店の様子がとにかく楽しい。その昔観光でロマンチック街道を回った時に立ち寄ったローテンブルクの街をちょっと思い出した。
読了日:12月17日 著者:たしろ ちさと


クリスマスをみにいったヤシの木 (児童書)◾️クリスマスをみにいったヤシの木 (児童書)感想
★★★
さばくで老コウノトリからクリスマスの話を聞いたヤシの木が海を渡りクリスマスのある土地を目指す。なんだそれは、という設定だけど、独特の味わい。画風は長新太とかそのあたりを連想させるナンセンス風でお話に合っている。
読了日:12月17日 著者:マチュー シルヴァンデール


こひつじクロ (あたらしい世界の童話)◾️こひつじクロ (あたらしい世界の童話)感想
★★★☆
原著は1985年、邦訳は1993年だが、邦訳された年には著者は故人だったとのこと。ざっくりしたペンタッチのユーモア絵本。まわりじゅうまっしろなひつじばかりの中、たった一匹のくろいひつじ。自分でもみそっかすと思っていたけど…。現在の視点なら、多様性の肯定とも取れるラストまで味わいがある。それにしても、ひつじをほっといて寝ちゃうおじいさんと犬には猛省を促したい(笑)。
読了日:12月18日 著者:エリザベス ショー


わたしのマントはぼうしつき◾️わたしのマントはぼうしつき感想
★★★★
ちょっとリアル寄りのくま、うま、ねこの表情、表情のある目の力がいい。キャンバス地の雰囲気を活かしたタッチも色彩のコントラストもいい。同じフレーズの繰り返しは読み聞かせ向きかな?
読了日:12月18日 著者:東 直子


恐怖の谷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 75‐8))◾️恐怖の谷 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 75‐8))感想
★★☆
ホームズもの最後の長編はハヤカワ文庫版にて。初長編『緋色の研究』と対になるような2部構成だが、面白く読めるのは裏社会ものの趣きの第二部かな。本筋の謎解きのはずの第一部とエピローグがいずれもとってつけたように感じる。ともあれ、ここまで来たら最後まで完走したい所存。
読了日:12月19日 著者:アーサー・コナン・ドイル


裏世界ピクニック7 月の葬送 (ハヤカワ文庫JA)◾️裏世界ピクニック7 月の葬送 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★★
裏世界とのインターフェースが怪談、という設定は前作までにもあったが、それにハッキングを仕掛ける、というアイデアに驚かされた。元ネタの多くががネットロアでありつつ、『ストーカー』の設定を引用した本作だが、今回のアイデアはそれらをSFの方法論で取り扱った到達点と感じた。物語的にも、ここまでのストーリー、登場人物を活かしきったひとつの到達点だろう。冒頭語られる文化人類学のアプローチ方法も研究者視点から見て興味深い。参考文献の著者コメントまで含めて、サブタイトルを象徴する作品になっていると感じられる。
読了日:12月20日 著者:宮澤 伊織


クリスマスのあかり チェコのイブのできごと (世界傑作童話シリーズ)◾️クリスマスのあかり チェコのイブのできごと (世界傑作童話シリーズ)感想
★★★☆
アドベントカレンダーから始まる、チェコのクリスマスのおはなし。チェコではサンタクロースじゃなくてちいさまイエスさまが贈りものを配るのか!?
読了日:12月25日 著者:レンカ・ロジノフスカー


ヨルガオ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)◾️ヨルガオ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)感想
★★★☆
人気ミステリ作家の最後の作品をめぐる入子構造の『カササギ殺人事件』、まさかの続編。前作で酷い目にあって、ギリシアのホテル経営に転身していた編集者のもとに、同作家の過去作が英国のとあるホテルで起こった失踪事件のキーになっているらしい、という探偵依頼が舞い込む。死んでまで迷惑な作家だな(笑)! 出てくる人物全員が何かしらいかがわしいのは前作共通。表紙、扉から、翻訳書らしい原書の書誌情報まで再現した装丁の工夫にはちょっとクスリ(笑)。
読了日:12月25日 著者:アンソニー・ホロヴィッツ


クリスマス◾️クリスマス感想
★★★☆
黒と緑と赤の三色印刷でシンプルな仕上がりのキュートな絵本。まずイエスの誕生から話が始まるのでキリスト教説話絵本?と思わせて、いきなり北欧神話のオーディンとかもともと12月に各地で行なわれていた土着のお祭りの起源から、それらがクリスマスに統合されていった過程を丁寧に説明する。実は硬派な、なかなかためになる絵本。
読了日:12月25日 著者:バーバラ クーニー


