2018年3月に読んだ本2018年04月02日 05時26分03秒

 3月も出張続きでばたばたしてて、活字系は少なし。ラインナップ的には小説からマンガまでちょっと(かなり(笑)?)回顧モードかも(笑)。

3月の読書メーター
読んだ本の数:15
読んだページ数:3828
ナイス数:49

時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF)■時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF)感想
☆☆☆★
表題作は『うる星やつら』を彷彿とさせる異星人ハーレムラブコメ。これと「たんぽぽ娘」の変奏曲と言える「わが愛はひとつ」、ヤング版千夜一夜「真鍮の都」あたりはヤングのパブリックイメージを象徴する作品群だが、他の収録作は理想の女性像を突き詰めた果てに現実を直視して終わる「花崗岩の女神」、理想の教育体制のほころびを描く「赤い小さな学校」、移民船の不時着がパイロットに意外な人生を送らせる「約束の惑星」など、ほろ苦いセレクトで、それらの作品がヤングのパブリックイメージを逆照射する。なかなか歯ごたえのあるセレクト。
読了日:03月03日 著者:ロバート・F・ヤング


マリー・アントアネット―革命に散った悲劇の王妃 (学習漫画 世界の伝記)■マリー・アントアネット―革命に散った悲劇の王妃 (学習漫画 世界の伝記)感想
☆☆☆
千明初美の学習マンガを図書館で借りて読むシリーズ。表紙はややそっけなく見えるが、本編では幼少期からマリーのおてんばぶりがかわいい。革命のスケープゴートとしてのマリー・アントワネット、という視点での物語となっている。
読了日:03月03日 著者:堀ノ内 雅一,千明 初美


クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記■クレオパトラ―古代エジプトの最後の女王 学習漫画 世界の伝記感想
☆☆☆
千明初美の学習マンガを図書館で借りて読むシリーズ。幼少期の語学マニアぶりがかわいい。これも『マリー・アントワネット』も史実上は血なまぐさい展開が多いのだが、デフォルメされた絵柄でさらっと読ませてしまうあたりがいい。ここまで読んだ3冊に共通して、子供の頃の生き生きした描写が光る。
読了日:03月04日 著者:柳川 創造,千明 初美


少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代 (立東舎)■少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代 (立東舎)感想
☆☆☆☆
少女マンガにおけるSF、ファンタジー作品の系譜をマンガ家ごと、雑誌ごとの切り口で概説するとともに、萩尾望都「ユニコーンの夢」を再録。一方で少女マンガ家によるファンタジー、SF作品のカバーイラストを多数カラー収録。それらの目玉企画が個々独立してる感じもなくはないが、「ユニコーンの夢」はSFでもファンタジーでもあり、SF作品がマンガ家に、そのマンガ作品が読者であった翻訳家や作家に、相互に影響していた構図を一端を示す試みでもあろう。
読了日:03月04日 著者:萩尾 望都,脇 明子,井辻 朱美,野阿 梓,想田 四,石堂 藍


RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴■RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴感想
☆☆☆
個人的には「セカイ系幻魔大戦ラノベ」と呼んでいる『RDG』シリーズの後日談だが、直接の続編というよりバイキャラクター視点のスピンオフ。最初の3編は深行視点で単行本刊行時、DVD、コミックスなどへののおまけ企画で本当におまけ的な短編だが、表題作の「氷の靴 ガラスの靴」は宗田家をめぐる本編並みの後日談。こういう事件が起こりうる、ということだと、今後、本編としての続編もあり得るのかな。それにしても、やっぱりこのシリーズの肝は酒井駒子さんの表紙ですね。
読了日:03月10日 著者:荻原 規子


吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 上■吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 上感想
☆☆☆☆★
ついに『スプラップ学園』! 改めて読んでみて、このころの吾妻ひでおはやっぱり神がかってると思った。上巻はかの『ミャアちゃん官能写真集』並録。高校の頃、入手した同級生にコピーさせてもらったんだけど、そういえば、彼なんかはコミケ現地に行って買ってきたんだろうなあ。えらいことだ。
読了日:03月10日 著者:吾妻 ひでお


ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家   学習漫画 世界の伝記■ショパン―「ピアノの詩人」とよばれた天才作曲家 学習漫画 世界の伝記感想
☆☆☆
集英社版学習漫画の千明初美作品中、唯一の男性主人公の作品。悲恋が多い生涯は少女マンガとの親和性が高買ったかもしれない。千明初美でピアノといえば、「バイエルの調べ」を思い出し、その点でも懐かしい。
読了日:03月11日 著者:柳川 創造


お風呂の愉しみ■お風呂の愉しみ感想
☆☆☆
自家製石けんを作るときだけ本棚から取り出す本書、改めて再読。自分の場合は、このレシピの石けんにして宿痾と思っていた背中の発疹が快癒したので、体質に合っていたのだろう。万人にすすめるつもりはないが、個人的には役に立った本。
読了日:03月12日 著者:前田 京子


マリー・ローランサン―「パリの美神」とよばれた画家 (学習漫画 世界の伝記)■マリー・ローランサン―「パリの美神」とよばれた画家 (学習漫画 世界の伝記)感想
☆☆☆★
千明初美版伝記マンガ、全作読了。こちらも、ヒロインのマリーが幼年から後年までかわいらしい雰囲気で描かれている。5作の中では、『紫式部』とこの『マリー・ローランサン』が特によかった。しかし、マリー・ローランサンが『枕草子』を読んでいた、という脚注にびっくり。紫式部の時代との架け橋が!
読了日:03月14日 著者:千明 初美,川崎 堅二


吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 下■吾妻ひでおベストワークス3 スクラップ学園 下感想
☆☆☆☆
上巻収録作と比べ、絵のタッチ、ギャグの芸風が変化していくのが、当時は物足りなく感じた記憶があるが、今読むとなんとも楽しい。終わり方も「らしい」感じ。産直あじまマガジン版も、アイデア的にはむしろSF度が高い。ミャア官まで含め満足。
読了日:03月20日 著者:吾妻 ひでお


冒険ルビ (手塚治虫漫画全集)■冒険ルビ (手塚治虫漫画全集)感想
☆☆
幼稚園児の頃に読んでいたと思われる『冒険ルビ』を確認してみようと古本で購入。ちょっと覚えてるのと違うっぽい。これは小学2〜3年生版だが、けっこう設定、物語の違う小学1〜2年生版は同じ全集の『ふしぎなメルモ』に収録されてるようだ。今度はそっちも読んでみよう。同時収録の学習雑誌版『ジャングル大帝』がけっこう面白かったのは拾いもの。
読了日:03月25日 著者:手塚 治虫


秘密の花園■秘密の花園感想
☆☆☆
イラストがいいタイミングで、時にカラーで入るのがいい感じ。ある意味、『アルプスの少女』の変奏曲。
読了日:03月25日 著者:バーネット


ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ)■ゴッド・ガン (ハヤカワ文庫 SF ヘ)感想
☆☆☆☆
アイデアの奔流。「フェッセンデンのハーモニー」?とでもいうべき表題作から短編ながらワイド・スクリーン・バロックのスケール感を感じさせる「邪悪の種子」まで、奇想の博覧会。久しぶりに破天荒なアイデアを堪能。
読了日:03月28日 著者:バリントン・J・ベイリー

デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト)  3 (復刻名作漫画シリーズ)■デビルマン-THE FIRST-(ザ ファースト) 3 (復刻名作漫画シリーズ)感想
☆☆☆☆☆
何も足さない、何も引かない『デビルマン』完結編。雑誌ではまったく読んだことがなかったので、再現されたカラーの雰囲気は初体験。かつ、初心にかえって感動を追体験できた。
読了日:03月28日 著者:永井豪とダイナミックプロ


ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集)■ふしぎなメルモ (手塚治虫漫画全集)感想
☆☆☆☆
『冒険ルビ』の記憶が気になったので、ちょうど読んでいた方の版が併録されている『ふしぎなメルモ』も読んでみた。そうだこれだ。手がうじゃうじゃ出てくるふしぎな星のエピソード。もう一つの版よりキャラ、背景のタッチもていねいに感じる。そして、今読んでも楽しい面白い(表題作のメルモももちろん)。でも手塚先生のあとがきで「幼年誌に3つ描いたうち一番つまらないのしか原稿が残ってなくてそれを収録した」とのコメント(!)。えー、〜こっちの方が個々のエピソード楽しいと思うんだけど、最後のオチのせいかなあ。
読了日:03月31日 著者:手塚 治虫

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