2014年3月に読んだ本2014年12月05日 06時17分19秒

 引き続き読書量少なめ。

■冲方丁『はなとゆめ』 角川書店
 清少納言がなぜ枕草子を書いたのか、についてのビジョンを提示する作品。貴族社会の教養は「今、○○がうまいこと言った!」の応酬で成り立っていた、ということで、現代であればtwitter上で大喜利を応酬するのと同じような感覚だろうな、と思うとちょっと楽しい。漢籍の教養は今で言えば小説、映画、マンガの原典をどれだけ読んでいるか、和歌集は一種の名セリフ集のようなものだったのかな、と、思った。

■菊池誠・小峰公子・おかざき真里『いちから聞きたい放射線のほんとう』 筑摩書房
 むつかしい話にならない、放射線に関する解説本。
 この本に込められた「想い」「願い」「祈り」がなるべく多くの人たちに届きますように。

■石川雅之『もやしもん』13巻 講談社モーニングKC
 最終巻。予想以上に主人公とその「菌が目に見える」能力が大活躍していてびっくり。日本酒と醸造アルコールの関係についても中立的なディベートが展開されていて好感。
 個人的にはまるごと1冊ビールの話の8巻がベストで、9〜12巻はいささか迷走気味とも思われたのだが、まずは大団円。おそらく、全国の小中高校生に農学部志望者を増加させた功績は大きいと思う。