しずかな、クリスマスのほん◾️しずかな、クリスマスのほん感想
★★★☆
動物たちが家族連れでクリスマスに集まって大きなツリーに飾りつけをして、子どもたちが劇を演じてパーティを開いて、おうちに戻り、やがて朝をむかえるまでをしずかにしずかに描いた絵本。「〜しずか」「〜しずかさ」という繰り返しのフレーズで進むのもいい。これも読み聞かせ向き?
読了日:12月25日 著者:デボラ アンダーウッド


フランソンのさむい冬の日◾️フランソンのさむい冬の日感想
★★★
ダンボールハウスに暮らす猫のフランソン。クリスマスの近い雪の日の朝にお散歩していて気がつけばセーターがほどけて一本の毛糸に…。その毛糸が引っ張られる方にどんどん行った先には…? 心温まる一冊だが、発端がダンボールハウスというあたりは現代っぽい?
読了日:12月25日 著者:セシリア・ヘイッキラ


クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)◾️クリスマスのちいさなおくりもの (こどものとも絵本)感想
★★★☆
ねこのおばさんが、おうちのクリスマスの準備ができてないことを気にしたねずみたちにほだされてパイ、ケーキからツリーまで、完璧な準備を始める。準備万端の夜、やってきたのは…。
読了日:12月25日 著者:アリソン・アトリー


みならいサンタ◾️みならいサンタ感想
★★★★
クリスマスなので再読。いや、何回読んでもかあいい。
読了日:12月25日 著者:そのだ えり


マーガレットとクリスマスのおくりもの◾️マーガレットとクリスマスのおくりもの感想
★★★★
クリスマス再読。サンタクロースになりたくて、近所の人たちにささやかな贈りものをしていたマーガレットの前に、謎のくるみ割り人形が現れ、トナカイならぬ鳥の背に乗って、贈りものを配る旅が始まる。何度読んでもかあいい。
読了日:12月25日 著者:植田 真


さようなら、ロビンソン・クルーソー (1978年) (集英社文庫)◾️さようなら、ロビンソン・クルーソー (1978年) (集英社文庫)感想
★★★★
アイザック・アシモフズ・SFマガジンの最初の一年間から選りすぐったアンソロジーの一冊目。小松左京とかんべむさしが架空対談形式で各編の紹介をしながら進行するが、その内容がプチネタバレっぽかったり、内輪受けっぽかったりして、このアンソロジーの本来の読者はこういうノリは当時としても求めてなかったのでは、という気もする。表題作は文句なしとして、アシモフ「美食の哀しみ」は化学、味覚、嗅覚ネタで、個人的には今の自分の食品系の研究者の経験踏まえて読んだ方が味わい深い一編。ロードムービー風のディクスン「時の嵐」も好み。
読了日:12月29日 著者:


気球に乗った異端者 (1979年) (集英社文庫)◾️気球に乗った異端者 (1979年) (集英社文庫)感想
★★★★☆
当時は図書館でしかSF読んでない中学生だったのでこのアンソロジーは出版時存在を知らなかった(大学入って買い揃えた)んだけど、スターウォーズ公開後のSFブームとはいえ、1977年に創刊して絶好調のアシモフズSFマガジンの最初の一年間の傑作選が1978、1979年に集英社文庫から出た、というのは事件だったんだろうなあ(2巻目の出る前に同誌特約でSF宝石も創刊されてる)。ベストはポール・アンダースン「ジョエル」、次点は表題作かな。それにしても名義貸し編者の架空対談、今読むとホントなくていいよ…(当時でも?)。
読了日:12月31日 著者:

読書メーター

2021年11月に読んだ本2021年12月01日 19時37分05秒

 絵本は相変わらずながら、小説の方は、なんとなく懐古モードに入りつつある読書傾向?

