2017年3月に読んだ本2017年04月05日 07時53分50秒

 引き続き、『この世界の片隅に』漬けの状態にあり(3月は『この世界の片隅に』3回、『マイマイ新子と千年の魔法』1回鑑賞)、読書量は少なめ。

■成田美名子『花よりも花の如く』 16巻 白泉社 花とゆめCOMICS
読了(2017-03-11) ☆☆☆☆

 今回は主人公のお弟子さんの実家の、認知症の疑いのあるお年寄りのゴミ屋敷をめぐる物語。現実に問題となっている課題を主人公にあてて、やや理想論的な展開をさせるストーリテリングはいつも通りで、このあたりを教条的に感じる方には成田美名子は合わないだろうと思う。自分は、これらの物語は成田美名子の「祈り」のようなニュアンスを感じる。こういった主題にまっこうから取り組む姿勢こそが成田美名子だと思う。

■桑田乃梨子『明日も未解決』白泉社
読了(2017-03-17) ☆☆☆★

 オカルトコメディの第一人者の最新作、とのふれこみを裏切らない一冊。確かに『おそろしくて言えない』『一陽来福』から最近の『楽園コスモス』あたりまで、桑田乃梨子の作品で代表作と言えるオカルトコメディは多い。
 百合雑誌「ひらり、」連載の『楽園コスモス』は主人公の性格の悪さが『恐ろしくて言えない』を想起させる雰囲気だったが、今作は男性キャラ3人のかけあいの楽しさが、(オカルトものではないが)『ほとんど以上 絶対未満』を連想させる。個人的には『ほとんど以上 絶対未満』が桑田乃梨子最高傑作と思っているので、本作もとても楽しめた。

■「ビール王国」 Vol.13(2017年 2月号) ワイン王国(ワイン王国 別冊)
読了(2017-03-22) ☆☆☆

 今回の特集「ビールを学ぶ」は、ビールの原料から仕込、発酵までわかりやすく説明していてなかなかよい。現在、ビール醸造を体系的に学べる教科書的な和書はあまりないので、入門編としては、まずはこのあたりから始めてみるとよいかもしれない。
 なお、最近いわゆるホームブリュワー向けの教科書的な本も出始めていて、なかには専門的にみても的確でよい本も出始めているので、この特集で興味を持たれた方はそういった本に読み進めるとよいかもしれない。

■呉明益『歩道橋の魔術師』 白水社 エクス・リブリス
読了(2017-03-27) ☆☆☆☆★

 台湾にかつて存在した商場をつなぐ歩道橋で客にマジックを見せてマジック道具を売っていた魔術師をキーとして、当時の子供たちの記憶に刻み付けられたちょっと不思議な記憶をめぐる連作短編集。
 酒場で語られる訳ではないが、フォーマットとしてはいわゆる「酒場もの」の一形態かと思われるが、それぞれの「記憶」が切なく、痛ましく、時にいとおしくなる秀作。
 あと、これを読んでいて、ちょっと、後輩が昔書いていた酒場ものの連作を思い出した。
→「青猫亭奇談」
http://www.asahi-net.or.jp/~ug5k-tki/novel/novel.html#bluecat

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