11月の読書メーター
読んだ本の数:22
読んだページ数:3638
ナイス数:99

きげんのいいリス◾️きげんのいいリス感想
★★★★
前に読んだ『だれも死なない』の増補新訳版。前版ではなんと8編訳されていなかったとは!? それだけでなく、前版では同じ設定(出てくる動物たちは同じ大きさ、同じ動物はいない、だれも死なない、など)の独立した短編を集めた短編集っぽかったが、章番だけ付されて一冊になっていると、断章というより、同じ世界のひとつの物語に感じる。実際、ラストの数編の余韻はオムニバスよりまとまった長編の終盤という印象を受けた。個々のエピソードは読んだ覚えあるものばかりなのに、編集、構成というのは面白い。
読了日:11月03日 著者:トーン テレヘン


こねこのプーフー 10 リサとガスパールにあったよ!◾️こねこのプーフー 10 リサとガスパールにあったよ!感想
★★★
読んでいなかった『こねこのプーフー』シリーズ。なんと同じ著者の『リサとガスパール』とコラボ……といっても、キティちゃんとも共演しているリサとガスパールならなんでもあり? とはいえ、主人公のプーフー、『リサとガスパール』シリーズの愛読者という設定だったりするのかな?
読了日:11月03日 著者:アン ハレンスレーベン,ゲオルグ ハレンスレーベン


たまごのはなし◾️たまごのはなし感想
★★★★
長い間、台所に転がっていたたまごに自意識が芽生えた!? マシュマロを相棒に、台所から家の中へのおさんぽが、今、始まる!? どこかずれたふたり?と家の中のさまざまなものたちとの(時に哲学的な?)やりとりが、そういえば、ひとつ前に読んだ『きげんのいいリス』のリスとアリにもちょっと通じるところがあるかも。
読了日:11月04日 著者:しおたにまみこ


ライブラリー・ツインズ ようこそ、月島大学図書館へ◾️ライブラリー・ツインズ ようこそ、月島大学図書館へ感想
★★★
双子の中学生姉弟、附属中学に内部進学があぶない姉の内申点のため、大学図書館のホームカミングデーのお手伝いボランティアに挑む、というお話。割とベタだし、ふたりともケンカしてもすぐに仲直りするいい子すぎるところはあるけど、製本、印刷をネタにトントンと進むお話が将来を感じさせるあたりはわかっていてもちょっとじんわり。
読了日:11月07日 著者:日野 祐希


絵本のいま 絵本作家2021-22 (イラストレーションファイル)◾️絵本のいま 絵本作家2021-22 (イラストレーションファイル)感想
★★★
普通に絵本ガイドのつもりで読み始めたけど、これは絵本作家(候補)と編集者、バイヤー、出版営業、書店などの絵本を送り出す側の人たち向けのガイドブックだったようだ。知らない絵本作家さんがまだまだこんなに! コロナ禍での業界の試行錯誤の事情も語られ、ある意味、後世には貴重な資料となるのかもしれない。読んでみたい絵本がまたちょっと増えた。
読了日:11月09日 著者:


夢魔のふる夜 (ハヤカワ文庫JA)◾️夢魔のふる夜 (ハヤカワ文庫JA)感想
★★★☆
文庫化前の新鋭書き下ろしSFノヴェルズ版にて。ケプラーを主人公にチコ・ブラーエやガリレオが惑星軌道の謎に挑みつつ、次第に我々の知る歴史から逸脱していく物語が、時空を超えた意識進化へと至る。現代編、未来編のカットバックにやや荒削り感はあるものの、描かれる遺伝子関連のアイデアが現代でも古びていない(一部、実用化されつつあるものも!)のは驚き。エピローグを読んで、その前の数章を読み返すと不思議な余韻が。編集部後書きで非ハードSFと評されているけど、これ、バイオ系の観点ではかなりハード寄りの作品じゃなかろうか。
読了日:11月13日 著者:水見 稜


凍った宇宙 (1973年) (SF少年文庫〈27〉)◾️凍った宇宙 (1973年) (SF少年文庫〈27〉)感想
★★★☆
読んだのは岩崎書店の少年少女宇宙科学冒険全集版(全24巻の19巻)。そちらも表紙、口絵、本文イラストは武部本一郎だが、作中、宇宙ステーション間を遊泳で移動している最中の危機シーンをダイナミックに描いている。物語は海王星方面からの謎の宇宙船が人類の精神を狂わせ、地球と火星植民地間で戦争が起こる中、その原因を求めて一機の高速宇宙船で科学者とパイロットが冒険の旅に出る。原水爆を超えるサレ光線という超兵器が抑止力となる状況下での全面戦争危機という物語背景は原著が書かれた1955年という時代を感じさせる。
読了日:11月14日 著者:武部 本一郎,パトリック・ムーア


白土三平選集 9 忍者旋風 1 (白土三平選集 新装版 9)◾️白土三平選集 9 忍者旋風 1 (白土三平選集 新装版 9)感想
★★☆
読んだのは汐文社ホーム・コミックス版の「現代マンガ作家選集◯白土三平」と題した叢書の全4巻で。赤子の時期にオオワシにさらわれた主人公は風魔の頭領の息子として凄腕の忍者となっていたが、なりゆきで天下を左右するとされる巻物「竜煙の書」をめぐる争奪戦のプレイヤーとなる。時代は本能寺の変を挟み、秀吉、家康、風魔、伊賀、甲賀などの忍者たち、石川五右衛門、柳生家まで巻き込んだ物語だが、カットバックを入れ込む時に作者の言い訳っぽくも読める解説文が長々と入るあたりは作劇手法、マンガ手法の試行錯誤の時期ゆえか。
読了日:11月16日 著者:白土 三平


白土三平選集 10 忍者旋風 2 (白土三平選集 新装版 10)◾️白土三平選集 10 忍者旋風 2 (白土三平選集 新装版 10)感想
★★☆
世の中を変える秘密と忍者、という組み合わせは『カムイ伝』っぽくもあり、柳生家まで出てくるいくつ巴かわからない群像抗争劇は『カムイ外伝』の「忍風」編も思わせる。とはいえ、まだまだ荒削りではある。ホーム・コミックス版で面白い構成なのは、短くて収録しにくい女忍者の短編「目無し」全4回を各巻の巻末に収録しているところ。スガルと呼ばれる女忍者の誕生編的な物語。これも後の「スガルの島」に結実したのかな。
読了日:11月16日 著者:白土 三平


おじいちゃんのたびじたく (世界の絵本コレクション)◾️おじいちゃんのたびじたく (世界の絵本コレクション)感想
★★★
なんというか、タイトルだけでもどういうお話かわかると思うんだけど、こういう絵本はひとつひとつ、細かいところが味なんだよねえ…
読了日:11月18日 著者:ソ・ヨン


バーナバスの だいだっそう◾️バーナバスの だいだっそう感想
★★★
かんぺきなペットを提供するパーフェクトペットのお店の地下深くにある製造工場。そこではかんぺきに仕上がらなかった失敗作の部屋が。はんぶんネズミではんぶんゾウのバーナビーは、ゴキブリのピップの話を聞いて外の世界に憧れ、仲間たちと一緒にだっそうを試みる。ピクサーの3Dアニメにでもありそうな雰囲気の楽しい絵本。
読了日:11月18日 著者:ファン・ブラザーズ


野呂邦暢 古本屋写真集 (ちくま文庫)◾️野呂邦暢 古本屋写真集 (ちくま文庫)感想
★★★☆
諫早市から時折上京するたびに撮影してきたらしい古い古本屋の写真を集めた写真集。盛林堂から出てすぐ完売したという原著に、野呂氏の古本愛あふれるエッセイと編者の対談まで収めた決定版。神保町の写真が味わい深い。偶然ながら、この本を三省堂で買い求めて、神保町のタワーマンションの一室で読むというのも不思議な縁だ。妻が高校時代バイトしていた時期の明倫館は、本書の写真の姿そのままだったという。
読了日:11月22日 著者:野呂 邦暢


新版 いっぱしの女 (ちくま文庫)◾️新版 いっぱしの女 (ちくま文庫)感想
★★★★
集英社文庫コバルトシリーズを少女小説としてジャンル化したと言っていい氷室冴子がバブル期前後に上京して、特に男女の(今でいう)ジェンダー・ギャップの中でつらつらと考えたことを綴ったエッセイ。時にユーモラス、時にやるせなく、時に辛辣。小説作品も久しぶりに再読したくなった。
読了日:11月24日 著者:氷室 冴子


くるみわり人形◾️くるみわり人形感想
★★★
絵本の内容より、抄訳が中井貴惠で、絵本読み聞かせや翻訳をされている、というのが、どこかで読んだかもしれないけど念頭になかったのでちょっと驚く。あと、『くるみわり人形』のストーリーがうろ覚えだったので、なかなか新鮮に楽しめた。
読了日:11月25日 著者:E.T.A. ホフマン


とうみんホテル グッスリドーゾ◾️とうみんホテル グッスリドーゾ感想
★★★
三羽のうさぎが冬の間だけ営むとうみんホテル。人間界で言えばスキー旅館的な業態か? 冬の間ぐっすりどうぞ。ちょっと、昔、スキー場のゲレンデ内のスキー旅館を営んでいた年長の友人のことを思い出した。その友人も旅館も今はなく、スキーもしなくなって久しい…
読了日:11月25日 著者:かめおか あきこ


アイヌのむかしばなし ひまなこなべ◾️アイヌのむかしばなし ひまなこなべ感想
★★★☆
アイヌの昔話をほんわかしたタッチで絵本に。『ゴールデンカムイ』の副読本にもなるかな。
読了日:11月25日 著者:萱野 茂


ぼくといっしょに◾️ぼくといっしょに感想
★★★☆
細密なタッチで描かれる一人の少年のおつかい。お母さんに頼まれたリンゴを無事に買って、友だちとの約束の川遊びに行けるのか!? その道中には危険がいっぱい!? 俯瞰で描かれる細密なご近所の絵にはちまちまと仕掛けがあって、何度でも楽しめる。ちょっと安野光雅の『旅の絵本』を連想させる。
読了日:11月25日 著者:シャルロット・デマトーン


ほんやねこ (講談社の創作絵本)◾️ほんやねこ (講談社の創作絵本)感想
★★★☆
本屋を営むねこが店じまいしてお散歩へ。うっかり窓を閉め忘れたら、絵本の登場人物たちが風に飛ばされて街のあちこちえへ…。そんなバカな(笑)。お散歩しながらみんなを回収していくほんやねこ。昔でいえばヘタウマっぽい、不思議な味わい。
読了日:11月25日 著者:石川 えりこ


こねこのウィンクルとクリスマスツリー (日本傑作絵本シリーズ)◾️こねこのウィンクルとクリスマスツリー (日本傑作絵本シリーズ)感想
★★★☆
お母さんねこと三匹のこねこたち。おうちの人が飾ったクリスマスツリー。おかあさんには触っちゃダメと言われたけど、興味しんしんのウィンクルは夜中にこっそりツリーを登り始める…。その後は、そんなバカな、それでいいのか、的な展開もありつつ、最後は「よかったね」? キャッツアイのようにキレイに描かれる(話が逆?)ねこたちの目に味わいがある。
読了日:11月25日 著者:ルース・エインズワース


わたし、パリにいったの◾️わたし、パリにいったの感想
★★★★
一家でパリにいたことのある、とある家族。当時のアルバムを見ながらおねえちゃんが思い出話をするのが定番。そのうち、おねえちゃんの話を覚えちゃったのか、いもうとがパリでの出来事を話し始めるんだけど…。先日読んだ『リサとガスパールにあったよ」みたいなお話かと思ったら…。そう、このご一家は、確かにみんなでパリにいた…のかもしれない??
読了日:11月26日 著者:たかどのほうこ


カミサマはそういない◾️カミサマはそういない感想
★★★★
基本的に、表題の通り救いのない設定で救いのない物語が一見ランダムに収められた短編集。イヤミス的短編「伊藤が消えた」に始まり、地獄めぐりの「潮風吹いて、ゴンドラ揺れる」。古風な寓話の趣の「朔日晦日」。静かな終末SF「見張り塔」。ネットストーカーに材を取った「ストーカーVS盗撮魔」。プリースト的な不条理な時間を思わせる「饑奇譚」。科学が発達しなかったオーシャンクロニクル的世界の子供たちを描く「新しい音楽、海賊ラジオ」にささやかな救いを描いて〆る構成もいい。個人的にはこれまで読んだ深緑野分でベストかも。
読了日:11月27日 著者:深緑 野分


SFマンガ傑作選 (創元SF文庫)◾️SFマンガ傑作選 (創元SF文庫)感想
★★★★☆
なにもかもみな懐かしい…。日本のSFマンガのマスターピース的な作品を網羅した大ボリュームの一冊。しかし、萩尾望都「あそび玉」に加え、佐々木淳子「リディアの住む時に」まで収録されていると、東京創元社というより東京三世社!? あの頃、東京三世社と奇想天外のA5版のマンガ雑誌が、雑多な普通のマンガ雑誌の中に埋もれていた作品、マンガ家をモデルケースにした活動が後に与えた影響は大きかったと今にして思う。
読了日:11月30日 著者:

読書メーター